ヤクルトが今季初勝利…虎・金本監督、やり返し予告！最終回のゴメス３ラン！打点ランクトップ独走！

　30日神宮球場でヤクルト－阪神 2f回戦が行われ、ヤクルトが逃げ切り、今季 5戦目で初勝利。 6回 1失点の先発成瀬が 1勝目。阪神は 9回に追い上げたが、連勝は｢３｣で止まった。昨季王者のヤクルトが、開幕 5戦目で今季初勝利を挙げた。先発の成瀬善久投手(30)が 6回 2安打 1失点と好投。 4回には、鵜久森淳志外野手(29)が勝ち越しの今季 1号ソロを放った。真中満監督(45)は待ちこがれた白星に安堵(あんど)の表情を見せた。
　阪神は30日、ヤクルトに 4－ 8で敗戦。 8回までは一方的な展開ながら、 9回にマウロ・ゴメス内野手(31)が 2試合連続、今季 3本目となる 3ランを放ち、最後まで声援を送った神宮の虎党を大いにわかせた。金本知憲監督(47)はこの勢いを31日に持ち込み、開幕 2カード連続勝ち越しを誓った。この日からダッグアウトに大きな変革があった。日曜日に登板予定で“上がり”の藤川球児投手(35)がベンチに座った。｢投げない日はチームの一員としてベンチに入ってもらおうとなった。ベンチの人数の関係はあるが、極力入ってもらうということです｣と香田勲男投手コーチ(50)。今後もベンチ入り25人( 1軍登録28人)に入っている先発投手は、試合終了まで戦いの輪に加わる。
　失策こそ記録されなかったが…。細かなほころびが失点につながった。 1－ 2の 6回一死から、鵜久森の 3遊間深くのゴロを鳥谷敬内野手(34)が 1塁へハーフバウンド送球。ゴメスが捕球できずに出塁を許す(記録は内野安打)と、続く西浦の 1塁後方へフラリと上がった飛球もポトリと落ちて、適時 2塁打に。結局、この回一挙に 5失点した。久慈内野守備走塁コーチは手綱を締めた。記録には残らない小さなミスを減らすことで、勝負強いチームに変えていく。
　初めて何もさせてもらえず、唇をかんだ。高山俊外野手(22＝明治大學)の開幕からの連続試合安打が｢４｣で止まった。プロの壁などないように突き進んできたが…。バックネット裏では、恩師の明治大學野球部・善波達也監督(53)が見守った試合で、立ち止まった。オープン戦でも先発した13試合すべてで安打を放っていた背番号｢９｣には、プロ初の“ 4タコ”だった。オープン戦期間中から“忠告”していた。チームで誰よりも打席が回り、勝敗の鍵も握る 1番打者。師の教えの通り、もう一度。止まらない快音を響かせていく。高山とともに売り出し中の横田慎太郎外野手(20)のバットの勢いが止まりつつある。 1回一死から右前打で出塁するも次打者ヘイグのときに 2盗に失敗。この後の 3打席で快音は聞かれなかった。
　マウロ・ゴメス内野手(31)が 2試合連続の 3号 3ランを放った。 7点のリードを許した 9回。一死 1、 2塁でヤクルト徳山から左翼席スタンド中段に運んだ。ここまでの本塁打 3本はいずれも 3ラン。 5試合で10打点を稼ぎ出し、打点ランクトップを独走している。今季 3本目となる 3ランを放ち、最後まで声援を送った神宮の虎党を大いにわかせた。連勝は 3でストップ。表情も語り口も淡々としていた指揮官だが、目は鋭かった。スコア上は 4－ 8。 5安打と14安打。オープン戦を通じても、初といっていい完敗。しかし 1－ 8の 9回に、意地を見せた。 5番に控える助っ人の特大弾で、この回、楽勝ムードだった燕ベンチから計 3投手を引っ張り出し、キモを冷やさせた。合わせて 1安打に終わった高山、横田の 1、 2番コンビにもプロの攻め方の壁に当たることなど、百も承知。まずは積極的にファーストストライクから強く振っていく。その上での凡退を責めるつもりなどない。勝負の 3戦目。東京出張の坂井オーナーも急きょ観戦に訪れる予定だ。粘りの 3点を糧に、今季初勝利で息を吹き返した前年度覇者に、正面からぶち当たる。
　新助っ人のマット・ヘイグ内野手(30)が開幕から 5試合目で来日初アーチを放った。 1点を追う 4回一死、成瀬の内角直球をとらえて左翼席最前列に届かせた。値千金の同点ソロ。ホームベースを踏んだ後、スタンドに向かって左手の人さし指を突き出して感謝の思いを伝えた。母・テレサさん(54)と弟・マイケルさん(28)の前で、ヘイグが来日初本塁打を放った。 9回には徳山から左翼フェンス直撃の 2塁打。この日は 2打数 2安打 1打点、 2四球と大暴れ。知人の結婚式で一時帰国中のエリカ夫人にも、いい報告ができそうだ。この日の試合前、大きな紙袋を持って選手宿舎に戻ってきた。家族でショッピングを楽しんだという。家族と歩いた東京の街は桜の開花が始まったが、まだ肌寒かった。母と一緒に買ったジャケットを見て｢サムイ、サムイネ｣と笑った。ひげを伸ばしているのは、日本の寒さに慣れないからだという。家族とハグをして、グラウンドへと向かっていった。試合後は｢(夕食は)ルームサービスにしようと思っている。(お互いに)疲れていると思うので｣と家族を気遣った。頼れるＭ砲は、心優しい息子の顔に戻っていた。
　岩田稔投手(32)は今季初先発で 6回途中11安打 7失点と炎上した。 3番ヘイグの同点ソロで追いついた直後の 4回一死、 6番鵜久森への内角スライダーが浮いて左翼席に運ばれた。 6回には不運な当たりも絡み、 8番中村に 2ランも献上。試合を作れなかった。岩田は降板を告げられると、マウンド上で顔をしかめた。チームの連勝を｢３｣で止めたことに、岩田は何度も｢悔しい｣と繰り返した。次回登板で、雪辱を果たしてみせる。
　 1－ 5の 6回二死 1、 3塁で登板した 2番手・鶴直人投手(28)が火に油を注いだ。山田に四球を与えて満塁とし、 4番・畠山にスライダーを右前へ運ばれた。 2人の生還を許して、天を仰いだ。前回登板の25日の中日戦(京セラＤ)でも 1回 1失点。 2試合連続でふがいない結果に終わり、 2軍降格が濃厚となった。
　30日筑後球場でウエスタン・リーグ＜ソフトバンク－阪神＞が行われ、ラファエル・ドリス投手(28＝前タイガース)が30日、ウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)で 2－ 3の 8回に登板し、最速 152キロの直球で三者凡退。試合はそのまま敗れたが、これで 2軍では 3試合連続無失点となった。明るい性格でムードメーカーも務める助っ投に、掛布雅之２軍監督(60)も目を細めた。ドリスは 1点を追う 8回に登場。ＭＡＸ 152キロの直球に 130キロ台後半のスプリットやスライダーで緩急をつけ、三者凡退に仕留めた。これで25、26日の広島戦(由宇)に続き、 3戦連続無失点。試合展開にかかわらず 8回を任せられているドミニカンは、ムードメーカーとしても存在感を発揮している。記事をまとめて見ました。

