・15日=日本時間16日卓球男子団体準決勝が行われ、日本が 3- 1で第 2シードのドイツを破り、初の決勝進出を果たした。銀メダル以上が確定し、この種目で日本初のメダル獲得が決まった。17日(日本時間18日)の決勝で中国-韓国の勝者と対戦する。水谷隼選手(27=ビーコン・ラボ)、吉村真晴選手(23=名古屋ダイハツ)、丹羽孝希選手(21=明治大學)で臨んだ日本は、 2勝 1敗とリードした。第 4試合は水谷選手が 3- 0で圧倒。チームの勝利を決めた。
・同、体操男子種目別跳馬決勝が行われ、白井健三選手(18=日本体育大學)が銅メダルを獲得した。予選 3位通過だった白井選手は、決勝 1本目の演技で新技「伸身ユルチェンコ 3回半ひねり」に挑み、15.833点の演技を披露。 2本目は15.066点をマーク。 2本平均で15.449点の高得点だった。平均得点ではドラグレスク選手(ルーマニア)と並んだが、 1本ごとの得点でより高得点を記録した白井選手が優位だった。前日に行われた得意の床では 4位止まりだったが、団体に続いて今大会 2個目のメダルとなった。白井選手の 1本目の新技は、国際体操連盟により成功と認められれば「シライ2」と命名される見通し。優勝は 2本平均で15.691点を記録したリ・ゼグァン選手(北朝鮮)だった。
・同、バドミントン女子ダブルス準々決勝が行われ、世界ランク 1位の高橋礼華選手(26)、松友美佐紀選手組(24ともに日本ユニシス)が、アのフー選手、ウォン選手組を相手に21-16、18-21、21- 9で勝ち、メダル獲得に王手をかけた。第 1ゲームは日本ペアのリズムで、粘り強い展開で先手を取った。第 2ゲームは松友選手のミスが重なり、競りながらも落とした。最終ゲームで立て直し、本来の実力を発揮して相手を寄せ付けなかった。メダルがかかる準決勝は日本時間16日の午後10時半から行われる予定。相手は世界ランク 5位の韓国鄭選手、申選手組。 5月に国・地域別対抗戦ユーバー杯で対戦した際は 1- 2で敗れている。男子の早川賢一選手(30)、遠藤大由選手(29ともに日本ユニシス)組は英国ペアに 0- 2で敗戦。第10日の混複で、この種目で日本勢初の 8強入りを果たした数野健太選手(30)、栗原文音選手(26ともに日本ユニシス)組は2012年ロンドン五輪金メダルの中国ペアに 0- 2で敗れた。日本勢の五輪での最高成績は、前回ロンドン大会の同種目で藤井瑞希選手、垣岩令佳選手(再春館製薬所)のペアが手にした銀メダル。・同、が行われ、
・同、バドミントン男子ダブルス準々決勝が行われ、世界ランク8位の早川賢一選手、遠藤大由選手組が英国のエリス、ランリッジ組に19-21、17-21で敗れた。まるで夫婦のような同学年のペアは初の五輪で「らしさ」を貫いた。 2人の敵は、腰痛だった。早川選手が14日の午前練習で急性腰痛症(ぎっくり腰)を発症。準々決勝まで中 1日で、注射、座薬などを駆使し懸命の治療を続けた。幸い「ケガなりのパフォーマンスは出せた」と得意のネット前のプレーは問題なかったが、揺さぶられると反応できない。普段通りの連係が取れず、22位と格下の相手の攻撃に押し切られた。「死の組」に入った 1次リーグでは世界ランク 5位の韓国ペア、 1度も勝ったことのない優勝候補のインドネシアペアに対しファイナルまで競り合い、勝った。速さ、力強さ、駆け引き。男子ダブルスの面白さを詰め込んだ試合を演じた。結成は 6年前。ダブルス経験豊富な早川選手に、遠藤選手が必死についていく。海外遠征で負けた夜。よく 2人きりで居酒屋で酒を飲み、ののしり合った。2013、2015、2016年と最も権威ある大会とされる全英オープンで 3度準優勝。昨年の世界選手権では銅メダル。目標の五輪メダルは、あと少しで届くはずだった。ある日、偶然全く同じブランドのストライプのパンツを履いていた 2人。けんかをしても翌日には互いに忘れている「夫婦みたい」(早川選手)な 2人。男子ダブルスの準々決勝が行われ、男子の早川賢一選手、遠藤大由選手組は英国ペアに 0- 2で敗戦。世界ランキング 8位の早川選手、遠藤選手組は同22位の英国ペアに屈した。今大会で男子はメダルなしが確定し、遠藤選手は「申し訳ない」と肩を落とした。
