●中日は 1回、併殺崩れの間に 1点を先制。阪神は 2回に近本光司外野手(24=大阪ガス)の適時内野安打で同点。中日は 3回、阿部寿樹内野手(29)の「4号ソロ」で勝ち越した。阪神は 5回、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32=前マーリンズ傘下3A)が「逆転2ラン」。中日は 6回に 2者連続適時打で逆転。阪神は 1点を追う 6回、 2得点を挙げ再逆転した。阪神は 1点を追う 9回にソラーテの「3号2ラン」で「サヨナラ勝ち」。シーソーゲームを制し、中日戦の連敗を「7」で止めた。阪神浜地真澄投手(21)は「今季初勝利」。中日岡田俊哉投手(27)は「今季初黒星」。矢野燿大監督(50)は劇的な「サヨナラ勝ち」にも浮かない表情だった。危うく守り負けしている試合だった。渋面が続いた。 1点リードの 8回。ピアース・ジョンソン投手(28=サンフランシスコ・ジャイアンツ)が一死後、遠藤も 3塁へのフライに打ち取った。だが、この回から守る糸原健斗内野手(26)が落球。塁上に走者を残し、逆転されてしまった。この日は 4失策。球際の弱さはシーズン佳境に入っても一向に改善されず、12球団ワーストのチーム失策は「83個」に膨れ上がった。阪神藤原崇起オーナー(67=電鉄本社会長)が「サヨナラ勝ち」に満面の笑みを浮かべた。ネット裏で観戦し、「2本塁打」を放ったソラーテの甲子園デビューを見届けた。
●糸井嘉男外野手(37)が 2試合ぶりにスタメン復帰した。この日は試合前の打撃練習をこなして「3番右翼」で先発。 1回に右前打を放ち、 3打数 1安打。いつも通りのプレーを披露した。
●ヤンハービス・ソラーテ内野手が甲子園での自身初戦で本塁打を放った。阪神の平成以降の外国人では、00年トニー・タラスコ氏(48)、02年ジョージ・アリアス氏(47)、09年クレイグ・ブラゼル氏(39)に次ぎ、 4人目となった。ヤンハービス・ソラーテ内野手が、「球団通算8000号」となるメモリアルアーチを放った。 1- 2の 5回無死 1塁で大野雄大投手(30)から左中間へ逆転の「2号2ラン」。1936年に「球団1号」を放った藤井勇氏(69歳没)から83年。数々の名選手が記憶に残る 1本を放ち、歴史をつないできた。21日に来日した新助っ人が球団史に名前を刻む、新たな「1本」を放った。 4安打の一方で遊撃守備で 2失策もあったが、ハラハラドキドキ、記憶と記録に残る「ソラーテ劇場」で中日戦の連敗は「7」で止まった。
●ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス )が激走で勝利への執念を見せた。 6回に先頭打者で、右翼へのポテンヒットを放った。続く糸原が右中間を破る 2塁打。 1塁から全力疾走で、 3塁コーチの制止を振り切り、ヘッドスライディングで本塁に生還した。ソラーテに負けじと、マルテも元気だ。S砲につられるように、マルテもボルテージ全開だ。顔面から突っ込み、一時同点の激走ヘッドスライディングホームイン。泥にまみれ、チームを鼓舞した。助っ人コンビの競演で矢野虎がさらに活気づいた。 3- 4と逆転された直後の 6回だ。先頭で右前打を放つと、続く糸原が右中間へ大きな打球。すると 1塁から走り出したM砲はぐんぐん加速した。 3塁コーチャーの藤本コーチが両手を広げても勢いは止まらない。制止を振り切り、 3塁ベースを蹴って突き進むと、本塁へ豪快に土埃をあげながら頭から滑り込んだ。歓喜の輪が解けると、ソラーテは 1塁側ベンチ上を指さした。プレー中も付けている左手薬指のゴールドリングが、キラリ光る。視線の先には、守るべき家族が…。国を越えても、いつだってパパはヒーローでありたい。 3人の娘を、真っすぐに見つめるソラーテの瞳はぬれていた。
