5日ナゴヤドームで中日-阪神 9回戦が行われ、中日は初回のチャンスを逸した。阪神も 2回、二死 1、 2塁と小熊を攻めたが左翼ナニータの美技に阻まれた。阪神は 7回、大和の 1号ソロで先制。その 1点をメッセンジャーからの継投で守った。連勝で 3位に復帰した。中日は 2連敗で勝率「5割」に。メッセンジャーは 7回無失点で、チームトップの 4勝目を挙げた。助っ人トリオで 1- 0の零封リレーだ。マルコス・マテオ投手(32)は代打・藤井を空振り三振に斬って試合を締めると、捕手の原口を太い腕で抱きしめて喜びを表現した。まずは 4番・ビシエドを宝刀のスライダーで 2ゴロに。二死後、エルナンデスに左前打を許すも冷静だった。 4月16日の中日戦では 1点リードを守りきれず、サヨナラ逆転負けで黒星がついた。そのとき以来のナゴヤドームでリベンジし、リーグトップタイの 8セーブ目を挙げた。 8回に登板したラファエル・ドリス投手(28)もメッセンジャーの勝ちを消さない-という思いは同じ。先頭の大島に四球を許したが、 2盗を阻止。外国人投手による零封リレーは昨年 9月 4日の中日戦(ナゴヤD)のメッセンジャー-呉昇桓で完成させて以来。防御率 1点台の助っ人コンビが、これからも金本虎を勝利へと導く。
原口文仁捕手(24)が「シンデレラ」になりきっている。この日は先発メッセンジャーだが、これまでの岡崎に代わって先発マスクを託された。まずは打撃だ。 4回、投手強襲の内野安打を放つと、 6回には左翼線 2塁打をマーク。 2試合連続のマルチ安打を決めた。そして、守備で殊勲の働きを見せる。 1点リードの 8回無死 1塁。大島が 2盗を企てると矢のような送球でアウトにする。得点圏に進まれていたら、雲行きが怪しくなるだけに、好プレーだった。育成選手から支配下登録に復帰したばかりだが、 2試合連続でフル出場し、いずれも完封勝利。しかも、この日は 1- 0での守り勝ちだ。原口は「最後の 1球まで、どうなるか分からない緊張感がある。勝ったときの喜びは大きい」とホッとした表情だった。アウトのコールに思わずこぶしを握り、声が出た。原口が会心の盗塁阻止だ。育成枠から描く、とてつもない成長曲線。前日 4日はプロ初アーチの放物線で。この日は低く強い 2塁への軌道で、勝利をもぎ取った。 1点リードの 8回無死 1塁。四球で出した俊足の大島が 2球目で動いた。 2盗を許せば完全に相手の流れ。だが、 1軍出場わずか 8試合目の背番号「94」は、送球をピタッと 2塁ベースの本塁側角に合わせた。ベースカバーの鳥谷が流れるようにタッチ。2012年盗塁王を刺した。金本知憲監督(48)も「そこしかないところに投げた」と目を見張った。そこから 5つのアウトも油断なく奪い、チームの“鬼門”ナゴヤドームでは2012年 9月 8、 9日以来となる 2戦連続零封勝利だ。ここまで全 6登板で岡崎と組んでいたメッセンジャーの女房役を勝ち取るべく“試された”一戦だった。指揮官は抜擢(ばってき)の意図を明かした。結果は満点回答だ。メッセを今季初の無失点投球に導いた。打っては 4試合連続安打で 2試合連続 3度目のマルチ安打。今カードは一度もマスクを譲らず、打率も驚異の 0.529だ。金本虎に突如現れた孝行息子。だが、家族への孝行はやり残している。年末年始に埼玉へ帰省しても 1日も休まず、「誰も相手がいないから、おかあでいいや。付き合ってよ」と母・まち子さん(58)を練習相手に強行指名。キャッチボールをし、ティー打撃のトスも上げてくれた母に、息子は注文ばかりつけた。庭先でも妥協はしなかった。 1軍でこれから恩返しする。あすもあさっても、勝利の輪の中央にいるつもりだ。支えてくれた人のため、チームのために、原口は奮闘し続ける。