・同、シンクロナイズドスイミングデュエット予選テクニカルルーティン(TR)が行われ、日本の乾友紀子選手(25=井村シンクロク)三井梨紗子選手(22=東京シンクロク)組は 93.1214点、フリールーティン(FR)との合計187.5214点でロシア、中国に次ぐ 3位で決勝に進んだ。もっとも決勝に持ち越す、この日のTRではミスもあり、ライバルのウクライナを0.01444点下回った。予選は 3位通過も、決勝に持ち越すTRの得点だけでは93.1214点の 4位。ライバルのウクライナに“逆転”された。井村ヘッドコーチ(HC)も「93点台の後半とひそかに思っていた」と皮算用が狂ったことを認めた。競技開始の 2週間前の先月30日にはリオ入りした。他国がほとんど来てない中、到着当初は貸し切り状態で練習を続けてきた。現地の生活に慣れ、会場を味方にすることが狙いだった。競技優先で欠席者の多い 5日の開会式にも参加。五輪という大舞台への覚悟と意識を高めた。数日前からプールが緑色に濁り、悪臭も発生。一時は50センチ先も見えなかったが、動じる者はいない。屋外プールのグアム合宿では嵐の中で練習してきた。くしくも決勝の16日は井村HCの66歳の誕生日。最高のプレゼントを贈る。前日のフリールーティン(FR)予選との合計を187.5214点として全体 3位で上位12組による決勝(16日)に進んだ。決勝は、前日のFR(日本 3位、ウクライナ 5位)の得点は反映されず、TR予選とFR決勝の合計点で争われるため、表彰台へは微妙な状況。乾選手は「勝ちたいという気持ちの勝負になる」と気合を入れ直した。記事をまとめてみました。
☆<リオデジャネイロ五輪第11日:卓球>◇15日=日本時間16日◇男子団体準決勝◇
日本が 3- 1で第 2シードのドイツを破り、初の決勝進出を果たした。銀メダル以上が確定し、この種目で日本初のメダル獲得が決まった。17日(日本時間18日)の決勝で中国-韓国の勝者と対戦する。
水谷隼選手、吉村真晴選手、丹羽孝希選手で臨んだ日本は、第 1試合の吉村選手が敗れたものの、第 2試合の水谷選手がストレート勝ち。第 3試合ダブルスも丹羽選手、吉村選手組が勝ち、 2勝 1敗とリードした。第 4試合は水谷選手が 3- 0で圧倒。チームの勝利を決めた。
卓球男子団体準決勝 ダブルスで勝った吉村真晴選手(左)と丹羽孝希選手=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
<1:吉村選手 0- 3オチャロフ選手>
相手のエースを相手に吉村は第 1ゲームで健闘したが 8-11と落とすと、第 2、第 3ゲームは 3ー11でストレート負けした。
<2:水谷選手 3- 0ボル選手>
ボル選手は35歳で 5度目の五輪。日本のエース水谷選手は序盤こそ 6連続失点など苦しんだものの、その後は盛り返して11- 9、11- 5、12-10とストレート勝ちした。
日本-ドイツ 第 1試合でプレーする吉村真晴選手=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
<3:丹羽選手、吉村選手 3- 1ボル選手、シュテーガー選手>
第 1ゲームは11- 5と奪ったが、第 2ゲームはジュースの末に13-15と落とす。第 3ゲームは11- 4、第 4ゲームも11- 5で取り、日本は初のメダルに王手をかけた。
<4:水谷選手 3- 0シュテーガー選手>
水谷選手の相手はまたも35歳のベテラン。序盤からリードして第 1ゲームを11- 5で奪い、第 2ゲームも11- 4、最後も11- 4で奪って決勝進出を決めた。
ドイツを破って決勝進出を決め、喜ぶ(左から)丹羽孝希選手、吉村真晴選手、水谷隼選手=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
卓球男子団体の準決勝が行われ、日本は2012年ロンドン五輪銅のドイツに 3- 1で快勝し、悲願の決勝進出を果たした。この勝利で男子団体初のメダルが確定。決勝戦では中国-韓国の勝者と対戦する。