●「助演男優賞」は「ドラ1ルーキー」だ。近本光司外野手が自身初の1試合4安打を決め、「セクシー劇場」の名脇役を演じた。締めは 1点を追う 9回無死。 1ボールから左腕岡田の直球を振り抜き、 1、 2塁間を破った。直後に「2番」ソラーテの「逆転サヨナラ弾」が飛び出し、笑みがはじけた。新助っ人デビュー戦の26日巨人戦以来、 3試合ぶりに「1番」近本、「2番」ソラーテが並んだ。前回は内野安打で「決勝2ラン」をお膳立て。この日は 5回無死でも中前打でソラーテの「逆転2ラン」を呼び込んだ。ここまで「セクシー弾3本」すべてを安打でサポート。抜群の相性だ。 9度目となった「猛打賞」は「年間13度ペース」。別当薫氏(48年=78歳没)、高山俊外野手(16年=26)の「阪神最多13度」どころか、巨人長嶋茂雄氏(58年=83)が持つ「セ・リーグ最多14度」も狙える位置にいる。矢野監督は絶賛。時には主演を張り、時には助演に回り…。もう、虎の劇場に近本は欠かせない。
●オネルキ・ガルシア投手(29=中日)は 5回 2失点と粘ったが、「甲子園初勝利」はまたもお預けとなった。 1回に先制点を許すと、同点の 3回にも「5番」阿部に勝ち越し弾を献上。制球に苦しみ 4四死球 8安打と不安定な内容に終始し、反省。登板8試合連続で白星なしとなった。降板後にはベンチでソラーテの活躍に大歓声をあげ、チームをもり立てた。
●ピアース・ジョンソン投手が 6試合ぶりに失点した。 5- 4の 8回に「5番手」で登板し、一死から味方の失策をきっかけに二死 1、 2塁のピンチを招き、堂上に同点打、京田には遊撃への勝ち越し打。 9回にソラーテの劇弾で「逆転サヨナラ勝ち」し、気持ちを切り替えていた。
●浜地真澄投手が、「プロ初勝利」を挙げた。試合展開がめまぐるしく変わるシーソーゲーム。浜地は 5- 6と 1点リードされた 9回に「6番手」として登板。先頭打者を三振、平田良介外野手(31)にはヒットを打たれたが、続く大島洋平外野手(33)を遊ゴロ併殺に打ち取った。すると、その裏、ソラーテの「逆転サヨナラ2ラン」が飛び出して、念願の「プロ初勝利」が手に入った。
●31日に先発する青柳晃洋投手(25)が中日にリベンジへ、意気込んだ。 6月29日にナゴヤドームで対戦し、 4回でKO。前回登板の24日DeNA戦(甲子園)は好投しながらも、ホセ・ロペス内野手(35)に痛恨の「2ラン」を被弾。次こそ勝利をつかむ。
記事をまとめてみました。
<阪神 7x- 6中日>◇第15回戦◇阪神 5勝10敗 0分◇30日◇阪神甲子園球場
中日は 1回、併殺崩れの間に 1点を先制。阪神は 2回に近本の適時内野安打で同点。中日は 3回、阿部の「4号ソロ」で勝ち越した。
阪神は 5回、ソラーテが「逆転2ラン」。中日は 6回に 2者連続適時打で逆転。阪神は 1点を追う 6回、 2得点を挙げ再逆転した。
阪神は 1点を追う 9回にソラーテの「3号2ラン」で「サヨナラ勝ち」。シーソーゲームを制し、中日戦の連敗を「7」で止めた。阪神浜地は「今季初勝利」。中日岡田は「今季初黒星」。
9回裏阪神無死 1塁、ヤンハービス・ソラーテ内野手は「左越え2点本塁打」を放ちサヨナラ勝ちを決める=阪神甲子園球場
矢野監督は劇的な「サヨナラ勝ち」にも浮かない表情だった。危うく守り負けしている試合だった。「今日もミスが多すぎた。そういうモヤモヤがずっとあって…。本当に監督として勝ったのは思い切り喜びたいけど、もう 1人の自分はこれで喜んでいいのかなと。複雑なところ。頭が痛い」と渋面が続いた。
1点リードの 8回。ジョンソンが一死後、遠藤も 3塁へのフライに打ち取った。だが、この回から守る糸原が落球。塁上に走者を残し、逆転されてしまった。この日は 4失策。球際の弱さはシーズン佳境に入っても一向に改善されず、12球団ワーストのチーム失策は「83個」に膨れ上がった。
9回裏阪神無死 1塁、矢野燿大監督は「左越え2点サヨナラ本塁打」を放ったソラーテ内野手(中央)を笑顔で迎える=阪神甲子園球場
ソラーテも遊撃守備の起用は再考する。 5回にビシエドの正面の打球を捕球ミス。 6回一死 2塁では送球ミスの失策で、逆転される引き金となった。失策にならないミスも続出。矢野監督は「ソラーテの守備位置も含めて今後はいろいろ考えながらやっていかないと。(全体的に)しっかりやっていかないと上にいけない」と危機感を募らせた。 ▽久慈照嘉内野守備走塁コーチ(ソラーテの遊撃守備について)
