12日阪神甲子園球場で阪神－ＤｅＮＡ 4回戦が行われ、ＤｅＮＡは 1回、ロペスの適時打で 1点を先制。その裏、阪神はゴメスの 2点適時 2塁打で逆転。さらに西岡の適時打で加点した。ＤｅＮＡは 7回、代打下園の 2点適時打で反撃。しかし阪神は 7回以降、 5投手を注ぎ込む小刻みな継投で逃げ切り。貯金｢３｣とした。阪神が連敗を｢２｣で止め、巨人、広島と同率首位に並んだ。金本知憲監督(48)は勝利に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
藤浪晋太郎投手(22)がバーステー星をゲットした。 7回途中を 3失点(自責 2)で開幕から 3連勝。ただ、 6連戦の初戦に救援陣 5人の助けを借りる形となり、猛省。プロ初の 3塁打を放ち、自身の22歳誕生日で初めて白星を手にしたが、悔しさを隠しきれなかった。22歳の誕生日にＤｅＮＡ戦に先発し、 7回途中 3失点。チームは 4－ 3で勝ち、今季｢３勝目｣を挙げた。藤浪は 1回二死から、安打と四球でピンチを迎えると、ロペスに先制打を浴びた。 2回以降は 150キロ超えの真っすぐと変化球の緩急で凡打の山を築いた。 5回まで毎回奪三振と快投をみせた。打ってもみせた。 5回の第 2打席では、ＤｅＮＡ先発の久保康の外角真っすぐを右中間にはじき返した。打球の行方をみながら、迷わず 2塁を蹴って 3塁に迫力のスライディングだ。プロ初の 3塁打をマークすると、高山の中犠飛でチーム 4点目のホームを踏んだ。バースデー勝利に向け、順風満帆かと思われたが、 7回につかまった。 3－ 4と 1点差に迫られたところで、交代を告げられた。救援した高宮、安藤が後続を抑え、結局藤浪は 6回 1/3を 124球、 4安打 9奪三振、 3失点。阪神では2008年下柳( 4連勝)、アッチソン( 3連勝)以来となる開幕 3連勝を飾った。ひたすら自分を責めたのはチームを背負って立つ覚悟ゆえ。もう22歳。愛する家族に支えられ、虎を支えようともがく。母・明美さん(51)からのプレゼントは、輸入品Ｔシャツ。プロ入り後も毎年、一番求めているものをくれた。誕生日の夜、寮の門限間際に呼び出されてほんの少しだけ会い、ラッピングされたギフトを受け取るのが、恒例行事となりつつある。この夜、チームからもらった“贈り物”は返品するつもりだ。連敗を｢２｣で止め、巨人、広島と並んで首位に浮上した22歳の夜。この悔しさを忘れず、混セを突き進む。
ドラフト 1位・高山俊外野手(22＝明治大學)が 9試合連続安打をマークした。先制された直後の 1回に 2塁内野安打を放ち、記録をキープするとともにチャンスメーク。 7回にも二死から左前打。犠飛も放って、勝利に貢献した。これで日本大學第三高校からの甲子園スタメン出場試合の連続安打を｢２０｣に伸ばした。ルーキーながら主力選手としての自覚を示していた。藤浪の激走 3塁打に武者震いした。 3－ 1の 5回無死 3塁。Ｄ 1位・高山俊外野手は久保康友投手(35)の初球、甘めのフォークを見逃さなかった。飛距離十分の中犠飛。試合の行方を左右する今季 8打点で貴重な追加点。打点を挙げればこれでチームは 5勝 1分け。勝利を決定づけたといっていい。試合後、報道陣から自らの“不敗神話”を伝え聞くと頬を緩めた。マルチ安打は早くも 5度目。安打数｢２３｣はリーグ 2位で26安打でトップの川端(ヤクルト)を追走だ。ぼんやりとその日の打席を眺めるのではなく、必ず明確な意図をもっている。だから、快音が続く。高山狂騒曲は終わらない。