第 1試合のシングルスは吉村真晴選手がドミトリー・オフチャロフ選手と対戦。第 1ゲームこそ 9-11と粘ったが、続く 2ゲームをともに 3-11で奪われ、 0- 3で完敗した。
日本-ドイツ 第 2試合でプレーする水谷隼選手=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
第 2試合はエースの水谷隼選手がティモ・ボル選手と対戦し、11- 9、11- 5、12-10のストレートで完勝。 1- 1のレベルとした。
第 3試合のダブルスは吉村選手が丹羽孝希選手と組み、バスティアン・シュテーガー選手、ボル選手のペアと対戦。11- 5、13-15、11- 4、11- 5の 3- 1で快勝し、初の決勝進出へ 2- 1と王手をかけた。
第 4試合の単は水谷選手が登場。11- 5、11- 4、11- 4でシュテーガーを退け、男子団体悲願の決勝進出を決めた。
卓球男子団体準決勝、試合終了でスタンドの声援に応える水谷隼選手、倉嶋洋介監督、吉村真晴選手、丹羽孝希選手(左から)=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
☆<リオデジャネイロ五輪第11日:体操>◇15日=日本時間16日◇男子種目別跳馬決勝◇リオ五輪アリーナ
白井健三選手が銅メダルを獲得した。前日に行われた得意の床では 4位止まりだったが、団体に続いて今大会 2個目のメダルとなった。
予選 3位通過だった白井選手は、決勝 1本目の演技で新技「伸身ユルチェンコ 3回半ひねり」に挑み、15.833点の演技を披露。 2本目は15.066点をマーク。 2本平均で15.449点の高得点だった。平均得点ではドラグレスク選手(ルーマニア)と並んだが、 1本ごとの得点でより高得点を記録した白井選手が優位だった。
体操の種目別決勝 演技する白井健三選手=リオデジャネイロ・リオ五輪アリーナ
白井選手は「とにかく自分が満足できれば、という思いで気持ちよくやった。決勝で新技をやることは決めていた。転倒などあっても悔いはない。決勝で演技できることがうれしかった。(新技に挑んだ)強い決断力が生きましたね。こういった形で練習の頑張りは帰ってくるんだなと思いました」と興奮気味に振り返った。
白井選手の 1本目の新技は、国際体操連盟により成功と認められれば「シライ2」と命名される見通し。優勝は 2本平均で15.691点を記録したリ・ゼグァン選手(北朝鮮)だった。
体操の種目別決勝 男子跳馬で銅メダルを獲得した白井健三選手=リオデジャネイロ・リオ五輪アリーナ
体操の男子種目別跳馬 で白井健三選手が、「伸身ユルチェンコ 3回半ひねり」を初めて成功させ、15.449点で銅メダルを獲得した。
--新技「伸身ユルチェンコ 3回半ひねり」を成功させた
「跳べたことにびっくりしている。ライン内に入った実施が初めて。今年に入ってからこだわってやってきて、練習で努力した分が運に回ってきた。床運動で負けた分、それ以上のものを取り返せた」
--前日の床運動4位からどう気持ちを切り替えたのか
「気持ちよくやろうと思った。挑戦者の気持ちでがんばった。よくをいえば 2本目でロペスを跳びたかったけど、練習する時間が足りなかった。今後の糧にしたい。きょうは何も振り返らなくていい」
体操の種目別決勝 男子跳馬で 1回目の演技をする白井健三=リオデジャネイロ・リオ五輪アリーナ
--成功できた理由は
「練習で回数をかけてみること。尻落ち、背落ちでもいいから練習で試してきた。やってきた感覚がいい方向にでた。思いきり跳ぼうと思った。練習どおりなら後ろに転ぶことはわかっていた。やってきた練習はすべて正解だった。いきすぎるぐらいなら気持ちよく終われるだろうと思った。振り返りたくないぐらい自分の中ではいい実施だった」
--演技前の心境は
「気持ちよく終わろうと思った。周りが何といおうと。結果は気にせずやった。ウオーミングアップのときも五輪のマークをみて、これが最後なんだと思いながら寂しい気持ちになった。それぐらい余裕があった」
