29日神宮球場でSMBC日本シリーズ2015:ヤクルト-ソフトバンク第 5戦が行われ、ソフトバンクは 9回に柳田のダメ押し適時打が出て、最後は守護神サファテが締めた。 4勝 1敗で 2年連続の日本一に輝いた。
パ・リーグ覇者のソフトバンクはセ・リーグ王者ヤクルトとの第 5戦に 5- 0で快勝し、 4勝 1敗で 2年連続 7度目(前身球団を含む)の日本一に輝いた。日本一連覇は球団史上初。工藤公康監督(52)が主力投手として活躍した1990~1992年の西武以来、23年ぶりとなった。選手として 3球団で11度の日本一を経験した「優勝請負人」は、指揮官としても新人監督として史上10人目の日本一を達成した。福岡へ「帰らない」と宣言して乗り込んだ言葉通り、神宮の夜空に 9度舞った。優しい瞳でナインを見渡した。ただ、これはまだ一歩目にすぎない。常勝チーム作りの手綱は緩めない。悲願のV2、その先を、工藤監督の目はすでに見すえている。
同一チームから 6人の外国人選手が日本シリーズに出場したのは史上初。王貞治球団会長(75)も大満足の笑みを浮かべた。
ソフトバンク孫正義オーナー(57)が、圧勝の連覇であらためて持論の真のワールドシリーズ論を唱えた。今のソフトバンクの戦力なら、メジャー球団とも互角に戦えると自信満々だった。
ソフトバンクは全試合に 2番で先発出場した明石健志内野手(29)が通算16打数 7安打、 7四死球と活躍し、優秀選手に選ばれた。俊足巧打の男はこの日も 3安打。先頭で打席に入った 4回には 2塁打で出塁し、李大浩の 2ランで先制のホームを踏み、 5回一死満塁では左前打でチームに 3点目をもたらした。
不振だったソフトバンク柳田悠岐外野手(27)が 9回に今シリーズ初の適時打を放った。 9回二死 3塁から、バーネットの内角高め 151キロを中堅左へはじき返し、だめ押しの 5点目を奪った。
ソフトバンク選手会長の松田宣浩内野手(32)は、優勝の瞬間をうれし涙で迎えた。あとアウト 1つの時点ですでに目は真っ赤。日本一が決まると、工藤監督、孫オーナーに続いて胴上げされた。
ソフトバンクが 2年連続の日本一を決め、地元福岡を本拠とする「HKT48」メンバーも喜びのコメントを寄せた。劇場支配人兼任で、先月28日には始球式イベントにも出演した指原莉乃(22)は「ソフトバンクホークス日本一おめでとうございます。ソフトバンクホークスのように福岡を盛り上げれるように私達『HKT48』も頑張ります。本当に日本一おめでとうございます!!」。また、元ホークス投手、若田部健一氏(日刊スポーツ評論家)の娘で「HKT48」の若田部遥(17)は、この日の劇場公演に出演し、帰宅後に家族で日本一を見届けたといい祝福した。
2年連続日本一に輝いたソフトバンクに、福岡出身の武田鉄矢(66)が喜びのコメントを寄せた。おめでとうございます、新しい鷹軍団の戦士達!
