●矢野阪神の新構想がいきなり機能した。 1点を追う 5回無死 1、 2塁。バントや右打ちなど多様な作戦が考えられる中で「2番中堅」に入った近本光司外野手(25=大阪ガス)はノーサインで初球にバントの構えを見せた。中日阿知羅拓馬投手(27)を揺さぶり、ボールカウントを 1つ稼いだ。続く 2球目。外角 130キロ直球を今度は強振し、右中間を破る 2点適時 3塁打。続く植田海内野手(23)の浅い左飛では、俊足を生かして生還。20年初陣から持ち味を発揮した。指揮官も新打順に手応えをつかんだ。この日のオーダーは井上一樹打撃コーチ(48)に任せたが、唯一要望したのが近本の「2番」起用だった。夢と希望を抱かせる今年初の対外試合だった。「2番・中堅」で先発出場した近本が一時逆転打&好走塁で今後も適性を見極めていくが、矢野燿大監督(51)に一発回答だ。目指すは打って走る「2番」打者。相手バッテリーが頭を悩ませるような打者へ、進化する。
●北條史也内野手(25)、木浪聖也内野手(25=ホンダ=亜細亜大學OB)らとショートを争う 6年目の植田海内野手は 2塁で途中出場した。 4回から糸原健斗内野手(27)に代わって 2塁守備に就いた。 5回の 1打席目には無死 3塁から左犠飛をマーク。 3塁走者近本を迎え入れた。実戦でアピールし、激しいショート争いに割って入る。
●志願で「1番」に入った高山俊外野手(26)はチーム“初安打”を放つも、続く打席に課題を残した。初回にチームの先陣を切る中前安打。 5回にも左前安打でマルチを記録も「1番」としてチームで唯一、 5打席に立った。生まれた反省を次につなげる。 1回先頭で直球をとらえ、中日先発・山本拓実投手(20)の足下を抜く中前打を放って虎の“初安打”を記録。意気込んで臨んだ打席で、本当に“いったった”打撃を披露した。 3- 4の 5回無死 1塁では左前打を放ち、近本の 3塁打で一時逆転のホームを踏んだ。 5打数 2安打とアピールし、矢野監督の構想である「2番・近本」とのコンビでいきなり機能した。指揮官も目を細めた。それでも背番号「9」は少しも満足していない。高山! 次もいったれ! ●阪神の「4番」大山悠輔内野手(25)は20年初実戦で早くも成長した打撃を見せた。 4回一死、阿知羅の外角 141キロ直球を力強く引っ張り、痛烈なライナーで左前に運んだ。以前ならファウルになりがちだった球を完璧にとらえ厳しい表情の中にも充実感を漂わせた。
● 2年ぶりキャンプ参加の原口文仁捕手(27)が今季初実戦で 2塁打を放った。「5番」捕手でスタメン出場し、 5回に中日阿知羅の変化球を左中間に運んだ。
●望月惇志投手(22)は開幕ローテ入りへ、習得を目指すカーブに手応えを得た。中日戦の 5回から 2イニングを投げ、 1安打無四球無失点。 140キロ台中盤の直球に新球も交えた。矢野監督は一定の評価を与えた上でさらなる進化を期待した。
●中継ぎ争いに挑む谷川昌希投手(27)は評価を急上昇させた。中日戦は 1点リードの 9回裏に登場し、 1イニングを 2奪三振で完全投球した。本人は気合十分。矢野監督からは絶賛された。
●岩貞祐太投手(28)が初実戦で直球主体の投球を試す。 9日の北海道日本ハムとの練習試合(宜野座)に先発し、 2イニング登板する予定。「結果が全てだと思う。今、自分で出来ることを全力で出したい」と力を込めた。この日はいつもの登板前と同様に、平地で投球を行うなど入念に準備。持ち味を前面に出す。神奈川・横浜創学館高から入団 4年目だった昨季に「プロ初勝利」を挙げた上背 190センチの本格派。さらなる飛躍を期し、オフからカーブの精度向上に努めてきた。投球の幅が広がり自信をつかんだ様子だった。
●第 1クール中にコンディション不良を訴えていたオネルキ・ガルシア投手(30)がキャッチボールを再開した。第 3クールでのブルペン入りを目指す。
記事をまとめてみました。
中日対阪神練習試合 5回表阪神無死 1、 2塁、近本光司外野手は「右越え逆転2点適時3塁打」を放った=沖縄・北谷公園野球場
<春季キャンプ練習試合:中日 6- 7阪神>◇ 8日◇沖縄・北谷公園野球場
矢野阪神の新構想がいきなり機能した。 1点を追う 5回無死 1、 2塁。バントや右打ちなど多様な作戦が考えられる中で「2番中堅」に入った近本光司外野手はノーサインで初球にバントの構えを見せた。
