●試合前練習中、金村曉投手コーチ(43)がアクシデントに襲われた。左翼付近の芝生でキャッチボール中に、打撃練習の打球が左頬を直撃。しばらくの間その場にうずくまり、藤川球児投手(38)らが駆けつけるなど騒然とした。幸いにも大事には至らなかった。
●雨が降りしきる甲子園にとんでもないプレゼントが待っていた。午後10時すぎだ。 3点リードの 8回一死 2、 3塁。梅野が打席に立つと人もまばらな客席がざわついた。ネクストサークルに鳥谷敬内野手(38)が立つ。銀傘の下で雨宿りしていた虎党が一斉にフェンス際まで駆け寄る。スマートフォンを片手に背番号｢１｣を写真に撮る。虎党に最高のごほうびや！今季限りでの退団を表明している鳥谷敬内野手が待望の今季初打点をあげた。 8回に代打登場し、左翼フェンス直撃の｢適時２塁打｣。ヤクルトに快勝し、自力での｢クライマックスシリーズ(ＣＳ)進出｣の可能性が復活。雨天で試合開始が 1時間 7分も遅れたけれど、試合ができてよかった！翼は折れていない。悲鳴にも似た虎党の声が、一身に降り注がれた。すべてを受け止め放った白球は、雨を切り裂き羽ばたいていった。左翼フェンスを直撃する。 1走梅野隆太郎捕手(28)が本塁へ滑り込む。｢８．２９｣に引退勧告を受けて以降初の安打を、甲子園で見せつけた。試合開始を 1時間 7分遅らせた雨粒は、鳴り物が禁止となった午後10時を過ぎてもまだ、甲子園にまとわりついていた。勝利はすでに確実でも、どれだけ濡れても、ファンはまだ帰れなかった。 1人の男を待っていた。安打は 8月25日のヤクルト戦(神宮)以来 8打席ぶりで“あの日”以降では初－。｢３位｣広島が中日に敗れ、｢自力ＣＳ｣もわずか 1日で復活させた。 8月29日。鳥谷は球団から｢引退｣を勧告された。｢歴代２位｣の｢１９３９試合連続出場｣。更新し続ける｢球団最多安打｣は、この夜で｢２０８３｣になった。だが、プロ16年目の今季残る数字は｢打率０．２０５、０本塁打｣、得点圏での｢４３打席連続適時打なし｣は継続中で、ここでようやく今季初打点。若返りを図るチームの流れに、抗えなくなった。絶頂期の鳥谷はナイターでも午前10時過ぎから始動。誰もいない甲子園を 1人で走っていた。揺るぎなき地位を築いてもスキを見せない。野球に向かう、妥協なき心こそがタイガースの財産だ。多くの若手が午前中から室内練習場などでランニングで汗を流している。糸原健斗内野手(26)、梅野、大山悠輔内野手(24)、木浪聖也内野手(25＝ホンダ＝亜細亜大學ＯＢ)…。ひたむきな鳥谷の背中に感化され、いつしか、道ができていた。雨が降りしきる甲子園で鳥谷は激走も見せた。近本光司外野手(24＝大阪ガス)の中前打で軽やかなピッチを刻んで生還。38歳になっても｢足｣に衰えは見られない。ベテラン、若手が奮闘してヤクルトに快勝。｢自力ＣＳ進出｣の可能性が復活。タテジマの鳥谷を見納めるには、早すぎる。残り13試合に全力を尽くし、奇跡を起こす。鳥谷グッズは、再入荷してもすぐに売り切れてしまう状態が続いている。今週頭に再入荷した分もチームが遠征から甲子園に戻った前日10日だけで完売してしまったという。再入荷日も未定だ。｢阪神の鳥谷｣の姿を見られるのは残り13試合。甲子園でのゲームは、12日のヤクルト戦(甲子園)も含め残り 8試合と、カウントダウンに入っている。
●青柳晃洋(25)を相手に、ヤクルトは左打者を｢１番｣から 7人も並べてきた。中日などは 8人も左打者を並べてきたことがあった。しかし右、左と交互にくる方が、焦点が合わなくなり、気持ち的にも難しい。逆に左がズラッと並んでくれた方が、この球種を使っていこうとかパターンが作りやすかったものだ。右の下手、横手投げの投手は左打者の内角を突くのが一番難しい。まだ青柳には、その制球力がない。課題は明白で、本人もわかっていること。いかに左打者の内角に投げ込めるか。改めて、意識して取り組んでほしい。
