第94回全国高校野球選手権・第10日(18日、大阪桐蔭(大阪)、光星学院(青森)、明徳義塾(高知9、倉敷商(岡山)が準々決勝に進出した。
雷雨のために 2時間以上遅れて始まった 3回戦倉敷商-秋田商だったが、倉敷商は藤井勝利主将( 3年)の先頭打者本塁打で先行し、 3回に 4番・道下功太捕手( 3年)の適時打で 1点を勝ち越し。 4回にも 2点を加えた。エース西隆聖投手( 3年)が無四球で完投し、 5- 1で秋田商に勝った。倉敷商の 8強入りは23年ぶり。主将でもある藤井は「僕らが歴史を塗り替えたい」と初の 4強入りを見据えた。
秋田商は倉敷商に 1― 5で敗れ、1935年以来77年ぶりの夏の甲子園での 8強入りを逃した。先発・近藤卓也( 3年)が 4回途中までに被安打 6の 4失点で降板。打線も 5回一死後は 2安打と尻すぼみとなり、投打に力の差を見せつけられた。だが 7年ぶりの夏の聖地で15年ぶりの 1勝。目標のベスト 8は逃したが、次世代につながる手応えをつかんだナインは秋田で再スタートを切る。敗戦後、秋田商・三浦健太郎主将( 3年)は「ベスト 8になれなかった。満足してはいけないが弱かったチームが甲子園で 1勝。合格点を出してもいい」と複雑な感情を言葉にした。記事をまとめてみました。
第 4試合は倉敷商が秋田商に快勝して23年ぶりに準々決勝に進出した。初回に藤井が先頭打者本塁打を放つと、その後も着実に加点。エースの西が10三振を奪うなど要所で踏ん張り、完投勝利を挙げた。
倉敷商は 1回表、 1番・藤井が左翼席へ先頭打者本塁打を放ち 1点を先制。秋田商は直後の攻撃でスリーバントスクイズを失敗したが、 4番・近藤が中前適時打を放ち、すかさず 1- 1とした。
だが倉敷商は 3回、二死無走者からつなぎ、 4番・道下の中前打で 1点を勝ち越し。続く 4回にも 2点を加えると、 9回には左犠飛でダメ押しの 1点。 5- 1とした。
倉敷商のエース西は立ち上がりこそ 1点を失ったが、その後は尻上がりに調子を上げ、 4点のリードをしっかり守った。秋田商は前半に再三チャンスをつかんだが、 2回以降は決定打を欠いた。
1回、倉敷商の藤井勝利が、先頭打者本塁打を放った
倉敷商は投打がかみ合い23年ぶりの 8強入りを決めた。 1回に藤井勝利主将の先頭打者本塁打で 1点を先制。その直後すぐに同点に追い付かれたが、 3回に 4番・道下功太捕手の適時打で 1点を勝ち越し。 4回にも 2点を加えた。エース西隆聖は 2回以降は秋田商に追加点を許さず、シンカーを武器に10三振を奪い、無四球で 1失点で完投した。森光淳郎監督(42)は「守備が勝因だと思います。しっかり西を支えた」と振り返った。
倉敷商の 1番藤井が 1回の本塁打を含む 2安打 2打点。「先頭でホームランが打てて、チームにいい流れが来た」と満足そう。
1回、先頭打者本塁打を放った倉敷商の藤井勝利
4回にも 2点を加えた。西はシンカーを武器に10三振を奪い、無四球で 1失点完投。
秋田商は先発の近藤が変化球を狙われ、打線も 6回以降は 1安打に抑え込まれた。
倉敷商の 1番・藤井が先頭打者本塁打を含む 2安打 2打点と活躍した。
前の試合の中断で 2時間以上待たされたが、「雨天練習場に学校の吹奏楽部が来て、和やかなムードだった。うまく試合に入れた」という。
チームは23年ぶりのベスト 8。主将でもある藤井は「僕らが歴史を塗り替えたい」と初の 4強入りを見据えた。
最後の打者を投ゴロに仕留め、ガッツポーズをする倉敷商・エース西隆聖投手