最下位指名のルーキーがついに…。“超変革の申し子”の一人、D 6位・板山祐太郎外野手(22=亜細亜大學)がクリーンアップに名を連ねた。「 5番・右翼」。阪神新人では1997年の今岡誠以来、実に19年ぶりだった。 2回の 1打席目。小熊の 140キロをとらえた。豪快な中越え 2塁打で 4戦連続安打。抜擢(ばってき)した金本監督も「今年は(思い切って)いかないと、グイグイと。孝介(福留)がいないのもあったし」と目を細めた。主砲の福留が前日の試合中に左太もも裏の張りを再び訴え、途中交代。この日の練習を見る限りは出られそうだったが「より万全を期す」と休養させた。そして、大胆な起用に打って出た。D 1位(当時は逆指名)で入団した今岡とは違う。 6位指名の選手だ。それでも腹をくくって託すのが金本流。スタメン野手 8人で30歳以上は鳥谷、ゴメスのみ。平均年齢26.3歳-。そんな超フレッシュ打線を組みながら、投手陣の踏ん張りもあって、白星をつかんだ。福留欠場の試合も、陽川が逆転弾を放った 4月29日のDeNA戦に続く“虎の子の一発”で、 5勝 5敗の五分とした。 1番のD 1位・高山俊外野手(23=明治大學)とのライバル関係もチームを活性化させる。板山を筆頭に若手を次々と起用し、勝ち越したナゴヤドーム。今後へ向けて、大きな希望となる 3連戦だった。
大和外野手(28)が、プロ通算 2号本塁打で試合を決めた。 0- 0の 7回2死、中日山井から左翼席にたたき込んだ。2014年 5月14日広島戦以来 2年ぶりの 1発だった。阪神は 1- 0のしびれるスコアで中日を下し、 2連勝で貯金「2」とし、 3位に浮上した。「 2番・中堅」の大和外野手が 7回に山井から左翼席へ 1号ソロ。実に 2年ぶりに放ったプロ通算 2号が値千金の決勝アーチとなった。若手だけじゃない。11年目のいぶし銀も超変革や!まるで白い糸が引かれているかのようだった。左翼席に向けて一直線に打球が伸びる。スタンドを埋めた子供たちもビックリ仰天。打った大和ですらスタンドインを確信しながら、初めての感触に驚いていた。両軍無得点で迎えた 7回二死。虎打線は小熊の負傷退場で緊急登板した37歳のベテラン・山井にてこずっていた。2014年 5月14日の広島戦(米子)で打って以来のプロ通算 2号。 722日ぶりの感覚を味わうと金本監督が笑顔で迎えてくれた。もう 2人の間で言葉はいらなかった。「こどもの日」。昨年 8月 9日に第 1子となる長男が誕生。パパになって初の一発。ヒーローインタビューで「僕のような小さな選手でもホームランを打てたので、みんなも大きい夢を持って頑張ってください」と子供たちに伝え、場内を沸かせた。貯金「2」で 3位浮上。ベクトルの方向性が確かであることをいぶし銀が証明した。
ランディ・メッセンジャー投手(34)が 7回 3安打無失点の好投で、リーグトップに並ぶ 4勝目を挙げた。味方打線の援護がない中、自慢の速球で中日打線を料理。バックの守りにも助けられながら、 7回まで 0を並べ続けた。メッセンジャーは「サポートしてくれたすばらしいバックの守備に感謝したいね。特に、板山と高山には助けてもらったね」と若虎 2人の好守を絶賛。さらに殊勲の一発を放ったヒーローを最大限ほめたたえていた。冷や汗はかいたが、必死でこらえた。好守と新パートナーに支えられ、メッセンジャーがリーグトップタイの 4勝目( 1敗)を挙げた。最速 151キロ。岡崎以外の捕手と組むのは今季 7試合目で初めてだったが、原口との息もピッタリだった。左打者の内外に、小気味よくスライダーを投げ込み、カウントを稼いだ。 7回を散発 3安打で、今季初の無失点投球。 8回からはドリス、マテオの好救援も得た。金本監督も「まったく打たれる気がしなかった。これが本来のメッセか、と」とたたえた。大黒柱の復調とともに、虎は再加速する。記事をまとめてみました。
<中日 0- 1阪神、 9回戦>◇ 5日◇ナゴヤドーム
中日は初回のチャンスを逸した。阪神も 2回、二死 1、 2塁と小熊を攻めたが左翼ナニータの美技に阻まれた。
小熊は 4回、原口の打球を右手首に受けて負傷降板。山井が緊急登板した。阪神メッセンジャーは危なげない投球を続けた。
阪神は 7回、大和の 1号ソロで先制。その 1点をメッセンジャーからの継投で守った。連勝で 3位に復帰した。中日は 2連敗で勝率「5割」に。
5回裏中日攻撃終了、5回を終えたランディ・メッセンジャー投手(左)は原口文仁捕手と称え合う=ナゴヤドーム
