鳥谷セ単独 5位の44試合連続出塁！西岡美技＆猛打も…能見 3年連続 2ケタ勝利お預け…

　鳥谷敬内野手(32)が 1点を追う 2回、先頭でストレートの四球を選び、44試合連続出塁を達成し、記録を継続。リーグ史上単独 5位に躍り出た。
　西岡剛内野手(29)が、バットでは 5打数 3安打と今季11度目の猛打賞だったが、好機に打てなかった。
　中日戦に先発した能見篤史投手(34)が 3年連続の 2ケタ勝利は持ち越しとなった。本来のキレを欠く投球で、中日打線にとらえられる場面が目立った。
　甲子園に訪れた坂井信也オーナー(65)は試合前にベンチ裏に足を運び、今季限りで引退を表明した桧山にねぎらいの言葉をかけた。記事をまとめてみました。



　中日は 2回、 7番高橋周の適時 2塁打で先制。同点とされた直後の 3回は、相手失策の間に勝ち越し点を奪った。
　阪神は 1点を追う 5回、 9番能見の右前適時打で同点。中日は 6回、 8番谷繁が勝ち越しの中前適時打を放った。
　中日は 8回にも 2点追加し、先発大野は 5回 2失点で 9勝目。阪神は 7回 3失点の能見が＜阪神 2－ 5中日＞で 7敗目を喫し、 4連敗となった。


　 8回二死満塁で柴田講平外野手は浅尾投手に 3球三振。代打桧山のコールはなかった

　相手の暴投と能見の適時打による 2点だけでは、あまりに寂しい。打てない、返せない貧打症は深刻さを増すばかり。また｢あと 1本が…｣だった。和田監督の嘆き節が変わることはない。
　｢この 3試合は 2点、 2点、 2点しか取れていない。安打が出ていないわけじゃないが…。毎試合、試合後のコメントが同じになってしまうけど、結局そこで( 1本)出るか出ないかというところになってしまう｣
　同点＆逆転機は幾度もあった。 1点を追う 7回一死 2塁では代打・福留が右飛。続く西岡が 1ゴロに倒れた。最大の好機となった 8回二死満塁では、代打桧山をコールせず、柴田が空振り三振。
　｢狙い球と違った？　そうですね。悔しい…｣。 9回一死 1、 2塁では、代打・浅井が中飛。二死 1、 3塁で新井が捕邪飛に倒れ、ジ・エンドとなった。


　 5カード連続負け越しの和田監督。チームの凋落に歯止めをかけることができない

　今季甲子園で 4番目に少ない観客数となった 3万2354人。目立つ空席が、虎の現状をすべてを物語っている。
　 9月に入り 2勝 7敗 1分け、勝率 0.222の超低空飛行。 2位確保も心配になるような失速ぶりだ。 3位の広島は、この 9月 6勝 3敗、勝率 0.667と猛烈な勢いを見せている。この勝率のまま両チームが残り試合を消化すれば、阪神が勝率 0.489、広島が 0.493となり、順位が入れ替わる。
　もちろん、すべては机上の計算だが、笑い飛ばせないような惨状が続く。目標を失ったチームは負の連鎖を繰り返し、好転させる術は見当たらない。
　和田監督は｢誰かがその(打てない)壁を破らないと、どんどんあとの打者がしんどくなる。ここにきてこういう苦しみ方をするとは、思わなかった。全員で前を向くしかない｣と精神論を繰り返した。得点力不足に泣く檻の中の虎－。打開策の糸口すら見えない。


　 8回裏一死 1塁、右前安打を放った鳥谷敬内野手

　鳥谷敬内野手が44試合連続出塁を達成し、リーグ史上単独 5位に躍り出た。 1点を追う 2回、先頭でストレートの四球を選び、記録を継続した。すでに和田監督が1994年に達成した球団記録40試合を塗り替えており、次の標的はリーグ 4位の1977年中日大島(45試合)。 3位の2012年巨人阿部47試合、 2位の1965年巨人王50試合も射程圏内に入る。
　 3点を追う 8回一死 1塁からは右前打で11試合連続安打を決め、｢点差もあったし、(ストライクは)どんどん行こうと思っていた｣と振り返った。好調をキープしている。


　 3回、右中間 2塁打を放った西岡剛内野手。猛打賞でチームを引っ張ったが…

　西岡剛内野手が、バットでは 5打数 3安打と今季11度目の猛打賞だったが、好機に打てなかった。西岡の表情は晴れなかった。チームが勝たなければ意味がない。猛虎は 4連敗。聖地に重たい空気が漂う。背番号｢ 7｣は必死に悔しさをこらえ、口を開いた。
　「いままでも流れが悪いときはあった。時期が時期なんでフォーカスされる。連敗は何回もある。そのなかの 1回。チームはもちろん勝ちにいっているし、相手も勝ちにきている。勝てないことが続くこともある。それでも、まだ貯金もあるし、バタバタせずにやっていかないと｣
　チームは今季 4度目の 4連敗。貯金も 8月 6日以来、ひとけたの｢ 9｣まで減った。負の連鎖を断ち切ろうと、虎のリードオフマンは奮闘していた。 3回に二死から右中間 2塁打で出塁し、 5回にも中前打。 2－ 3の 1点リードされた 7回。二死 2塁と得点のチャンスだったが、 1ゴロに倒れた。｢落ち着きないように見えるかもしれないけど、 1つ取れば流れは変わるし、そのためにも 7回打ちたかったね｣と悔やんだ。 9回にはボテボテながらも 2塁へ内野安打を放った。 8月21日のＤｅＮＡ戦(横浜)以来の 3安打。