ソフトバンクは試合後、都内の宿舎で祝勝会を行い、喜びを分かち合った。福岡移転後、 5度目の日本一だが、都内で祝勝会を開くのは初。ソフトバンク本社としても待望の「お膝元」での歓喜となった。恒例となった松田選手会長の「全員! 熱男」の叫びとともに、ビールかけがスタート。用意されていた3000本のビール、コーラ 480本、日本酒はたる酒 8斗、一升瓶60本、マグナムボトルのシャンパン 1本が、あっという間に泡と化した。記事をまとめてみました。
<SMBC日本シリーズ2015:ヤクルト 0- 5ソフトバンク>◇第 5戦◇29日◇神宮球場
ヤクルト先発の石川は 3回まで 1安打 4三振無失点の好投。ソフトバンク先発スタンリッジも 3安打を浴びたが 0点で切り抜けた。
ソフトバンクは 4回、李大浩がヤクルト石川から 2ランを放ち先制。 5回にも一死満塁から明石の適時打などで 2点を追加した。
ソフトバンクは 9回に柳田のダメ押し適時打が出て、最後は守護神サファテが締めた。 4勝 1敗で 2年連続の日本一に輝いた。
日本一となり表彰を受ける工藤公康監督=神宮球場
▽最高殊勲選手:李大浩内野手(ソフトバンク)
▽優秀選手:明石健志内野手、武田翔太投手、リック・バンデンハーク投手(以上ソフトバンク)
▽敢闘選手:山田哲人内野手(ヤクルト)
工藤公康監督は選手らの“目”を信じて日本一を達成。神宮の空に 9度舞った=神宮球場
パ・リーグ覇者のソフトバンクはセ・リーグ王者ヤクルトとの第 5戦に 5- 0で快勝し、 4勝 1敗で 2年連続 7度目(前身球団を含む)の日本一に輝いた。日本一連覇は球団史上初。工藤公康監督が主力投手として活躍した1990~1992年の西武以来、23年ぶりとなった。選手として 3球団で11度の日本一を経験した「優勝請負人」は、指揮官としても新人監督として史上10人目の日本一を達成した。
引き継いで、信じて、勝った。目指し続けた頂上には、現役時代とは違う素晴らしい景色が広がっていた。工藤監督が就任 1年目で日本一。史上初の異なる監督での連覇を成し遂げた。福岡へ「帰らない」と宣言して乗り込んだ言葉通り、神宮の夜空に 9度舞った。
「本当に、選手が一戦一戦を大事に、絶対に負けないんだという気持ちを出してくれた。本当に幸せです!」
頼もしいナインと、神宮の半分を埋め尽くした鷹ファンに目を向け、思わず目が潤んだ。
笑顔の(左から)ソフトバンク・武田翔太投手、孫正義オーナー、内川聖一外野手、松田宣浩内野手、リック・バンデンハーク投手=神宮球場
重圧は笑顔に隠してきた。就任に際し、王会長から「去年が 1年目で、10連覇するぐらいのチームにしてほしい」という新人監督には“強烈”な注文を受けた。90勝を挙げて独走でリーグVを成し遂げても、 5合目にも達しない心地だった。
ダイエー時代の1999年。中日との日本シリーズの前に、すり切れるほどビデオを見た。リードオフマンの関川をターゲットと定め「他の 8人(全員)と同じくらいの時間を使って」丸裸にした。マウンドで実際に封じ込め、チームを福岡移転後、初の日本一へ導いた。そこから「優勝請負人」の冠を授かった。
引退後も“見る目”は養い続けた。講演や野球教室で多忙を極めながら、筑波大學大学院へ通った。通学の電車での移動中も、DVDプレーヤーを持ち歩いて12球団の試合をチェックし続けた。監督就任後は選手一人一人のファイルを作り、気がついたことをこと細かに書き留めた。ところが日本シリーズでは一転、“目”を封印した。
表彰される(左から)ソフトバンク・バンデンハーク投手、明石健志内野手、李大浩内野手、武田翔太投手、ヤクルト・山田哲人内野手=神宮球場
「俺があまり『ああしろこうしろ』と言うのは違う。選手らが分析したらどうなるかというのが大事。話し合って、アイデアを出してやってくれた方が絶対にいい」
レギュラーシーズンでたたき込んだ自身の観察眼は、選手にも浸透しているはず。スコアラーらの目も集約し、臨んだ。 1敗は山田の 3連発によるもので、先発が打ち込まれた試合はなく、相手先発はことごとくKOした。秋山前監督から引き継いだ選手たちを「自分で考え、動く集団」に熟成させた。新人監督の日本シリーズ制覇は、2010年にロッテを導いた西村徳文氏以来10人目。現役時代と合わせ、12度目の日本一となった。
