藤浪13奪三振でプロ初完投 7勝目！鳥谷ナゴヤドームで 5年ぶり本塁打！新井兄弟が連続タイムリー

　15日ナゴヤドームで中日－阪神14回戦が行われ、援護にも恵まれた藤浪は、13奪三振でプロ初完投の 7勝目。中日は投打ともに振るわなかった。
　藤浪晋太郎投手の母・明美さん(50)は大阪・堺市内の自宅でテレビ観戦。｢ホッとしました。最後まで、試合が終わるまでがんばってほしいと思いながら見ていました。完投は本人もしたかったでしょうし｣と声を弾ませた。
　鳥谷敬内野手(33)が、いきなり先制 6号 3ラン！10年連続 100安打決めた鳥谷が、ナゴヤドームで 5年ぶりの本塁打を放った。
　竜の弱みにつけ込んだ。上本博紀内野手(28)の両足はアンツーカーから完全にはみ出していた。初球から確信のスタート。和田野球の象徴が鳥谷の 3ランを演出した。
　新井貴浩内野手(37)と新井良太内野手(30)の兄弟が、連続適時打を放った。 6月14日の西武戦(西武Ｄ)以来となるスタメン出場を果たし、結果を出した。
　若きエースが誕生！！藤浪晋太郎投手(20)は、中日打線を相手に 143球を投げ抜き、あと 1球コールに身震いしながら、 9回 5安打 1失点13奪三振(自責 0)で 7勝目( 4敗)。プロ入り 2年目で初の完投勝利を挙げた。チームトップタイの 7勝目。胸を張って 2年連続の球宴に出場する。記事をまとめてみました。



　＜中日 1－ 8阪神＞◇15日◇ナゴヤドーム◇14回戦
　阪神は初回、中日先発雄太を攻め、鳥谷の 6号 3ランで 3点を先制。先発藤浪は走者を背負ったが、序盤無失点の立ち上がり。
　阪神は 6回２死無走者から、新井貴と新井良の連続タイムリーで 2点を追加。藤浪は無失点投球を続け、 5点リードで終盤に入った。
　阪神は 7回にも 3点を追加。援護にも恵まれた藤浪は、13奪三振でプロ初完投の 7勝目。中日は投打ともに振るわなかった。


　 4回裏中日一死、森野を三振に仕留め笑顔を見せる藤浪晋太郎投手

　藤浪晋太郎投手が中日打線を相手に 143球を投げ抜き、プロ初の完投勝利を挙げた。藤浪のプロ初完投勝利を、母・明美さんは大阪・堺市内の自宅でテレビ観戦。
　｢ホッとしました。最後まで、試合が終わるまでがんばってほしいと思いながら見ていました。落ち着いているように見えましたね。いままでできるチャンスもあったので、完投は本人もしたかったでしょうし｣と声を弾ませた。残念ながらプロ初完封は逃したが｢次は完封目指してがんばってもらいたいですね｣と、さらなる活躍を願っていた。


　１回表阪神無死一、二塁、鳥谷敬内野手は右越え３ラン本塁打を放った

　鳥谷敬内野手が、いきなり先制 6号 3ラン！10年連続 100安打決めた！鳥谷が、ナゴヤドームで 5年ぶりの本塁打を放った。
　初回無死 1、 2塁から、中日先発雄太の 140キロ直球を右中間スタンドへ運んだ。第 6号の 3ランで幸先よく先制した。｢チャンスだったので、どんどん振っていこうと思いました。つないでいこうと打席に入りましたが、たまたまホームランになってくれました。先制できて良かったです｣と喜んだ。
　メモリアルな一打は 1回無死 1、 2塁で生まれた。先発・雄太の 5球目。内より高めの直球を捉えた。｢抜けてくれ｣と祈った打球は右中間最深部へ。 6月 8日のソフトバンク戦(甲子園)以来、 107打席ぶりの一発で猛虎に流れを引き寄せた。


　 1回、先制 3ランを放った鳥谷。この一発で10年連続 100安打を達成した

　生え抜き戦士で10年続けての 100安打到達は現監督の和田豊(1988－1999年)以来、 4人目。とりわけ、遊撃という過酷なポジションを務めながら、成し遂げたことに価値がある。記録の裏側に不断の努力があることは言うまでもない。
　遠征先でのウエートトレをはじめ、人並み外れた練習量は有名だが、驚くべきは中身の濃さ。ウオーミングアップは歩くスピードよりも、遅い奇妙なジョギングから始まる。そこに、深い意味がある。球団トレーナーは｢筋肉の温度をゆっくり上げることで、けがの予防になる。でも、そこまで意識を高く持ってやっている選手はなかなかいない｣と称賛する。
　鳥谷のナゴヤドームでの本塁打は2009年 8月 5日に朝倉から放って以来となった。今季ナゴヤドームでは試合前時点で打率 2割 3分 1厘と苦しんでいた。