「守備はこれから考える。来たときからとりあえず遊撃で。本職じゃない。適所を見つけることがチームのためにもなる。やるとしたら 2塁になる」
阪神藤原崇起オーナー=阪神電鉄本社 (2019年 3月 6日撮影)
阪神藤原崇起オーナー(電鉄本社会長)が「サヨナラ勝ち」に満面の笑みを浮かべた。
ネット裏で観戦し、「2本塁打」を放ったソラーテの甲子園デビューを見届けた。「ソラーテより、この時間まで残っていただいたファンの方の勝利でございます。きびきびとした試合をして、お客さんにも喜んでもらえる結果を作っていかないと。以上でございます」と声が弾んだ。
1回裏阪神一死 1塁、右前安打を放った糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
糸井嘉男外野手が 2試合ぶりにスタメン復帰した。
27日の巨人戦の第 3打席で右上腕部に死球を受けて途中交代。28日の同戦は欠場していた。この日は試合前の打撃練習をこなして「3番右翼」で先発。 1回に右前打を放ち、 3打数 1安打。いつも通りのプレーを披露した。
1回裏阪神二死 1、 3塁、糸井嘉男外野手は打者福留孝介外野手のとき 2塁盗塁を決める=阪神甲子園球場
ヤンハービス・ソラーテ内野手が甲子園での自身初戦で本塁打を放った。
阪神の平成以降の外国人では、00年タラスコ、02年アリアス、09年ブラゼルに次ぎ、 4人目となった。
5回裏阪神無死 1塁、ソラーテ内野手は「左越え2点本塁打」を放った=阪神甲子園球場
ヤンハービス・ソラーテ内野手が、「球団通算8000号」となるメモリアルアーチを放った。 1- 2の 5回無死 1塁で大野雄から左中間へ逆転の「2号2ラン」。
「いい流れを持ってきたい場面で打つことが出来て良かったよ。新たな球団の歴史に名前を残すことが出来てうれしいね」とコメントした。
1936年に「球団1号」を放った藤井勇から83年。数々の名選手が記憶に残る 1本を放ち、歴史をつないできた。21日に来日した新助っ人が球団史に名前を刻む、新たな「1本」を放った。
5回裏阪神無死 1塁、左中間へ逆転2点本塁打を放ち盛り上がるファンを背に大ジャンプするヤンハービス・ソラーテ内野手=阪神甲子園球場
阪神の新外国人、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32=前マーリンズ3A傘下)が30日、中日戦(甲子園)の 5回に「2ラン」を放ち、「球団通算8000号」を達成した。
1- 2の 5回 1塁。カウント 0- 1から大野雄の 2球目を捉え、逆転となる左中間への「2号2ラン」を放った。
5回裏阪神無死 1塁、ヤンハービス・ソラーテ内野手(左)は左中間2点本塁打を放ちジェフリー・マルテ内野手と喜ぶ、中央は矢野燿大監督=阪神甲子園球場
▼球団通算8000本塁打=阪神 30日の中日15回戦(甲子園)の 5回、ソラーテが「今季2号」を放って達成。初本塁打は36年 5月 4日セネタース(第一期セネタースと呼ばれる事も有るが、現・北海道日本ハムファイターズの前身とは別で直接の系譜はない。1936年から1940年まで 5年間活動した)戦(甲子園)の藤井勇氏で、「8000号」到達は 8球団目。
9回裏阪神無死 1塁、ソラーテ内野手は左越え「サヨナラ2点本塁打」を放った=阪神甲子園球場
来日10日目の阪神ヤンハービス・ソラーテ内野手が、甲子園デビューを「逆転サヨナラの3号2ラン」で飾った。 5- 6の 9回無死 1塁で中日岡田から左翼へ運んだ。 5回に放った「2号2ラン」は「球団通算8000号」のメモリアル弾。 4安打の一方で遊撃守備で 2失策もあったが、ハラハラドキドキ、記憶と記録に残る「ソラーテ劇場」で中日戦の連敗は「7」で止まった。
◇ ◇ ◇
ウオーターシャワーでぬれたソラーテも、セクシーだった。 9回にサヨナラの「2ラン」。目をクワッと見開いた興奮状態で 3塁を回ると、右手を天に突き上げながらジャンプして、神に感謝。続けて両手を縦に開いてバチンとたたく「クロコダイルポーズ」を決めた。