名前は勝利(しょうり)で 4回にもダメ押しの左前適時打で“勝利”を呼び込み「きょうは自分の仕事ができた」と満足そう。雨上がりの甲子園で23年ぶりの 8強入り。センバツはぬかるんだグラウンドで守備が乱れ、初戦で敗退した。その反省から雨中の守備練習を取り入れたことで湿ったグラウンドにも慌てることはなかった。主将でもある藤井は「僕らが歴史を塗り替えたい」と初の 4強入りを見据えた。
秋田商が倉敷商との商業高対決に敗れた。先発の近藤卓也投手( 3年)が 1回先頭打者に左越えソロを浴びて先取点を献上。その裏二死 3塁から自らの中前適時打で同点としたが、その後打線がつながらなかった。制球重視でセットポジションから投げた近藤も 3回 1/3を 4失点でKO。直前の第 3試合が雨で中断されたため、開始時間は当初の予定から 2時間以上遅れた17時45分だった。それでも近藤は「マウンドの状態も晴れと同じだったし、雨の影響はまったくなかった。目標の 8強にあと 1勝届かなかったことが悔しい」と言い訳しなかった。
4回表、倉敷商・片岡幸に適時打を打たれ、阿部(右)にマウンドを譲る秋田商先発の近藤
秋田商は先発の近藤が甘い変化球を打たれた。打線も狙い球を絞りきれず、 6回以降は 1安打に抑え込まれた。
4回途中からマウンドに上がった秋田商の阿部は、経験のないナイターの雰囲気に戸惑いながらも、落ち着いた投球で 1失点。「(粘り強く投げる)自分の特長は出せた」と納得の表情で話した。
8回には 3者連続奪三振。「攻撃につなげるために流れを変えたい」と味方に託すような気持ちで力投したが、願いはかなわなかった。それでも背番号10は「誰もが立ちたいと思う場所で投げられて、幸せだった」と喜びをかみしめた。
4回一死 1塁、秋田商・近藤(中)は 2番手の阿部(右)にボールをパスした(捕手は三浦健)
4回途中からマウンドに上がった秋田商の阿部は、経験のないナイターの雰囲気に戸惑いながらも、落ち着いた投球で 1失点。「(粘り強く投げる)自分の特長は出せた」と納得の表情で話した。
8回には 3者連続奪三振。「攻撃につなげるために流れを変えたい」と味方に託すような気持ちで力投したが、願いはかなわなかった。それでも背番号10は「誰もが立ちたいと思う場所で投げられて、幸せだった」と喜びをかみしめた。
倉敷商に敗れ、応援団にあいさつに向かう秋田商ナイン
力及ばず―。秋田商は倉敷商に 1― 5で敗れ、1935年以来77年ぶりの夏の甲子園での 8強入りを逃した。先発・近藤卓也が 4回途中までに被安打 6の 4失点で降板。打線も 5回一死後は 2安打と尻すぼみとなり、投打に力の差を見せつけられた。だが 7年ぶりの夏の聖地で15年ぶりの 1勝。目標のベスト 8は逃したが、次世代につながる手応えをつかんだナインは秋田で再スタートを切る。
達成感と屈辱が交互に浮かび上がった。敗戦後、秋田商・三浦健太郎主将( 3年)は複雑な感情を言葉にした。「ベスト 8になれなかった。満足してはいけないが弱かったチームが甲子園で 1勝。合格点を出してもいい」。夢中で駆け抜けた甲子園での17日間を振り返るには時間が必要だった。
地元の三吉神社で必勝祈願した鉢巻きで声援を送る秋田商の 3年生部員
突然の雷雨で直前の試合が 2時間18分も中断した。「影響はなかった」。近藤はこう語るがバットを振りながら集中を維持。それでも先頭打者に左翼ソロを浴びるなど、カクテル光線が照らすマンモスは厳しかった。右人さし指の負傷に苦しんだ秋田大会決勝と同じく無念の途中降板。「自分の投球に悔いはないが、チームに貢献できず悔しい。目標の 8強にあと 1つと迫ったのに…」。2004年春に並ぶ偉業は聖地の泥まじりの砂の中に消えた。
