●中日は先発柳裕也投手(25)が 3回終了時点で 5三振を奪う完全投球。阪神の先発高橋遥人投手(23=亜細亜大學OB)も 3回を終えて無安打無失点。投手戦が続く。阪神は 6回無死 2塁の好機で無得点。中日も 6回一死満塁から後続が倒れた。中日柳、阪神高橋遥はともに 6回を終えて無失点。試合は両チーム無得点のまま延長戦へ。延長11回、中日が相手のバッテリーミスでサヨナラ勝ちした。「4番手」福敬登投手(27)は今季「初勝利」。阪神ラファエル・ドリス投手(31)は「3敗」目。阪神は交流戦明けの中日 2連戦(ナゴヤドーム)で厳しい連敗スタートとなった。相手の先発柳を打ち崩せず、最後は延長11回にドリスの暴投で「サヨナラ負け」。矢野燿大監督(50)は貧打の打線に苦言を呈した。柳には今季「4戦2敗」で「防御率0.93」に抑えられ、難敵になってきた。「3連敗」で 5月 2日以来の借金生活に入り、「3位」キープながらDeNAに勝率で並ばれた。 5月から好調だった阪神が再び我慢どころを迎えた。投手戦は負ければ、ただの貧打戦にしかならない。延長戦は徒労になった。阪神が悪夢を見たのは 0- 0の11回だ。二死 1、 3塁。守護神ドリスが中日高橋へ投じた 3球目は引っ掛けたフォークだった。ワンバウンドになって梅野も止められず、サヨナラ暴投…。矢野監督は渋い表情だった。打線の窮状が、苦しい戦いにつながっている。この日は好調の先発柳に苦戦。まるで歯が立たなかった。スライダー、カットボールやチェンジアップを織り交ぜ、バットはくるくると回る。屈辱的な10三振を奪われて、 9つが空振り三振。速球で空を切ったのは投手の高橋遥だけだ。指揮官は苦言を呈した。 5月11日に 8回無得点だったが、またも沈黙。今季は「4戦2敗」の「防御率0.93」と難敵だ。クイックも巧みに交ぜられ、間合いも狂わされた。浜中打撃コーチも険しい顔だった。不振だった交流戦のムードは変わらず、「3敗」。 5月 2日以来、約 2カ月ぶりの「借金1」を背負う。矢野阪神が踏ん張りどころを迎えている。
●阪神は好投した先発の高橋遥を援護できず、 0- 0の延長11回二死 1、 3塁からドリスの暴投でサヨナラ負けした。 3連敗で借金「1」。野球評論家の権藤博氏(80)がこの一戦を解説した。夢の交流戦明けになった。下位に沈む中日にまさかの連敗。阪神は延長11回にドリスが暴投を犯し、無残にも敗れ去った。計 7人の投手を起用した末の黒星。高橋遥が 6回 2安打無失点で好投したのは光明だった。 6回は一死満塁のピンチに、「4番」ダヤン・ビシエド内野手(30)を中直、続く高橋周平内野手(25)を投ゴロに打ち取った。阪神ベンチは 6回92球を投げきった左腕の降板を決め、 7回から継投に出た。チームは恐怖の借金を背負ってしまった。
●近本光司外野手(24=大阪ガス)は 3試合ぶりの安打を放つも、今季初めて代打を送られた。 4回は先頭で鋭い当たりを中前へ打ち返した。続く糸原健斗内野手(26)の初球で盗塁を試みたが、捕手加藤匠馬(27)に刺された。 1安打 3三振で迎えた11回の第 5打席は一死 2塁の好機だったが、代打原口文仁捕手(27)を送られて交代した。矢野監督が、近本に初めて代打を送った。近本の不動の「1番」を明言しているが、 「7試合&33打席連続」で長打もない状況に、断を下した。一方で、出場 3試合連続マルチ安打の高山俊外野手(26)。明大の 1学年後輩にあたる柳に見せた意地だけが虎の一筋の光だが、指揮官は、奮起を促した。
●高山俊外野手が「7番左翼」での先発起用にマルチ安打で応えた。 6回、先頭で明大の後輩、柳の内角変化球を右翼線へ運んで 2塁打。 8回にもカーブを中前へ打ち返し、代走を送られて交代となった。福留孝介外野手(42)を欠くチームで、高山も必死にアピールを続ける。
●木浪聖也内野手(25=ホンダ=亜細亜大學OB)が攻守で存在感を示した。バットでは11回に 7試合連続となる安打を中前へ運び、守備ではその裏に一死 2塁で大島洋平外野手(33)の1、2塁間を抜けそうな打球をダイビングキャッチ。 1塁でアウトにした。この回に遊撃から 2塁に回っていたが「ちゃんと準備していたのは良かったと思います」と好捕を振り返った。
