24日ナゴヤドームで中日-阪神25回戦が行われ、阪神中村勝広GM(享年66)の死去を悼み、試合前に 1分間の黙とうがささげられた。阪神和田監督、中日谷繁兼任監督ら両軍ナインがベンチ前に整列。スタンドのファンも起立して冥福を祈った。スコアボード上にある日の丸や両球団旗は半旗とされ、両軍は左袖に喪章をつけて戦った。阪神はチャンスをものにできず4連敗、勝率が 5割となった。阪神が 4連敗を喫した。 8月13日以来の先発で送り出した秋山拓巳投手(24)が 2回途中 5安打 4失点KO。打線は 6回の 2得点止まりだった。前日23日には中村勝広GMが、都内のチーム宿舎で急死。ナインは喪章を付けてプレーした。和田豊監督(53)は試合後、「もちろん選手は勝ちたい気持ちでやっている。それでも勝てなかった。明日(25日)もゲームがある。GMも最後まで見てくれると思うし、悪い流れを断ち切りたい」と話した。先発・秋山が 2回途中 5安打 4失点と炎上。攻撃陣も相手先発・バルデスを打ちあぐねた。 2回から 8回まですべてのイニングで得点圏に走者を進めたが、マートンのソロと鳥谷の適時打の 2点のみに終わった。
短期決戦も左腕撃ちは任せろ! そう訴えるような奮闘ぶりだった。D 3位・江越大賀外野手(22=駒澤大學)が広角に打ち分け、 3安打。敗戦の中、気を吐いた。思いきりのよさ、スタンドにほうり込めるパンチ力が魅力。左腕キラーとして、CSの切り札になる-。低調な下位打線に厚みを持たせる可能性を秘めている。
マット・マートン外野手(33)が反撃ののろしをあげる 9号ソロを放った。
8月13日以来の 1軍登板となった秋山拓巳投手(24)が、 2回途中 5安打 4失点で降板した。初回は走者を許したものの無失点。しかし 2回、この日が引退試合となった先頭和田に左前打を献上した。
阪神は来季続投が白紙となった和田豊監督の後任に、電鉄本社と球団内でOBの金本知憲氏(47)を待望する声があがっていることが24日、分かった。中日に敗れた24日、坂井信也オーナー(67)と南信男球団社長(60)が会談。人心ともに一新するため、2003&05年リーグVをけん引した鉄人への期待感が高まっている。記事をまとめてみました。
<中日 4- 2阪神>25回戦◇24日◇ナゴヤドーム
阪神中村勝広GMの死去を悼み、試合前に 1分間の黙とうがささげられた。
阪神和田監督、中日谷繁兼任監督ら両軍ナインがベンチ前に整列。スタンドのファンも起立して冥福を祈った。スコアボード上にある日の丸や両球団旗は半旗とされ、両軍は左袖に喪章をつけて戦った。
阪神ナインは前日23日夜、巨人戦終了後の東京都内の宿舎で訃報を伝えられ、その場で黙とうをささげた。この日、名古屋市内の宿舎では通常通りのミーティングが行われたが、和田監督以下のナインは厳しい表情のまま球場入りし、中日戦に臨んだ。
試合前、亡くなった中村GMに対し黙とうをする和田豊監督(左)ら阪神ナイン=ナゴヤドーム
中日は 2回一死 1、 3塁から谷繁の適時打で先制。さらにバルデスの適時 2塁打と押し出し四球 2つで 4点を先制した。
阪神は 6回、マートンの 9号ソロと鳥谷の左前打で 2点を返した。中日バルデスは 6回途中 2失点で降板した。
中日は 5人の継投で反撃をしのいだ。阪神はチャンスをものにできず 4連敗、勝率が 5割となった。
4回表阪神の攻撃が終わり選手交代を告げにベンチから出る和田豊監督=ナゴヤドーム
阪神が 4連敗を喫した。 8月13日以来の先発で送り出した秋山拓巳投手が 2回途中 5安打 4失点KO。打線は 6回の 2得点止まりだった。前日23日には中村勝広GMが、都内のチーム宿舎で急死。ナインは喪章を付けてプレーした。
和田豊監督は試合後、「もちろん選手は勝ちたい気持ちでやっている。それでも勝てなかった。明日(25日)もゲームがある。GMも最後まで見てくれると思うし、悪い流れを断ち切りたい」と話した。貯金は 7月25日以来の「0」となり、首位ヤクルトには 5ゲーム差。 2位巨人にも 3ゲーム差と、クライマックスシリーズの本拠地開催にも黄色信号だ。
和田豊監督は 2回、二神にゲキを飛ばすも、弔い星をあげられなかった=ナゴヤドーム
阪神は中村勝広ゼネラルマネジャーの急死から一夜明けた24日、中日に 2- 4で敗れた。自力 2位進出が消滅して、来季続投が白紙となった和田豊監督は「GMも最後まで見てくれていると思う」と絞り出すしかなかった。目を覚ませ! 甲子園でクライマックスシリーズが開催できる 2位をあきらめるな!
