●矢野監督は28日、再び休養期間となる球宴まで「11戦全部勝ちたい」と力を込めた。さらに「逆転V」へ、星勘定なしの一戦必勝を強調。首位の巨人とは「3.5ゲーム」差の「3位」で再スタートするが、計算は無用だと説いた。
●29日にリーグ戦再開初戦を迎える阪神にとって、糸井嘉男外野手(37)が打線のキーマンの 1人だ。交流戦終盤から状態も上向き始め、現在打率はチームトップの「3割5厘」。中日 2連戦次第では、「月間MVP」も射程圏だ。現在月間打率は「3割6分6厘」。上り調子のベテランに矢野監督も期待を寄せる。交流戦では 5打数 4安打だった19日楽天戦(甲子園)から終盤に安打を量産。 5試合で「20打数13安打」と打ちまくった。糸井は、フリー打撃で44スイングで111本の柵越え。絶好調で終えた勢いそのままに、リーグ戦再開初戦に臨む。ここまで欠場 1試合のみで72試合に出場している超人に、矢野監督は起用について言及。糸井が最善の状態でグラウンドに立ち、虎を勝たせていく。「1、2番」がつなぎ「3番」が適時打を放つ、理想の形でスタートダッシュを決める。
●ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス )は不快指数を吹き飛ばす急上昇を誓った。交流戦期間中は「打率2割6分、1本塁打」。いまひとつインパクトのある成績は残せなかったが、夏に向けて余裕の表情だ。矢野燿大監督(50)は今季「4勝5敗」と負け越している「5位」中日について予想。ただ、頼みのピアース・ジョンソン投手(28)も 1軍合流し、ブルペンの厚みは確実に増すだけに、接戦となろうと問題なしだ。また、福留の定位置だった「5番」にはマルテを据えてリーグ戦再開を迎えることも明かした。福留孝介外野手(42)を両ふくらはぎの負傷で欠く中、「5番」の起用について矢野監督は28日、明言した。一方で臨機応変さも強調。原口文仁捕手(27)だけでなく、 2塁が本職の上本博紀内野手(32)も 1塁に挑戦中で、ベストオーダーを探りながら戦っていく。
●リーグ戦再開となる29日の中日戦(ナゴヤドーム)に向け、矢野燿大監督が大山悠輔内野手(24)を個別指導。「3位」からの「逆転優勝」を目指す後半戦へ、交流戦で「打率0.244」に終わった「4番」の成長に期待を寄せた。再びペナントレースに突入する前に、将が動いた。さらなる成長を期待する「4番」に、どうしても伝えたいことがあった。矢野監督が大山に熱血指導だ。ホンモノの「4番」になれ! 矢野燿大監督が開幕から「4番」を務める大山悠輔内野手にメスを入れた。甲子園で行われた全体練習の終了間際に熱血指導を実施。打撃論を伝授した。虎は29日の中日戦(ナゴヤドーム)で交流戦明けの初戦を迎える。後半戦のキーマンとなる不動の「4番」を軸に「3.5ゲーム」差の首位巨人を猛追する。矢野監督がフリー打撃を終えた大山に歩み寄った。自らバットを持ちながら実演。大きなアクションを交えつつ、青空教室は20分間に及んだ。指揮官が多くを語ることはなかったが、リーグ戦再開に向けた最後の仕事。それが「4番」打者の状態確認と打撃指導だった。インサイドアウトのスイングが出来ていない…。指揮官とともに大山に打撃指導をした濱中治打撃コーチ(40)は説明した。そして、さらに厳しい攻めが予想される今後に向けて期待した。2003年に「開幕4番」を務めた同じ「生え抜き4番」の先輩コーチは、もっと詰まるくらい内側からバットを出すよう求めた。無言でクラブハウスに引き揚げた背番号「3」も、すべてを吸収したはずだ。残り70試合でさらに大きくなっていく青写真を描いた。虎は交流戦後のリーグ再開初戦で 3年連続黒星中。再スタートダッシュには失敗し続けている。主砲が真の「4番」へと成長を遂げたとき、矢野虎の「逆転V」が見えてくる。
