●リチウムイオン電池開発でノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)が始球式を務めた。背番号「29」を付け、ワンバウンドながら捕手のミットにきれいに収まった。30歳ぐらいから草野球を12年ほどプレーしたという。試合前には原辰徳監督(61)にあいさつし、笑顔で握手を交わしていた。ヤフオクドームで「2連敗」を喫した巨人は高橋優貴投手(22=八戸学院大学)が、「3連勝」とし王手をかけたソフトバンクはリック・バンデンハーク投手(34)が先発登板。巨人は阿部慎之助内野手(40)を「5番・1塁」で起用し、岡本和真内野手(23)は「4番・3塁」でオーダーに名を連ねた。ソフトバンクはアルフレド・デスパイネ外野手(33)が「4番・左翼」で入り、中村晃外野手(29)はベンチスタートとなった。
●「SMBC日本シリーズ2019」は22日、東京ドームに場所を移して第 3戦が行われ、「パ・リーグ2位」から「クライマックスシリーズ(CS)」を勝ち上がったソフトバンクが「セ覇者」の巨人に 6- 2で快勝して「3連勝」。「3年連続日本一」に王手をかけた。ソフトバンクは「クライマックスシリーズ」から「ポストシーズン9連勝」とした。巨人は 1回に亀井善行外野手(37)が「先制ソロ」。ソフトバンクは 2回に追い付き 3回にデスパイネが「勝ち越し適時打」。巨人は 3回に亀井が「同点ソロ」。ソフトバンクは 4回に長谷川勇也外野手(34)の犠飛、柳田悠岐外野手(31)の押し出し四球、デスパイネの 2点適時打で 4点を追加。巨人は「2番手」戸郷翔征投手(19=聖心ウルスラ学園高等学校)が 4失点。ソフトバンクが「3連勝」を決め、「3年連続日本一」に王手をかけた。「2番手」石川柊太投手(27)が「初勝利」。巨人は 2得点、 6失点で力負けし、崖っぷちに立たされた。「3番手」戸郷が「初黒星」を喫した。ソフトバンクが「3連勝」で「球団史上初」、92年西武以来27年ぶりの「3年連続日本一」に王手をかけた。CSから采配の光る工藤公康監督(56)は早めの 4回、代打の切り札・長谷川勇也外野手(34)を投入。打撃職人はこの起用に 1球で応え、決勝の左犠牲フライを放った。DH制のない東京ドームでデスパイネを左翼起用すると、一時勝ち越し打を含む 3打点。継投もズバリ的中した。「2年連続の下克上」まであと「1勝」だ。
●巨人・亀井善行外野手が22日、ソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2019」第 3戦東京ドーム)で「初回先頭打者本塁打」をマークした。ヤフオクドームで「2連敗」を喫し、本拠地で迎えた第 3戦。「1番・右翼」で先発した亀井は 0- 0の 1回、ソフトバンクのバンデンハークがカウント 2- 2から投じた内角高めへの 154キロの直球を豪快に引っ張り、右中間席上段へ運んだ。第 1戦、第 2戦は計「6打数無安打2四球」だったが、今シリーズ初安打は貴重な先制弾となった。
●キューバコンビのバットで一気に王手をかけた。ソフトバンクが助っ人勢の活躍で「SMBC日本シリーズ2019」第 3戦に快勝。ジュリスベル・グラシアル内野手(34)が 2回に「同点2号ソロ」を放てば、アルフレド・デスパイネ外野手は 3、 4回に適時打を決め、 3打点を挙げた。鷹打線の中軸を担う男たちが力強い働きをみせた。ソフトバンクが誇るキューバコンビが敵地でも 2人で 4打点と暴れた。まずはグラシアルが 1点先制された直後の 2回、先頭で打席に立ち巨人先発左腕高橋のスライダーをバックスクリーンへ「同点2号ソロ」。出迎えた高谷裕亮捕手(37)相手に恒例のボクシングパフォーマンスを見せ喜んだ。第 1戦でも巨人が2回に先制した直後に「逆転1号2ラン」。この日も巨人へ行きそうな試合の流れを引き戻す 1発となった。CSファイナルシリーズを「4連勝」で突破した13日夜、東京・立川市の宿舎を早朝のタクシーで出るまで、部屋でささやかな「CS突破の祝勝会」をした。チームを愛するデスグラコンビが「日本一」へあと「1勝」へ導いた。
●ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手が豪快な同点弾を放った。 1点を追う 2回表。先頭打者で巨人先発高橋のスライダーをとらえた。打球はバックスクリーンに飛び込んだ。初戦に続き「シリーズ2本目の豪快アーチ」。打撃好調の助っ人は同点弾に胸を張った。グラシアルの 1発に呼応してアルフレド・デスパイネ外野手も気を吐いた。 3回二死 1、 2塁から中前へ勝ち越しタイムリーだ。頼れるキューバ砲のバットで主導権を握った。グラシアルが先制を許した直後の 2回、「今シリーズ2本塁打」目となる「同点ソロ」を放った。追い込まれてから粘り、 8球目の甘く入った変化球を振り抜く。矢のような打球をバックスクリーンに突き刺した。これで「クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ」の初戦から10試合連続となる安打をマーク。大舞台で好調を維持し、強力打線を引っ張っている。
●ソフトバンク打線が敵失に乗じて一挙 4点を挙げた。 2- 2の同点で迎えた 4回表。一死 1、 2塁から「9番」バンデンハークの投前バントを巨人戸郷が 3塁へ悪送球。満塁とすると、代打長谷川の左犠飛で勝ち越し、さらに二死満塁から柳田の押し出し四球、「4番」デスパイネの 2点適時左前打で計 4得点だ。 2打席連続でタイムリー打を放った。
●「2番」のソフトバンク今宮健太内野手(28)が 2安打を放ち気を吐いた。 3回一死 1塁から高橋の直球を中前にはじき返し、その後の同点のアシスト。続く 4回二死 1、 2塁から放ったドン詰まりの 3塁内野安打に胸を張った。チームは「3連勝」で一気に王手をかけた。
●ソフトバンクが 5回からの早めの継投で巨人に追加点を与えなかった。 4点リードの 5回から「2番手」石川柊太投手にスイッチ。石川が 5回、 6回の「1番」からの好打順を 6人で 2回無失点に抑え「勝ち投手」になった。 120キロ台中盤の決め球パワーカーブを意識する巨人打線の裏をかくように 130キロ台中盤のフォークを投げ、「4番」岡本を空振り三振、阿部、大城卓三捕手(26)をいずれも投ゴロに打ち取った。テンポよい投球で試合の流れを持ってくる。「日本シリーズ通算3勝目」。CSでも「通算4勝」。過去 3年のポストシーズンで先発せずに勝つ、勝ち運を今年も発揮した。 7回はルーキー甲斐野央投手(22=東洋大学)が 1イニング無失点。工藤監督と早めの継投を決め、 4人のリリーフ陣が無失点リレーで応えた。
記事をまとめてみました。
SMBC日本シリーズ2019<福岡ソフトバンク 6- 2巨人>◇第 3回戦◇福岡ソフトバンク 3勝 0敗 0分◇22日◇東京!ドーム
リチウムイオン電池開発でノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰さんが始球式を務めた。
背番号「29」を付け、ワンバウンドながら捕手のミットにきれいに収まった。
「すごい熱気で緊張しました。まあまあじゃないですか。コースが良かったですね。フォークボールを投げてしまいました。90点ぐらい」と自己評価した。
試合前、始球式を行ったノーベル化学賞受賞の吉野彰氏=東京ドーム
30歳ぐらいから草野球を12年ほどプレーしたという。「草野球は『29番』まで。ラストの番号ということで、同じ『29』番」と当時と同じ背番号を付けた。ポジションは左翼で、「1番」や「2番」を務めていたという。
試合前には原辰徳監督にあいさつし、笑顔で握手を交わしていた。