　西岡剛内野手は 9回、森野の打球を好捕し、グラブトス。鳥谷敬内野手に渡して併殺を完成させた

　守備でも、 2－ 5とされ、なおも 8回一死満塁の状況で、松井佑の 2ゴロを処理し、素早く本塁へ送球。 4－ 2－ 3と併殺プレーを完成させ、追加点を許さなかった。また、 9回無死 1塁でも、堂上直の放った二遊間への打球を倒れ込みながら捕球し、そのまま鳥谷へグラブトス。併殺に仕留めた。｢あれしかアウトが取れなかった｣と淡々と振り返ったが、その美技に球場が沸いた。
　さらに、 9月は 7試合で打率 0.414(29打数12安打)、 2打点をマーク中。チーム状態を好転させようと、戦っている。
　｢(悪い)流れを断ち切るための一打が大事。そのためにも 7回(二死 2塁の場面)は打ちたかった…｣
　西岡は自らを責めた。自らは結果を出しても、勝利に貢献できなければ同じ。責任感の強い男のプレーが、チームに活力をもたらす。


　阪神先発・能見篤史投手

　中日戦に先発した能見篤史投手が 3年連続の 2ケタ勝利は持ち越しとなった。本来のキレを欠く投球で、中日打線にとらえられる場面が目立った。
　同点に追いついた直後に失点を許すことが 2度もあり、試合の流れを手放した。｢全球種悪かった。ストライクが入らなかった。いろいろやることはある｣。前回登板の 6日・巨人戦でリベンジの勝利を挙げたが、好調が持続しなかった。


　 6回表中日一死 2塁、谷繁に中前へ同点適時打を打たれた能見篤史投手

　得点した直後に失点を繰り返す左腕に、中西清起投手コーチ(51)は｢攻める気持ちを忘れている｣と突き放した。今季ここ一番で勝てないエースは連敗ストッパーになれず、チームは 4連敗。貯金は｢ 9｣まで目減りした。
　ここぞの場面で、ことごとく打たれた。能見がまた踏ん張れなかった。試合後、クラブハウスへと続く通路に現れた中西投手コーチは、ゆっくりと歩きながら、エースを一刀両断した。
　｢ちょっと簡単にやられすぎたな。調子自体もあまりよくなかった。真っすぐに本来のキレがなかった。制球に苦しんでいた…｣
　ひとしきり語った。数メートル後ろには、勝てなかったエースがうつむきながら、足早に引き揚げようとしていた。一旦、通路の奥へ消えた中西投手コーチだったが、言い足りなかったのか。能見とすれ違うか否かのタイミングで取材エリアにもう一度姿を現すと、キツい一言を見舞った。


　 3回、マウンドで能見篤史投手(中)にゲキを飛ばす中西投手コーチ(右)。試合後はエースを酷評した

　｢攻める気持ちを忘れているな｣
　うやむやにし、見過ごしたまま、球場を後にすることはできなかった。
　それほどふがいなかった。点を取った直後に、不注意な失点を重ねた。 2回二死 2塁から高橋周に右中間に運ばれ、先制を許した。同点になった直後の 3回には一死 1、 3塁から森野の投ゴロで併殺を取ろうと焦り、 2塁へ悪送球。自身の失策で勝ち越しを許した。
　｢全部の球種が悪かった。ストライクが入らんかったから｣
　 5回には自らの右前適時打で一時は 2－ 2の同点としたが、 6回一死 2塁では谷繁にあっさりと決勝の中前打を許した。 7回 6安打 3失点。 3年連続の 2けた勝利に王手をかけていたエースがまた背信ピッチ。 7敗目( 9勝)でチームも引き分けをはさんで 4連敗となり、 5カード連続負け越しが決定した。


　 4回二死、三振に倒れたマット・マートン外野手(右)は能見篤史投手に声をかける

　中西投手コーチが厳しい言葉を投げかけるのは、今回が初めてではない。首位攻防戦だった 8月 3日の巨人戦(東京Ｄ)で 3本塁打に沈んだ。翌 4日に｢(あれでは)巨人戦には投げさせられない。プレッシャーに弱すぎる。エースになり切れない｣と吐き捨てていた。巨人を追い上げて、優勝を狙った夏場の 7、 8月に10試合を投げ、 2勝 4敗。 6試合勝ち星がない時期もあった。エースへの信頼が揺らぎつつある。
　和田監督も｢悪いなりに試合は作るが、追いついた次の回に 1点、 1点と取られてリズムに乗れなかった｣と嘆いた。最大｢17｣あった貯金は 2けたを割り、 8月 6日以来の｢ 9｣。巨人とのゲーム差は最大の12.5まで広がった。
　能見は｢粘った？　いろいろやることはあるから｣と話してロッカーに消えた。試合を作っても、勝たなければエースとは呼べない。クライマックスシリーズを10月に控えるが、不穏なムード…。このままでは背番号｢14｣に希望は託せない。


　 6回表、中日に勝ち越しを許し肩を落としてベンチへ引き揚げる能見篤史投手

　甲子園に訪れた坂井信也オーナーは試合前にベンチ裏に足を運び、今季限りで引退を表明した桧山にねぎらいの言葉をかけた。敗戦後は｢(桧山に)会いましたよ｣と言葉を残し、球場を後にした。この日、桧山は 3点を追う 8回二死満塁の好機に柴田が打席に入ったところで、ネクストバッターズサークルで準備したが、若虎が空振り三振に倒れ、出番はなかった。

　いくら先に点数を取っていても逆転されてはどうしようも無い…
　しかし、完全に負け癖が付いてしまったようだ。このままでは、いったいどこまで落ちるのか心配になってしまう。リーグ優勝はともかく、日本一も遠のいて行ってしまっている。
　ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！



　2013.09.12 勝敗表





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