記事をまとめてみました。
＜阪神10－ 3ヤクルト ＞◇第22回戦◇阪神13勝 7敗 2分◇11日◇阪神甲子園球場
試合前練習中、金村投手コーチがアクシデントに襲われた。左翼付近の芝生でキャッチボール中に、打撃練習の打球が左頬を直撃。しばらくの間その場にうずくまり、藤川らが駆けつけるなど騒然とした。何とか立ち上がると、トレーナーとともに自力で歩いてクラブハウスへ。幸いにも大事には至らなかった。
試合前練習の打球が当たり、顔が腫れる金村暁投手コーチ＝阪神甲子園球場
虎党に最高のごほうびや！ 今季限りでの退団を表明している鳥谷敬内野手(38)が待望の今季初打点をあげた。 8回に代打登場し、左翼フェンス直撃の｢適時２塁打｣。ヤクルトに快勝し、自力での｢クライマックスシリーズ(ＣＳ)進出｣の可能性が復活。雨天で試合開始が 1時間 7分も遅れたけれど、試合ができてよかった！
翼は折れていない。悲鳴にも似た虎党の声が、一身に降り注がれた。すべてを受け止め放った白球は、雨を切り裂き羽ばたいていった。左翼フェンスを直撃する。 1走梅野が本塁へ滑り込む。｢８．２９｣に引退勧告を受けて以降初の安打を、甲子園で見せつけた。
｢ファンの声援に応えられてよかった。追い込まれていたので、良いところに飛んでくれた｣
試合開始を 1時間 7分遅らせた雨粒は、鳴り物が禁止となった午後10時を過ぎてもまだ、甲子園にまとわりついていた。勝利はすでに確実でも、どれだけ濡れても、ファンはまだ帰れなかった。 1人の男を待っていた。
8回、｢適時２塁打｣を放った鳥谷敬内野手＝阪神甲子園球場
8－ 3となった 8回一死 1塁でコールされると、 360度から｢ウォー！！｣と地鳴りが起きた。顔色一つ変えずに投手と向き合った。これまでと違ったのは打球の鋭さだった。かつて何度も見せてきた、逆方向へスーッと伸びる打球。今季 130試合目、鳥谷自身94打席目で｢初打点｣となる｢適時２塁打｣が飛び出した。長打は 5月31日の広島戦(マツダ)での｢右翼線２塁打｣以来。安打は 8月25日のヤクルト戦(神宮)以来 8打席ぶりで“あの日”以降では初－。｢３位｣広島が中日に敗れ、｢自力ＣＳ｣もわずか 1日で復活させた。
すべてが変わった、あの日－。 8月29日。鳥谷は球団から｢引退｣を勧告された。｢歴代２位｣の｢１９３９試合連続出場｣。更新し続ける｢球団最多安打｣は、この夜で｢２０８３｣になった。だが、プロ16年目の今季残る数字は｢打率０．２０５、０本塁打｣、得点圏での｢４３打席連続適時打なし｣は継続中で、ここでようやく今季初打点。若返りを図るチームの流れに、抗えなくなった。 8月31日には自らの口で｢タイガースのユニホームは脱ぐということを伝えたい｣と発信した。
8回裏阪神一死 1塁、鳥谷敬内野手は左越え適時二塁打を放った＝阪神甲子園球場
引退か、他球団での現役続行か。そんな状況に立たされても、鳥谷は鳥谷だった。誰より走り、誰より自分の体をいじめ抜く。遠征先でもチーム宿舎では昼食を摂らず、栄養価が高く体のためになる食品を“テイクアウト”してくる。
そんなストイックさに加え、今季は午前10時半頃から室内練習場に姿を現わして、ビジネス書などを読みながら走る姿も目撃されてきた。若手選手らが目を丸くしても｢いろいろ勉強しておかないといけないからさ｣と涼しい顔。あの｢８．２９｣以降も、周囲は｢あれは引退する選手のトレーニングじゃない。トリさんは何も変わっていない｣と唸りっぱなしだ。