それでも色あせない全国1勝をつかんだ。 6月の食事合宿で、地元のブランド米のあきたこまち 2合をかき込み、 1週間で体重を 3キロ増やした。 2日の大阪入り後は、秋田名産の稲庭うどんでパワーの源の炭水化物を補給。 1年生の佐藤公宣の父・正明さん(43)が社長を務める創業 152年の「佐藤養助商店」が 750食を宿舎に届けた。「コシのあるプレーを期待したんです」(佐藤社長)。試合前夜はゆでたうどんを食してエネルギーを蓄積。故郷の恵みがナインを支えていた。
太田直監督(33)は、秋田県の教員採用試験(国語科)の受験をこの夏、 2度も断念してまで、母校の躍進に懸けてきた。「打率が 2割 2分 6厘のチームがここまできたのは大きな成長」と新時代への手応えを実感。この夏つかんだ財産は確実に新チームへと受け継がれるはずだ。
◆ 3年生12人、必勝鉢巻き締め応援
3塁側アルプスでは秋田商のベンチ外の 3年生12人が“必勝鉢巻き”を締めて声援。この鉢巻きは今年の秋田大会前、勝負の神を祀(まつ)る太平山の三吉神社でおはらいを済ませた縁起物。畠山紘大・応援団長( 3年)は、「これをつけてここ(甲子園)まできた。効果はあったと思います」と御利益を実感していたのだが…。
【戦評】倉敷商は投打がかみ合った。 1回に藤井の先頭打者本塁打で先制。直後に同点に追い付かれたが、 3回に道下の適時打で勝ち越した。 4回にも 2点を加えた。西はシンカーを武器に10三振を奪い、無四球で 1失点完投。秋田商は先発の近藤が甘い変化球を打たれた。打線も狙い球を絞りきれず、 6回以降は 1安打に抑え込まれた。
倉敷商業高校は、現在東北楽天ゴールデンイーグルスの監督をしている星野仙一氏の母校だし、ヤクルトスワローズ(前身含む)一筋の松岡弘氏の母校でも有るので、かなり優秀な選手を輩出してきた高校だけ有って、一発がかなり強く守備もキチンとできているのではないだろうかと思ってしまう。それを証明するのが、エースのエース西隆聖投手( 3年)が10三振を奪うなど要所で踏ん張り、完投勝利を挙げたことだろう。打っても先頭打者本塁打を放った藤井勝利主将( 3年)の様な選手がいる。これらを見ても分かる様に、かなりの練習を積んできている。23年ぶりの 8強入りは当然の事だったのかも知れない。23年前の選手は皆40歳前半の年齢になっているが、彼らの気持ちは「あの頃と同じ様な試合をしてくれている」と思っている事だろう。
先輩達の思い出の球場で思いっきり闘って、優勝旗をゲットして欲しいですね。
▽倉敷商:1912年設立の岡山県倉敷市にある全日制課程 商業科( 4クラス)・情報処理科( 2クラス)・国際経済科( 1クラス)の県立商業高等学校。略称:倉商(くらしょう)。
1902年 - 私立倉敷商業補修学校、倉敷精思高等小学校の教室にて開校
1912年4月 - 倉敷町立倉敷商業学校として開校
1928年4月 - 岡山県に移管
1947年4月 - 岡山県倉敷女子商業学校と統合
1948年4月 - 岡山県立倉敷商業高等学校となる
1949年4月 - 岡山県立倉敷至誠高等学校と改称
1953年4月 - 岡山県立倉敷商業高等学校と改称
【主な出身プロ野球選手】
・星野仙一(65歳) 元プロ野球選手、監督、選手時代は、中日ドラゴンズ一筋でした。
監督:中日ドラゴンズ - 阪神タイガース - 東北楽天ゴールデンイーグルス
・松岡弘(65歳) 元プロ野球選手、ヤクルトスワローズ(前身含む)一筋の選手
サンケイアトムズ - アトムズ - ヤクルトアトムズ - ヤクルトスワローズ