「信じられない。アリガト、アリガト、アリガト!」
シーソーゲームに終止符を打った。 5- 6の 9回無死 1塁。右打席に立って左腕岡田の初球 138キロを強振した。この試合 3度目の逆転だった。一気に押し寄せた感情を言葉に乗せてファンに伝えた。「こんなにすごい歓声の中で(プレー)できたのは初めて。自分のキャリアで1番のファンの方々だと思う。これから皆さんのために、 100%、 200%、 300%で戦っていきたい」
9回裏阪神無死 1塁、ソラーテ内野手は「左越え2点本塁打」を放ちサヨナラ勝ちを決める=阪神甲子園球場
「メジャー通算75本塁打」を放ったバットは、期待値を超えている。 5回の一時逆転となる「2ラン」は「球団通算8000号」となり「新たな球団の歴史に名前を残すことができてうれしい」と誇らしげだった。
愛称は「セクシータイム」。本拠地デビューで選んだ登場曲は米国の 2人組ラッパー、LMFAOの「Sexy and I Know It」だった。自身にぴったりの楽曲で打席でノリノリになり、 6回は左打席で来日初安打を放って初の「猛打賞」とし、最後は 4本目も飛びだした。 4打点の活躍だった。
ただ、課題も残した。黒土グラウンドへの対応はできておらず、遊撃の守備で 5回に捕球ミス、 6回は 1塁悪送球を犯した。「汗にまみれてやることが勝ちにつながる」。ファンの期待に華麗な守備でも応える本物の「セクシータイム」まで、あと少しだ。矢野監督は「最後、打ってくれるとはね。試合の流れを変えてくれる。まさかね…」と興奮を隠しきれず。 2失策を犯した守備には「全て取り返すようなことをしてくれた」と課題には目をつむって感謝しつつ、守備位置の再考も示唆した。
歓喜の輪が解けると、ソラーテは 1塁側ベンチ上を指さした。プレー中も付けている左手薬指のゴールドリングが、キラリ光る。視線の先には、守るべき家族が…。「いつもエネルギーをくれる。これからも家族のために全力でやっていきたい」。国を越えても、いつだってパパはヒーローでありたい。 3人の娘を、真っすぐに見つめるソラーテの瞳はぬれていた。
ヒーローインタビューを終え笑顔でポーズをとる左から浜地真澄投手、ヤンハービス・ソラーテn内野手、近本光司外野手=阪神甲子園球場
▽矢野燿大監督(ソラーテ内野手のサヨナラ弾を)
「ああいうところで打ってくれるのを期待して、来てもらった選手。試合のなかで流れをかえてくれる。まさか、あそこで打ってくれと思いましたけど…。ホント、よく打ってくれました」
▽濱中治打撃コーチ(ソラーテ内野手の打撃に)
「しっかりコンタクトできる。もっとドアスイングしてくると思ったけど、実戦になると内から出て合わせてくる」
▼ソラーテが甲子園での自身初出場の試合でサヨナラ本塁打。阪神の外国人選手のサヨナラ本塁打は、マートンが13年6月9日ロッテ戦で打って以来6シーズンぶりだが、甲子園での初出場の試合でのサヨナラ本塁打となると、ソラーテが球団外国人初だ。
▼甲子園での自身初戦で本塁打は、阪神の平成以降の外国人では、00年タラスコ、02年アリアス、09年ブラゼルに次ぎ、4人目となった。
▼ソラーテのサヨナラ本塁打はパドレス時代の17年9月3日ドジャース戦以来。
ジェフリー・マルテ内野手が激走で勝利への執念を見せた。 6回に先頭打者で、右翼へのポテンヒットを放った。
続く糸原が右中間を破る 2塁打。 1塁から全力疾走で、 3塁コーチの制止を振り切り、ヘッドスライディングで本塁に生還した。「同点のホームを踏むために必死だったよ。チームの勝利に貢献できてよかったよ」。ソラーテに負けじと、マルテも元気だ。
藤本敦士コーチ(左)は制止したが…=阪神甲子園球場
S砲につられるように、マルテもボルテージ全開だ。顔面から突っ込み、一時同点の激走ヘッドスライディングホームイン。泥にまみれ、チームを鼓舞した。助っ人コンビの競演で矢野虎がさらに活気づいた。
「同点のホームを踏むために必死だったよ。チームの勝利に貢献できて良かったね」