始球式を行うノーベル化学賞受賞の吉野彰氏=東京ドーム
「SMBC日本シリーズ2019」は22日、東京ドームに場所を移して第 3戦が行われる。ヤフオクドームで「2連敗」を喫した巨人は高橋が、「3連勝」とし王手をかけたソフトバンクはバンデンハークが先発登板。
巨人は阿部を「5番・1塁」で起用し、岡本は「4番・3塁」でオーダーに名を連ねた。ソフトバンクはデスパイネが「4番・左翼」で入り、中村晃はベンチスタートとなった。
試合前、握手を交わす巨人原辰徳監督(右)とノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏=東京ドーム
◇日本シリーズ
先に「4勝」した球団が「日本一」となる。第 7戦までは延長12回制。第 8戦以降は延長回の制限を設けない。第 7戦を行って「優勝」が決定しない場合は、第 7戦を行った球場で第 8戦を翌日に開催。第 9戦が必要な場合には移動日を設け、もう一方のチームの球場で行う。パ・リーグのチームの本拠地での試合では、DH制を採用。今年は予告先発制を採用する。
2回表ソフトバンク無死、グラシアル外野手(中央)の「中越えソロ本塁打」の打球を見つめる大城卓三捕手(右)。投手高橋優貴=東京ドーム
▼ソフトバンクの得点は第1戦から 7→ 6→ 6。シリーズで第 1戦から「3試合連続6点以上」は01年ヤクルト( 7→ 6→ 9)05年ロッテ(10→10→10)に次いで 3度目だ。
今季の公式戦では 1試合平均 4.1点だったが、CSは 7試合で43点の 6.1点、シリーズは 3試合で19点の 6.3点。ポストシーズンに入ってからのソフトバンクは 1試合平均得点が 6点を超えている。
3回表ソフトバンク一死満塁、代打長谷川勇也外野手は勝ち越し左犠飛を放った=東京ドーム
「SMBC日本シリーズ2019」は22日、東京ドームに場所を移して第 3戦が行われ、「パ・リーグ2位」から「クライマックスシリーズ(CS)」を勝ち上がったソフトバンクが「セ覇者」の巨人に 6- 2で快勝して「3連勝」。「3年連続日本一」に王手をかけた。
ソフトバンクは「クライマックスシリーズ」から「ポストシーズン9連勝」とした。
6回裏巨人一死、投ゴロに倒れた阿部慎之助内野手=東京ドーム
巨人は 1回に亀井が「先制ソロ」。ソフトバンクは 2回に追い付き 3回にデスパイネが「勝ち越し適時打」。巨人は 3回に亀井が「同点ソロ」。
ソフトバンクは 4回に長谷川の犠飛、柳田の押し出し四球、デスパイネの 2点適時打で 4点を追加。巨人は「2番手」戸郷が 4失点。
ソフトバンクが「3連勝」を決め、「3年連続日本一」に王手をかけた。「2番手」石川が「初勝利」。巨人は 2得点、 6失点で力負けし、崖っぷちに立たされた。「3番手」戸郷が「初黒星」を喫した。
4回表ソフトバンク1死満塁、代打の長谷川勇也外野手(右)を告げる工藤公康監督=東京ドーム
ソフトバンクが「3連勝」で「球団史上初」、92年西武以来27年ぶりの「3年連続日本一」に王手をかけた。CSから采配の光る工藤公康監督は早めの 4回、代打の切り札・長谷川勇也外野手を投入。
打撃職人はこの起用に 1球で応え、決勝の左犠牲フライを放った。DH制のない東京ドームでデスパイネを左翼起用すると、一時勝ち越し打を含む 3打点。継投もズバリ的中した。「2年連続の下克上」まであと「1勝」だ。
◇ ◇ ◇
CSから、幾度となく流れを引き寄せ続けている工藤監督のタクトはこの日も鋭かった。同点の 4回一死満塁、「1番」川島に対して代打長谷川勇をコール。「取れるときにしっかり取るのが一番。思い切って勝負に行かせてもらった」。勝負どころとみればイニングは関係ない。惜しげもなく注ぎ込み主導権を握るのが短期決戦の極意だ。
4回表ソフトバンク1死満塁、犠飛を放った長谷川勇也外野手と内川聖一内野手を笑顔で出迎える工藤公康監督(右)=東京ドーム