｢自分のできることをしっかりやっていきます｣
残り13試合。現在発表されている今季最終戦も30日(中日戦、甲子園)に迫る。これまで通りの鳥谷敬が立っているはずだ。まずは一筋の、強烈な意思表示を甲子園のグラウンドに刻みつけた。
8回、｢適時２塁打｣で今季初打点を挙げた鳥谷敬内野手。雨中の虎党に雄姿を届けた＝阪神甲子園球場
★同期のヤクルト・青木宣親外野手｢同じ舞台に立つのは励み｣
鳥谷と早大時代の同期、ヤクルト・青木は｢(今季初打点と)知ってましたよ｣と感慨深げに話した。｢特別な存在？ もちろん。すごく学ぶことがある選手。同級生が同じ舞台に立っているのは励みになる。この年齢になると、なおさらです｣。退団公表後に連絡があったといい｢(自分も)結果を出し続けたいという気持ちを常に持っていますし。あいつは難しい立場でプレーを続けている。結果を出すのは大変だと思いますが、すごく毎日、準備している｣と思いやった。
◇データＢＯＸ◇
◎…阪神の｢２桁得点｣は 6月 4日のロッテ戦(ＺＯＺＯマリン。○11－ 3)以来、今季｢４度目｣。
◎…先発野手全員安打は前日10日のヤクルト戦(甲子園)に続き、今季｢１２度目｣。
8回裏阪神一死 1塁、｢左越え適時２塁打｣を放ち 1塁を回る鳥谷敬内野手＝阪神甲子園球場
雨の甲子園が感動に包まれた。阪神鳥谷敬内野手が 8回一死 1塁で代打出場。
今季限りの退団表明後、初安打となる 2塁打を放った。この一打が今季初タイムリー、初打点でチームの快勝に貢献した。｢３位｣広島とのゲーム差を｢３．５｣に戻し、一夜で｢自力ＣＳ進出｣の可能性が復活。奇跡の｢逆転Ａクラス｣へ、鳥谷の一打で球場全体が1つになった。
◇ ◇ ◇
雨が降りしきる甲子園にとんでもないプレゼントが待っていた。午後10時すぎだ。 3点リードの 8回一死 2、 3塁。梅野が打席に立つと人もまばらな客席がざわついた。ネクストサークルに鳥谷が立つ。銀傘の下で雨宿りしていた虎党が一斉にフェンス際まで駆け寄る。スマートフォンを片手に背番号｢１｣を写真に撮る。
出番を待つ鳥谷敬内野手にシャッター音が降り注いだ＝阪神甲子園球場
誰もが境遇を分かっている。 8月31日に阪神退団を表明していた。今季打点はゼロ…。チャンスは目の前に訪れたが、梅野が投手強襲の 2点適時打を放ち、 1度は“期待感”もしぼんでいた。その直後だ。一死 1塁。鳥谷が左翼へ快音を響かせた。 1塁から梅野が長駆生還。表明後、初安打となるタイムリー 2塁打。今季94打席目での｢初打点｣を刻み、ずぶ濡れで泣いているファンもいた。
クラブハウスへの帰り際に鳥谷は言う。｢ファンの声援に応えることができて良かった。追い込まれていたけど、いいところに飛んでくれた｣。相変わらず、淡々とした表情で振り返った。ルーキーの頃から、まるで変わらない立ち居振る舞いだった。｢自分のできることをしっかりやっていきます｣。さりげなく話して姿を消す。プロ16年目。｢阪神歴代最多２０８３安打｣を放った男の意地だった。
8回裏阪神二死 2塁、近本光司外野手の中前適時打で 2塁から生還した鳥谷敬内野手とタッチを交わす矢野燿大監督＝阪神甲子園球場
いまや、 1人ではなくなった。絶頂期の鳥谷はナイターでも午前10時過ぎから始動。誰もいない甲子園を 1人で走っていた。揺るぎなき地位を築いても｢いつレギュラーを奪われるか分からないから｣とスキを見せない。野球に向かう、妥協なき心こそがタイガースの財産だ。あの頃は 1人だったが、今は違う。多くの若手が午前中から室内練習場などでランニングで汗を流している。糸原、梅野、大山、木浪…。ひたむきな鳥谷の背中に感化され、いつしか、道ができていた。