　 1回、本塁打を放った鳥谷敬内野手

　むろん、突き詰めるのは肉体に止まらない。シーズン途中に人工芝の守備用シューズを新調。ナイキ社に依頼したきっかけは、ここだった。
　｢今年はナゴヤドームの芝が少し硬いような感じがするので、もっと負担が軽くできるものを用意してもらえますか｣
　芝が張り替えられたわけじゃない。それでも、消耗するグラウンドのコンディションの変化を繊細な感覚がかぎ取る。 6回、中前に抜けそうな打球に追いつくなど、再三の好守で藤浪を救った。結果を残すため、何より、チームに白星をもたらすため－。一切の妥協を排除した姿勢で球団史に名を刻んだ。
　｢勝ててよかった。また、明日も何とか勝てるようにしたい｣
　帰りのバスに乗り込む間際。キャプテンの目はすでに球宴前、最後の一戦を見据えていた。

【データＢＯＸ】
◎…鳥谷が阪神の生え抜きで 4人目となる10年連続 100安打を達成。1946－1955年の金田正泰(10年連続)、1967－1978年の藤田平(12年連続)、1988－1999年の和田豊(12年連続)に続き4人
目
◎…真弓明信は阪神に加入した 1年目の1979年から1988年にかけて10年連続で記録。クラウンライター時代も含めると11年連続
◎…金本知憲は阪神では 7年連続。広島時代も含めると15年連続(1995－2009年)でマーク
◎…日本球界最長は王貞治の21年連続(1960－1980年)。イチローは日米通算で1994年から20年連続継続中


　 7回、 2つ目の盗塁を決めた上本博紀内野手。この後、敵失で生還

　竜の弱みにつけ込んだ。上本博紀内野手)の両足はアンツーカーから完全にはみ出していた。初球から確信のスタート。和田野球の象徴が鳥谷の 3ランを演出した。
　｢結果論なんで…。アウトになったら、仕方がないですから｣
　試合後、顔色ひとつ変えることなく謙虚に振り返ったが、盗塁死する確率は極めて低かっただろう。なぜなら先発・雄太の最大の弱点は、 1塁へのけん制が山なりになること。 1回、 3遊間を破って出塁すると、すぐにアキレス腱を突いた。
　想定通りのけん制を受けた後の大和への初球からダッシュ。 6月28日の中日戦(甲子園)以来、13試合ぶりとなる今季 9個目の盗塁を計算通りにマークした。 4回に右前打で出塁したゴメスでさえも、アンツーカーから出て大きくリードしていた。データの裏づけを元に、雄太を攻略した。


　 1回、左前打で突破口を開いた上本博紀内野手

　和田監督は｢まずは上本が出て、果敢に走ったというところが大きい。流れをもってきたヒットと走塁だった｣と選手会長を大絶賛した。
　多くを語らなかった上本の気持ちを指揮官が続けて代弁した。
　｢研究もしているし、ここのところ盗塁に関しては思いきりがなかった。走る機会も少なかったんだけど、思いきりが出てきた。そういう気持ちは持ち続けてほしい｣
　上本は四球で出塁した 7回にも二盗を決めて、今季10個目の盗塁。 2年ぶりの 2桁に乗せた。 4月26日のＤｅＮＡ戦(横浜)以来の 1試合 2盗塁と元気いっぱいだ。
　打ってよし、走ってよし。身体能力抜群の 1番上本が夏バテ知らずで猛虎打線を引っ張る。


　 6回表阪神二死 1、 2塁、中前適時打を放った新井貴浩内野手

　新井貴浩内野手と新井良太内野手の兄弟が、連続適時打を放った。
　まずは 6回二死 1、 2塁から兄貴浩が外角球を中前適時打を放ち、チームに 4点目をもたらした。｢次の 1点を早く取りたいと思っていたので、いいところで打てて良かったです｣。二死 1 、 3塁となり、次は弟良太が適時左前打で続いた。｢とにかく食らいついていこうと思っていました｣としぶとい当たりがレフト前に転がった。新井兄弟のスタメンそろい踏みは 6月14日西武戦(西武ドーム)以来、約 1カ月ぶりだった。スタメン出場を果たし、結果を出した。