指揮官の迷いない起用に長谷川勇が応える。コツリ、コツリ、コツリ。両足で交互にバットを蹴りながら、打席まで歩を進める。バットを持った右手をだらりと下げ、バットの先から手首、肩を連動させてクリクリと回す。呼吸を整え、鋭い目が相手投手をとらえたら戦いの始まりだ。生粋の打撃職人は巨人戸郷の初球をあっさり左翼まで運んだ。決勝犠飛で勝負あり。「ゲーム展開を予測しながら準備はしていた。シンプルに強く打ちに行って、あとはボールに聞いてくれ、という感じでした」。 1分にも満たない仕事を済ませ、さっそうとベンチに帰った。
普段より早い出番でも、打席に入るルーティンは変わらなかった。長谷川勇にとって打撃とは「絵を再現するようなもの」だという。独特な、 1つ 1つの動きが持つ意味は言葉では説明しきれない。「練習から仕留める準備はしている。そこには自信がある」。日頃から積み重ねた練習で完成した“最高の絵”を本番でもう 1度描きなおす。より最高に近づけるように。再現性を高めるために。試合中のどんな場面、どんな時間にやってくるかわからない代打の出番。その一瞬のために、ルーティンを丁寧にこなすことに意味がある。
指揮官の信念の采配は、代打策だけではない。DH制が使えない敵地だが、第 1、 2戦で無安打だったデスパイネを左翼で「4番」起用。その期待は「2本」の適時打で返ってきた。得意の継投策もさえた。「1番」から始まった 5、 6回を「2番手」石川が 6人で抑え、流れをぶった切った。
巨人に3連勝しハイタッチをかわすソフトバンクナイン=東京ドーム
攻めの采配で、CSファーストS第 2戦からの連勝は「9」まで伸びた。巨人に「3連勝」で「3年連続日本一」まであと「1つ」。「何が起こるかわからないのが『日本シリーズ』。今日が終わったら、明日の試合。とにかく全力で勝ちにいく」。最後まで、手を緩めるつもりはない。
◆ソフトバンクが「3年連続日本一」に王手。「シリーズ3連覇」を達成すれば、90~92年西武以来となる。西武は90年、巨人に「4戦4勝」。91年は広島、92年はヤクルトに各「4勝3敗」。森監督が率い、秋山、清原、デストラーデ、石毛が中軸を打った。91年は工藤(現ソフトバンク監督)が「2勝」。
▼ソフトバンクが「3連勝」で「3年連続日本一」へ王手をかけた。シリーズで無傷の「3連勝」は17年ソフトバンク以来「19度目」で、過去18チームのうち15チームが「優勝」しており、V確率は「83%」。
これで今年のポストシーズンは 1S第 2戦から「9連勝」となり、シリーズは昨年、第 3戦から「7連勝」。「シリーズ7連勝」以上は「5度目」で、ソフトバンクでは14年第 2戦~15年第 2戦の「6連勝」を抜く球団新記録。
シリーズの連勝は「8連勝(過去3度)」が最長だが、 3チームとも途中に出場しない年を挟んで記録。今回のように前年から「7連勝」は75年第 2戦~76年<3>戦に 1分け挟んで「7連勝」した阪急以来「2度目」だ。
3回表ソフトバンク二死 1、 2塁、デスパイネ外野手の適時打に笑顔を見せる王貞治球団会長=東京ドーム
ソフトバンクは敵地で巨人に勝利を収め「3連勝」とし、「3年連続10度目の日本一」へ王手をかけた。
初戦から「3連勝王手(引き分け含む」は「19度目」。過去18度のうち15度が「日本一」となっておりV確率は「83%」。
▽ソフトバンク王貞治球団会長(「3連勝」でシリーズ王手をかけ)
「すぐに追いついたのが大きかったね。( 4回は)相手のミスもあって得点できたが、石川以降の中継ぎ陣が大きかった。相手の反撃の芽をつんだね。自信を持ってやっている。あと 1つ勝つというのが、なかなかやっかいだけど、選手も乗ってくれているからね。ここまで来たらやるしかないね」
1回、本塁打を放った巨人・亀井善行外野手=東京ドーム