情けない! 勝てよ! 天国の勝さんが泣いているぞ-。中日に今季ワーストタイの14残塁(延長試合除く)。最大「8」あった貯金がつい「0」となってしまった。和田監督は、ナインに訴えているかのようだった。
試合前には両チームが急死した中村GMに黙祷=ナゴヤドーム
「 1試合 1試合、全力を尽くす。最後までそういう気持ちで。きょうだけじゃなく、GMも最後までみてくれていると思う。今、悪い流れというか、それをあすの試合で断ち切るべく、全力を尽くす。それだけです」
前日23日に中村GMが急逝した。ナゴヤドームでは両軍が喪章をつけ、弔旗が掲げられた。試合前には黙祷。中日の谷繁監督&和田の現役引退セレモニーというタイミングではあったが、こちらも弔い合戦。どうしても勝たなければいけなかった。それなのに…。
先発・秋山が 2回途中 5安打 4失点と炎上。攻撃陣も相手先発・バルデスを打ちあぐねた。 2回から 8回まですべてのイニングで得点圏に走者を進めたが、マートンのソロと鳥谷の適時打の 2点のみに終わった。
8回、中飛に倒れた福留孝介外野手=ナゴヤドーム
「前半もチャンスはあった。塁は埋めるんだけど、(あと) 1本が出ないな。こっちも早い回に 1点でも 2点でも返せれば、展開も変わったんだろうけど…」
0- 3の 2回二死満塁で二神が平田を迎えたところで指揮官はマウンドに走った。「思いきり腕を振っていけ」。試合序盤では極めて珍しい光景だった。だが、効かない。押し出し四球。中西投手コーチがマウンドに向かっても、内野陣の集まりはバラバラでボールまわしをする。悲しいかな、これが今の虎の現実なのか…。
「若い投手も、ああいうところを糧にして、今後に生かしていくしかない。悔しいと思って、またやるしかない」
和田監督のメッセージが、悲しい“贈る言葉”に聞こえる。平田ヘッドコーチは「GMに勝ちを届けたかった」と唇をかんだ。 2位巨人とは、残り 7試合を考えれば相当厳しい 3ゲーム差。このまま終わるのか。どこまでズルズルと落ちていくのか。何をやっとるんや!