メッセンジャーは 7回無失点で、チームトップの 4勝目を挙げた。散発の 3安打に抑える危なげない内容に「満足している。長打も打たれず、基本的にはよかった」と納得顔だった。
鬼門になりかけたナゴヤドームでの好投で、チームに 4月14日以来の連勝をもたらした。金本監督は「途中から打たれる気が全くしなかった。これが本来のメッセ」と賛辞を贈った。
7回、中日・野本を左飛に抑え吠える、ランディ・メッセンジャー投手=ナゴヤドーム
助っ人トリオで 1- 0の零封リレーだ。マルコス・マテオ投手は代打・藤井を空振り三振に斬って試合を締めると、捕手の原口を太い腕で抱きしめて喜びを表現した。
「普通に投げられたよ。(ビシエドについては)関係ない。常に先頭には集中していこうと思っていたんだ」
まずは 4番・ビシエドを宝刀のスライダーで 2ゴロに。二死後、エルナンデスに左前打を許すも冷静だった。
2番手のラファエル・ドリス投手は 8回をゼロに抑えた=ナゴヤドーム
4月16日の中日戦では 1点リードを守りきれず、サヨナラ逆転負けで黒星がついた。そのとき以来のナゴヤドームでリベンジし、リーグトップタイの 8セーブ目を挙げた。
8回に登板したラファエル・ドリス投手もメッセンジャーの勝ちを消さない-という思いは同じ。先頭の大島に四球を許したが、 2盗を阻止。「あのプレーがすごく大きかったと思う」と“強肩”でアシストしてくれた原口に感謝し、 3ホールド目をゲットした。
外国人投手による零封リレーは昨年 9月 4日の中日戦(ナゴヤD)のメッセンジャー-呉昇桓で完成させて以来。防御率 1点台の助っ人コンビが、これからも金本虎を勝利へと導く。
8回裏中日無死 1塁、打者荒木の時に 2塁盗塁を試みた大島を刺し、ベンチに向かってガッツポーズする原口文仁捕手=ナゴヤドーム
原口文仁捕手が「シンデレラ」になりきっている。
この日は先発メッセンジャーだが、これまでの岡崎に代わって先発マスクを託された。まずは打撃だ。 4回、投手強襲の内野安打を放つと、 6回には左翼線 2塁打をマーク。 2試合連続のマルチ安打を決めた。そして、守備で殊勲の働きを見せる。 1点リードの 8回無死 1塁。大島が 2盗を企てると矢のような送球でアウトにする。得点圏に進まれていたら、雲行きが怪しくなるだけに、好プレーだった。
8回、原口文仁捕手は 2盗を狙った大島を刺し、ピンチを未然に防いだ=ナゴヤドーム
原口は「アウトになるのとセーフになるのと、かなり大きな違い。勝負どころで刺せて良かった」と胸を張った。育成選手から支配下登録に復帰したばかりだが、 2試合連続でフル出場し、いずれも完封勝利。しかも、この日は 1- 0での守り勝ちだ。原口は「最後の 1球まで、どうなるか分からない緊張感がある。勝ったときの喜びは大きい」とホッとした表情だった。
これで 4試合連続安打になり「打てる捕手」としてレギュラーも近づいてきた。金本知憲監督はスタメン起用の理由を「メッセとも、組ませていかないといけないからね。俺もそうしたいと思っていて矢野とも話して、矢野も、その通り返事をくれた。(二盗阻止は)強肩じゃないけど捕ってからの速さ。セカンドベースへの左右のラインもずれない」と評価していた。
アウトのコールに思わずこぶしを握り、声が出た。原口が会心の盗塁阻止だ。育成枠から描く、とてつもない成長曲線。前日 4日はプロ初アーチの放物線で。この日は低く強い 2塁への軌道で、勝利をもぎ取った。
「勝負どころで刺せてよかったです。走者の動きに反応できて、いいスピードで(送球に)入れた。球の質はよくなかったけど、落ちてくれたところがよかったです」
原口文仁捕手の送球は鳥谷敬内野手(右)のグラブへ“ストライク”。大島を刺した=ナゴヤドーム
1点リードの 8回無死 1塁。四球で出した俊足の大島が 2球目で動いた。 2盗を許せば完全に相手の流れ。だが、 1軍出場わずか 8試合目の背番号「94」は、送球をピタッと 2塁ベースの本塁側角に合わせた。ベースカバーの鳥谷が流れるようにタッチ。2012年盗塁王を刺した。