巨人・亀井善行外野手が22日、ソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2019」第 3戦東京ドーム)で「初回先頭打者本塁打」をマークした。
ヤフオクドームで「2連敗」を喫し、本拠地で迎えた第 3戦。「1番・右翼」で先発した亀井は 0- 0の 1回、ソフトバンクのバンデンハークがカウント 2- 2から投じた内角高めへの 154キロの直球を豪快に引っ張り、右中間席上段へ運んだ。「勝つしかないからね! それしかないね」とコメントした。
1回裏巨人無死、亀井善行外野手は「右越え先制本塁打」を放った=東京ドーム
第 1戦、第 2戦は計「6打数無安打2四球」だったが、今シリーズ初安打は貴重な先制弾となった。
巨人亀井善行外野手が、「日本シリーズ」に新たな歴史を刻んだ。
1回、ソフトバンク・バンデンハークの 154キロ直球を右中間席へ。 1点を追う 3回一死には、右翼ポール際の 5階席に飛び込む特大の「同点ソロ」を放った。「打つしかないから。それしかないよ」。「先頭打者本塁打」からの 2打席連発は、「日本シリーズ初」の快挙だった。
3回裏巨人一死、同点のソロ本塁打を放ちベンチを指さす亀井善行外野手=東京ドーム
15年目を迎え、積み上げた打撃技術は球界でも一目置かれる。それでも、勝負どころで力を発揮するために一番大事なことを「最後は気持ち」と断言する。今季も 5月23日のDeNA戦、 0- 0の 4回無死 1塁でバントを 2球ファウル。ヒッティングに切り替わった直後に「絶対に当てんと。気持ちを出した」と「先制の適時3塁打」を放った。
3回裏巨人一死、丸佳浩外野手(左)は 2打席連続となる「ソロ本塁打」を放った亀井善行外野手とベンチ前でハイタッチ=東京ドーム
中大の先輩でもある阿部が引退を表明したあの日から、特別な「気持ち」を持って、グラウンドに立ち続ける。「もちろん、思いはいっぱいあるよ。語り尽くせない。でも、それは阿部さんと自分の心の中で大事にしておきたいから」。「1敗」すれば、即敗退の土俵際。秘めた思いを「4連勝」で花道を飾ってもらうシナリオにつなげたい。
3打席目以降はソフトバンクのリリーフ陣に抑え込まれ、 2打席連続で凡退し、ベンチから敗戦を見届けた。「 1本出たんで、明日も何とか。もう瀬戸際。追い込まれたので、勝つしかないです」。気持ちを前面に出し、突破口を開く。
3回表ソフトバンク二死 1、 2塁、デスパイネ外野手は中前に勝ち越し適時打を放った=東京ドーム
キューバコンビのバットで一気に王手をかけた。ソフトバンクが助っ人勢の活躍で「SMBC日本シリーズ2019」第 3戦に快勝。ジュリスベル・グラシアル内野手が 2回に「同点2号ソロ」を放てば、アルフレド・デスパイネ外野手は 3、 4回に適時打を決め、 3打点を挙げた。鷹打線の中軸を担う男たちが力強い働きをみせた。
◇ ◇ ◇
ソフトバンクが誇るキューバコンビが敵地でも 2人で 4打点と暴れた。まずはグラシアルが 1点先制された直後の 2回、先頭で打席に立ち巨人先発左腕高橋のスライダーをバックスクリーンへ「同点2号ソロ」。「甘く入って来たボールをしっかりとらえられた。すぐ同点に追いつけた」と出迎えた高谷相手に恒例のボクシングパフォーマンスを見せ喜んだ。第 1戦でも巨人が2回に先制した直後に「逆転1号2ラン」。この日も巨人へ行きそうな試合の流れを引き戻す 1発となった。
勝利監督インタビューを終えたソフトバンク工藤公康監督(左)はアルフレド・デスパイネ外野手とがっちり握手を交わす=東京ドーム
3回には二死 1、 2塁から「4番」デスパイネが中前へ一時勝ち越しの適時打を放った。再び巨人に追いつかれたが、 2点を勝ち越した 4回二死満塁から、泳がされながらも左翼へ2点適時打を放った。「カットボールに少し崩されたけどいい所に飛んでくれた。みんなでつないだチャンスだったし、追加点を取れてよかったよ」。第 1戦で左肘へ死球を受けた。 2戦で「5打数無安打」だったが、「4番」で使い続けた工藤監督の期待に応えた。
