鶴直人投手(24)が広島との練習試合で 3回 1失点の好投。広島の主砲・栗原健太内野手(30)を磨きをかけている直球で打ち取るなど、急成長の証しをマウンドで披露。藤川球児投手(31)が期待をかける 7年目の男が、先発ローテ争いに名乗りをあげた。
藤川球児投手が13日、今年初めて打撃投手を務め、火の玉ストレートだけに頼らない姿勢を示したが、言葉通りに「勝つための変化球攻め」を見せつけた。記事をまとめてみました。
鶴直人投手が14日、沖縄市野球場で行われた広島との練習試合に先発し、 3回 1失点にまとめた。
1つのアウトが、先発ローテへの険しい道を切り開く、大きな大きな自信を生んだ。
鶴vs栗原。若虎vs鯉の主砲。あちらは調整段階。こちらは超真剣。立場は違う。だが、勝負には違いない。生き残りをかけてシーズン以上の真剣さで、挑んだ猛虎の背番号46が、鯉の大砲をねじ伏せた。
「この時期に、広島の主力の方と対戦できたことは僕にとってプラスですね。いい緊張感で投げられました」
“攻め”の投球で 3回 1失点、先発ローテ入りをアピールした鶴直人投手
対戦は 2度。真骨頂は 3回の 2打席目だ。真っすぐ勝負!
そう誓って投げ込んだ初球は 143キロ。この日投じた MAXだった。 2球目も真っ向ストレート。気迫に押された栗原のバットから生じた打球は力ない一ゴロに。大和のエラーで招いた 1回一死 1、 2塁。スライダーで 3飛に仕留めた 1打席目と合わせて、 2打数ノーヒットに封じ込めた。
2回には一死 1、 2塁で白浜に変化球をとらえられ、右前適時打を許したが、 3回に立ち直った。速球主体の攻めに切り替え、梵、栗原、松山の主力を 3者凡退。
「立ち上がりは制球を意識しすぎてしまいました。でも、 3回は速球で押せたので…」
栗原を真っ向勝負で打ち取った鶴直人投手
何より、磨きをかける直球で手応えをつかめた意味は大きい。自主トレ中からアドバイスを受けた守護神・藤川球児の“火の玉”に憧れ、常にイメージする。より確かなものにするため、登板前日の13日は、フリー打撃登板する球児の剛球を目に焼き付けた。「(今投げている直球は)自分がこだわる真っすぐの40~50%ぐらいですね」。
自己分析は厳しかったが、和田監督は、一定の評価を与えた。「守備の方で足を引っ張られたところあったが、球にキレがあって強い球になっている」。 2回に平凡な飛球を右翼の中谷が前進しきれず安打にしてしまったのだが、最少 1失点にしのぐ粘りを見せた。
栗原を打ちとったあと笑顔を見せる鶴直人投手
「思い切りの面で前半は悔いが残る。 3回の投球は腕も振れてきたし、真っすぐで抑えられた」と振り返った。藪投手コーチも「( 3回は)ボールに強さが出てきた。次が楽しみだね」と評価した。
虎の先発ローテは、能見、岩田、メッセンジャーが三本柱。スタンリッジのあとの 5、 6番手を小嶋、秋山らと争う。藪投手コーチは「十分に先発投手の枠を狙える」と急成長の若虎の姿にニヤリ。
先発ローテ争いの激化は、そのまま和田阪神の底力に直結する。
有言実行の変化球攻めだ。藤川球児投手が13日、今年初めて打撃投手を務め、変化球主体に全42球を投げ、鳥谷、新井ら主力打者を安打性 3本に抑えた。左打者にシュートも試投。昨年12月には統一球対策としてスライダーが有効だと力説し、火の玉ストレートだけに頼らない姿勢を示したが、言葉通りに「勝つための変化球攻め」を見せつけた。
トレードマークの「火の玉ストレート」にこだわらない投げっぷりだった。藤川が白球の軌道を自在に操り、何度も変化球を投げ込んだ。アニヤン・新井への 4球目。スライダーで打ち取った打球を機敏な動きで捕球。にやりと笑った。