短期決戦も左腕撃ちは任せろ! そう訴えるような奮闘ぶりだった。D 3位・江越大賀外野手が広角に打ち分け、 3安打。敗戦の中、気を吐いた。
「内容よりも勝つことが一番なので…」
笑顔はない。それでも前日23日の巨人戦(東京D)で 1軍登録されたルーキーが、 2戦連続のスタメンに応えた。
まずは 2回二死 1塁。バットを折りながら中前に運んでチャンスメークした。続く 4回は外角 134キロ直球をとらえて右前へ。 3点差に詰め寄った 6回にも一死走者なしから浮いたチェンジアップをフルスイングして、左前に弾き返した。
江越大賀外野手は敗戦のなか奮闘して猛打賞。クライマックスシリーズでも左腕キラーとして期待できそう=ナゴヤドーム
3日から約 3週間、 2軍で研鑽(けんさん)を積んだ若虎が課題に挙げていたのが「ミスショットしないこと」だった。掛布GM付打撃&育成コーディネーターの指導のもと、一発で仕留める技術に磨きをかけ、ひと回り成長した姿を披露。 8月 5日の広島戦(マツダ)以来、今季 3度目の猛打賞につなげた。
この日、先発のバルデスに固め打ちし、前日23日もポレダから 1安打を放つなど、左腕相手に続けて結果を残した。まだ眼下の 4位広島と 2.5ゲーム差で安泰ではないが、クライマックスシリーズ(CS)に進出すればキーマンになり得る。宿敵Gだけでなく、上位のヤクルトにも石川ら左腕がいるだけに、江越のバットに期待が高まる。
「勝利につながる打撃ができるようにしたい」
思いきりのよさ、スタンドにほうり込めるパンチ力が魅力。左腕キラーとして、CSの切り札になる-。低調な下位打線に厚みを持たせる可能性を秘めている。
6回表阪神無死、マット・マートン外野手は左越えソロ本塁打を放った=ナゴヤドーム
マット・マートン外野手が反撃ののろしをあげる 9号ソロを放った。
先発バルデスを相手に「0行進」が続いていた、 4点ビハインドの6回。先頭で打席に立つと、内寄りの直球を左翼スタンドに運んだ。
8月23日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来、約 1カ月振りのアーチで打線に活力を与えた。
6回、本塁打を放ったマット・マートン外野手=ナゴヤドーム
マートンの 9号ソロは空砲に終わった。 4点を追う 6回先頭。バルデスの内角への直球を振り抜き、左翼スタンドまで運んだ。 8月23日のDeNA戦(京セラD)以来、約 1カ月ぶりの一発だったが「負けてしまったので残念」と悔しさをにじませた。 4回の 2打席目には中前打。 4試合ぶりにマルチ安打をマークし、復調の気配だ。
1回裏中日無死、秋山拓巳投手は大島洋平外野手に中前打を浴びた=ナゴヤドーム
8月13日以来の 1軍登板となった秋山拓巳投手が、 2回途中 5安打 4失点で降板した。
初回は走者を許したものの無失点。しかし 2回、この日が引退試合となった先頭和田に左前打を献上した。一死 1、 3塁からは、本拠地で最後の姿を見せることになった 8番谷繁に左前適時打を浴びて、花を添えてしまう結果になった。なおも一死 1、 2塁で 9番の投手バルデスに適時 2塁打を許し、和田監督が降板を決断。打者 9人、わずか29球でのKOとなり「大事な試合でこのような結果になってしまい悔しいですし、チームに申し訳ないです」とうなだれた。
新監督としてOBの金本知憲氏氏の待望論が浮上した
阪神は来季続投が白紙となった和田豊監督の後任に、電鉄本社と球団内でOBの金本知憲氏を待望する声があがっていることが24日、分かった。中日に敗れた24日、坂井信也オーナーと南信男球団社長が会談。人心ともに一新するため、2003&05年リーグVをけん引した鉄人への期待感が高まっている。
和田監督の続投方針が白紙に戻り、一夜が明けた。坂井オーナーと南球団社長が会談し、主に中村GMの急死について話し合ったが、監督問題も話題にのぼった。そんな状況下で、電鉄本社と球団内で新監督として金本氏待望論が浮上していることが明らかになった。
球団幹部は優勝争いをしている最中は「和田監督続投が基本線」と語っていたが、「仮にそうならなかった場合、金本氏が有力候補であるのは確かだ」とも認めた。