　＜ヤクルト 8－ 4阪神 2回戦＞◇30日◇神宮球場
　ヤクルトが 2回二死 1塁、大引の左越え 2塁打で 1点先取。先発成瀬が上々の立ち上がりで、阪神は得点圏に走者を進められず。
　阪神は 4回一死ヘイグの来日 1号ソロで同点。だがヤクルトはその裏に鵜久森のソロで勝ち越し。 6回も中村の 2ランなどで 5点。
　ヤクルトが逃げ切り、今季 5戦目で初勝利。 6回 1失点の先発成瀬が 1勝目。阪神は 9回に追い上げたが、連勝は｢３｣で止まった。

　開幕 4連敗を止める今季初勝利を挙げたヤクルト真中満監督(中央)はナインと笑顔でハイタッチ＝神宮球場

　昨季王者のヤクルトが、開幕 5戦目で今季初勝利を挙げた。先発の成瀬善久投手が 6回 2安打 1失点と好投。
　同点の 4回には、鵜久森淳志外野手が勝ち越しの今季 1号ソロを放った。打線はさらに 6回に火が付き、打者一巡の 5安打 5得点で阪神を突き放した。先発野手は全員安打と上り調子。真中満監督は｢ここまで長かったね…。まだ 1試合だけですが｣と笑い、待ちこがれた白星に安堵(あんど)の表情を見せた。

