●国内で12日に報告された「新型コロナウイルス感染者数」は1648人で、 1日当たりの新規感染者が 8月 7日の1597人を上回り、過去最多を更新した。10月からの「第3波」は飲食店や外国人コミュニティーなどクラスター(感染者集団)が多様化。北海道や東京、愛知、大阪といった都市圏の歓楽街などを中心に広がっており、さらに急速な感染拡大が起きる懸念が強まっている。12日の都道府県別感染者数は、北海道 236人、神奈川 147人、兵庫81人、茨城26人で過去最多となったほか、東京で393人と報告された。菅義偉首相(71)は西村康稔経済再生担当相(58)と官邸で会い指示した。西村氏は飲食店などへの「休業要請」といった経済活動の制限も必要との見解を示した。加藤勝信官房長官(64)は会見で、日本医師会の中川俊男会長(69)が認識を示したことに関し否定的だったが、危機感を示した。
●東京都は12日、「新型コロナウイルスの感染者」が新たに 393人報告されたと明らかにした。 2日連続で 300人台の高水準となり、 1日当たりの感染者数で過去「5番目の多さ」。累計は 3万3770人となった。都が12日午後に有識者を交えて開いたモニタリング会議では、感染状況に関する「4段階の警戒度」は最高レベルから「2番目」を維持したが、表現を「感染が拡大しつつある」として従来の「再拡大に警戒が必要」から切り替えた。医療提供体制の警戒度も「2番目の水準」を据え置いた。東京都は12日、有識者を交えた「新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」を都庁で行った。新規要請者数は週当たり1400人を超え、「接触歴等不明者数」も大幅に増加傾向。感染状況に関する「4段階の警戒度」に関しても協議し、高い方から「2番目」(オレンジ)を維持はしたが、もっとも高い警戒度に近づいていることも示唆した。出席した小池百合子知事(68)は会議後に取材対応し、今冬の拡大防止に向けて「感染対策 再徹底」をあらためて掲げた。「(1)マスク、手洗い、3密を避ける(2)こまめな換気の心掛け(3)ドアノブやテーブルなどの共有部分の消毒」を 3本柱として挙げ、気を引き締めた。また、在留外国人への徹底に対しても多言語での感染対策徹底呼びかけにも努める意向を述べた。
●北海道の12日の新規感染者発表が、 220人以上の見通しになったことが同日、関係者への取材で分かった。 9日の 200人を超え、過去最多になる。感染者は 5日以降、 8日連続で 100人を超える。札幌市を中心に感染が急速に拡大している札幌市は医療体制の逼迫(ひっぱく)に備え、11日から重症化するリスクが低い患者を自宅療養させる方針に転換した。兵庫県では12日、81人が「新型コロナウイルスに感染」したことが明らかとなった。11日の70人に続き、 1日当たりの感染者数として 2日連続で過去最多を更新。県内の感染者数は3747人となった。大阪府は12日、府内で新たに 231人が「新型コロナウイルス」に感染したと発表した。 200人超えるのは 3日連続で、過去「3番目」に多い。大阪府の吉村洋文知事(45)は府庁で取材に応じ述べ、「静かに食事」「マスクの徹底」を改めて呼び掛けた。府は現在、重症患者用に 206床を確保しているが、10月下旬から再び上昇に転じ、11日現在の重症病床使用率は30.%に達した。11日時点で治療中は63人と、これまで最多だった 8月16日と同25日の72人に迫った。
●日産自動車が12日、2020年度上期の中間決算を発表し、グループ全体の純損益は3299億円の赤字となると発表した。前年同 653億円の黒字から転落し、20年度の連結決算の業績予想は 550億円減として上方修正したが、6150億円赤字という最終損益を見通している。日産自動車は12日、2021年 3月期の連結業績予想を上方修正し、純損失が従来の6700億円から6150億円に縮小すると発表した。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO=54)はインターネットによる記者会見で、経営再建に向けた構造改革について説明した。同時に発表した20年 9月中間連結決算は、売上高が前年同期比38.2%減の 3兆926億円、純損益は3299億円の赤字(前年同期は 653億円の黒字)だった。