3- 4と逆転された直後の 6回だ。先頭で右前打を放つと、続く糸原が右中間へ大きな打球。すると 1塁から走り出したM砲はぐんぐん加速した。 3塁コーチャーの藤本コーチが両手を広げても勢いは止まらない。制止を振り切り、 3塁ベースを蹴って突き進むと、本塁へ豪快に土埃をあげながら頭から滑り込んだ。
ジェフリー・マルテ内野手(左)は振り切り本塁へ=阪神甲子園球場
まじめなドミニカンのハッスルプレーが呼び水となった。この後一死 1、 3塁とチャンスを広げると、近本が逆転の中前適時打。ミスミスで漂った重い雰囲気を、マルテのワンプレーが一変させた。
枠を争う自身にとって新外国人のソラーテの加入は死活問題だったが「すごくいい選手だし、彼が加わるのはチームにとっていいこと」と歓迎した。 5回にソラーテが「2号2ラン」をぶち込んだ際には、ダイヤモンドを一周して帰ってきた背番号「42」を矢野監督よりも前に出て最前列でお出迎え。するとそのままソラーテに続き、なぜかマルテもナインとハイタッチ行進。来日時には「自分のルーティンでやればいい」と助言も送っていた。これまでは寡黙なイメージだったが、陽気な新助っ人につられてテンションもアゲアゲだ。
6回裏阪神無死 1塁、糸原健斗内野手の右中間適時打で藤本敦士コーチの制止を振り切り生還したジェフリー・マルテ内野手=阪神甲子園球場
ソラーテ昇格後、マルテは 4戦連続安打。相乗効果が生まれていることは間違いない。外国人野手 2人を組み込んだことで、打線に厚みが増した。貧打に泣いてきた矢野虎だが、SMコンビが終盤戦の逆襲を演出する。
ヒーローインタビューでポーズを決める左から浜地真澄投手、ヤンハービス・ソラーテ内野手、近本光司外野手=阪神甲子園球場
「助演男優賞」は「ドラ1ルーキー」だ。近本光司外野手が自身初の1試合4安打を決め、「セクシー劇場」の名脇役を演じた。
締めは 1点を追う 9回無死。 1ボールから左腕岡田の直球を振り抜き、 1、 2塁間を破った。「試合の流れ的にも、走者が出れば何が起こるか分からない。ヒットじゃなくてもいいから出よう、と。思いきりいけました」。直後に「2番」ソラーテの「逆転サヨナラ弾」が飛び出し、笑みがはじけた。
新助っ人デビュー戦の26日巨人戦以来、 3試合ぶりに「1番」近本、「2番」ソラーテが並んだ。「今ソラーテは調子がいいので、なんとかしてくれるだろうというのはあります」。前回は内野安打で「決勝2ラン」をお膳立て。この日は 5回無死でも中前打でソラーテの「逆転2ラン」を呼び込んだ。「後ろに長打を打てる打者がいると、なかなか走れないというのはありますが…」と苦笑いしたが、ここまで「セクシー弾3本」すべてを安打でサポート。抜群の相性だ。
2回裏阪神二死 3塁、近本光司外野手は足で稼いで 1塁同点適時打とする=阪神甲子園球場
2回には足で同点内野安打をゲット。 6回には一時は勝ち越しとなる中前打を記録し、好守まで披露する暴れっぷりだ。 9度目となった「猛打賞」は「年間13度ペース」。別当薫(48年)、高山俊(16年)の「阪神最多13度」どころか、巨人長嶋茂雄(58年)が持つ「セ・リーグ最多14度」も狙える位置にいる。矢野監督は「あいつが出るとムードがだいぶ変わる」と絶賛。時には主演を張り、時には助演に回り…。もう、虎の劇場に近本は欠かせない。
▼近本がプロ初の 4安打を放ち、「通算104安打」とした。シーズン 143試合換算だと「154安打ペース」。セ・リーグ最多の58年長嶋茂雄(巨人)「153安打」を超える勢いだ。
▼近本は 9度目の「猛打賞」。「年間13度ペース」で、セ・リーグ最多の58年長嶋「14度」、チーム記録の48年別当薫、16年高山俊の「各13度」を射程に入れている。
▼また、マルチ安打は「29度」目。シーズン「43度」に達するペースで、球団最多の98年坪井智哉「40度」の更新が十分に可能だ。なおセ・リーグ最多は58年長嶋「48度」、プロ野球記録は56年佐々木信也(高橋)「54度」。
※ソラーテが球団通算8000号!83年歴史に名!近本に助演男優賞!「セクシー劇場」抜群の名脇役!2に続く!