マウロ・ゴメス内野手(31)と安藤優也投手(38)が、投打のヒーローとしてお立ち台に上がった。初回に逆転の 2点 2塁打を放ったゴメスは、ヒーローインタビューで笑顔。やはりこの男が 5番にいると、違う。 1点を先制された直後の 1回二死 1、 2塁。ゴメスが久保康のチェンジアップを豪快にとらえた。左中間を真っぷたつに破る逆転の 2点 2塁打。塁上で、太い両腕を空へ突き上げた。“みそぎ”の一打となった。 9日の広島戦(甲子園)で腰に張りを感じて 6回の守備から交代。逆転負けを喫し、翌10日は欠場。不在の間に 2連敗した。｢もう大丈夫。途中で退いたときは痛かったけど。(その後)痛みがあったというわけじゃない｣と全快を宣言。金本監督も最敬礼だ。久保康を打ったことも大きい。元虎右腕には試合前まで19打数 2安打(打率 0.105)。多彩な変化球やスーパークイックで翻弄する技巧派。打てないだけでなくその後のタイミングまで狂わされるなんて、まさに“久保の呪い”！？ 実際、Ｇ戦は12打数 1安打。そんな相手からの会心打でスッキリすると、 8回にも中前打を放ち、出場11試合ぶり、今季 2度目のマルチ安打だ。ゴメスにエンジンがかかれば、これほど頼もしいことはない。
西岡剛内野手(31)はゴメスの逆転 2点 2塁打が飛び出した直後の 1回二死 2塁で中前適時打。打率 0.316は福留と並びチームトップ。状態をぐいぐい上げてきた。
安藤、満塁斬り！ 7回二死リードわずか 1点の逆転ピンチ救った！コールされた瞬間、甲子園は異様な雰囲気だった。どよめき、不安、期待…。スタンドを埋めたジェット風船が怖くみえるほどだった。抑えればヒーロー、負ければ…。 4－ 3の 7回二死満塁。相手打者は 3番・井手。安藤の今季 2度目の登板はがけっぷちだった。これでメシを食ってきた。四球も許されない場面だった。 2球で 2ストライクと追い込んだ。選んだのは 3球勝負。外角低め 131キロのスライダーでバットをへし折り、 1ゴロに仕留めた。カバーに入った 1塁ベース上で小さくガッツポーズ。すぐに西岡が祝福し、福留が江越が駆け寄る。大仕事をしたベテランをねぎらった。金本監督は、任務を完遂した背番号｢１６｣に賛辞を惜しまない。まだ16試合。この先もこの男の制球力が必ず虎を救う。38歳は静かに闘志を燃やす。ピンチになればなるほど、“あんちゃん”の背中が大きく見える。
マルコス・マテオ投手(31)が 1点リードの 9回を 3人で締め、 3月29日のヤクルト戦(神宮)以来となる 3セーブ目を挙げた。ここ 3試合は、セーブのつく場面での登板ではなかっただけに、久しぶりにクローザーの仕事ができ、満足げだった。
マット・ヘイグ内野手(29)が体調不良を考慮され、 5回表の守備からベンチに下がった。 4回裏の 2打席目まで 2打数無安打。そのまま途中交代し、ロッカールームに戻った。病み上がりで体調を考慮されたとみられる。記事をまとめてみました。
＜阪神 4－ 3ＤｅＮＡ、 4回戦＞◇12日◇阪神甲子園球場
ＤｅＮＡは 1回、ロペスの適時打で 1点を先制。その裏、阪神はゴメスの 2点適時 2塁打で逆転。さらに西岡の適時打で加点した。
阪神先発の藤浪は 6回まで 2安打 1失点。打線は 5回、高山の犠飛で 1点を追加した。ＤｅＮＡ先発久保康は 5回 4失点で降板。
ＤｅＮＡは 7回、代打下園の 2点適時打で反撃。しかし阪神は 7回以降、 5投手を注ぎ込む小刻みな継投で逃げ切り。貯金｢３｣とした。
阪神先発の藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
阪神が連敗を｢２｣で止め、巨人、広島と同率首位に並んだ。
初回に先制されるも、その裏、打線が奮起。 3得点で逆転した。
1点差に迫られた 7回一死 1、 2塁からは、 5投手の継投でなんとか逃げ切った。
金本知憲監督は｢終盤、ピンチが多くてハラハラしましたけど、まあ良かったです。連敗をしないことは大きいと思う。さすがに『３』つというのは、この時期、まだ 4月といえども痛いからね｣と勝利に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
ＤｅＮＡ打線相手に力投した藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
藤浪晋太郎投手がバーステー星をゲットした。
7回途中を 3失点(自責 2)で開幕から 3連勝。ただ、 6連戦の初戦に救援陣 5人の助けを借りる形となり、｢先発としての役目を果たせなかった。いいピッチングとは言い難い｣と猛省。プロ初の 3塁打を放ち、自身の22歳誕生日で初めて白星を手にしたが、｢どうでもいいです｣と悔しさを隠しきれなかった。
