マートンのサヨナラ打で死闘制す！藤浪、自己最多13Ｋ＆ 156キロ！金田わずか 6球でプロ初勝利

　17日甲子園で阪神－北海道日本ハム 3回戦が行われ、延長12回裏二死 1、 2塁でマット・マートン外野手(32)が中越えサヨナラ打。阪神がサヨナラで 4時間46分の激戦を制した。
　17日に23歳の誕生日を迎えた阪神ドラフト 4位梅野隆太郎捕手が、 1－ 1の同点で迎えた 8回の先頭で打席に立ちバースデー打で 8回の突破口を開いた。
　野球は二死から－。 9回に北海道日本ハムに見せられたことを、虎がそのままやり返した。ドラマを演出したのは 2人だ。延長12回。鳥谷敬内野手(32)が四球を選ぶと、続く新井良太内野手(30)が左前へ。
　藤浪晋太郎投手(20)が 8回 4安打 1失点の好投だ。勝敗こそつかなかったが、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。
　金田和之投手(23)がプロ初勝利を手にした。延長12回二死無走者から任され、大引を 6球で三ゴロに仕留めた。記事をまとめてみました。



　＜阪神 4－ 3北海道日本ハム＞◇17日◇甲子園◇ 3回戦
　阪神の先発は藤浪。北海道日本ハムは今季 7勝目を目指す上沢。阪神は 2回無死満塁、新井貴の遊併殺打の間に 1点を先制した。
　北海道日本ハムは 5回一死 2塁、西川の中堅フェンス直撃の 3塁打で同点。阪神はその裏に一死 2塁の好機も、 2者連続三振で無得点。
　阪神は 8回一死 3塁から代打坂が左翼へ犠飛を打ち勝ち越すも、 9回に呉昇桓が 2点を奪われて逃げ切り失敗。しかし 9回に 1点を入れて延長に突入した。
　延長12回裏二死 1、 2塁でマートンが中越えサヨナラ打。阪神が死闘を制した。


　 8回裏阪神無死、左中間 2塁打を放った梅野隆太郎捕手

　17日に23歳の誕生日を迎えた阪神ドラフト 4位梅野隆太郎捕手が、バースデー打で 8回の突破口を開いた。
　 1－ 1の同点で迎えた 8回の先頭で打席に立った。｢初球から振っていこうと思ったらファウルになった。そうしたら 2球目に甘い球が来たので｣と、左中間を抜ける 2塁打で出塁。坂の一時勝ち越し犠飛につながった。代走を送られベンチに帰ってくると、バッテリーを組んだ藤浪とハイタッチ。表情を緩ませた。
　 3回、観客席からの誕生日ソングの大合唱に包まれて打席に入った。｢聞こえていました。すごくうれしかったです。チームが勝ててよかった｣と笑顔で振り返った。


　12回二死 1塁から左前打を放ち、マット・マートン外野手のサヨナラ打につなげた新井良太内野手

　野球は二死から－。 9回に北海道日本ハムに見せられたことを、虎がそのままやり返した。ドラマを演出したのは 2人だ。延長12回。鳥谷が四球を選ぶと、続く新井良太が左前へ。｢よっしゃあ｣。打球が跳ねるのを確認した元気印の雄たけびで、舞台は整った。
　｢勝負をかけていこうと思いました｣
　二死 1塁からつないだ新井良が振り返った。積極果敢な初球攻撃。カーターの内角 152キロに少し詰まりながら、気持ちのこもった打球は外野の前に弾んだ。前の打席は10回一死 1、 2塁で代打。サヨナラの好機で空振り三振に倒れていたが、気持ちは前を向いていた。
　塁上からベンチを指さす背番号｢３２｣の笑顔で空気は完全に変わった。交流戦は出番が減っていたが、山田バッテリーコーチから｢最近元気がないんじゃないか。元気出してやろう｣と励まされて原点に返った。12日のロッテ戦(ＱＶＣ)で代打で決勝打を放って、喜びを大爆発。これでなければ良太じゃない。同時に、勝負強さもよみがえってきた。


　 12回二死走者なしから鳥谷敬内野手が四球を選んで、サヨナラ打につなげた

　和田監督は｢二死からよく鳥谷が選んで、良太が詰まってましたけど、気持ちで。鳥谷が歩いた時点で風が吹いてきた感じがあった｣と好機を作った２人の立役者を忘れなかった。それまで 4打数無安打、 2三振と精彩を欠いていた背番号｢１｣の粘りも大きい。
　｢ 9回二死からやられた(逆転された)ので、取りかえしました｣と、指揮官。主将の冷静な選球眼と、ムードメーカーの勢いを呼ぶ一打が、劇的な幕切れを呼んだ。土壇場で文字通り、打線が｢線｣になった。