(漫画家手塚治虫氏のプロダクション「虫プロ」に無許可で「鉄腕アトム」をマスコットとした為に「虫プロ」から警告があり、アトムズからスワローズに愛称を戻す。(現在埼玉西武ライオンズで使っているライオンのマークは、「虫プロ」から許可を得ています。)
2010年11月、茨城県古河市にある管理釣り場「三和新池」のリニューアルに伴い支配人に就任。
・加藤安雄(62歳) 元プロ野球選手、阪急ブレーブス
コーチ歴:阪急ブレーブス - 中日ドラゴンズ - 阪神タイガース - 中日ドラゴンズ - 阪神タイガース
・平松一宏(38歳) 元プロ野球選手、読売ジャイアンツ - 中日ドラゴンズ
2006年より古巣読売ジャイアンツの打撃投手
・葛城育郎(34歳) 元プロ野球選手、オリックス・ブルーウェーブ - 阪神タイガース
・北原光広(59歳) 神港学園高等学校野球部監督
▽秋田商:秋田県秋田市に位置する高等学校。1920年設立秋田で最も古い歴史を持つ商業高校。部活動が盛んで、野球部、サッカー部、レスリング部、水泳部、吹奏楽部(マーチング)など全国レベルで活躍する部が多数あり、プロスポーツ選手も輩出している。商業系の科目を重視しており、様々な資格の取得にも力を入れている。通称、秋商(あきしょう)
1920年 4月25日 - 「秋田市商業学校」として開校。
1942年 4月 1日 - 「秋田市立土崎商業学校」が併合される。
1944年 - 秋田市立工業学校の設置に伴い一時募集停止。
1946年 - 募集再開。
1948年 4月 1日 - 「秋田市立商業高等学校」に改称。この時から男女共学開始。
1961年 4月 1日 - 現在の名に改称。
1978年11月10日 - 現在地に移転。
1998年 4月 1日 - 26年ぶりに男女共学制復活。(AB:会計 CD:流通経済 EF:情報処理)
【主な出身プロ野球選手】
赤根谷飛雄太郎(満53歳没) 元プロ野球選手、急映フライヤーズ、元秋田商監督
渡辺誠太郎(90歳) 元プロ野球選手、阪神軍 - 大阪タイガース - 大陽ロビンス - 松竹ロビンス - 大洋ホエールズ
嵯峨健四郎(満74歳没) 元プロ野球選手、東映フライヤーズ - 読売ジャイアンツ - 東映フライヤーズ
三平晴樹(74歳) 元プロ野球選手、大毎オリオンズ - 大洋ホエールズ - 阪急ブレーブス
佐々木吉郎(満68歳没) 元プロ野球選手、大洋ホエールズ
石戸四六 (満39歳没) 元プロ野球選手、ヤクルトスワローズの前身一筋の選手
国鉄スワローズ - サンケイスワローズ - サンケイアトムズ - アトムズ - ヤクルトアトムズ
武藤一邦(53歳) 元プロ野球選手、ロッテオリオンズ
高山郁夫(49歳) 元プロ野球選手、西武ライオンズ - 広島東洋カープ - 福岡ダイエーホークス
水沢 薫(47歳) 元プロ野球選手、読売ジャイアンツ
現在、読売ジャイアンツ主催の野球教室での指導
田村彰啓(30歳) 元プロ野球選手、広島東洋カープ
現在、広島東洋カープ二軍マネージャー補佐
石川雅規(32歳) プロ野球選手、東京ヤクルトスワローズ
※阪神軍,大阪タイガース=阪神タイガースの前身球団
※大陽ロビンス,松竹ロビンス,大洋ホエールズ=横浜DeNAの前身球団
※急映フライヤーズ,東映フライヤーズ=北海道日本ハムの前身球団
※国鉄スワローズ,サンケイスワローズ,サンケイアトムズ,アトムズ,ヤクルトアトムズ,ヤクルトスワローズ=東京ヤクルトスワローズの前身球団
※大毎オリオンズ,ロッテオリオンズ=千葉ロッテマリーンズの前身球団
※阪急ブレーブス,オリックス・ブルーウェーブ=オリックス・バファローズの前身球団
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