●藤川球児投手(38)が、「NPB通算防御率1点台」へ、交流戦明けもフル回転や! 甲子園での全体練習に参加。キャッチボールやダッシュなどで調整を行った。今季は、ここまでセットアッパーとして27試合に登板。「防御率1.30、4勝15ホールド」で救援陣を支えている。主にクローザーから中継ぎまで幅広くこしてきた右腕は現在、「NPB通算で893回2/3」を投げて防「御率は2.01」。あと 8回 2/3を自責0に抑えれば、NPB通算防御率が 1点台に突入する。数々の記録を残してきたベテランも、自身の記録は二の次三の次。常にチームの勝敗を気にかけてきた。だが、通算防御率に興味を示すには理由がある。残した記録よりもマウンドで勝負を続け、変動していく防御率。そこに着眼するのが藤川流の考えだ。救援陣は離脱していたジョンソンが戻り、盤石の態勢でリーグ再開を迎える。背番号「22」は冷静に、気持ちを整える。まずは前半戦の残り11試合。チーム浮上のために、防御率をどんどん低くさせていく。
●29日の中日戦(ナゴヤドーム)に先発する青柳晃洋投手(25)が28日、甲子園で行われた全体練習に参加した。 4月29日の前回対戦で完封勝利を挙げた竜キラーは、リーグ戦再開初戦のマウンドに向けて気合。リーグ首位打者の高橋周平内野手(25)を封じて、“開幕星”をつかみ取る。ジメジメとした梅雨特有の蒸し暑さの中でも、さわやかな笑顔を見せながら額の汗を拭った。リーグ戦再開初戦のマウンドを任された青柳が、 2度目の「竜斬り&今季6勝目」に向けて気合をみなぎらせた。前回対戦した 4月29日の中日戦(ナゴヤドーム)では 9回 129球を投げ、「5安打完封勝利」。それでも右腕に油断はない。まずは苦手とする左打者封じに目を光らせた。今季は12試合に登板し、「5勝4敗、防御率2.86」と早くも2016、17年の「4勝」を超えるキャリアハイの成績を残している。ただ、被打率が「0.157」の右打者に対し、左打者には「0.333」と課題も。「打率0.323」でセ・リーグ首位打者の高橋に対して、青柳は今季 3打数無安打に抑えているが、チームは「打率0.375、1本塁打7打点」と打ち込まれている。ほかにも大島ら、苦手な左打者をしっかりと抑えることができれば、勝ちも近づいてくる。この日、青柳はショートダッシュやキャッチボールなどで調整した。完封劇再び-。“開幕投手”の責任を果たし、チームに勢いをもたらす。
記事をまとめてみました。
藤本敦士内野守備走塁コーチ(右)にボールを渡す矢野燿大監督=阪神甲子園球場
阪神・矢野監督は28日、再び休養期間となる球宴まで「11戦全部勝ちたい」と力を込めた。さらに「逆転V」へ、星勘定なしの一戦必勝を強調。「星勘定通りいくなら星勘定するけどさ。俺はあんまりそれはないんだよね。シーズン最後に追い越したらいいんでしょ? 優勝ってそうでしょ?」。首位の巨人とは「3.5ゲーム」差の「3位」で再スタートするが、計算は無用だと説いた。
29日にリーグ戦再開初戦を迎える阪神にとって、糸井嘉男外野手が打線のキーマンの 1人だ。交流戦終盤から状態も上向き始め、現在打率はチームトップの「3割5厘」。中日 2連戦次第では、「月間MVP」も射程圏だ。
現在月間打率は「3割6分6厘」。上り調子のベテランに矢野監督も期待を寄せる。「ヒットの内容とか、打ってる状態とか打球とか、そういうのは良くなってるなというのがあるような上がり方だった。スタートとしてはいい状態で嘉男も臨めると思う」。交流戦では 5打数 4安打だった19日楽天戦(甲子園)から終盤に安打を量産。 5試合で「20打数13安打」と打ちまくった。
「チカ(近本)が出て(糸原)健斗がいって、嘉男がそういう位置にいい状態でいてくれたら。一番いい形にはもちろんなる。嘉男もランナーをかえしたいと思っていると思うし」と矢野監督。「1、2番」がつなぎ「3番」が適時打を放つ、理想の形でスタートダッシュを決める。
筋肉を隆起させながら打撃練習をする糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