　完投勝利の藤浪晋太郎投手

　若きエースが誕生！！藤浪晋太郎投手は、中日打線を相手に 143球を投げ抜き、あと 1球コールに身震いしながら、 9回 5安打 1失点13奪三振(自責 0)で 7勝目( 4敗)。プロ入り 2年目で初の完投勝利を挙げた。チームトップタイの 7勝目。胸を張って 2年連続の球宴に出場する。
　 1回、 3者連続三振で上々の立ち上がりをみせた藤浪は、 2回一死から森野に中前打を打たれるも、後続を断った。 3回は二死から連打を浴び 1、 2塁の場面で、エルナンデスを空振り三振に斬り得点を許さない。


　ストライク先行でプロ初完投の藤浪晋太郎投手。13三振を奪った

　 7回、一死から藤井に中前打を打たれると、続く高橋周の打球を 1塁手・ゴメスが後逸し、 1走・藤井の生還を許した。 8回二死 2、 3塁のピンチは、松井佑を三振に仕留めた。 9回は 3者凡退に抑え、終わってみれば13奪三振でプロ入り初の完投勝利を飾った。
　藤浪は初の完投勝利に｢素直に嬉しい。 9連戦の 8試合目なので、リリーフの方に休んでもらいたかった。完投できてよかった｣と喜び、｢慎重に行こうと思ったんですが、慎重になりすぎず、荒れすぎず、ちょうどいい感じで投げられた｣と試合を振り返った。最後に初めて耳にする｢あと 1人｣コールが、｢あと 1球｣に変わった。投じた自己最多の 143球目。外角 134キロのカットボールに武山のバットが空を切る。マウンド上の藤浪はグラブをポンポンと叩いた。駆け寄るナインと歓喜のハイタッチ。ついに、成し遂げた－。


　 9回一死から高橋周の投手返しが腹部に当たったが、投げきった

　38度目の先発でプロ初完投勝利を手にした。｢素直にうれしいです！！　 9連戦の最後の登板で、リリーフの方に休んでもらいたかったので完投できてよかったと思います。『あと 1人コール』と『あと１球コール』は、ちょっと特別なものがありました｣と笑顔を見せた。
　 3点の援護をもらった直後の 1回は 3者連続三振。ストライク先行で危なげなく、カットボールとのコンビネーションも抜群だった。 7回一死 1塁から高橋周の一ゴロを 1塁手・ゴメスが後逸し、 1走が生還。不運で初完封を逃したが、和田監督は｢限りなく完封に近い完投｣と称えた。 9回一死、高橋周の打球が左胸付近を直撃したが、ベンチを制してマウンドを譲らなかった。
　｢前回はふがいない形でマウンドを降りていたので、きょうはなんとしても、という思いでマウンドに上がりました！！｣


　藤浪晋太郎投手は最後までマウンドを守りきり、この笑顔(右は梅野捕手)

　完投ペースだった前回 9日の広島戦(甲子園)は終盤制球を乱して 8回途中降板。球場で観戦していた母・明美さんから｢残念だったね｣とメールが来ると｢切り替えて、次がんばるわ｣と返信した。有言実行の完投劇だった。強い思いを胸に最速 154キロの直球主体で押した。自己最多タイの13奪三振で 5安打 1失点(自責 0)に封じ込んだ。
　球数制限などがあった 1年目を終え、体重を86キロから90キロに増やした。オフには球団トレーナーから｢この時期しか休みはないんだから、休めよ｣と言葉をかけられていたが、中学時代から通っていた大阪・岸和田市内のジムに何度も足を運んだ。直球の球威は格段に増したが、制球が安定しなかった。
　投球フォームを 5月下旬、セットポジションからノーワインドアップに変更。試行錯誤の末、投球時に左足を下げた際、ゆっくり息を吐く間合いを見つけた。｢自分の呼吸で投げていますね。投げるタイミングで息を吐くようにしています｣。リリース寸前までリラックスすることで無駄な力を省くことができた。フォーム変更後は 7戦 5勝 1敗。覚醒の時がきた。

　 2試合続けて中日についに出た！投手潰しでしか勝ち目が無いと分かると、藤浪に打球を当てておろしにかかったが、最後まで頑張った藤浪は偉かった！
　ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！


　2014年 公式戦勝敗表


　日程と結果 7月



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