　 9回、本塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手を笑顔で出迎える藤川球児投手(中央)＝30日午後、東京都新宿区の神宮球場

　阪神は30日、ヤクルトに 4－ 8で敗戦。 8回までは一方的な展開ながら、 9回にマウロ・ゴメス内野手が 2試合連続、今季 3本目となる 3ランを放ち、最後まで声援を送った神宮の虎党を大いにわかせた。金本知憲監督はこの勢いを31日に持ち込み、開幕 2カード連続勝ち越しを誓った。
　この日からダッグアウトに大きな変革があった。日曜日に登板予定で“上がり”の藤川球児投手がベンチに座った。メジャーと違い、日本は先発は自分の登板日以外はベンチに入らず、練習後に引きあげるのが通例。しかし｢投げない日はチームの一員としてベンチに入ってもらおうとなった。ベンチの人数の関係はあるが、極力入ってもらうということです｣と香田勲男投手コーチ。今後もベンチ入り25人( 1軍登録28人)に入っている先発投手は、試合終了まで戦いの輪に加わる。

　ヤクルト・西浦直亨内野手の打球に届かないマウロ・ゴメス内野手＝神宮球場

　失策こそ記録されなかったが…。細かなほころびが失点につながった。
　 1－ 2の 6回一死から、鵜久森の 3遊間深くのゴロを鳥谷敬内野手が 1塁へハーフバウンド送球。ゴメスが捕球できずに出塁を許す(記録は内野安打)と、続く西浦の 1塁後方へフラリと上がった飛球もポトリと落ちて、適時 2塁打に。結局、この回一挙に 5失点した。
　 8回一死 1塁の遊ゴロでも、 2塁・北條が 1塁へ低投。ゴメスがワンバウンドを弾いて、併殺がとれなかった。
　久慈内野守備走塁コーチは｢せめぎ合いのなかでミスをしたらダメ。鳥谷の送球も中途半端だったし、北條も。ゴメスもできれば捕ってほしかった。開幕から守りのミスが目立つ。少なくしていかないと勝てない｣と手綱を締めた。記録には残らない小さなミスを減らすことで、勝負強いチームに変えていく。

　高山俊外野手は無安打。開幕からの連続試合安打は｢４｣で止まった＝神宮球場

　初めて何もさせてもらえず、唇をかんだ。高山俊外野手の開幕からの連続試合安打が｢４｣で止まった。明治大學の恩師が見守った試合で、立ち止まった。
　｢変化球にタイミングが合わなかった。打席の中で修正できなかったのが、きょうの結果です。(連続試合安打は)まわりの人が言うことで、僕が気にすることではないので。試合に負けたことが悔しいです｣
　 1回先頭で、２球続けて先発左腕・成瀬の外角への変化球に空振り。徹底して外を攻められ、 2打席連続で遊ゴロに倒れた。 6回一死の第 3打席も外寄りのスライダーで 1ゴロ。 8回の第 4打席は、杉浦の外角への直球で空振り三振。オープン戦でも先発した13試合すべてで安打を放っていた背番号｢９｣には、プロ初の“ 4タコ”だった。

　試合を観戦する明治大學野球部・善波達也監督＝神宮球場

　プロの壁などないように突き進んできたが…。バックネット裏では、恩師の明治大學野球部・善波達也監督が見つめていた。オープン戦期間中から｢連続安打はいつか止まる。固め打ちができるときはしておけ。そうじゃないと尻すぼみになるぞ｣と“忠告”していた。｢開幕戦の翌日、高山が『初安打出ました』って電話してきてくれたけど。『相変わらず 1本ずつだな』と言ってやりましたよ｣と笑う。26日の 2戦目まで、 1安打ずつだった高山は｢ 2本目を打てるよう頭を使います｣と力強い言葉を返したという。この日の 4打数無安打で、打率 0.217(23打数 5安打)。だが、うつむいているヒマはない。
　｢こういう日の次の日が大事。いい意味で気持ちを切り替えて、あした一生懸命、試合に挑むつもりです｣
　チームで誰よりも打席が回り、勝敗の鍵も握る 1番打者。師の教えの通り、もう一度。止まらない快音を響かせていく。