糸井は28日、フリー打撃で44スイングで111本の柵越え。「交流戦打率0.368」と絶好調で終えた勢いそのままに、リーグ戦再開初戦に臨む。ここまで欠場 1試合のみで72試合に出場している超人に、矢野監督は「要所要所というか。代えるべきところは代えるし。休ませるところは休ませる」と起用について言及。糸井が最善の状態でグラウンドに立ち、虎を勝たせていく。
フリー打撃で快音を響かせるジェフリー・マルテ内野手=阪神甲子園球場
ジェフリー・マルテ内野手は不快指数を吹き飛ばす急上昇を誓った。交流戦期間中は「打率2割6分、1本塁打」。
いまひとつインパクトのある成績は残せなかったが、夏に向けて「季節に関係なく毎日全力でプレーすることが大事だけど、寒い時と暑い時のどちらかを選べと言われたら暑い時を選ぶよ」と笑顔。湿度の高い梅雨の時期に突入することについても「ドミニカ共和国も暑いからね」と余裕の表情だ。
記者の質問に答える矢野燿大監督=阪神甲子園球場
得意のパターンで接戦を制する。
矢野燿大監督は今季「4勝5敗」と負け越している「5位」中日について「ピッチャーの状態が良さそうだしね。簡単にボコボコ打ってという試合にはしたいけど、なかなか、そうなりにくいかなというところもある」と予想。ただ、頼みのジョンソンも 1軍合流し、ブルペンの厚みは確実に増すだけに、接戦となろうと問題なしだ。また、福留の定位置だった「5番」にはマルテを据えてリーグ戦再開を迎えることも明かした。
練習に臨む阪神のジェフリー・マルテ内野手=阪神甲子園球場
福留を両ふくらはぎの負傷で欠く中、「5番」の起用について矢野監督は28日、「マルテが状態よければマルテでいく」と明言した。一方で「バッターの状態とか相手ピッチャーとか考えながら」と臨機応変さも強調。原口だけでなく、 2塁が本職の上本も 1塁に挑戦中で、ベストオーダーを探りながら戦っていく。
矢野燿大監督(右)に打撃指導を受ける大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
ホンモノの「4番」になれ! 矢野燿大監督が開幕から「4番」を務める大山悠輔内野手にメスを入れた。甲子園で行われた全体練習の終了間際に熱血指導を実施。打撃論を伝授した。虎は29日の中日戦(ナゴヤドーム)で交流戦明けの初戦を迎える。後半戦のキーマンとなる不動の「4番」を軸に「3.5ゲーム」差の首位巨人を猛追する。
◇ ◇ ◇
矢野監督がフリー打撃を終えた大山に歩み寄った。自らバットを持ちながら実演。大きなアクションを交えつつ、青空教室は20分間に及んだ。「気づいたことを言っただけ。インサイドアウトしたらいいんじゃないの? と。そんなオーバーなことじゃないよ」。指揮官が多くを語ることはなかったが、リーグ戦再開に向けた最後の仕事。それが「4番」打者の状態確認と打撃指導だった。
打撃練習で矢野燿大監督(左)と話す大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
指揮官の決意は揺らがない。「近本が出て嘉男がつないで、悠輔が『4番』として成長して…」。折り返しの後半戦も不動のオーダーで臨む。「4番」は大山だ。今季はここまで大きなプレッシャーを背負いながらチームトップの「10本塁打、46打点」をマーク。プロ 3年生が奮闘している。ただ、交流戦では「打率2割4分4厘」と落ち込み、チャンスで凡退するシーンも目立った。守備でもリーグワーストの14失策と負の連鎖に陥った。
インサイドアウトのスイングが出来ていない…。指揮官とともに大山に打撃指導をした濱中打撃コーチは「(大山は)早く回転する、ということ。そうなるとポップフライや差し込まれることが多くなる」と説明した。そして、さらに厳しい攻めが予想される今後に向けて「そこで打ってこそ自信になる。本当の『4番』になってもらいたい」と期待した。
フリー打撃で黙々と打ち込む大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
