昨年19位に終わって予選会から出場した日本体育大學が11時間13分26秒で30年ぶり10度目の総合優勝を果たした。祝勝会が 3日夜、同校の横浜・健志台キャンパスで行われた。
総合 2連覇を狙った東洋大學は、最後まで巻き返すことができず、日本体育大學と 4分54秒差を付けられて東洋大學が連覇を逃し 2位に終わった。
駒澤大學・千葉健太( 4年)が「山下り」の 6区で 3度目の区間賞。帝京大學が、早稲田大學とのデットヒートを制し、2000年の過去最高順位と並ぶ 4位に食い込んだ。
10位までに与えられるシード権争いで、山梨学院大學が「 1差」で敗れた。
中央大學・永井秀篤が爆走“幻の区間賞”。永井は「この 1年、ボクがしっかりやったことを出せました。中大は強いんだぞ、というところを見せつけたかった」と胸を張った。記事をまとみてみました。
首位で10区を快走する日本体育大學・谷永雄一( 4年)
昨年19位に終わって予選会から出場した日本体育大學が11時間13分26秒で30年ぶり10度目の総合優勝を果たした。
最優秀選手には山上りの 5区で区間賞を獲得した日本体育大學の服部翔大主将が選ばれた。服部は「( 2位から)逆転して差をつけたことが評価されたと思う。賞を取れたことはびっくりだし、うれしい」と喜んだ。
東洋大學で 4年連続区間賞を獲得した柏原(富士通)が「山の神」なら、自分は「山の星」と照れくさそうに命名。「少し大きいことを言うが、来年は柏原さんの区間記録に挑戦したい」と新記録に意欲を示した。
ゴールする日本体育大學・谷永雄一( 4年)
3年生以下の若さと勢いで箱根駅伝往路を制した日本体育大學。
復路は 4年生を中心とした冷静なレース運びで、総合優勝を勝ち取った。
往路 2位の早大と 2分35秒差をつけて箱根・芦ノ湖をスタート。 6区の鈴木( 3年)が気負いのせいか、山下りの難所に苦しみ、後続にリードを縮められた。しかし、残りの 4区間は大きく乱れることなく、 3人の 4年生とエース格の矢野( 3年)でしっかりとたすきをつないだ。
4年生 3人はいずれも区間 2位。派手さはなかったが、その分、持ち味の安定感は失わなかった。過去最低の199位に沈んだ前回大会から 1年。「本当に苦しかった」と 8区の高柳( 4年)が振り返る。 3年生の服部主将を支え、学生最後の舞台に思いをぶつけようという気持ちを、 4年生は持ち続けていた。
アンカーの重責を担った谷永( 4年)はゴールに向かう最後の直線で、ユニホームの胸に記された校名を誇らしげに指さした。「日体大は強いんだぞ、ということを見ている人に知ってもらいたくて」。予選会突破からの総合優勝というサクセスストーリーを残し、 4年生にとっては最高のラストランとなった。
箱根駅伝で総合優勝を決め、胴上げされる日本体育大學のアンカー谷永雄一( 4年)
前回19位の日体大が30年ぶり10度目の総合優勝を果たした。
別府健至監督(46)は「狙ったわけではありませんが、選手がよく頑張ってくれました。全員が一丸となりました。感謝しています」と話した。それでも「明日からも挑戦者の気持ちを忘れずに感謝の気持ちで頑張っていきたい」と気を引き締めた。
3年生ながら主将を務めた服部翔大( 5区で区間賞)は「本当に嬉しい。先輩、後輩がよくついてきてくれた。天国にいる父と、母に伝えたい」と話した。
アンカーを務めた谷永雄一( 4年)は「人生の絶頂というくらい嬉しい」と声を弾ませていた。
選手に胴上げされて笑顔でガッツポーズをつくる日本体育大學の別府健至監督
箱根駅伝で30年ぶりの総合優勝を果たした日本体育大學の祝勝会が 3日夜、同校の横浜・健志台キャンパスで行われた。