●阪神先発の高橋遥人投手が 6回 2安打無失点の好投を見せた。「2勝」目を目指してマウンドに上がった 2年目左腕は、初回から先頭平田良介外野手(31)、京田陽太内野手(25)を連続三振で上々の立ち上がり。 4回、大島に初安打を許すも後続を抑えた。最大のピンチは 6回。 2四球と安打で一死満塁を招くも、「4番」ビシエドを中直、「5番」高橋を投ゴロに打ち取り小さくガッツポーズを作った。伸びのある直球とチェンジアップやカットボールなどの変化球を効果的に使い分け、中日打線を翻弄(ほんろう)。要所で強気に投げ込んだ内角攻めも光った。「8勝」でハーラートップタイの中日先発柳と堂々の投手戦を繰り広げ、 0- 0のまま「2番手」藤川球児投手(38)にマウンドを託した。矢野監督は好投をねぎらった。
●藤川球児投手が「通算防御率1点台」にまた近づいた。 7回に登板して阿部寿樹内野手(29)をフォークで空振り三振。二死から加藤に四球も、柳を 3ゴロに仕留めた。今季は28試合に登板して「防御率1.26、4勝16ホールド」。あと 7回 2/3を「自責点0」だと通算防御率が「1.94」で「1点台」となる。
●「8回の男」が帰ってきた。阪神ピアース・ジョンソン投手(28)が、 1軍復帰後初めてマウンドに上がった。 6月 4日ロッテ戦以来で、8 回の 1イニングを 3者凡退。チームが借金生活に逆戻りする中、 2日DeNA戦で始まる 9連戦に向けて明るい材料となった。久しぶりの 1軍公式戦に、すがすがしい表情を浮かべた。先頭の平田を直球2球で簡単に追い込むと、最後は 136キロカーブで遊ゴロ。続く京田は3球で右飛に仕留め、大島も 136キロカーブで空振り三振。代名詞「パワーカーブ」を惜しみなく投げ込んだ。開幕から登板28試合で「防御率0.64」の好成績を残したが、コンディション不良で 6月 7日に出場選手登録を抹消された。 2軍で調整を続け、同26日に 1軍合流。「8回の男」の帰還を誰もが待っていた。ずっと 1軍にいたかのように、淡々と、冷静に任務をこなした。「1番」平田から始まる竜の上位打線を、帰ってきたジョンソンが圧巻の 3人斬り。虎党にとって“当たり前”の光景が戻ってきた。高らかに復活宣言だ。矢野監督もジョンソンの好投に胸をなで下ろした。矢野監督も目を細め、ジョンソンも前だけを見据えた。頼もしすぎる男がブルペン陣を引っ張り、リードも白星も守り抜く。次こそチーム一丸で紙一重の勝利をつかむ。
●小野泰己投手(25)が 9回を任され、中軸を 3者凡退に抑えた。勝利の方程式を担う藤川-ジョンソンの後を受けて「4番手」でマウンドに上がり、「4番」ビシエドを空振り三振、続く高橋、阿部も強気に押さえ込んだ。リリーフ転向後、大事な局面での起用も増えており、指揮官の期待に応えた。
●阪神は30日、中日11回戦(ナゴヤドーム)に延長11回、 0- 1でサヨナラ負け。「3連敗」で 5月 2日以来の借金「1」となった。高橋遥、柳の両先発が投手戦を演じ、スコアレスで進んだ試合。まさかの幕切れが待っていた。阪神の「6番手」・ラファエル・ドリス投手(31)が四死球などで二死 1、 3塁とされると、「5番」・高橋への 3球目のフォークボールがワンバウンドとなり、捕手・梅野隆太郎捕手(27)が止められず。 3塁走者の平田が生還する“サヨナラ暴投”で試合が決まった。
記事をまとめてみました。
<中日 1x- 0阪神>◇第11回戦◇阪神 4勝 7敗 0分30日◇ナゴヤドーム
中日は先発柳が 3回終了時点で 5三振を奪う完全投球。阪神の先発高橋遥も 3回を終えて無安打無失点。投手戦が続く。
阪神は 6回無死 2塁の好機で無得点。中日も 6回一死満塁から後続が倒れた。中日柳、阪神高橋遥はともに 6回を終えて無失点。
試合は両チーム無得点のまま延長戦へ。延長11回、中日が相手のバッテリーミスでサヨナラ勝ちした。「4番手」福は今季「初勝利」。阪神ドリスは「3敗」目。
2回表阪神一死、ジェフリー・マルテ内野手は空振り三振に終わる=ナゴヤドーム
阪神は交流戦明けの中日 2連戦(ナゴヤドーム)で厳しい連敗スタートとなった。相手の先発柳を打ち崩せず、最後は延長11回にドリスの暴投で「サヨナラ負け」。