●米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領(77)と菅義偉首相は12日、初めて電話会談した。バイデン氏は沖縄県の尖閣諸島が米国による防衛義務を定めた「日米安全保障条約5条」の適用範囲と明言。「コロナ対策」や「気候変動」での連携でも一致した。菅氏は次期大統領と呼び、会談時間は約10分だった。訪米は来年 1月20日の就任式以降で調整を進める。一方トランプ大統領(74)は11日、「退役軍人の日」の式典のため首都ワシントン近郊のアーリントン国立墓地を訪れた。プライベートを除けば、公の場に姿を現すのは 5日の「ホワイトハウス会見」以来初めて。メラニア・トランプ夫人(50)、マイク・ペンス副大統領(61)らと訪問。献花したが、発言はしなかった。ツイッターでは依然、選挙の不正を主張し投稿し続けている。
●政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」が12月 1日以降、映画館で食事を客席に持ち込む場合でも満員を認め、関係者から歓迎の声が上がった。スポーツなど大規模イベントの人数制限が来年 2月末まで据え置かれたことには一定の理解が示された。映画館は 9月19日から全席販売が認められたが、客席での「食事禁止」が条件だったためシネコンの多くは50%以下を維持した。対応が分かれたのは大ヒット映画「劇場版『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』無限列車編」公開初日の10月16日からだ。TOHOシネマズが週末を中心に全席販売を再開。イオンシネマは50%を継続している。一方、プロ野球はシーズンオフと春季キャンプの期間に当たり、球団経営に大きな影響はないが、来季の観客増への機運に冷や水を浴びせられる形に。サッカーでは来年 1月の「第100回天皇杯全日本選手権」決勝や 2月を想定するJリーグ来季開幕に影響が。緩和への期待もあったがJリーグの村井満チェアマン(61)は厳しい表情で受け止めた。大相撲は来年 1月、両国国技館で初場所を予定している。日本相撲協会の芝田山広報部長(58=元横綱大乃国)は見解を示した。
記事をまとめてみました。
国内で12日に報告された「新型コロナウイルス感染者数」は1648人で、 1日当たりの新規感染者が 8月 7日の1597人を上回り、過去最多を更新した。10月からの「第3波」は飲食店や外国人コミュニティーなどクラスター(感染者集団)が多様化。北海道や東京、愛知、大阪といった都市圏の歓楽街などを中心に広がっており、さらに急速な感染拡大が起きる懸念が強まっている。
◇ ◇ ◇
12日の都道府県別感染者数は、北海道 236人、神奈川 147人、兵庫81人、茨城26人で過去最多となったほか、東京で393人と報告された。
国内の 1日当たりの感染者数は、 8月の第 1週に「第2波」のピークを迎えたが、その後 300~ 600人で推移していた。しかし10月以降、20代や30代の若い世代を中心に再び感染が拡大。全国の人口10万人当たりに対する新規感染者は、10月20日からの 1週間は「3.21人」だったが、11月 3日から「5.29人」と急増した。菅義偉首相は西村康稔経済再生担当相と官邸で会い、「爆発的な感染拡大にならないように引き続き、知事と連携して対応してほしい」と指示した。
西村氏は「今の段階で『緊急事態宣言』を出すような状況ではない」とした上で、感染状況が悪化した場合は「このまま感染拡大が続けば、より強い措置を取らないといけなくなる」と強調。飲食店などへの「休業要請」といった経済活動の制限も必要との見解を示した。
この日行われた「新型コロナウイルス感染症対策分科会」で、西村氏は12月 1日以降のプロスポーツなどの大規模イベントの人数制限方針について、緩和を来年 2月末まで見合わせるよう提案。プロスポーツなどの大規模イベントは定員の50%とする人数制限を11月末まで設定している。感染者数の増加傾向が全国で顕著なことから「爆発的な感染拡大にならないようにしなければと危機感を募らせている」と話した。また、混雑が予想される初詣も議論され、尾身茂会長は参拝の分散や参拝前後の飲食でも注意するよう呼びかけた。
加藤勝信官房長官は会見で、日本医師会の中川俊男会長が「『第3波』と考えてもよいのではないか」との認識を示したことに関し「政府は具体的な定義を定めているわけではない」と否定的だったが、「引き続き最大限の警戒感を持って対処しなければいけない」と危機感を示した。
東京都は12日、「新型コロナウイルスの感染者」が新たに 393人報告されたと明らかにした。 2日連続で 300人台の高水準となり、 1日当たりの感染者数で過去「5番目の多さ」。累計は 3万3770人となった。
都が12日午後に有識者を交えて開いたモニタリング会議では、感染状況に関する「4段階の警戒度」は最高レベルから「2番目」を維持したが、表現を「感染が拡大しつつある」として従来の「再拡大に警戒が必要」から切り替えた。医療提供体制の警戒度も「2番目の水準」を据え置いた。