中日阿知羅を揺さぶり、ボールカウントを 1つ稼いだ。続く 2球目。外角 130キロ直球を今度は強振し、右中間を破る 2点適時 3塁打。「 1球見逃して、真っすぐがくると思った。しっかり振り抜けました。ちょっと(バント)したろかなと。ストライクだったら、ファウルでもいいかなと思ってました」。続く植田の浅い左飛では、俊足を生かして生還。20年初陣から持ち味を発揮した。
中日対阪神練習試合 5回表阪神無死 1、 2塁、バントの構えを見せる近本光司外野手=沖縄・北谷公園野球場
指揮官も新打順に手応えをつかんだ。この日のオーダーは井上打撃コーチに任せたが、唯一要望したのが近本の「2番」起用だった。「内容がある。(バントを)やってやろうかという部分と、打って、しかも結果を出すという素晴らしい打席。ああいう風につなぐと、すごく得点能力が上がると思う。(2番は)チカ自身の野球のレベルが上がっていくプラス、チームにとってもプラスがあると思う」。今後も適性を見極めていくが、矢野監督に 1発回答で応えた。
近本光司外野手は 5回、「適時3塁打」を放つ。直球と読み切って振り抜いた=沖縄・北谷公園野球場
今年も「キナチカ」にお任せ! 「2番・中堅」で先発出場した近本光司外野手が 5回無死 1、 2塁で、一時逆転となる 2点 3塁打を放ち、近本の「2番」構想を掲げる矢野燿大監督の期待に応えた。木浪聖也内野手(25)は「7番・遊撃」で先発し、 4回にチーム初本塁打となる「3ラン」。決勝アーチを放った北條との正遊撃手争いに向けて、アピールした。
夢と希望を抱かせる今年初の対外試合だった。「2番・中堅」で先発出場した近本が一時逆転打&好走塁で、矢野監督に一発回答だ。
「しっかり思い切って振り抜きました」
3- 4の 5回無死 1、 2塁。 1ボールからの 2球目。 「2番手・阿知羅」の直球をジャストミート。打球は右中間をライナーで抜け、一時逆転となる 2点 3塁打となった。
5回、 2点 3塁打を放った近本光司外野手=沖縄・北谷公園野球場
1球目に伏線があった。バントを試みようとしたが「ボール球だったので(バットを引いた)。( 2球目は)真っすぐ(が来る)と思って(打った)」。相手バッテリーの配球を読んでの一打だった。続く植田の浅めの左飛では昨季、セ・リーグ盗塁王に輝いた快足を飛ばして、 6点目のホームを踏んだ。
俊足ゆえに併殺になりにくい。バントなどの小技に加えて、パンチ力もある。そんな近本の持ち味を 1年目以上に生かそうとするのが、矢野監督の「近本2番」構想だ。 5回の打席でその一端を披露。指揮官は近本のバント構えについて「サインなんか出していない」と明かし「2番でチカ(近本)自身の野球のレベルが上がっていくプラス、チームにとってもプラスがあると思う。どんどんチャレンジしていけば成長できるんじゃないか」とうなずいた。
近本光司外野手は 5回、植田海内野手の犠飛で生還する。俊足を生かした=沖縄・北谷公園野球場
進塁打を打ったり、バントをするだけの“つなぐ”「2番」ではない。チームに流れを引き寄せる長打や、相手守備陣をビビらせる走塁もできる“超攻撃型2番”だ。
ルーキーだった昨年はおもに「1番」だった近本も 2年目の進化へ、準備万端。宜野座キャンプでは午後 6時すぎまで体を動かし、グラウンドを離れるのはいつも最後。個別の打撃練習ではバントの構えからフルスイング。その意図を「逆方向に打つことを意識しすぎてもダメ」。走塁練習では「一歩でも先にいくことを意識している」と明かす。筒井外野守備走塁コーチも「練習は調整ではなく、挑戦しているみたいだ」と感心しきりだ。
「しっかりと打つことが大事だと思いました」
目指すは打って走る「2番」打者。相手バッテリーが頭を悩ませるような打者へ、進化する。
中日対阪神練習試合 5回表阪神無死 3塁、左犠飛を放った植田海内野手=沖縄・北谷公園野球場
北條、木浪らとショートを争う 6年目の植田海内野手は 2塁で途中出場した。
4回から糸原に代わって 2塁守備に就いた。 5回の 1打席目には無死 3塁から左犠飛をマーク。 3塁走者近本を迎え入れた。キャンプでは井上打撃コーチらに連日指導を受けるなど期待される存在。実戦でアピールし、激しいショート争いに割って入る。