今季はゴールデンウイーク明けに最下位に沈むも、交流戦で10勝 8敗と勝ち越して 3位に浮上。息を吹き返すと、 6月24日の広島戦(富山)で首位を奪った。躍進ぶりに一時は電鉄本社内でも和田監督の続投方針が固まったが、 9月に入ってチームは失速。この日は中日に敗れ、最大貯金「8」は「0」になった。リーグ優勝はもちろんAクラスもあやうい状況に、去就は不透明となった。
シーズン終盤での失速は真弓、和田政権と続く光景。球団幹部は新監督を任命する場合、勝ちきれない現状を踏まえて、人心の一新を期待できる人材に注目している。その人こそ金本氏だ。
現役時代は勝負強い打撃とスキのない走塁で 2度のリーグVに貢献した金本知憲氏
2003年に広島から阪神にFA移籍すると、星野監督のもと18年ぶりのリーグ優勝に貢献。さらに2005年には 4番として岡田監督を胴上げ。1492試合連続フルイニング出場は世界記録だ。
球界随一の実績に加えて、阪神に移籍後は猛練習でチームの雰囲気を一変させた点も評価されている。自らを厳しく追い込み、試合になれば勝負強い打撃とスキのない走塁でチームを勝利に導くスタイルは、近年の阪神に欠けていたピース。「金本監督」なら“穴”を埋めることができる。
2012年に現役を引退したが現在でもファンからの支持は厚い。また、チームにはキャプテンの鳥谷を筆頭に、その姿勢を見習い、慕う選手が多く残っている。指導者としての経験はないが、すぐにチームに溶け込める下地がある。実際、昨年にポスト和田含みで 1軍入閣を打診していた。
電鉄本社と球団内では以前から2003&05年の優勝メンバーを監督、コーチとして迎えたいという考えが強く、その点でも最適。電鉄本社内には、2005年の優勝監督である岡田彰布氏の再登板を求める声も当然ある。いずれにしても新監督選定で「優勝経験者」という点が優先順位を高めている。
南球団社長は今後、坂井オーナーと新政権について話し合いを進める。Aクラス死守を念頭に置きつつ、阪神は2016年に向けて突き進む。
◆阪神の監督交代あらかると◆
★星野仙一→岡田彰布:2003年は星野監督 2年目で18年ぶりのリーグ優勝。日本シリーズ終了後に体調面の問題で退任。岡田 1軍守備走塁コーチが監督に就任。
★岡田彰布→真弓明信:2008年は岡田監督 5年目。首位を独走していたが巨人に13ゲーム差を逆転され、V逸。責任をとる形で退任し、球団が真弓氏に就任要請。
★真弓明信→和田豊:2011年は真弓監督 3年目。 4位に終わり、CS進出を逃して退任。生え抜きの和田 1軍打撃コーチが同年10月、監督就任。
ついに虎が死んだ…。残り試合は、CSに向かって、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2015年 公式戦 日程と結果( 9月)
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短期決戦も左腕撃ちは任せろ! そう訴えるような奮闘ぶりだった。D 3位・江越大賀外野手(22=駒澤大學)が広角に打ち分け、 3安打。敗戦の中、気を吐いた。思いきりのよさ、スタンドにほうり込めるパンチ力が魅力。左腕キラーとして、CSの切り札になる-。低調な下位打線に厚みを持たせる可能性を秘めている。
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8月13日以来の 1軍登板となった秋山拓巳投手(24)が、 2回途中 5安打 4失点で降板した。初回は走者を許したものの無失点。しかし 2回、この日が引退試合となった先頭和田に左前打を献上した。
阪神は来季続投が白紙となった和田豊監督の後任に、電鉄本社と球団内でOBの金本知憲氏(47)を待望する声があがっていることが24日、分かった。中日に敗れた24日、坂井信也オーナー(67)と南信男球団社長(60)が会談。人心ともに一新するため、2003&05年リーグVをけん引した鉄人への期待感が高まっている。記事をまとめてみました。
<中日 4- 2阪神>25回戦◇24日◇ナゴヤドーム
阪神中村勝広GMの死去を悼み、試合前に 1分間の黙とうがささげられた。