雨が降りしきる甲子園で鳥谷は激走も見せた。近本の中前打で軽やかなピッチを刻んで生還。38歳になっても｢足｣に衰えは見られない。ベテラン、若手が奮闘してヤクルトに快勝。｢自力ＣＳ進出｣の可能性が復活。タテジマの鳥谷を見納めるには、早すぎる。残り13試合に全力を尽くし、奇跡を起こす。
鳥谷グッズ(一部)
今季限りでの退団を表明している鳥谷敬内野手が待望の今季初打点をあげた。 8回に代打登場し、左翼フェンス直撃の｢適時２塁打｣。
鳥谷グッズは、再入荷してもすぐに売り切れてしまう状態が続いている。今週頭に再入荷した分もチームが遠征から甲子園に戻った前日10日だけで完売してしまったという。再入荷日も未定だ。｢阪神の鳥谷｣の姿を見られるのは残り13試合。甲子園でのゲームは、12日のヤクルト戦(甲子園)も含め残り 8試合と、カウントダウンに入っている。
※鳥谷グッズのお求めは、阪神タイガース公式オンラインショップ T-SHOPでどうぞ！(まだ在庫が有るゾ！)
そぼ降る雨の中、青柳晃洋投手は 6回途中 3失点と粘った＝阪神甲子園球場
青柳を相手に、ヤクルトは左打者を｢１番｣から 7人も並べてきた。私も右のアンダースローだったが、中日などは 8人も左打者を並べてきたことがあった。しかし右、左と交互にくる方が、焦点が合わなくなり、気持ち的にも難しい。逆に左がズラッと並んでくれた方が、この球種を使っていこうとかパターンが作りやすかったものだ。
6回表ヤクルト二死 1、 3塁、村上宗隆内野手に適時打を浴びた青柳晃洋投手＝阪神甲子園球場
実際、この日の青柳の内容はよかったし、成長を感じた。左打者の外角にスライダーを決めるバックドアなど、外のボールでストライクがとれていた。その制球力は確実に上がっている。ただ、 7回は投げ切ってほしかった展開で、問題は 3回り目に入った 6回だ。
6回表ヤクルト二死 1、 3塁、村上宗隆内野手に適時打を浴びたところで交代を告げられる青柳晃洋投手(左端)＝阪神甲子園球場
球自体は悪くないが、外角中心を読み切られ、 4安打はすべて中堅から左方向だった。唯一、打ち取った青木の 1ゴロは逆球で内角にいったスライダー。これを、狙って投げないといけない。 右の下手、横手投げの投手は左打者の内角を突くのが一番難しい。まだ青柳には、その制球力がない。課題は明白で、本人もわかっていること。いかに左打者の内角に投げ込めるか。改めて、意識して取り組んでほしい。
（サンケイスポーツ専属評論家上田二朗）
※ 9月12日の予告先発は、阪神・高橋遥人投手(23＝亜細亜大學ＯＢ)ーヤクルト・山田大樹投手(31)です。
今までの屈辱を跳ね返し て、全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって、全員で力を合わせて進め！
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2018年の悔しい結果を 打ち破 るため、選手・監督・コーチ・スタッフ・フロント、そしてファンの皆さんも全員が、どんな状 況でも｢オレ がやってやる｣｢オレが決めてやる｣という強い闘志をもって 1年間戦っていこう。という思 いをスローガンと して表現しています。
※このスローガン・デザ インは 2019年のシーズンロゴとしても展開してまいります。
2019年 公式戦 順位表
2019年 公式戦 日程と 結果 (08月)
2019年 公式戦 日程と 結果 (09月)
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