　高山とともに売り出し中の横田慎太郎外野手のバットの勢いが止まりつつある。 1回一死から右前打で出塁するも次打者ヘイグのときに 2盗に失敗。この後の 3打席で快音は聞かれなかった。前日29日も 5打数無安打で、神宮でのナイター２試合は打率 0.111( 9打数 1安打)。｢(打てない原因は)ナイターとかは関係ない。とにかく、打つことだけを考えています｣と前を向いた。

　 9回表阪神一死 1、 2塁、ゴマウロ・ゴメス内野手は左越えに 3ランを放った＝神宮球場

　マウロ・ゴメス内野手が 2試合連続の 3号 3ランを放った。
　 7点のリードを許した 9回。一死 1、 2塁でヤクルト徳山から左翼席スタンド中段に運んだ。ゴメスは｢積極的にいこうと思って、打てる球が来たので思い切っていったよ｣と笑顔。
　ここまでの本塁打 3本はいずれも 3ラン。 5試合で10打点を稼ぎ出し、打点ランクトップを独走している。

　 3点本塁打を放ったゴマウロ・ゴメス内野手＝神宮球場

　ホンマに負けてもオモロイわ！　阪神は30日、ヤクルトに 4－ 8で敗戦。 8回までは一方的な展開ながら、 9回にマウロ・ゴメス内野手が 2試合連続、今季 3本目となる 3ランを放ち、最後まで声援を送った神宮の虎党を大いにわかせた。金本知憲監督はこの勢いを31日に持ち込み、開幕 2カード連続勝ち越しを誓った。
　そこに“神宮名物”はなかった。｢あした、あした！｣｢あした、頼むで！｣。 3塁側ファウルゾーンを歩いて引き上げる金本監督へ、ファンの声援が降り注いだ。目の前を通るだけに、敗戦時の虎将へのヤジの嵐は恒例行事だったが…。今年は違う。あすへの希望が、そこにはあった。
　｢そりゃ、ウチもきのう(最終回の粘りを)やられてね。それをきょうは、ヤクルトはつなげた形だから。ウチも最終回 3点とったのを、あしたにつなげないと｣

　金本知憲監督は 9回、 3ランのマウロ・ゴメス内野手を出迎える。これを31日につなげて 2カード連続勝ち越しだ＝神宮球場

　連勝は 3でストップ。表情も語り口も淡々としていた指揮官だが、目は鋭かった。スコア上は 4－ 8。 5安打と14安打。オープン戦を通じても、初といっていい完敗。しかし 1－ 8の 9回に、意地を見せた。
　一死からヘイグが 2塁打を放ち、福留が四球。ゴメスは徳山の初球 137キロをとらえた。左中間へ 2試合連続、リーグトップタイの 3号 3ラン。｢積極的にいこうと思った。打てる球が来たので強くスイングしたよ｣。これでリーグ独走の10打点目。｢自分の前に走者が出てくれるので、結果的にいいホームランが打てている。この状態を続けていきたい｣。 5番に控える助っ人の特大弾で、この回、楽勝ムードだった燕ベンチから計 3投手を引っ張り出し、キモを冷やさせた。
　｢負けてもファンが納得する負け方を｣－。開幕前に誓った言葉を確実に実践した。先発の成瀬に 6回わずか 2安打、得点はヘイグのソロのみと沈黙。｢のらりくらりとかわされたかな｣。

　先発の岩田稔投手＝神宮球場

　それでも 1回一死 1塁では横田が、 4回二死 1塁ではゴメスが盗塁を仕掛けた。ともに失敗も、｢そりゃ(いけると思ったら)いかないと。アウトになったからって、足が止まったらね。(それで)一切、ビビッていけなくなったら、どう思う？｣ときっぱり。攻める野球に迷いはない。
　合わせて 1安打に終わった高山、横田の 1、 2番コンビにも｢変化球が多い投手に対して、正直に真っすぐいきすぎたのかな。まあ、そこは経験だと思うから｣。プロの攻め方の壁に当たることなど、百も承知。まずは積極的にファーストストライクから強く振っていく。その上での凡退を責めるつもりなどない。
　｢連敗(しない)というより、一番は勝ち越し。カード勝ち越しというのが目標だから｣
　勝負の 3戦目。東京出張の坂井オーナーも急きょ観戦に訪れる予定だ。粘りの 3点を糧に、今季初勝利で息を吹き返した前年度覇者に、正面からぶち当たる。
◆データＢＯＸ◆
◎…阪神は31日に勝てば、開幕から 2カード連続勝ち越し。 2カード連続勝ち越しは昨年 8月11～13日の中日戦(京セラＤ＝○○○)、14～16日のヤクルト戦(神宮＝○●○)以来。開幕からの 2カード連続勝ち越しは、真弓監督 2年目の2010年で、横浜戦(京セラＤ＝○○●)、広島戦(マツダ＝○○。 2戦)以来。ちなみに同年の最終成績は 2位。阪神の新指揮官で開幕 2カード連続勝ち越しは2002年星野監督以来。