CSファイナルシリーズを「4連勝」で突破した13日夜、青木通訳が「(14日に)娘の運動会があるので朝一番の飛行機で福岡に戻るけど、みんなはゆっくり帰って」と伝えるとデスパイネは「それなら俺も一緒の便で帰るよ」、グラシアルも「俺もそうする」、スアレス、ミランダも同調し、同便で福岡に戻ることを決めた。東京・立川市の宿舎を早朝のタクシーで出るまで、部屋でささやかな「CS突破の祝勝会」をした。青木通訳は「いつもワガママだけど、そう言ってくれてうれしかった。彼らの通訳をして本当によかった。運動会を見に行くよと言ってくれたけど、さすがにそれは断りましたけどね」と笑った。チームを愛するデスグラコンビが「日本一」へあと「1勝」へ導いた。
2回表ソフトバンク無死、グラシアル内野手は「中越えソロ本塁打」を放った。投手高橋優貴=東京ドーム
ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手が豪快な同点弾を放った。 1点を追う 2回表。先頭打者で巨人先発高橋のスライダーをとらえた。打球はバックスクリーンに飛び込んだ。初戦に続き「シリーズ2本目の豪快アーチ」。「打ったのはスライダー。甘く入ってきたボールをしっかりとらえられた。勝って王手をかけたいね」。打撃好調の助っ人は同点弾に胸を張った。
グラシアルの 1発に呼応してアルフレド・デスパイネ外野手も気を吐いた。 3回二死 1、 2塁から中前へ勝ち越しタイムリーだ。頼れるキューバ砲のバットで主導権を握った。
2回表ソフトバンク無死、ジュリスベル・グラシアル内野手は中越えに「同点ソロ本塁打」を放ちポーズ=東京ドーム
ソフトバンクのグラシアルが先制を許した直後の 2回、「今シリーズ2本塁打」目となる「同点ソロ」を放った。追い込まれてから粘り、 8球目の甘く入った変化球を振り抜く。矢のような打球をバックスクリーンに突き刺し「しっかり捉えられた」とうなずいた。
これで「クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ」の初戦から10試合連続となる安打をマーク。大舞台で好調を維持し、強力打線を引っ張っている。
4回表ソフトバンク二死満塁、左前に 2点適時打を放ちガッツポーズを決めるアルフレド・デスパイネ外野手=東京ドーム
ソフトバンク打線が敵失に乗じて一挙 4点を挙げた。 2- 2の同点で迎えた 4回表。一死 1、 2塁から「9番」バンデンハークの投前バントを巨人戸郷が 3塁へ悪送球。
4回表ソフトバンク一死満塁、代打長谷川勇也外野手の犠飛で生還し拍手を送る内川聖一内野手=東京ドーム
満塁とすると、代打長谷川勇の左犠飛で勝ち越し、さらに二死満塁から柳田の押し出し四球、「4番」デスパイネの 2点適時左前打で計 4得点だ。 2打席連続でタイムリー打を放ったデスパイネは「打ったのはカットボール。少し(体勢を)崩されたけど、いいところに飛んでくれた。みんながつないでくれたチャンスなので打ててよかった」と話した。
ファンの声援に応えるデスパイネ外野手=東京ドーム
ソフトバンクは敵地で巨人に勝利を収め3連勝、3年連続10度目の日本一へ王手をかけた。
▽デスパイネの話
( 1、 2戦で無安打も 3打数 2安打3打点) 1、 2戦でチームが勝ったことで自分のモチベーションも上がっていたし、 3戦目以降打てると自信を持ってここまできた。得点圏ではランナーを返す気持ちで打席に入ったし、 1打席 1打席、集中していた。(第 4戦へ向けて)「4連勝」できるよう、ここで胴上げできるように明日もここで頑張りたい。
※グラシアル豪快弾&デスパイネ適時打!ソフトバンク救援隊が無失点リレー!石川勝ち運発揮!-2に続く!