　マット・マートン外野手(右)は和田監督に迎えられた

　マット・マートン外野手が、サヨナラ 2塁打を放って死闘に決着をつけた。セ・リーグ単独 2位に浮上した。 1点リードの 9回二死無走者から、呉昇桓の乱調で逆転されるも、12回二死走者なしからサヨナラ勝ち。交流戦初の連勝で貯金は｢３｣。18日は 160キロ右腕大谷も撃破や！！
　延長12回裏二死走者なしから、 3番鳥谷が四球、続く新井良が左前打で 1、 2塁。北海道日本ハム・カーターから、マートンが中越え 2塁打を放ち、鳥谷が生還。阪神がサヨナラで 4時間46分の激戦を制した。土壇場だった。あとアウトひとつ。負けに等しい引き分け…そんな、あきらめムードを振り払った。決めたのはマートンだ。サヨナラ 2塁打でいつしか降っていた雨を歓喜のシャワーに変えた。


　カーターから中越えにサヨナラ打を放ったマット・マートン外野手

　 4間46分の激闘。お立ち台ではちょっぴり本音がこぼれたが、勝利がすべてを帳消しにしてくれた。劇打が生まれたのは 3－ 3で迎えた延長12回。二死から、鳥谷が四球で歩き、新井良太が左前打でつないだ 1、 2塁のチャンス。燃えないはずがなかった。
　お立ち台のマートンは｢疲れていたけど、勝って家に帰りたかったのでよかった。オオキニ。阪神タイガースファンが一番です｣と、笑顔でファンに手を振っていた。
　｢ああいう場面は好きなんで、なんとか楽しんで…とね｣
　剛腕セットアッパー・カーターの初球。浮いたスライダーに反応した。｢抜ける｣と手応え十分の打球は中堅・村田の頭上を越えて、フェンスに到達。死闘にケリをつけた。鳴り物がやんでいた聖地が揺れた。左手でガッツポーズを繰り出した助っ人にナインがかけより、あっという間にもみくちゃになった。


　延長12回、サヨナラ打を放ったマット・マートン外野手をナインがウオーターシャワーで祝福

　一時は 1点リードの 9回二死無走者から守護神・呉昇桓が逆転され、不穏な空気が漂った。その裏になんとか同点に追いつき、延長戦に突入。10回二死 1、 2塁の“ 1度目”のサヨナラ機では敬遠されていた。サヨナラの走者を 3塁に進める異例の北海道日本ハム采配にフラストレーションが溜まっていたが、最終回、二死無走者から攻めて、劇的決着だ。
　マートンは阪神ファンをこよなく愛す。今年の春季キャンプ中だった。東京在住の友人が虎党ということを疑問に思い、尋ねるとうれしい返答があった。
　｢阪神ファンはどれだけ負けても、どんな状況でも最後まで応援している。その姿勢を見て阪神ファンになろうと思ったんだ｣
　心が熱くなった。同時にその熱烈なファンの前でプレーできる自身を誇りに感じた。｢神宮にいっても、横浜にいっても、多くのファンが応援してくれる。僕らはファンがいなければ、プロ野球選手として、プレーできない｣。幾多の思いを込め、この日、最後まで声を枯らした“十人目の戦士”に白星を届けた。
　交流戦初の連勝で残り 3戦全勝なら、12勝12敗のタイに戻せる。和田監督は｢残り 3試合。交流戦借金 3つあるので、全部勝つぐらいの気持ちで明日からやっていきます｣と力を込めた。Ｍ砲ものぞむところだ。
　｢明日からも頑張りましょう！！｣
　18日は大谷を打つ。打棒は上昇ムードだ。猛虎には頼りになるマートンがいる。


　マット・マートン外野手(手前)のサヨナラ 2塁打にベンチを飛び出した藤浪晋太郎投手

　藤浪晋太郎投手が 8回 4安打 1失点の好投だ。勝敗こそつかなかったが、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。
　自己最速タイの 156キロを記録した直球を中心に、カットボール、スプリットも威力を発揮した。自己最多の13奪三振。自己最多の 136球の熱投だった。｢チームが勝ったので何より。勝ちにつながる投球ができたのでよかったと思います｣と笑顔だった。


　12回表に打者 1人を抑え、プロ初勝利を挙げた金田和之投手

　金田和之投手がプロ初勝利を手にした。延長12回二死無走者から任され、大引を 6球で三ゴロに仕留めた。
　その裏にマートンのサヨナラ打で制し、 2年目右腕が勝ち投手になった。｢まだもらってませんけど、両親に上げたいです｣とウイニングボールを心待ちにした。

　全員で力を合わせればできないことは無い！
　ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！


　2014年 交流戦勝敗表


　日程と結果 6月



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