阪神和田監督、中日谷繁兼任監督ら両軍ナインがベンチ前に整列。スタンドのファンも起立して冥福を祈った。スコアボード上にある日の丸や両球団旗は半旗とされ、両軍は左袖に喪章をつけて戦った。
阪神ナインは前日23日夜、巨人戦終了後の東京都内の宿舎で訃報を伝えられ、その場で黙とうをささげた。この日、名古屋市内の宿舎では通常通りのミーティングが行われたが、和田監督以下のナインは厳しい表情のまま球場入りし、中日戦に臨んだ。
試合前、亡くなった中村GMに対し黙とうをする和田豊監督(左)ら阪神ナイン=ナゴヤドーム
中日は 2回一死 1、 3塁から谷繁の適時打で先制。さらにバルデスの適時 2塁打と押し出し四球 2つで 4点を先制した。
阪神は 6回、マートンの 9号ソロと鳥谷の左前打で 2点を返した。中日バルデスは 6回途中 2失点で降板した。
中日は 5人の継投で反撃をしのいだ。阪神はチャンスをものにできず 4連敗、勝率が 5割となった。
4回表阪神の攻撃が終わり選手交代を告げにベンチから出る和田豊監督=ナゴヤドーム
阪神が 4連敗を喫した。 8月13日以来の先発で送り出した秋山拓巳投手が 2回途中 5安打 4失点KO。打線は 6回の 2得点止まりだった。前日23日には中村勝広GMが、都内のチーム宿舎で急死。ナインは喪章を付けてプレーした。
和田豊監督は試合後、「もちろん選手は勝ちたい気持ちでやっている。それでも勝てなかった。明日(25日)もゲームがある。GMも最後まで見てくれると思うし、悪い流れを断ち切りたい」と話した。貯金は 7月25日以来の「0」となり、首位ヤクルトには 5ゲーム差。 2位巨人にも 3ゲーム差と、クライマックスシリーズの本拠地開催にも黄色信号だ。
和田豊監督は 2回、二神にゲキを飛ばすも、弔い星をあげられなかった=ナゴヤドーム
阪神は中村勝広ゼネラルマネジャーの急死から一夜明けた24日、中日に 2- 4で敗れた。自力 2位進出が消滅して、来季続投が白紙となった和田豊監督は「GMも最後まで見てくれていると思う」と絞り出すしかなかった。目を覚ませ! 甲子園でクライマックスシリーズが開催できる 2位をあきらめるな!
情けない! 勝てよ! 天国の勝さんが泣いているぞ-。中日に今季ワーストタイの14残塁(延長試合除く)。最大「8」あった貯金がつい「0」となってしまった。和田監督は、ナインに訴えているかのようだった。
試合前には両チームが急死した中村GMに黙祷=ナゴヤドーム
「 1試合 1試合、全力を尽くす。最後までそういう気持ちで。きょうだけじゃなく、GMも最後までみてくれていると思う。今、悪い流れというか、それをあすの試合で断ち切るべく、全力を尽くす。それだけです」
前日23日に中村GMが急逝した。ナゴヤドームでは両軍が喪章をつけ、弔旗が掲げられた。試合前には黙祷。中日の谷繁監督&和田の現役引退セレモニーというタイミングではあったが、こちらも弔い合戦。どうしても勝たなければいけなかった。それなのに…。
先発・秋山が 2回途中 5安打 4失点と炎上。攻撃陣も相手先発・バルデスを打ちあぐねた。 2回から 8回まですべてのイニングで得点圏に走者を進めたが、マートンのソロと鳥谷の適時打の 2点のみに終わった。
8回、中飛に倒れた福留孝介外野手=ナゴヤドーム
「前半もチャンスはあった。塁は埋めるんだけど、(あと) 1本が出ないな。こっちも早い回に 1点でも 2点でも返せれば、展開も変わったんだろうけど…」
0- 3の 2回二死満塁で二神が平田を迎えたところで指揮官はマウンドに走った。「思いきり腕を振っていけ」。試合序盤では極めて珍しい光景だった。だが、効かない。押し出し四球。中西投手コーチがマウンドに向かっても、内野陣の集まりはバラバラでボールまわしをする。悲しいかな、これが今の虎の現実なのか…。
「若い投手も、ああいうところを糧にして、今後に生かしていくしかない。悔しいと思って、またやるしかない」
和田監督のメッセージが、悲しい“贈る言葉”に聞こえる。平田ヘッドコーチは「GMに勝ちを届けたかった」と唇をかんだ。 2位巨人とは、残り 7試合を考えれば相当厳しい 3ゲーム差。このまま終わるのか。どこまでズルズルと落ちていくのか。何をやっとるんや!