金本監督も「大きいよね。ピンポイントで。そこしかないところに投げた」と目を見張った。そこから 5つのアウトも油断なく奪い、チームの“鬼門”ナゴヤドームでは2012年 9月 8、 9日以来となる 2戦連続零封勝利だ。
ここまで全 6登板で岡崎と組んでいたメッセンジャーの女房役を勝ち取るべく“試された”一戦だった。指揮官は「組ませていかないとあかんし、僕はそうしたいと思って矢野(作戦兼バッテリーコーチ)もその通りの返事をくれて」と抜擢(ばってき)の意図を明かした。結果は満点回答だ。メッセを今季初の無失点投球に導いた。打っては 4試合連続安打で 2試合連続 3度目のマルチ安打。今カードは一度もマスクを譲らず、打率も驚異の 0.529だ。
原口文仁捕手は打撃でも 2安打。攻守で絶好調だ=ナゴヤドーム
金本虎に突如現れた孝行息子。だが、家族への孝行はやり残している。支配下登録が決まった 4月27日の夜11時ごろ。祖母、両親、姉 2人の家族に「みんな起きてますか? 1軍へ行けることになりました!」と弾む声で電話した。迷惑も心配もかけた。
年末年始に埼玉へ帰省しても 1日も休まず、「誰も相手がいないから、おかあでいいや。付き合ってよ」と母・まち子さんを練習相手に強行指名。キャッチボールをし、ティー打撃のトスも上げてくれた母に、息子は「このラインに球を上げてくれないと打てないよ!」と注文ばかりつけた。庭先でも妥協はしなかった。 1軍でこれから恩返しする。
「緊張感を持ってやっているので、充実した日々を送れています」
あすもあさっても、勝利の輪の中央にいるつもりだ。支えてくれた人のため、チームのために、原口は奮闘し続ける。
板山祐太郎外野手は 2回の第 1打席でさっそく 2塁打。クリーンアップ起用に応えた=ナゴヤドーム
最下位指名のルーキーがついに…。“超変革の申し子”の一人、D 6位・板山祐太郎外野手がクリーンアップに名を連ねた。「 5番・右翼」。阪神新人では1997年の今岡誠以来、実に19年ぶりだった。
「そういうこと(クリーンアップ)は気にせず、自分のできることをやろうと思っていました。必死です!」
2回の 1打席目。小熊の 140キロをとらえた。豪快な中越え 2塁打で 4戦連続安打。抜擢(ばってき)した金本監督も「今年は(思い切って)いかないと、グイグイと。孝介(福留)がいないのもあったし」と目を細めた。
主砲の福留が前日の試合中に左太もも裏の張りを再び訴え、途中交代。この日の練習を見る限りは出られそうだったが「より万全を期す」と休養させた。そして、大胆な起用に打って出た。
「経験させていくというシーズンでもあるし。ルーキーをスタメンで使うのも勇気がいったけど、勇気ついでというか。スタッフと、ここはもう彼をいかそうと」
1回、中日・平田良介外野手の打球を好捕した板山祐太郎外野手=ナゴヤドーム
D 1位(当時は逆指名)で入団した今岡とは違う。 6位指名の選手だ。それでも腹をくくって託すのが金本流。スタメン野手 8人で30歳以上は鳥谷、ゴメスのみ。平均年齢26.3歳-。そんな超フレッシュ打線を組みながら、投手陣の踏ん張りもあって、白星をつかんだ。福留欠場の試合も、陽川が逆転弾を放った 4月29日のDeNA戦に続く“虎の子の一発”で、 5勝 5敗の五分とした。
板山は守備でも 1回一死 2塁、平田の右中間への大飛球を好捕。「ああいう打球は予測していたので、準備できていました。今は必死に食らいついていこうという気持ち」と顔を引き締めた。
「(高山とは)お互いに競い合って高めていければと思います」
1番のD 1位・高山俊外野手とのライバル関係もチームを活性化させる。板山を筆頭に若手を次々と起用し、勝ち越したナゴヤドーム。今後へ向けて、大きな希望となる 3連戦だった。
◆データBOX◆
◎…D 6位の板山が「 5番・右翼」でスタメン。阪神の新人がクリーンアップで先発出場するのは1997年の今岡誠(D 1位、東洋大學)以来、19年ぶり。今岡は 8月27日の広島戦(甲子園)に「 3番・ 2塁」で出場し、 3打数無安打。この年のクリーンアップはこの 1試合だけだった。