都内の感染者数は今月に入って増加傾向を見せ、直近 7日間での 1日当たりの平均感染者数は 8日に 200人を上回り、12日時点で約 269.3人に達している。都内で 1日当たりの感染者数が最多だったのは 8月 1日の 472人。
東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議に出席した小池百合子知事=都庁
東京都は12日、有識者を交えた「新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」を都庁で行った。新規要請者数は週当たり1400人を超え、「接触歴等不明者数」も大幅に増加傾向。「国立国際医療研究センター」の大曲貴夫国際感染症センター長は「急速な感染拡大の始まりと捉え、今後の深刻な状況を厳重に警戒する必要がある」と分析した。感染状況に関する「4段階の警戒度」に関しても協議し、高い方から「2番目」(オレンジ)を維持はしたが「赤に近いと思っている。その空気は共有されている」と、もっとも高い警戒度に近づいていることも示唆した。
「感染対策再徹底」のテーマを掲げた小池百合子知事=都庁
出席した小池百合子知事は会議後に取材対応し、今冬の拡大防止に向けて「感染対策 再徹底」をあらためて掲げた。「(1)マスク、手洗い、3密を避ける(2)こまめな換気の心掛け(3)ドアノブやテーブルなどの共有部分の消毒」を 3本柱として挙げ、「ここが正念場」と気を引き締めた。
また、在留外国人への徹底に対しても「文化の違い、言語の違いなどで伝わっていないところもある」と懸念する。「ネパールのコミュニティーでお祭りがあると聞いております。優しい日本語であったり、いろいろな言語を含めた、きめ細かい対応をしていきたい」。多言語での感染対策徹底呼びかけにも努める意向を述べた。
北海道の12日の新規感染者発表が、 220人以上の見通しになったことが同日、関係者への取材で分かった。 9日の 200人を超え、過去最多になる。感染者は 5日以降、 8日連続で 100人を超える。
札幌市を中心に感染が急速に拡大している。関係者によると、市の新規感染者数も 9日の 158人を超え、過去最多となる。道と市は 7日に繁華街・ススキノ地区のキャバレーやホストクラブなどの接待を伴う飲食店と、バーやナイトクラブに時短営業を要請している。札幌市は医療体制の逼迫(ひっぱく)に備え、11日から重症化するリスクが低い患者を自宅療養させる方針に転換した。
兵庫県では12日、81人が「新型コロナウイルスに感染」したことが明らかとなった。11日の70人に続き、 1日当たりの感染者数として 2日連続で過去最多を更新。県内の感染者数は3747人となった。
県によると、81人のうち70~90代の男女 4人は、集団感染が発生している南あわじ市の老人介護施設の利用者。同施設の関係者の感染確認は計57人となった。
府民に感染防止対策を呼びかける大阪府の吉村洋文知事=大阪府庁
大阪府は12日、府内で新たに 231人が「新型コロナウイルス」に感染したと発表した。 200人超えるのは 3日連続で、過去「3番目」に多い。大阪府の吉村洋文知事は府庁で取材に応じ、「今回、クラスター(感染者集団)が見えにくい状況になっている。特定の年代、特定のエリアでの広がり方になっていない。 1人 1人の感染症対策が大事です」と述べ、「静かに食事」「マスクの徹底」を改めて呼び掛けた。
府内では新規感染者数だけでなく重症者数も増加傾向にある。吉村知事は「(大阪モデルの)赤信号の重症病床使用率が70%に向かっていくことも十分、あり得る」。今後の病床の逼迫(ひっぱく)にも危機感を示した。
府は現在、重症患者用に 206床を確保しているが、10月下旬から再び上昇に転じ、11日現在の重症病床使用率は30.%に達した。11日時点で治療中は63人と、これまで最多だった 8月16日と同25日の72人に迫った。
日産自動車が12日、2020年度上期の中間決算を発表し、グループ全体の純損益は3299億円の赤字となると発表した。前年同 653億円の黒字から転落し、20年度の連結決算の業績予想は 550億円減として上方修正したが、6150億円赤字という最終損益を見通している。
「新型コロナウイルスの感染拡大」による影響で日本のメーカー各社は国内外で販売が落ち込んだ。日産も全地域の販売は前年同期比38.2%減と苦戦したが、トヨタ、ホンダはすでに中間決算で黒字を発表し、明暗が分かれた。内田誠社長兼CEOはオンライン会見で「今年度の通期見通しを上方修正したが、大きな赤字を抱えていることも事実」と厳しい現状を語った。
日産自動車は12日、2021年 3月期の連結業績予想を上方修正し、純損失が従来の6700億円から6150億円に縮小すると発表した。
「新型コロナウイルス流行」による販売低迷は続いているが、業界全体の需要が持ち直していることや、固定費削減が想定より進んでいることを反映した。ただトヨタ自動車やホンダなどと比べ、業績改善は大きく遅れている。