　 4回表阪神一死、マット・ヘイグ内野手は同点本塁打を放った＝神宮球場

　新助っ人のマット・ヘイグ内野手が開幕から 5試合目で来日初アーチを放った。
　 1点を追う 4回一死、成瀬の内角直球をとらえて左翼席最前列に届かせた。値千金の同点ソロ。
　｢ 1本目を打てて、ホームランの雰囲気を楽しむことができたね。カウント３ボールからインサイド気味にストライクが来て、もうひとつ続けてくるんじゃないかなという意識があったから、うまく打ち返すことができたよ。今日は母と弟が観戦に来ているんだ。家族の目の前で打つことができてうれしいよ｣と喜んだ。

　マット・ヘイグ内野手は 4回、左翼席へ来日初本塁打となる 1号ソロを放った＝神宮球場

　ホームベースを踏んだ後、スタンドに向かって左手の人さし指を突き出して感謝の思いを伝えた。母・テレサさんと弟・マイケルさんの前で、ヘイグが来日初本塁打を放った。
　｢きょうは母と弟が観戦に来ているんだ。家族の前で打つことができて、うれしいよ｣
　 0－ 1の 4回一死。先発・成瀬の高めの直球をジャストミート。打球は風に乗り、左翼席ギリギリに着弾した。開幕 5試合目、19打席目での 1号ソロ。プレゼントしたタテジマのユニホームを着て盛り上がる家族を見て、心地よさそうにダイヤモンドを一周した。
　｢(家族は)できる限り(観戦に)来てもらいたいと思っている。そのなかでホームランを打てて、よかったです｣
　 9回には徳山から左翼フェンス直撃の 2塁打。この日は 2打数 2安打 1打点、 2四球と大暴れ。知人の結婚式で一時帰国中のエリカ夫人にも、いい報告ができそうだ。

　マット・ヘイグ内野手の母・テレサさん(左)と弟・マイケルさん(右)が観戦に訪れた＝神宮球場

　この日の試合前、大きな紙袋を持って選手宿舎に戻ってきた。家族でショッピングを楽しんだという。家族と歩いた東京の街は桜の開花が始まったが、まだ肌寒かった。母と一緒に買ったジャケットを見て｢サムイ、サムイネ｣と笑った。ひげを伸ばしているのは、日本の寒さに慣れないからだという。家族とハグをして、グラウンドへと向かっていった。
　開幕 5試合で打率 0.500(14打数 7安打)、 1本塁打、 5打点。ここまで21打席で、一度も空振りをしていない。オープン戦で打率 0.194と低迷していたことが、ウソのような活躍だ。
　金本監督は｢最後( 9回)もいい当たりをしていたし、オープン戦のときと比べたら、そりゃ、別人になっているよね｣と目を丸くした。
　試合後は｢(夕食は)ルームサービスにしようと思っている。(お互いに)疲れていると思うので｣と家族を気遣った。頼れるＭ砲は、心優しい息子の顔に戻っていた。
★母・テレサさん｢心配ですね｣
　バックネット裏のスタンドでは、ヘイグの母・テレサさんと弟・マイケルさんが声援を送った。テレサさんは｢毎日、試合をインターネットで見ています。(米国と日本は離れているので)心配ですね｣。米国でエンジニアをしているマイケルさんは｢野球が好きで、米国でも見ているけど、ここもいいね｣と日本の野球が気に入ったようすだった。
◆データＢＯＸ◆
　ヘイグが開幕 5試合目で初本塁打。主な阪神の助っ人では1989年フィルダー、1991年オマリーはともに 1試合目、2010年マートンが 4試合目で来日初本塁打をマークしている。今季の他球団の新助っ人では、中日・ビシエドが 1試合目で放ち、そこから 3試合連続本塁打を記録。