★板山祐太郎(いたやま ゆうたろう):外野手。1994(平成 6)年 3月27日生まれ、22歳。横浜市出身。小学 2年の時に緑中央リトルで野球を始め、中学時代は中本牧シニアに所属。成立学園高校では甲子園出場なし。亜細亜大學では 3年春からレギュラー。ベストナイン 3度。2016年D 6位で阪神入団。今年 4月22日の広島戦(マツダ)で初出場。今季は10試合に出場し、打率 0.286、 0本塁打、 2打点。 1メートル80、79キロ。右投げ左打ち。年俸 720万円。背番号「63」。
7回表阪神一死、大和外野手は左越え本塁打を放った=ナゴヤドーム
大和外野手が、プロ通算 2号本塁打で試合を決めた。 0- 0の 7回2死、中日山井から左翼席にたたき込んだ。2014年 5月14日広島戦以来 2年ぶりの 1発だった。
「当たりさえすれば、あそこまで飛ぶというのは今年はわかっていた。打った瞬間入るとわかりました。(この日はこどもの日)ぼくのような小さな選手でもホームランを打てたので、みんなも大きな夢を持って頑張って下さい」。
7回二死、大和が 1号ソロ。会心の当たりで左翼席へ運んだ=ナゴヤドーム
突然の波動砲発射! 阪神は 1- 0のしびれるスコアで中日を下し、 2連勝で貯金「2」とし、 3位に浮上した。「 2番・中堅」の大和外野手が 7回に山井から左翼席へ 1号ソロ。実に 2年ぶりに放ったプロ通算 2号が値千金の決勝アーチとなった。若手だけじゃない。11年目のいぶし銀も超変革や!
まるで白い糸が引かれているかのようだった。左翼席に向けて一直線に打球が伸びる。スタンドを埋めた子供たちもビックリ仰天。打った大和ですらスタンドインを確信しながら、初めての感触に驚いていた。
「本塁打はまぐれですが、打った瞬間に本塁打とわかるぐらい、いい感触でとらえられました。初めてです。甘い球がきたら積極的に早いカウントから打ちにいこうと思っていました」
両軍無得点で迎えた 7回二死。虎打線は小熊の負傷退場で緊急登板した37歳のベテラン・山井にてこずっていた。
敵地ナゴヤドームに詰めかけた虎党も勝利に酔いしれた=ナゴヤドーム
初球。真ん中高めにスライダーがきた。「ランディ(メッセンジャー)が粘って投げていた。いい本塁打になった」。切れることなく着弾。この手応えを求めていた。2014年 5月14日の広島戦(米子)で打って以来のプロ通算 2号。 722日ぶりの感覚を味わうと金本監督が笑顔で迎えてくれた。もう 2人の間で言葉はいらなかった。
「とにかく強く振るということを考えています。ここ最近いい状態になってますし、引っ張れたというのはよくなってきたのかなと思います」
指揮官からはこれまで「どんどん引っ張れ」と口酸っぱく言われてきた。なんでもかんでも窮屈におっつけるのではなく、内角球は体の軸回転を生かして打てばいい-と。
7回、本塁打を放ち吠える大和外野手=ナゴヤドーム
今年 1月、大和は熊本で行った自主トレに 1歳下の森越を連れていった。ウエートトレが苦手で、自らの尻をたたく上でお目付け役だった。毎日の食事では馬刺しを探した。体が資本であるアスリートは生肉を避ける傾向にあるが、そんなことは言ってられない。 1メートル77、68キロの細身。ウエートトレの効果を高めるため、低カロリーで高タンパク、高ミネラルの熊本特産に頼った。
「こどもの日」。昨年 8月 9日に第 1子となる長男が誕生。 1日のDeNA戦(甲子園)で 3安打 2打点と活躍し、 3年ぶりのお立ち台でもらったトラッキーのぬいぐるみは「遊び道具になっていますよ」と笑う。
金本知憲監督(右)も笑顔で大和外野手を出迎えた=ナゴヤドーム
そして、パパになって初の一発。ヒーローインタビューで「僕のような小さな選手でもホームランを打てたので、みんなも大きい夢を持って頑張ってください」と子供たちに伝え、場内を沸かせた。
4月15-17日に 3連敗を喫したナゴヤドームで、カード勝ち越し。 4月14日以来の連勝を呼び込んだ驚弾に金本監督は「今年はあと 4、 5本くらい出そうな気がする」と予言した。
大和も「いい勝ち方ができてよかったです」と力を込めた。貯金「2」で 3位浮上。ベクトルの方向性が確かであることをいぶし銀が証明した。