売上高は従来予想の 7兆 8千億円から 7兆9400億円に、本業のもうけを示す営業損益も4700億円の赤字から3400億円の赤字にそれぞれ引き上げた。
販売台数の見通しは10月以降の需要回復を見込み、従来の 412万5000台から 1%増の 416万5000台とした。ただ前期比では15.5%減で、特に主要市場の北米は23.1%減と減少幅が大きく苦戦が続く。
内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)はインターネットによる記者会見で、経営再建に向けた構造改革について「着実に進んでいる。新型車の投入や固定費の削減で21年度の黒字化に必ずつなげる」と説明した。
同時に発表した20年 9月中間連結決算は、売上高が前年同期比38.2%減の 3兆926億円、純損益は3299億円の赤字(前年同期は 653億円の黒字)だった。
米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領(77)と菅義偉首相は12日、初めて電話会談した。バイデン氏は沖縄県の尖閣諸島が米国による防衛義務を定めた「日米安全保障条約5条」の適用範囲と明言。「コロナ対策」や「気候変動」での連携でも一致した。菅氏は次期大統領と呼び、会談時間は約10分だった。訪米は来年 1月20日の就任式以降で調整を進める。
米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領との電話会談後、記者団の取材に応じる菅義偉首相=首相官邸
バイデン氏は前日の欧州各国首脳に続き、この日は日本、韓国の文在寅大統領、オーストラリアのモリソン首相と電話会談するなど“バイデン外交”を着々と進めている。また新政権の要、大統領首席補佐官に、腹心のロン・クレイン氏を起用すると発表した。オバマ政権時代にバイデン氏を支え、エボラ出血熱対応も担当した弁護士だ。
一方トランプ大統領(74)は11日、「退役軍人の日」の式典のため首都ワシントン近郊のアーリントン国立墓地を訪れた。プライベートを除けば、公の場に姿を現すのは 5日の「ホワイトハウス会見」以来初めて。メラニア夫人、ペンス副大統領らと訪問。献花したが、発言はしなかった。ツイッターでは依然、選挙の不正を主張し「ペンシルベニアやミシガンで勝つ」などと投稿し続けている。
政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」が12月 1日以降、映画館で食事を客席に持ち込む場合でも満員を認め、関係者から歓迎の声が上がった。スポーツなど大規模イベントの人数制限が来年 2月末まで据え置かれたことには一定の理解が示された。
映画館は 9月19日から全席販売が認められたが、客席での「食事禁止」が条件だったためシネコンの多くは50%以下を維持した。対応が分かれたのは大ヒット映画「劇場版『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』無限列車編」公開初日の10月16日からだ。TOHOシネマズが週末を中心に全席販売を再開。イオンシネマは50%を継続している。
イオンシネマを運営するイオンエンターテイメントの広報担当者は「いつから全席販売を始めるかは未定」とした上で「『コロナ禍』でも以前と同じように映画観賞を楽しめる。ようやくお客さまにそのことを肌で感じてもらえるのでは」とほっとした様子で語った。
音楽ライブの主催業者でつくるコンサートプロモーターズ協会の長井延裕常務理事は「(政府判断は)致し方ない」としつつ「制限長期化」の事業者への影響を懸念。定員50%制限の中、ロックバンドによる東京ドーム公演など大会場のライブも始まっており「感染対策を万全にしながら実績を積み重ねたい」と話した。
一方、プロ野球はシーズンオフと春季キャンプの期間に当たり、球団経営に大きな影響はないが、来季の観客増への機運に冷や水を浴びせられる形に。阪神の藤原崇起オーナーは「早くたくさんの方に入ってもらいたい。(感染拡大が)収まってほしい」と願った。
サッカーでは来年 1月の「第100回天皇杯全日本選手権」決勝や 2月を想定するJリーグ来季開幕に影響が。緩和への期待もあったがJリーグの村井満チェアマンは「克服したと思ったら拡大するのが『コロナ』。これを繰り返しながらスポーツを続けていかなければ」と厳しい表情で受け止めた。
大相撲は来年 1月、両国国技館で初場所を予定している。日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「現状で考えれば、なかなか元に戻るのは難しいだろう」との見解を示した。