「本当に彼らとずっと野球がやりたい。分からないこともたくさんあった中で、僕を受け入れてくれた。注文もしたけど、向上心を持ってやってくれました」
優しい瞳でナインを見渡した。ただ、これはまだ一歩目にすぎない。常勝チーム作りの手綱は緩めない。悲願のV2、その先を、工藤監督の目はすでに見すえている。
スタンドのファンに手を振るソフトバンク・工藤公康監督=神宮球場
◆データBOX◆
◎…ソフトバンクが 2年連続 7度目の日本シリーズ制覇。連覇は1990-1992年の西武( 3連覇)以来23年ぶり史上 5球団目( 9度目)。プレーオフ、CSを勝ち上がっての連覇は史上初。パで前後期制のプレーオフ(1973-1982年)があった1975-1977年に阪急が 3連覇したが、1976年は前後期とも優勝したため、プレーオフは実施されず。
◎…工藤監督は就任 1年目で日本一。前年日本一のチームを引き継いで連覇を達成した監督は史上初。新人監督の日本一は10人目。選手としても、西武で高卒 1年目の1982年に登板して日本一。選手、監督でともに 1年目で日本シリーズに出場し日本一になったのは、巨人・原辰徳(選手=1981年、監督=2002年)に次いで 2人目。
観戦に訪れたソフトバンク・王貞治会長=神宮球場
同一チームから 6人の外国人選手が日本シリーズに出場したのは史上初。王球団会長も大満足の笑みを浮かべた。
「期待通りというか、期待以上の働きだったね。ペナント、ポストシーズンと、相手との戦いも大変だったけど、それ以上にウチはチーム内の競争が激しいからね」。MVPの李大浩に始まり、優秀選手賞はバンデンハーク。 5試合中 3試合に登板した守護神・サファテに中継ぎのバリオス、 1打席だけのカニザレス。内川不在でも屋台骨はビクともしない。
「工藤監督も 1年目でプレッシャーがあったと思うけど(選手の力を)よく引き出してくれた」。王会長も納得の「最強チーム」が完成した。
孫正義オーナー(左)は工藤公康監督と熱い握手を交わす=神宮球場
ソフトバンク孫正義オーナーが、圧勝の連覇であらためて持論の真のワールドシリーズ論を唱えた。
神宮の夜空に胴上げされ「夢のよう。本当にうれしい」と笑顔。現在、MLBのワールドシリーズを戦っているロイヤルズの本拠地カンザスシティーは、グループ会社のスプリント社の本拠でもある。
「もしロイヤルズが勝ったら、真のワールドシリーズをやってみたい。なんで米国のチャンピオンがワールドシリーズのチャンピオンなのか不思議。願わくば挑戦状をたたきつけたい」と本気度を見せた。
「やってみないとわからないが、すばらしいマッチになると思う」と、今のソフトバンクの戦力なら、メジャー球団とも互角に戦えると自信満々だった。
5回表ソフトバンク一死満塁、明石健志内野手は左前適時打を放ちガッツポーズ
ソフトバンクは全試合に 2番で先発出場した明石健志内野手が通算16打数 7安打、 7四死球と活躍し、優秀選手に選ばれた。 2年連続日本一に大きく貢献し「打つ方に関しては球が見えていたし、タイミングも取れていた」と納得の表情を見せた。
俊足巧打の男はこの日も 3安打。先頭で打席に入った 4回には 2塁打で出塁し、李大浩の 2ランで先制のホームを踏み、 5回一死満塁では左前打でチームに 3点目をもたらした。
9回表ソフトバンク二死 2塁、適時打を放った柳田悠岐外野手=神宮球場
不振だったソフトバンク柳田悠岐外野手が 9回に今シリーズ初の適時打を放った。
9回二死 3塁から、バーネットの内角高め 151キロを中堅左へはじき返し、だめ押しの 5点目を奪った。
「いいゲームだった。成績はよくなかったけど、勝てたんでよかった」。全 5戦で23打席、19打数 3安打、打率 1割 5分 8厘、 2打点。本塁打 0と苦しんだが、チームが連覇しようやく安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
日本一に輝き胴上げされるソフトバンク選手会長の松田宣浩内野手=神宮球場
ソフトバンク選手会長の松田宣浩内野手は、優勝の瞬間をうれし涙で迎えた。
あとアウト 1つの時点ですでに目は真っ赤。日本一が決まると、工藤監督、孫オーナーに続いて胴上げされた。「選手会長になって、 2年連続で日本一になろうと思っていた。それを実現できて、こんな幸せなことはない」と、喜びをかみしめた。