7回、本塁打を放ちハイタッチを交わす大和外野手=ナゴヤドーム
◆データBOX◆
◎…阪神の 3位と貯金「2」は 4月25日以来。連勝は同12、14日(13日は雨天中止)のDeNA戦(甲子園)で 2連勝して以来、今季 5度目。
◎…阪神の 2試合連続零封勝利は昨季 6月 4日のロッテ戦(○ 3- 0、甲子園)、同 6日の北海道日本ハム戦(○ 1- 0、甲子園)以来。ナゴヤドームの中日戦では2012年の 9月 8- 9日(○ 1- 0、○ 7- 0)以来。
7回、レフトの高山俊外野手に頭を下げるランディ・メッセンジャー投手=ナゴヤドーム
ランディ・メッセンジャー投手が 7回 3安打無失点の好投で、リーグトップに並ぶ 4勝目を挙げた。
4月は負けなしの 3勝を挙げたメッセンジャーが、この日も試合をつくった。味方打線の援護がない中、自慢の速球で中日打線を料理。バックの守りにも助けられながら、 7回まで 0を並べ続けた。
7回裏中日二死 1、 3塁、代打野本の左飛を好捕した高山俊外野手(右)とタッチするランディ・メッセンジャー投手=ナゴヤドーム
メッセンジャーは「全体的にいいピッチングができたと思う。7つのゼロを並べることができて良かった。その結果をサポートしてくれたすばらしいバックの守備に感謝したいね。特に、板山と高山には助けてもらったね」と若虎 2人の好守を絶賛。さらに「ホームランを打ってくれた大和のビッグパワーにも感謝だよ!」と殊勲の一発を放ったヒーローを最大限ほめたたえていた。
ランディ・メッセンジャー投手が好投。中日打線を 7回無失点に封じ、迫力のどや顔だ=ナゴヤドーム
冷や汗はかいたが、必死でこらえた。好守と新パートナーに支えられ、メッセンジャーがリーグトップタイの 4勝目( 1敗)を挙げた。
「 7つのゼロを並べることができてよかったよ。その結果をサポートしてくれた、素晴らしいバックの守備に感謝したいね。特に、板山と高山には助けてもらった。あと、ホームランを打ってくれた大和のビッグパワーにも感謝だよ!」
1回、中日・ナニータを内野ゴロに打ち取りベースカバーに向かうランディ・メッセンジャー投手=ナゴヤドーム
最後のピンチも、危うかった。 1- 0の 7回。二死 1、 3塁で代打・野本に左中間を破られかけたが、左翼・高山が俊足を飛ばしランニングキャッチ。ベンチ前で迎えた背番号「54」は、ルーキーにペコリとお辞儀した。援護は 1点だけだったが、この日のメッセは辛抱強かった。
3回を終え、ハイタッチを交わすランディ・メッセンジャー投手(左)と原口文仁捕手=ナゴヤドーム
最速 151キロ。岡崎以外の捕手と組むのは今季 7試合目で初めてだったが、原口との息もピッタリだった。「背番号が(育成になる以前の)『52』のときから受けてもらったことがあったし、いつもいい捕手だと思っていたからね」。左打者の内外に、小気味よくスライダーを投げ込み、カウントを稼いだ。 7回を散発 3安打で、今季初の無失点投球。 8回からはドリス、マテオの好救援も得た。
マルコス・マテオ投手を迎えるランディ・メッセンジャー投手=ナゴヤドーム
「家に勝ちを持って帰れるのはうれしいね!」と、急いで荷物を整えて新神戸行きの新幹線に飛び乗った。帰れば 2男 2女の父。せっかくの「こどもの日」の快投だったが「帰ったらもうみんな寝てしまっているよ。何かしてやるにしても、またあしただね」と嘆く。 1メートル98の長身で 1人 1人を抱え、屋根より高い“たかいたかい”をしてあげなくてはならない。
金本監督も「まったく打たれる気がしなかった。これが本来のメッセか、と」とたたえた。大黒柱の復調とともに、虎は再加速する。
今回のカードでは、最初に呑竜する予定が逆にされてしまい、残りはどうなるのかと思っていたら鋭い牙を剥き戦ってくれた!これからも全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
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