藤浪晋太郎投手（左）と笑顔でハイタッチする金本知憲監督＝阪神甲子園球場
藤浪晋太郎投手が、22歳の誕生日にＤｅＮＡ戦に先発し、 7回途中 3失点。チームは 4－ 3で勝ち、今季｢３勝目｣を挙げた。
藤浪は 1回二死から、安打と四球でピンチを迎えると、ロペスに先制打を浴びた。それでも、その裏、ゴメス、西岡の適時打で逆転してくれると、一層気合を込めた。
2回以降は 150キロ超えの真っすぐと変化球の緩急で凡打の山を築いた。 4回には主砲・筒香を 150キロで見逃し三振。 5回まで毎回奪三振と快投をみせた。
5回、 3塁打を放った藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
打ってもみせた。 5回の第 2打席では、ＤｅＮＡ先発の久保康の外角真っすぐを右中間にはじき返した。打球の行方をみながら、迷わず 2塁を蹴って 3塁に迫力のスライディングだ。プロ初の 3塁打をマークすると、高山の中犠飛でチーム 4点目のホームを踏んだ。
バースデー勝利に向け、順風満帆かと思われたが、 7回につかまった。先頭ロペスの打球を鳥谷が失策し出塁を許すと、四球と安打で一死満塁。ここで代打・下園に甘く入った変化球を右前に運ばれ、 2点を献上。 3－ 4と 1点差に迫られたところで、交代を告げられた。
5回、右中間を破るプロ初の三塁打を放った藤浪晋太郎投手。22歳の誕生日に大ハッスル＝阪神甲子園球場
救援した高宮、安藤が後続を抑え、結局藤浪は 6回 1/3を 124球、 4安打 9奪三振、 3失点。阪神では2008年下柳( 4連勝)、アッチソン( 3連勝)以来となる開幕 3連勝を飾った。
金本監督は、藤浪について｢彼からすれば、納得がいっていないと思うけど。彼が 3点以内に抑えて勝ったのは間違いない｣と、評価していた。
5回、 3塁打を放った藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
感謝感謝のバースデー星！！ 藤浪晋太郎投手が自身の誕生日に開幕｢３連勝｣を飾った。プロ初の 3塁打を放つなど、投打で躍動したが、 7回途中につかまり、降板。｢情けないの一言｣と不完全燃焼だったが、チームの連敗を｢２｣で止め、巨人、広島と並んで首位に浮上。負けない藤浪で混セを制す！！
勝利を“プレゼント”されるつもりはなかった。勝利へ導くつもりだったからこそ、藤浪は自分への怒りに満ちた表情でマウンドを降りた。自身初の開幕３連勝で、初バースデー星をつかんでも猛省した。
5回、高山俊外野手とハイタッチする藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
｢情けないの一言に尽きます。野手の方がすぐに点を取り返してくれた中でしたし。週あたまの火曜日で、 7回から 8回は投げないといけない試合でした。悔しいです｣
1回から33球を要したが、ロペスの左前適時打による 1点のみで踏ん張った。直後に打線が 3点を奪って逆転。最速は 154キロ。制球に苦しみながら、持ち直した。 3－ 1の 5回先頭で立った打席では痛烈に右中間を破ってプロ初の 3塁打をマーク。直後の高山の中犠飛で追加点を生んだ。 6回まで毎回の 9三振を奪い、今季初の甲子園登板でバースデー男らしく主役を演じた。
7回、金本知憲監督らベンチ、手前は降板する藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
だが、 7回暗転。先頭で鳥谷がロペスの遊撃前へのゴロを後逸し、そこから捕まった。一死から四球に安打で満塁。代打・下園を追い込んだが、フォークが落ちずに右前 2点打された。 1点差に詰め寄られなお一死 1、 2塁。場内がざわつき、金本監督がベンチを立つ。今季最短で交代だ。
｢流れが変わりやすい、締めていかないといけないところで、空回りした部分もあった。早くこの回を終わらせたい、という気持ちだった｣と悔やんだ。 6回 1/3を 4安打 3失点(自責 2)。だが誰も責めない。金本監督も｢多分、完投したかっただろうけどね。彼が投げて勝ったことは事実なんで。自分が投げて勝ったことを自信にしてほしい｣とねぎらった。