練習を終えた大山は問いかけにも黙して語らずだった。矢野監督はその思いを代弁するかのように話した。「「まだまだ成長していかなあかん選手が多いから。みんなの成長につながるように俺らも後押ししていかなあかん。俺らがこれから勝っていくためには、そういうチーム全体の成長っていうのがいる。それができたときに優勝できると思うから」。逆転Vへのキーマン。若き4番の成長曲線がチームの浮上にも重なる。
身ぶり手ぶりを交えて大山悠輔内野手(左)を指導する矢野燿大監督。「4番」への期待は変わらず大きい=阪神甲子園球場
「4番」熱血指導でさあリーグ戦再開!! 阪神は28日、甲子園で全体練習を行った。リーグ戦再開となる29日の中日戦(ナゴヤドーム)に向け、矢野燿大監督が大山悠輔内野手を個別指導。「3位」からの「逆転優勝」を目指す後半戦へ、交流戦で「打率0.244」に終わった「4番」の成長に期待を寄せた。
再びペナントレースに突入する前に、将が動いた。さらなる成長を期待する「4番」に、どうしても伝えたいことがあった。矢野監督が大山に熱血指導だ。
「気づいたことを言っただけ。(バットを体の近くから出していく)インサイドアウトしたらいいんじゃないのって。そんなオーバーなことじゃないよ」
指揮官はさらりとコメントして球場を後に。しかし、気温30度の蒸し暑さに包まれた甲子園の一角は、異常なほどさらに熱気を帯びていた。フリー打撃を終えた大山に矢野監督が声をかけると、ケージ横で身ぶり手ぶり。濱中打撃コーチも加わり、全体練習が終わるまでレッスンは続いた。
約15分間の個別指導。主砲としてはやる気持ちを感じた虎将のアドバイスだった。濱中コーチは「体を回転しすぎるとポップフライにもなりやすいし、差されることも多くなる。ちょっと(体が)早めに回りすぎている」と大山の現状を説明。「打率0.244」に終わった交流戦では 9個の内野フライがあった。打ちたい気持ちがバッティングフォームの崩れにつながっていたことを見抜き、指摘したというわけだ。
「(打球が)詰まるほど内側からバットが出ているということなので。もっとセンター方向に打っていければ率も上がってくるのでは」。2003年に「開幕4番」を務めた同じ「生え抜き4番」の先輩コーチは、もっと詰まるくらい内側からバットを出すよう求めた。無言でクラブハウスに引き揚げた背番号「3」も、すべてを吸収したはずだ。
打撃練習に臨む大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
開幕から73試合すべてで「4番」を任せている虎将の、期待が表れた行動だった。リーグ戦が再開してからもその信頼は変わらない。守りではリーグワーストの14失策もとがめることはなく、すべて前向きの材料にするように促してきた。
しかし、バッティングは違う。21日の西武戦(甲子園)では 5- 3で勝利しながら、 3度も得点圏で凡退した大山に「やっぱり悠輔が決めてもらいたいっていうのは、どっか残ってる」とコメントするなど、ことあるごとに注文をつけてきた。「ミスをしたら、それを取り返してくれたらいい」。ここまで「打率0.263」で、チームトップの「10本塁打&46打点」。守備のミスはある程度、目をつぶる。その分、バットで存在感を見せてほしい。
「近本が出て嘉男(糸井)がつないで、悠輔が『4番』として成長して。また他の選手たちもでてきてみたいなものを、イメージしてる方が俺は楽しい」
残り70試合でさらに大きくなっていく青写真を描いた。虎は交流戦後のリーグ再開初戦で 3年連続黒星中。再スタートダッシュには失敗し続けている。主砲が真の「4番」へと成長を遂げたとき、矢野虎の「逆転V」が見えてくる。
◇データBOX◇
◎…阪神は交流戦明けリーグ戦初戦で過去「7勝6敗1分け」。2016年から 3年連続で黒星を喫しており、16年「3連敗」、17年「5連敗」、18年「3連敗」とリーグ戦再開後につまずいている。
※糸井に安打量産期待、打線けん引へ打率3割5厘!矢野監督大山に熱血指導!藤川通算防御率1点台へ!2へ続く!