志願で「1番」に入った高山俊外野手はチーム“初安打”を放つも、続く打席に課題を残した。初回にチームの先陣を切る中前安打。
5回にも左前安打でマルチを記録も「良い時と悪い時がある。ランナーがいる時のクイックへの対処がダメだった。でも、これだけ打席に立たせてもらって課題が見つかってよかった」。「1番」としてチームで唯一、 5打席に立った。生まれた反省を次につなげる。
中日対阪神練習試合 1回表阪神無死、中前安打を放った高山俊外野手=沖縄・北谷公園野球場
高山は有言実行の先頭打者安打。2020年、矢野虎の対外試合で最初にバットを振った男が、初打席安打を決めた。
「よかったです。ただ、走者がいるときのクイックのときに(結果が)ダメだった。課題がみつかり、打席に立たせてもらってよかった」
1回先頭で直球をとらえ、中日先発・山本の足下を抜く中前打を放って虎の“初安打”を記録。前日 7日に井上打撃コーチに志願してつかんだ「1番・左翼」。「最初なんで、いったろうかなと」と意気込んで臨んだ打席で、本当に“いったった”打撃を披露した。
高山俊外野手は有言実行の先頭打者安打。いったった~!=沖縄・北谷公園野球場
3- 4の 5回無死 1塁では左前打を放ち、近本の 3塁打で一時逆転のホームを踏んだ。 5打数 2安打とアピールし、矢野監督の構想である「2番・近本」とのコンビでいきなり機能した。
指揮官も「 1打席目の最初に『1番』で打つのは、チームにとってもすごくプラス。あいつ(高山)自身も、そういう意気込みで(打席に)立って結果を出すというのは、素晴らしいことやと思う」と目を細めた。それでも「打ち損じを少なくしたい」と背番号「9」は少しも満足していない。高山! 次もいったれ!
中日対阪神練習試合 4回表阪神一死、左前安打を放った大山悠輔内野手=沖縄・北谷公園野球場
阪神の「4番」大山悠輔内野手は20年初実戦で早くも成長した打撃を見せた。 4回一死、阿知羅の外角 141キロ直球を力強く引っ張り、痛烈なライナーで左前に運んだ。
中日対阪神練習試合 4回表阪神一死、左前安打を放った大山悠輔内野手=沖縄・北谷公園野球場
以前ならファウルになりがちだった球を完璧にとらえ「外のボールをしっかり引っ張ろうと思っていました」と厳しい表情の中にも充実感を漂わせた。
中日対阪神練習試合 5回表阪神二死、原口文仁捕手は左越えに 2塁打を放った=沖縄・北谷公園野球場
2年ぶりキャンプ参加の原口文仁捕手が今季初実戦で 2塁打を放った。「5番」捕手でスタメン出場し、 5回に中日阿知羅の変化球を左中間に運んだ。
中日対阪神練習試合 5回表阪神二死、原口文仁捕手は左越えに 2塁打を放った=沖縄・北谷公園野球場
1年前のキャンプは大腸がん治療のために参加できず。「みんなとユニホームを着られることがどれだけうれしいか、感じながらやっています。やってやろう、という気持ちです」と意気込んでいたが、言葉通りに結果を出した。
中日対阪神練習試合 阪神 3番手で登板した望月惇志投手=沖縄・北谷公園野球場
望月惇志投手は開幕ローテ入りへ、習得を目指すカーブに手応えを得た。中日戦の 5回から 2イニングを投げ、 1安打無四球無失点。 140キロ台中盤の直球に新球も交え「スライダーとかフォークの精度も上げていかないと。でも今日はカーブをいい感じに投げられたので、結果ゼロに抑えられた」。
矢野監督は「カーブが良かったね」と一定の評価を与えた上で「オレの要求はもっと上にある」とさらなる進化を期待した。
中日対阪神練習試合 5回裏、登板した望月惇志投手=沖縄・北谷公園野球場
先発枠入りを目指す望月が、中日との練習試合で 2回を 1安打、無得点に抑えた。最速 150キロの直球を軸に緩急を生かして好投し「カーブがいい感じで投げられた結果、無失点だった」と手応えを口にした。
神奈川・横浜創学館高から入団 4年目だった昨季に「プロ初勝利」を挙げた上背 190センチの本格派。さらなる飛躍を期し、オフからカーブの精度向上に努めてきた。投球の幅が広がり「いろいろな方に話を聞いて練習してきた。きょうみたいな軌道で継続して投げていかないと」と自信をつかんだ様子だった。
※矢野阪神の2番近本が機能!植田が左犠飛、井上打撃コーチから連日指導!望月カーブに手応え!-2に続く!