短期決戦も左腕撃ちは任せろ! そう訴えるような奮闘ぶりだった。D 3位・江越大賀外野手が広角に打ち分け、 3安打。敗戦の中、気を吐いた。
「内容よりも勝つことが一番なので…」
笑顔はない。それでも前日23日の巨人戦(東京D)で 1軍登録されたルーキーが、 2戦連続のスタメンに応えた。
まずは 2回二死 1塁。バットを折りながら中前に運んでチャンスメークした。続く 4回は外角 134キロ直球をとらえて右前へ。 3点差に詰め寄った 6回にも一死走者なしから浮いたチェンジアップをフルスイングして、左前に弾き返した。
江越大賀外野手は敗戦のなか奮闘して猛打賞。クライマックスシリーズでも左腕キラーとして期待できそう=ナゴヤドーム
3日から約 3週間、 2軍で研鑽(けんさん)を積んだ若虎が課題に挙げていたのが「ミスショットしないこと」だった。掛布GM付打撃&育成コーディネーターの指導のもと、一発で仕留める技術に磨きをかけ、ひと回り成長した姿を披露。 8月 5日の広島戦(マツダ)以来、今季 3度目の猛打賞につなげた。
この日、先発のバルデスに固め打ちし、前日23日もポレダから 1安打を放つなど、左腕相手に続けて結果を残した。まだ眼下の 4位広島と 2.5ゲーム差で安泰ではないが、クライマックスシリーズ(CS)に進出すればキーマンになり得る。宿敵Gだけでなく、上位のヤクルトにも石川ら左腕がいるだけに、江越のバットに期待が高まる。
「勝利につながる打撃ができるようにしたい」
思いきりのよさ、スタンドにほうり込めるパンチ力が魅力。左腕キラーとして、CSの切り札になる-。低調な下位打線に厚みを持たせる可能性を秘めている。
6回表阪神無死、マット・マートン外野手は左越えソロ本塁打を放った=ナゴヤドーム
マット・マートン外野手が反撃ののろしをあげる 9号ソロを放った。
先発バルデスを相手に「0行進」が続いていた、 4点ビハインドの6回。先頭で打席に立つと、内寄りの直球を左翼スタンドに運んだ。
8月23日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来、約 1カ月振りのアーチで打線に活力を与えた。
6回、本塁打を放ったマット・マートン外野手=ナゴヤドーム
マートンの 9号ソロは空砲に終わった。 4点を追う 6回先頭。バルデスの内角への直球を振り抜き、左翼スタンドまで運んだ。 8月23日のDeNA戦(京セラD)以来、約 1カ月ぶりの一発だったが「負けてしまったので残念」と悔しさをにじませた。 4回の 2打席目には中前打。 4試合ぶりにマルチ安打をマークし、復調の気配だ。
1回裏中日無死、秋山拓巳投手は大島洋平外野手に中前打を浴びた=ナゴヤドーム
8月13日以来の 1軍登板となった秋山拓巳投手が、 2回途中 5安打 4失点で降板した。
初回は走者を許したものの無失点。しかし 2回、この日が引退試合となった先頭和田に左前打を献上した。一死 1、 3塁からは、本拠地で最後の姿を見せることになった 8番谷繁に左前適時打を浴びて、花を添えてしまう結果になった。なおも一死 1、 2塁で 9番の投手バルデスに適時 2塁打を許し、和田監督が降板を決断。打者 9人、わずか29球でのKOとなり「大事な試合でこのような結果になってしまい悔しいですし、チームに申し訳ないです」とうなだれた。
新監督としてOBの金本知憲氏氏の待望論が浮上した
阪神は来季続投が白紙となった和田豊監督の後任に、電鉄本社と球団内でOBの金本知憲氏を待望する声があがっていることが24日、分かった。中日に敗れた24日、坂井信也オーナーと南信男球団社長が会談。人心ともに一新するため、2003&05年リーグVをけん引した鉄人への期待感が高まっている。