矢野燿大監督は「点取らんと勝たれへん」と貧打の打線に苦言を呈した。柳には今季「4戦2敗」で「防御率0.93」に抑えられ、難敵になってきた。「3連敗」で 5月 2日以来の借金生活に入り、「3位」キープながらDeNAに勝率で並ばれた。 5月から好調だった阪神が再び我慢どころを迎えた。
◇ ◇ ◇
投手戦は負ければ、ただの貧打戦にしかならない。延長戦は徒労になった。阪神が悪夢を見たのは 0- 0の11回だ。二死 1、 3塁。守護神ドリスが中日高橋へ投じた 3球目は引っ掛けたフォークだった。ワンバウンドになって梅野も止められず、サヨナラ暴投…。矢野監督は「しゃあないやん、勝負にいってんねんから」と渋い表情だった。
1回裏中日無死、投球する阪神先発の高橋遥人投手=ナゴヤドーム
打線の窮状が、苦しい戦いにつながっている。この日は好調の先発柳に苦戦。まるで歯が立たなかった。スライダー、カットボールやチェンジアップを織り交ぜ、バットはくるくると回る。屈辱的な10三振を奪われて、 9つが空振り三振。速球で空を切ったのは投手の高橋遥だけだ。指揮官は「ゼロじゃ勝てんしね。柳もいい球を投げていた。球種もいろんな球で勝負できるのは、いま調子良いところ。こういう良い投手でもやっぱり点を取っていかんとダメ」と苦言を呈した。
5月11日に 8回無得点だったが、またも沈黙。今季は「4戦2敗」の「防御率0.93」と難敵だ。クイックも巧みに交ぜられ、間合いも狂わされた。浜中打撃コーチも「クイックが多いのは分かっていたこと。交流戦から多くなっていたし、対策はしていたけど、予想以上にうまく使われた。いいところから落とされてボールも振らされて。いい投手は振ってしまうとそこに投げてくる」と険しい顔だった。
7回表阪神一死、左飛に倒れガックリの糸井嘉男外野手=ナゴヤドーム
指揮官が繰り出す勝負手も実らない。 4回は先頭で中前打の近本が 2盗を試みたが刺された。11回は一死 2塁で近本に代打原口を起用したが遊ゴロに倒れるなど、得点できない。奮闘するルーキーが代打を送られるのはプロ入り初めて。 4月20日巨人戦から「1番」に定着して以降、打順不動だったが、調子は下降線をたどりついに動いた。矢野監督は「自分のなかで現状で一番、点取れることを選択してやったつもり」と悔しげに話した。不振だった交流戦のムードは変わらず、「3敗」。 5月 2日以来、約 2カ月ぶりの「借金1」を背負う。矢野阪神が踏ん張りどころを迎えている。
引き揚げる矢野燿大監督=ナゴヤドーム
阪神は30日、中日に 0- 1でサヨナラ負けを喫した。延長11回二死 1、 3塁で守護神・ドリスが暴投。投手戦が続いていたが、あっけない幕切れで「3連敗」となり、ついに借金生活に突入した。打線が無得点に終わり、矢野監督は「ゼロじゃ勝てへんしね」と話した。
痛恨の暴投となったドリスについては「いや…どうしようもないでしょ、どうしようもないでしょ(苦笑)。アレで俺、文句言うような、もう何もないで。しゃあないやん、勝負行ってんねんから。どこに責任、そんなん言い出したらそんなん、なんぼでもあるよそんなもん」と振り返った。
8回にジョンソンが 1軍復帰登板を果たし、 3者凡退に抑えたことには「心配ない投球やったと思うし、まあまあ 1回投げてね、これでまた落ち着くと思うし」と納得顔。「小野も良いし、球児もね、いつも通りやってくれているし。そういうところで、いろんな幅ができるような中継ぎ以降のピッチャー陣になってきているんでね」と救援陣に手応えを示した。
阪神は好投した先発の高橋遥を援護できず、 0- 0の延長11回二死 1、 3塁からドリスの暴投でサヨナラ負けした。
3連敗で借金「1」。野球評論家の権藤博氏がこの一戦を解説した。
◇ ◇ ◇
夢の交流戦明けになった。下位に沈む中日にまさかの連敗。阪神は延長11回にドリスが暴投を犯し、無残にも敗れ去った。
権藤:ドリスは 12回まで突っ込んではいけなかった。せっかくうまくつないできたのに、11回まではほかの人材で乗り切るべきで、切り札のドリス投入は最後まで我慢すべきだった。抑えのピッチャーというのはそういうものだ。