「HKT48」指原莉乃氏(写真は2015年 9月28日)
ソフトバンクが 2年連続の日本一を決め、地元福岡を本拠とする「HKT48」メンバーも喜びのコメントを寄せた。
劇場支配人兼任で、先月28日には始球式イベントにも出演した指原莉乃は「ソフトバンクホークス日本一おめでとうございます。同じ福岡を拠点に活動しているので、とてもいい刺激になります。ソフトバンクホークスのように福岡を盛り上げれるように私達『HKT48』も頑張ります。本当に日本一おめでとうございます!!」。
また、元ホークス投手、若田部健一氏(日刊スポーツ評論家)の娘で「HKT48」の若田部遥は、この日の劇場公演に出演し、帰宅後に家族で日本一を見届けたといい「日本一おめでとうございます! 最高にうれしいです。日本シリーズも圧倒的な強さで私たちの期待に応えてくれました。すごく頼もしかったです。キャプテンの内川選手が不在の中、選手の皆さんの団結力を改めて感じました。今シーズンもとてもとても楽しかったです。たくさんの感動をありがとうございました。工藤監督、選手の皆さん本当におめでとうございます!」と祝福した。
福岡出身の武田鉄矢氏(写真は2015年 5月 7日)
2年連続日本一に輝いたソフトバンクに、福岡出身の武田鉄矢が喜びのコメントを寄せた。
鷹軍団のなんと強かったことか、おめでとう工藤監督! CSの戦いから日本シリーズの連覇達成までの試合で、どの攻撃、どの守備にもスキがなかった今年です。たとえ敗れたゲームでさえも、ここがつけ込める弱点と燕軍団に油断のスキをみせませんでした。
栄光の巨人軍が球史に残した「V9伝説」に続く新しい伝説、鷹軍団の伝説、その第 2章を見た喜びでいっぱいです。
おめでとうございます、新しい鷹軍団の戦士達!
日本一を決め、松田宣浩(左)からビールをかけられる左から孫正義オーナー、工藤公康監督、王貞治会長
ソフトバンクは試合後、都内の宿舎で祝勝会を行い、喜びを分かち合った。福岡移転後、 5度目の日本一だが、都内で祝勝会を開くのは初。ソフトバンク本社としても待望の「お膝元」での歓喜となった。
孫オーナーは冒頭のあいさつで「みんなの戦いぶりに、本当に感動しました」と喜びを爆発させた。王会長も「すべてにおいて日本一の戦いをしてくれた」と褒めたたえた。工藤監督は「みんなスゴイ。常々、一番つらい思いをした人が集まったチームが日本一になれると思っている。君たちは日本一の人間だ。誇りに思う」と評した。
恒例となった松田選手会長の「全員! 熱男」の叫びとともに、ビールかけがスタート。用意されていた3000本のビール、コーラ 480本、日本酒はたる酒 8斗、一升瓶60本、マグナムボトルのシャンパン 1本が、あっという間に泡と化した。
1961年、祝勝会でビールを浴びた現役時代の野村克也氏(手前)。畳の上でも豪快にビールかけが行われていた
パ・リーグ覇者のソフトバンクはセ・リーグ王者ヤクルトとの第5戦に 5- 0で快勝し、 4勝 1敗で 2年連続 7度目(前身球団を含む)の日本一に輝いた。
ホークスにとって、東京での日本一ビールかけは、南海時代の1959年、今年と同じ10月29日以来で、56年ぶり。立教大學から入団 2年目でシーズン38勝の杉浦忠が巨人とのシリーズでも 4連投 4連勝を飾り、無敗で日本一に輝いた。
その夜、東京都内の宿舎で祝勝会。どんちゃん騒ぎの中で外国人投手のサディナとハワイ出身の内野手、カールトン半田(春夫)が「アメリカンスタイルだ!」と周りの選手にビールを浴びせ始めた。当時正捕手だった野村克也氏(80=サンケイスポーツ専属評論家)は「旅館の畳はびしょびしょ。半田さんはユニホームのまま風呂に飛び込んでね。日本での『ビールかけの元祖』だったと思う」と振り返る。大阪に戻った後の「涙の御堂筋パレード」も有名。
勢いが違った!力が違いすぎた!やはり若鷹軍団がかつしかなかった試合だった。これからは、来シーズンに向かってスタートだ!皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ!
ガンバレ!ソフトバンクホークス!勝利を掴め!
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