あいさつした松浪健四郎理事長は「日本国民に日体大のすごさを伝えてくれた」と学生たちの健闘をたたえ「 3年生を支えてくれてありがとう」と、 4年生部員に感謝した。急きょ開かれた会が始まったのは夜 8時過ぎ。応援部の学生や教職員が集まったが、谷釜了正学長は「正式な祝勝会は、あらためてやりたい」と話した。
優勝に貢献した10人が紹介された後は、代表して 3年生主将の服部翔大が「みなさんの応援があったから優勝できました。ありがとうございました」とあいさつ。出席者からは大きな拍手が送られていた。
総合 2位でゴールする東洋大學10区の冨岡司( 4年)
東洋大學が連覇を逃した。総合 2連覇を狙った東洋大學は、最後まで巻き返すことができず、日本体育大學と 4分54秒差を付けられて 2位に終わった。
2分39秒差の 3位でスタートした復路。 6区の市川孝徳( 4年)が 2位に浮上し、17秒だけ差を詰めたが、 7区以降は首位日体大に差を広げられる一方。後ろ姿を見ることは 1度もなかった。
「山の神」と称された柏原竜二が卒業して、初めて迎えた箱根。抜けた穴はやはり、大きかった。駅伝主将の市川は「自分が流れを持って行けなかった。自分たち 4年生の力のなさで、迷惑をかけた」とうなだれ、酒井俊幸監督(35)は「悔しいです。1500メートル近い差を開けられての完敗。今回は(出雲、全日本、箱根)準優勝が 3回続いた。自分たちの甘さを痛切に感じる。もう 1度、原点に返らなきゃいけない。原点に帰って、必ず来年、総合優勝を果たしたいと思う」と話した。
駒澤大學・千葉健太( 4年)が「山下り」の 6区で 3度目の区間賞を取った。
58分15秒は自身が2011年に出した区間記録に 4秒及ばなかったが、それでも 3人抜いて 6位にチームを押し上げた。
「監督さんから期待されていたので、期待に応える走りができました。自分の記録を更新できませんでしたが、チームに貢献できて良かったです」と話した。
この 6区で 1、 2年時に続き3度目の区間賞。「山下り」のスペシャリストは「いつも成長させてくれる意味ある大会です」と充実した表情で 4年間を振り返っていた。
9区区間賞の駒澤大學・上野渉( 4年)
9区は駒澤大學・上野渉が 1時間09分50秒で区間賞を取った。 6位でタスキを受けると11キロ過ぎに早大を抜いて 4位浮上。最後は失速した明大を抜いて 3位でアンカーにタスキを渡した。
「最後なので悔いのないよう前を追いました。しっかり走れて良かったです」と話した。
10区の区間賞で総合 3位でゴールした駒澤大學アンカーの後藤田健介( 4年)
V候補筆頭で臨んだ駒澤大學が、遅まきながら最後に底力を発揮した。主役は区間賞を獲得した 4年生トリオだった。
4区の不振から往路 9位で仕切り直しの復路は、 6区千葉健太( 4年)が弾みを付けた。大学生活の 4度全てで山下りを走り、これが 3度目の区間賞でスペシャリストの面目躍如。自ら持つ区間記録に 4秒と迫り「区間新を狙っていたのでタイムには満足していませんが、チームに勢いをつけられて良かった」と話した。 9区の上野渉も「オレたちが巻き返すんだ、というモチベーションで全員が臨んだはず」と覚悟を決め、 3度目の箱根で初の名誉。10区のアンカー後藤田健介( 4年)もチームの 3位をキープしたまま、区間賞をゲット。大八木光明監督(54)も「何とかメンツは保てました」とホットした表情を浮かべていた。
帝京大學アンカーの熊崎健人( 2年=右)は、早稲田大學の田口大貴( 2年)に競り勝ち、歓喜の表情でゴール!