ゲームセットの瞬間、藤浪晋太郎投手は隣にいた梅野隆太郎捕手(右)に肩を叩かれた＝阪神甲子園球場
ひたすら自分を責めたのはチームを背負って立つ覚悟ゆえ。もう22歳。愛する家族に支えられ、虎を支えようともがく。母・明美さんからのプレゼントは、輸入品Ｔシャツ。｢外国のものなら、大きくても細身で合うかな｣と選ばれた一品だ。プロ入り後も毎年、一番求めているものをくれた。昨年は普段履き用の靴下。30センチの足に合う靴下が手近で見つからず｢面倒くさい…｣と悩んでいたところだった。誕生日の夜、寮の門限間際に呼び出されてほんの少しだけ会い、ラッピングされたギフトを受け取るのが、恒例行事となりつつある。
ＤｅＮＡに勝利はしたが表情はさえない金本知憲監督(左)と藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
この夜、チームからもらった“贈り物”は返品するつもりだ。｢勝たせてもらった。チームに借りができたと思うので、来週以降返していきたいです｣と言い切った。
連敗を｢２｣で止め、巨人、広島と並んで首位に浮上した22歳の夜。この悔しさを忘れず、混セを突き進む。
★ 3球団は44年ぶり
◎…阪神と広島が勝ち、巨人が負けたため、 3チームが同率で首位となった。15試合以上を消化して 3球団が同率首位となったのは、セでは1972年 5月12日(首位＝巨人・中日・大洋、22試合以上消化)以来44年ぶりとなった。
◎…藤浪が開幕 3連勝。阪神では2008年下柳( 4連勝)、アッチソン( 3連勝)以来 8年ぶり。
◎…藤浪の 3塁打はプロ 4年目で初。今季12球団の投手で 3塁打を放ったのも初めて。阪神の投手で 3塁打を放ったのは、昨年 5月 5日の中日戦(甲子園)で岩田が打って以来。
1回、安打を放った高山俊外野手＝阪神甲子園球場
ドラフト 1位・高山俊外野手が 9試合連続安打をマークした。
先制された直後の 1回に 2塁内野安打を放ち、記録をキープするとともにチャンスメーク。 7回にも二死から左前打。犠飛も放って、勝利に貢献した。
これで日本大學第三高校からの甲子園スタメン出場試合の連続安打を｢２０｣に伸ばした。
また打点を挙げれば無敗ということもあって｢そういうことならできるだけ多く打点を挙げたい。記録どうこうではなくそういう位置(レギュラー)を任せてもらっているので｣とルーキーながら主力選手としての自覚を示していた。
5回、貴重な追加点となる犠飛を放った高山俊外野手。打点を挙げれば、 6戦無敗だ＝阪神甲子園球場
藤浪の激走 3塁打に武者震いした。 3－ 1の 5回無死 3塁。Ｄ 1位・高山俊外野手は久保康友投手の初球、甘めのフォークを見逃さなかった。
｢晋太郎が作ってくれたチャンスを無駄にしたくなかった。あれだけ投げて走って…何としても 1点を取ろうと思った｣
飛距離十分の中犠飛。試合の行方を左右する今季 8打点で貴重な追加点。打点を挙げればこれでチームは 5勝 1分け。勝利を決定づけたといっていい。試合後、報道陣から自らの“不敗神話”を伝え聞くと｢それならできるだけ多く打点をあげたい。そういう打席が多くなればチームにとっていいこと｣と頬を緩めた。
ＤｅＮＡに 1点を先制された直後の 1回先頭ではたたきつけて 2塁への内野安打を奪って連続試合安打を｢９｣に伸ばすと、 7回二死では藤岡から左前に弾き返した。
7回裏阪神二死、左前打を放った高山俊外野手＝阪神甲子園球場
｢ 1日を通して、 2本出たことがすごくいいこと｣。マルチ安打は早くも 5度目。安打数｢２３｣はリーグ 2位で26安打でトップの川端(ヤクルト)を追走だ。
1安打に終わった 9日の広島戦後、高山はスコアラー室をノックした。
｢すみません…自分のストライクゾーンと審判のストライクゾーンとを確認したいので、映像をみせてもらえませんか｣