　 2回裏ヤクルト二死 1塁、大引啓次内野手に左翼線へ先制適時 2塁打を浴びた岩田稔投手＝神宮球場

　岩田稔投手は今季初先発で 6回途中11安打 7失点と炎上した。 3番ヘイグの同点ソロで追いついた直後の 4回一死、 6番鵜久森への内角スライダーが浮いて左翼席に運ばれた。
　｢同点に追いついてもらった直後にホームランを打たれてしまい、それがゲーム全体として相手に勢いを与えることにつながってしまったと思います。完全に失投でした｣。 6回には不運な当たりも絡み、 8番中村に 2ランも献上。試合を作れなかった。

　岩田稔投手は 5回 2/3を11安打 7失点。不運な当たりもあって粘りきれなかった＝神宮球場

　岩田は降板を告げられると、マウンド上で顔をしかめた。 5回 2/3を投げて11安打 7失点。自分への怒りだった。
　｢(調子は)悪くはなかった。でも、結果がすべてなので。やられたことが悔しい｣
　 5回までは再三のピンチを招くも、 2失点に食い止めた。しかし 6回。一死後、鵜久森に遊撃内野安打を許すと、西浦には 1塁・ゴメスの頭上をフワリと越える不運なヒット。これが適時 2塁打となって気落ちしたのか、続く中村に 2ランを被弾した。
　金本監督も｢(西浦の)ポテンヒットが大きかったかな。 1塁の後ろの。打たれてはないからね。抑えている投球だから。なんというか、アンラッキーだった｣と、左腕を責めなかった。
　チームの連勝を｢３｣で止めたことに、岩田は何度も｢悔しい｣と繰り返した。次回登板で、雪辱を果たしてみせる。

　 1－ 5の 6回二死 1、 3塁で登板した 2番手・鶴直人投手(28)が火に油を注いだ。山田に四球を与えて満塁とし、 4番・畠山にスライダーを右前へ運ばれた。 2人の生還を許して、天を仰いだ。｢絶対に抑えたかったのですが…。チームに迷惑をかけてしまいました｣。前回登板の25日の中日戦(京セラＤ)でも 1回 1失点。 2試合連続でふがいない結果に終わり、 2軍降格が濃厚となった。

　ウエスタン・リーグ＜ソフトバンク 3－ 2阪神＞◇30日◇筑後球場
　ムチョいいね！　ラファエル・ドリス投手が30日、ウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)で 2－ 3の 8回に登板し、最速 152キロの直球で三者凡退。試合はそのまま敗れたが、これで 2軍では 3試合連続無失点となった。明るい性格でムードメーカーも務める助っ投に、掛布雅之２軍監督も目を細めた。
　ドリスは 1点を追う 8回に登場。ＭＡＸ 152キロの直球に 130キロ台後半のスプリットやスライダーで緩急をつけ、三者凡退に仕留めた。
　｢ムチョいいね！　ファームでも打者はいいと感じるし、そのなかで抑えられたのは収穫です｣
　人懐っこい笑顔で、うなずいた。

　ドリスは 8回を緩急をつけて三者凡退。ムードメーカーとしても存在感を発揮している＝筑後球場

　ムチャじゃないの？　いや、名曲『ベサメ・ムーチョ』のムチョです。ドミニカ共和国の公用語であるスペイン語では｢とても｣や｢もっと｣を意味する言葉。それを日本語とくっつけた“ドリス語”なのだ。これが今、 2軍では大流行で、鶴岡らも助っ人とすれ違うたびに｢ムチョ！｣と声をかけるほど。
　これで25、26日の広島戦(由宇)に続き、 3戦連続無失点。試合展開にかかわらず 8回を任せられているドミニカンは、ムードメーカーとしても存在感を発揮している。
　掛布 2軍監督は｢(ドリスは)明るいからね。チームの雰囲気も明るい。追う展開でも 8回をビシッと抑えてくれると 9回に何が起こるかわからないから｣と目を細める。外国人枠の関係でなかなか 1軍に行く機会はないが、いつ昇格してもいいように｢ムチョいい！｣結果を積み重ねる。

　まだ 2/143敗にしか過ぎない。これからも頑張ればいつか夢は叶う！2016年シーズンこそ全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって前進だ！　ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！

　2016年オープン戦・公式戦日程と結果(03月)

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