計 7人の投手を起用した末の黒星。高橋遥が 6回 2安打無失点で好投したのは光明だった。 6回は一死満塁のピンチに、「4番」ビシエドを中直、続く高橋を投ゴロに打ち取った。
11回裏中日一死 1、 3塁、平田良介外野手に四球を与え不満そうな表情を見せるラファエル・ドリス投手=ナゴヤドーム
権藤:高橋遥のビシエドに対する初球、インコースへのストレートは見事だった。ビシエドにはあそこに投げるのが効果的と分かっていても、なかなか投げきれない。それがファウルになって、 1ストライク後の 2球目はライナーで伸びた当たりだが、野球の神様はその前の1球目を認めたからこそ、打球は正面を突いたといえる。素晴らしい満点の投球だった。
阪神ベンチは 6回92球を投げきった左腕の降板を決め、 7回から継投に出るのだった。
権藤:阪神ベンチの交代の決断も立派だった。先発ローテーションで確固たるポジションで投げる中日柳とは立場が違う。 6回を封じて勝ちパターンにつないだのだから万々歳。確かに勝つことはできなかったが、高橋遥という投手が将来に勝つための肥やしになったと思いたい。
ただチームは恐怖の借金を背負ってしまった。
権藤:阪神としては痛いのは、痛い。だがこれだけの投手力を抱えている。なんとかなるはずだ。
4回表阪神無死、近本光司外野手は中前打を放った=ナゴヤドーム
近本光司外野手は 3試合ぶりの安打を放つも、今季初めて代打を送られた。
4回は先頭で鋭い当たりを中前へ打ち返した。「先頭で出ないといけない場面。出られたのは良かった」。続く糸原の初球で盗塁を試みたが、捕手加藤に刺された。
1安打 3三振で迎えた11回の第 5打席は一死 2塁の好機だったが、代打原口を送られて交代した。
4回表阪神無死 1塁、糸原のとき 1走近本光司外野手は 2塁盗塁を狙うもタッチアウト=ナゴヤドーム
矢野監督が、近本に初めて代打を送った。 0- 0の延長11回一死 2塁。四回に中前打を放った以外は、 3打席三振のルーキーに代打・原口を送った。
「点取らんと勝たれへんし。いけるところでは、やれることを、自分の中で現状一番点取れるということを選択してやったつもりだけど」
先発・柳がマウンドに立っていた 8回まで、 2塁を 2度しか踏めず。「もう変えへんよ。 1年目やもん。波があって当たり前」と、近本の不動の「1番」を明言しているが、 「7試合&33打席連続」で長打もない状況に、断を下した。
延長11回、代打を送られた近本光司外野手(左)。矢野燿大監(右)も断を下した=ナゴヤドーム
一方で、出場 3試合連続マルチ安打の高山。明大の 1学年後輩にあたる柳に見せた意地だけが虎の一筋の光だが、指揮官は「良い投手でもやっぱり点を取って行かんとダメ。そういうところは課題としてある」と、奮起を促した。
■ 4回に13打席ぶりの安打となる中前打を放つも、延長11回に初の代打を送られた近本光司外野手
「(安打は)先頭で出られたのが大きかった。(代打の悔しさは)そこはあまり考えていないです」
■延長11回一死 2塁の場面で、近本光司外野手に代打・原口文仁捕手を起用した意図について清水雅治ヘッドコーチ
「(左対左だったことが理由かと問われ)それはそうですよ。(植田の中堅起用も)ああなったらもう全員でいくしかないので」
8回表阪神一死、中前安打を放つ高山俊外野手=ナゴヤドーム
高山俊外野手が「7番左翼」での先発起用にマルチ安打で応えた。
6回、先頭で明大の後輩、柳の内角変化球を右翼線へ運んで 2塁打。 8回にもカーブを中前へ打ち返し、代走を送られて交代となった。前日29日は相手先発が左腕の大野雄で右打者の陽川が同じく「7番左翼」で先発して 2安打。福留を欠くチームで、高山も必死にアピールを続ける。
11回表阪神無死、中前安打を放った木浪聖也内野手=ナゴヤドーム
木浪聖也内野手が攻守で存在感を示した。
バットでは11回に「どうしても先頭で出たかった」と 7試合連続となる安打を中前へ運び、守備ではその裏に一死 2塁で大島の1、2塁間を抜けそうな打球をダイビングキャッチ。 1塁でアウトにした。この回に遊撃から 2塁に回っていたが「ちゃんと準備していたのは良かったと思います」と好捕を振り返った。
※近本に今季初代打!高橋遥人6回無失点は収穫!ドリスがまさかのサヨナラ暴投!ついに借金生活!-2へ続く!