通常、主力がシーズンで初めて打撃投手を務める際は直球主体になることが多い。しかし、藤川球児は今季、優勝するための鉄則を貫いた。統一球導入 1年目を終えた昨年12月には「スライダーを投げていれば、飛ばない。投げておけば、簡単に抑えられるという判断。それでは野球じゃないけど…」と話している。その通り、この日は全42球のうち、16球が変化球。スライダー、カーブ、フォークもちりばめ、バットの芯を外した。主力をわずか安打性の打球 3本に抑えた。
打撃投手を務めシュートを投げる藤川球児投手
目立ったのはスライダーだけではない。平野にはシュートを立て続けに投げて幻惑。巧打者を「真っすぐが垂れた(遅い)ような球があって、それがシュートかなあ」と言わしめた。打っている打者すら球種を特定できず、手玉に取った。後方から見守った藪投手コーチも「いろんな球種を投げていた。後ろから見ていて楽しかった。(打者の)右も左も関係ない。シュートを使えればいいんじゃないか。シュートを投げなくても抑えられるけど、幅は広がる」と話す。公式戦で用いないシュートが武器になれば、投球のバリエーションは限りなく広がる。
この日は「フォークの神様」と称された元中日の杉下茂氏が訪問。登板後にアドバイスも受けた。
藤川(調整は)いつも通りです。(杉下氏とは)毎年、この時期にお会いしている。キャンプの楽しみになっている。いい言葉ももらったし、ためになりました。課題に取り組んでいますから。
球筋を曲げても、ポリシーは曲げない。リリーフエースにとって、開幕への道のりは真っすぐ伸びている。
志願でシート打撃に登板した能見篤史投手
能見篤史投手(32)が、シート打撃に志願の登板。新井、関本ら主力組にもお構いなしで内角を攻める強気の投球を披露した。ブルペンから一貫して取り組んでいるインコース攻め。これも順調な仕上がりをみせている証だ。
クロス気味に内角をえぐる直球に、思わず主力打者はのけぞった。しなった左腕から投じられたボールは、右打者のインコースにズバズバと決まった。能見が、宜野座の残留組の新井貴浩内野手(35)ら打者 9人を相手に31球を投げ、内角に 8球。安打性の当たりはたったの 1本だ。
「当初は投げる予定はなかったんですけど、ブルペンで投げるよりは打者相手に投げた方が自分のためになると思って、志願しました。自分のボールをね、主力選手が(宜野座に)残っているんで、どうかなと。思い描いているのでは順調です」
気温26度。真夏のような日差しだった。汗をぬぐいながら、左腕は納得の表情。当初は秋山、D 4位・伊藤和(東京国際大)のみが登板予定だったが、前日13日にエースは直訴。本来ならフリー打撃で“感触”をつかんでから実戦形式のシート打撃へ、という流れ。仕上がりの早い左腕エースには、“慣らし運転”は必要なかった。
右打者の胸元をえぐる直球も。早くも本番モードの能見篤史投手
まず打席に入った藤井彰への初球。内角低めへ力強い真っすぐを投げ込んだ。続けて 2球、 3球目も同じコース。やや甘めに入った 3球目を左翼へ弾き返されたが、安打性はこの 1本のみ。 9打者と対戦したうち、右打者すべてに内角低めへの直球を試した。内角をえぐるボールに、関本が、のけぞる場面も。味方相手にも容赦ない投球。左腕は「あんまり(内角)いけんかったな」と当然といわんばかりだ。
「ボールのキレをどんどん上げていきたい。 1球で決めたいときに決めれるようにしたい」
もちろん、インコースを攻めるために、制球力も不可欠だ。 3月30日のDeNA戦との開幕戦(京セラドーム)、虎のエースが、ラミレスの胸元を攻めるシーンが浮かんでくる。
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