球審の判定に疑問を感じたのではない。自分の感覚を確かめ、仮にズレが生じていれば微修正したかった。井沢チーフスコアラーは｢本当にすごいと思った｣と新人離れした分析力と落ち着きに仰天。ぼんやりとその日の打席を眺めるのではなく、必ず明確な意図をもっている。だから、快音が続く。
｢ビデオは毎日みています。(ＤｅＮＡとの)対戦も 2度目。どういう攻め方をされるのかというのは頭の隅にはありましたが、積極性を忘れずに振っていきました｣
高山狂騒曲は終わらない。
ヒーローインタビュー後、安藤優也投手（右）とポーズをとるマウロ・ゴメス内野手＝阪神甲子園球場
マウロ・ゴメス内野手と安藤優也投手が、投打のヒーローとしてお立ち台に上がった。
初回に逆転の 2点 2塁打を放ったゴメスは、ヒーローインタビューで｢日曜日は腰に痛みあったんですけども、ほんとにトレーナー陣の方がしっかりと、治療してくれたおかげで、こういう形で戻ってこられましたので、これからも一生懸命、チームのために頑張っていきたいと思います｣と笑顔。
1点リードの 7回二死満塁で登板し、ピンチを切り抜けた安藤は｢藤浪が頑張っていて、藤浪の勝利が、あったので、藤浪の勝利を消さないように、投げました。明日も、あさっても、しあさっても、勝てるように頑張って投げていきます。応援よろしくお願いします｣と話した。
やはりこの男が 5番にいると、違う。 1点を先制された直後の 1回二死 1、 2塁。ゴメスが久保康のチェンジアップを豪快にとらえた。左中間を真っぷたつに破る逆転の 2点 2塁打。塁上で、太い両腕を空へ突き上げた。
1回、逆転の 2点 2塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手。完全復活だ！＝阪神甲子園球場
｢力まず、甘い球がくれば積極的に打とうと思った。トレーナー陣がしっかり治療してくれたおかげで戻ってこれたよ。これからもチームのために、一生懸命がんばっていきたいね！｣
お立ち台で力強く誓った。これでリーグトップ独走の17打点。｢幸運なことに本当に自分の前に走者が出てくれる。きっちりとかえす仕事をするだけだよ｣と胸を張った。
“みそぎ”の一打となった。 9日の広島戦(甲子園)で腰に張りを感じて 6回の守備から交代。逆転負けを喫し、翌10日は欠場。不在の間に 2連敗した。｢もう大丈夫。途中で退いたときは痛かったけど。(その後)痛みがあったというわけじゃない｣と全快を宣言。金本監督も｢ 1点取られてすぐに。大きかったですね｣と最敬礼だ。
ベンチでは 1塁から長躯、生還した38歳の福留に｢すいません｣と頭を下げた。｢先輩のフクドメさんをたくさん走らせてしまって申し訳ない。ちょっと歳をとっているので。次はジョギングでかえってこれるようホームランを打ちたいね｣。大きな体をぺこりとする姿に、ナインも大いに盛り上がった。
1回、 2点適時 2塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手＝阪神甲子園球場
久保康を打ったことも大きい。元虎右腕には試合前まで19打数 2安打(打率 0.105)。 2日の今季初対戦(横浜)も 2打数無安打に終わると、続く巨人戦(東京Ｄ)を前に、球団関係者がこんな心配を口にしていた。
｢ゴメスは久保康と対戦した後、どうもしばらく打撃が狂うんだよな…｣
多彩な変化球やスーパークイックで翻弄する技巧派。打てないだけでなくその後のタイミングまで狂わされるなんて、まさに“久保の呪い”！？ 実際、Ｇ戦は12打数 1安打。そんな相手からの会心打でスッキリすると、 8回にも中前打を放ち、出場11試合ぶり、今季 2度目のマルチ安打だ。
｢まだシーズン序盤。いいときも悪いときもある。ベストを尽くすだけだよ｣。打率はまだ 0.204。ゴメスにエンジンがかかれば、これほど頼もしいことはない。
1回、適時打を放った西岡剛内野手＝阪神甲子園球場
西岡剛内野手はゴメスの逆転 2点 2塁打が飛び出した直後の 1回二死 2塁で中前適時打。｢すぐに逆転できてよかった。カード初戦をとることが大事だと思って試合に臨みました｣。 1点リードの 8回一死 1塁では右翼線 2塁打を放ち、 2試合連続マルチ安打。｢しっかり引っ張っていけたのでよかった｣。打率 0.316は福留と並びチームトップ。状態をぐいぐい上げてきた。