帝京大學が、早稲田大學とのデットヒートを制し、2000年の過去最高順位と並ぶ 4位に食い込んだ。
ゴール前 100メートルで、最終10区の熊崎健人( 2年)が満を持してのスパート。早稲田大學の田口大貴( 2年)も並走し、ともにゴールになだれ込んだ。箱根全区間 217.9キロを走って、11時間21分39秒と同タイムながら、熊崎が胸の差で制し「良かったー!」と 5年ぶりにシードに返り咲いた。
5位でタスキを受け取った熊崎は、 3キロ付近で田口に追いついた。「最後勝負と決めていた。前に出るつもりはなかった」と、力を蓄えて自重。並走しながらタイミングをうかがい、最後のスプリント勝負に競い勝った。これが初めての箱根。「あこがれだった箱根で走れて結果もついてきた。うれしい」と、最高の笑顔がはじけた。
早稲田大學・田口を突き放し総合 4位でゴールする帝京大學・熊崎健人( 2年)
往路 2位の早稲田大學は総合 5位に終わった。山下りの 6区で 4位に後退すると、その後も見せ場をつくることなく、最終10区も最後の50メートルで帝京大學に競り負けてしまった。
渡辺康幸監督(39)は日本体育大學の優勝を称えた後「ウチは危機感が全く足りなくて。立川(予選会)に行って苦渋を味わった方がいいのかもしれない」と悔し涙を流した。
鶴見中継所に到達した明治大學 9区松井智靖( 2年=中央)は、係員に運ばれる
明治大學の 9区、松井智靖( 2年)がフラフラになりながら何とかアンカーにタスキをつないだ。
3位でタスキを受け順調な走りを見せていたが、強い日差しで消耗したのか20キロ過ぎ、急激にペースダウン。21キロ地点で駒澤大學に抜かれると22.5キロで早稲田大學、さらに帝京大學にも抜かれた。最後は倒れ込みながら 6位でタスキをリレーすると、酸素吸入を受けた。
総合11位でゴールした山梨学院大學10区の福沢潤一( 2年)
10位までに与えられるシード権争いで、山梨学院大學が「 1差」で敗れた。復路スタートの 6区山下りで桃沢大祐( 2年)が、区間18位と失速。「大きな駅伝は初めてで雰囲気にのまれたようです。(想定より) 2分、悪かった」という上田誠仁監督(53)の敗因分析通り、シード権ギリギリの10位・中央学院大學に50秒遅れの11位に甘んじて、再び予選会回りとなった。
「スーパースターの祭典でなく、強さ、たくましさを求められる駅伝らしい大会」と同監督は、日本体育大學に敬意を表しつつ、大会をそう振り返った。
中央大學 9区相場祐人( 3年=右)に中継する 8区の永井秀篤( 2年)
往路 5区の残り 1.5キロで途中棄権した最多87度目出場の名門・中央大學が、意地を見せた。 復路はチームの合計タイムと個人のタイムが参考記録とされるだけの、いわばオープン参加の形で 8時10分に一斉スタート。そんな中、 8区の永井秀篤( 2年)が 1時間06分10秒と爆走した。これは区間賞を獲得した青山学院大學・高橋宗司( 2年)の 1時間06分46秒を36秒も上回るもの。もちろん“幻の区間賞”だが、永井は「この 1年、ボクがしっかりやったことを出せました。中大は強いんだぞ、というところを見せつけたかった」と胸を張った。
復路成績
【通算記録】
▽ 1位=日本体育大學 11時間13分26秒
▽ 2位=東 洋 大 學 11時間18分20秒
▽ 3位=駒 澤 大 學 11時間19分23秒
▽ 4位=帝 京 大 學 11時間21分39秒
▽ 5位=早稲田 大 學 11時間21分39秒
▽ 6位=順天堂 大 學 11時間24分43秒
▽ 7位=明 治 大 學 11時間25分14秒
▽ 8位=青山学院大學 11時間25分59秒
▽ 9位=法 政 大 學 11時間26分40秒
▽10位=中央学院大學 11時間27分34秒
▽11位=山梨学院大學 11時間28分24秒
▽12位=大東文化大學 11時間30分46秒
▽13位=関東学連選抜 11時間31分50秒
▽14位=国学院 大 學 11時間33分28秒
▽15位=日 本 大 學 11時間35分23秒
▽16位=神奈川 大 學 11時間37分36秒
▽17位=東京農業大 學 11時間39分13秒
▽18位=上 武 大 學 11時間42分44秒
※城西大學と中央大學は記録なし(2013年1月3日14時02分 読売新聞)
通算成績
日本体育大學、30年ぶり10度目の総合優勝おめでとう!別府健至監督の年齢が46歳という事は、監督がまだ大學に入る前の記録と言う事になる。要するに、監督が持っている記録を抜いたとも言えるだろう。
我が母校亜細亜大學からは、関東学連選抜の 6区で大沼恭敬が出たが59分50秒という成績だった。10位でタスキを受け取り10位でタスキを渡した実力は、さすが岡田監督が選出した選手だけ有ると思う。しかし、最後には13位まで順位が落ちてしまった…。
「第89回東京箱根間往復大学駅伝競走(関東学生陸上競技連盟主催、読売新聞社共催)」は、こちらでお楽しみください。
箱根駅伝公式Webサイト:http://www.hakone-ekiden.jp/
第89回箱根駅伝|日本テレビ:
http://www.ntv.co.jp/hakone/index.html
箱根駅伝2013 : 箱根駅伝 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):
http://www.yomiuri.co.jp/sports/ekiden/
人気ブログランキングへ
にほんブログ村
↧
第89回箱根駅伝・「山の星」日本体育大學・服部が最優秀!中央大學・永井秀篤爆走“幻の区間賞”
↧