和田監督の続投方針が白紙に戻り、一夜が明けた。坂井オーナーと南球団社長が会談し、主に中村GMの急死について話し合ったが、監督問題も話題にのぼった。そんな状況下で、電鉄本社と球団内で新監督として金本氏待望論が浮上していることが明らかになった。
球団幹部は優勝争いをしている最中は「和田監督続投が基本線」と語っていたが、「仮にそうならなかった場合、金本氏が有力候補であるのは確かだ」とも認めた。
今季はゴールデンウイーク明けに最下位に沈むも、交流戦で10勝 8敗と勝ち越して 3位に浮上。息を吹き返すと、 6月24日の広島戦(富山)で首位を奪った。躍進ぶりに一時は電鉄本社内でも和田監督の続投方針が固まったが、 9月に入ってチームは失速。この日は中日に敗れ、最大貯金「8」は「0」になった。リーグ優勝はもちろんAクラスもあやうい状況に、去就は不透明となった。
シーズン終盤での失速は真弓、和田政権と続く光景。球団幹部は新監督を任命する場合、勝ちきれない現状を踏まえて、人心の一新を期待できる人材に注目している。その人こそ金本氏だ。
現役時代は勝負強い打撃とスキのない走塁で 2度のリーグVに貢献した金本知憲氏
2003年に広島から阪神にFA移籍すると、星野監督のもと18年ぶりのリーグ優勝に貢献。さらに2005年には 4番として岡田監督を胴上げ。1492試合連続フルイニング出場は世界記録だ。
球界随一の実績に加えて、阪神に移籍後は猛練習でチームの雰囲気を一変させた点も評価されている。自らを厳しく追い込み、試合になれば勝負強い打撃とスキのない走塁でチームを勝利に導くスタイルは、近年の阪神に欠けていたピース。「金本監督」なら“穴”を埋めることができる。
2012年に現役を引退したが現在でもファンからの支持は厚い。また、チームにはキャプテンの鳥谷を筆頭に、その姿勢を見習い、慕う選手が多く残っている。指導者としての経験はないが、すぐにチームに溶け込める下地がある。実際、昨年にポスト和田含みで 1軍入閣を打診していた。
電鉄本社と球団内では以前から2003&05年の優勝メンバーを監督、コーチとして迎えたいという考えが強く、その点でも最適。電鉄本社内には、2005年の優勝監督である岡田彰布氏の再登板を求める声も当然ある。いずれにしても新監督選定で「優勝経験者」という点が優先順位を高めている。
南球団社長は今後、坂井オーナーと新政権について話し合いを進める。Aクラス死守を念頭に置きつつ、阪神は2016年に向けて突き進む。
◆阪神の監督交代あらかると◆
★星野仙一→岡田彰布:2003年は星野監督 2年目で18年ぶりのリーグ優勝。日本シリーズ終了後に体調面の問題で退任。岡田 1軍守備走塁コーチが監督に就任。
★岡田彰布→真弓明信:2008年は岡田監督 5年目。首位を独走していたが巨人に13ゲーム差を逆転され、V逸。責任をとる形で退任し、球団が真弓氏に就任要請。
★真弓明信→和田豊:2011年は真弓監督 3年目。 4位に終わり、CS進出を逃して退任。生え抜きの和田 1軍打撃コーチが同年10月、監督就任。
ついに虎が死んだ…。残り試合は、CSに向かって、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2015年 公式戦 日程と結果( 9月)
2015年 公式戦 日程と結果(10月)
9月24日現在順位表
9月24日現在対戦表
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