1点リードの 7回二死満塁で、井手正太郎外野手を 3球で 1ゴロに仕留めた安藤優也投手はこのガッツポーズ＝阪神甲子園球場
安藤、満塁斬り！ 7回二死リードわずか 1点の逆転ピンチ救った！
コールされた瞬間、甲子園は異様な雰囲気だった。どよめき、不安、期待…。スタンドを埋めたジェット風船が怖くみえるほどだった。抑えればヒーロー、負ければ…。 4－ 3の 7回二死満塁。相手打者は 3番・井手。安藤の今季 2度目の登板はがけっぷちだった。
｢藤浪の勝利を消さないように投げました。たまたま、 3球で梅野がうまくリードしてくれました。感謝してます。いい仕事ができてよかった｣
これでメシを食ってきた。四球も許されない場面だった。 2球で 2ストライクと追い込んだ。選んだのは 3球勝負。外角低め 131キロのスライダーでバットをへし折り、 1ゴロに仕留めた。カバーに入った 1塁ベース上で小さくガッツポーズ。すぐに西岡が祝福し、福留が江越が駆け寄る。大仕事をしたベテランをねぎらった。
3年連続で50試合登板をクリアしたが、今季年俸は 300万円減の8200万円でサイン。39歳となる2016年。結果を残さなければ、あすはない－。奮い立った。
1点リードの 7回二死満塁で、井手正太郎外野手を 3球で 1ゴロに仕留めた安藤優也投手＝阪神甲子園球場
2月の安芸キャンプからブルペンには若手に先んじて入り、掛布 2軍監督を何度もうならせた。だが、勝利の方程式を期待されながら開幕２軍スタート。それでも｢必ずチャンスが来ると、しっかりと気を持った。必要とされるときがくると思って｣。気持ちを切らさず、汗を流してきた。
｢本当に、祈るような気持ち｣でマウンドに送り出したという金本監督は、任務を完遂した背番号｢１６｣に｢躍動感があるよね、何か、見ていてね。土壇場の底力というか、そういうのは感じるところはあるよね、あんちゃんには｣と賛辞を惜しまない。
まだ16試合。この先もこの男の制球力が必ず虎を救う。38歳は｢それしかないんでね。頑張ります｣と静かに闘志を燃やす。ピンチになればなるほど、“あんちゃん”の背中が大きく見える。
9回をピシャリと抑えたマルコス・マテオ投手＝阪神甲子園球場
マルコス・マテオ投手が 1点リードの 9回を 3人で締め、 3月29日のヤクルト戦(神宮)以来となる 3セーブ目を挙げた。｢こういうときのために準備はしていたよ。( 9回は)三振は取れなかったけど、セーブが取れて、チームが勝ったので、うれしいよ｣。ここ 3試合は、セーブのつく場面での登板ではなかっただけに、久しぶりにクローザーの仕事ができ、満足げだった。
4回裏阪神一死、マット・ヘイグ内野手は 2本目の遊ゴロに倒れ、守備から交代となった＝阪神甲子園球場
マット・ヘイグ内野手が体調不良を考慮され、 5回表の守備からベンチに下がった。
10日広島戦(甲子園)を発熱で欠場。この日は 2試合ぶりにスタメン出場したが、 4回裏の 2打席目まで 2打数無安打。そのまま途中交代し、ロッカールームに戻った。病み上がりで体調を考慮されたとみられる。
季節も 4月半ばとなり、新緑の季節への移り変わる頃となってきた。このままではいけない。タイガースも気分一新し、2016年シーズンこそ全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって前進だ！ ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2016年 公式戦 日程と結果(04月)
2016年 公式戦順位表
2016年 ファーム試合日程・結果(04月)
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阪神逃げ切り勝ち！藤浪７回途中３失点で３連勝！藤浪、プロ初の３塁打で誕生日飾る！ゴメスＶ適時打！
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