-- 3回ひねりと 3回半ひねりの違いは
「向きを変えるだけだと思っていたけど、いざやってみると気持ちを上げていかないと跳べない技だった。こういった大舞台で跳べたことはうれしい」
体操の種目別決勝 男子跳馬の 2回目の演技で着地した白井健三選手=リオデジャネイロ・リオ五輪アリーナ
--個人での初メダル
「うれしさは断然、団体の方があるけど、すごく大きいものを乗り越えたうえでの銅メダル。違ったうれしさはある」
--自身の名が技につくことは
「興味ない。FIG(国際体操連盟)からのプレゼントだと毎回思っている。自分が一歩、大きい壁を乗り越えたご褒美がその技の名前。 3位という結果より、 6.4という実施が跳べたことに満足している」
--床運動のあと、印象に残った言葉は
「終わったあと全然悔しくなくてやりきった感がすごかった。(内村)航平さんに「全然悔しくないんですけど」といったら、『自分で割り切れているなら、それでいいよ』といってくれて、割り切って向かった」
男子跳馬決勝 銅メダルを獲得し、表彰台で笑顔の白井健三選手(右端)=リオデジャネイロ・リオ五輪アリーナ
--初の五輪が終わった
「航平さんは体操のことを考えたくないといっていた。僕は 2種目しか出ていなくて申し訳ないけど、やりきった感や満足感でいっぱい」
--3回半の難しさは
「上半身が振り回され立ってもラインオーバーが確実についてくる。ただ向きを変えるだけという次元ではなくてまるで別の跳躍だった。つき手から一から見直した。小さいところからの努力が一本にでた。たった 3、 4秒の跳躍だったかもしれないけど、僕の 1年のすべてがつまっていた。立つのが難しくて、ラインなんか気にしてられない。帰っても元通りだと思う。今後に向けて自信になった」
--10代最後の演技
「すごく寂しい。後悔がまったくない。すてきな10代を遅れた。すごく年寄りみたいだけど。20歳になっても勢いそのままにがんばりたい。体操を抜いてもすごい人間だと思われるよう、しっかりとした知識や知能を持った人間になりたい」
男子跳馬で銅メダルを獲得した白井健三選手(左)。中央は金メダルのリ・セグァン選手(北朝鮮)、右は銀メダルのデニス・アブリャジン選手(ロシア)=リオデジャネイロ・リオ五輪アリーナ
--帰国したらしたいことは
「同期にメダルをかけさせてあげたい」
--跳馬も金メダルを狙えるのでは
「まさかメダルが取れると周りも思っていなかったので、すごく自信になった。いまは種目別というより、航平さんの個人総合のインパクトが大きい。追いつきたい気持ちが大きい。帰って個人総合の練習をやって来年もまた間に合いませんでしたというオチかな」
--内村の存在とは
「きのう航平さんが悔しがっている姿を見る方が、自分の演技を振り返るより悔しかった。自分の中ではやりきった感があったけど、航平さんを見てると、あしたもがんばらなきゃなと思えた。すごいキャプテン。言葉ではいい表せない。偉大な選手だと思う」
☆<リオデジャネイロ五輪第11日:バドミントン>◇15日=日本時間16日◇女子ダブルス準々決勝◇リオ中央体育館
世界ランク 1位の高橋礼華選手、松友美佐紀選手組が、アのフー選手、ウォン選手組を相手に21-16、18-21、21- 9で勝ち、メダル獲得に王手をかけた。
第 1ゲームは日本ペアのリズムで、粘り強い展開で先手を取った。第 2ゲームは松友選手のミスが重なり、競りながらも落とした。最終ゲームで立て直し、本来の実力を発揮して相手を寄せ付けなかった。高橋選手は「しっかり自分たちのプレーは出して終わらないとと思っていた。気持ちは切り替えられていた」と振り返った。
バドミントン女子ダブルス準々決勝 マレーシアのフー選手、ウォン選手組と対戦する高橋礼華選手(右)、松友美佐紀選手組=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
メダルがかかる準決勝は日本時間16日の午後10時半から行われる予定。相手は世界ランク 5位の韓国鄭選手、申選手組。 5月に国・地域別対抗戦ユーバー杯で対戦した際は 1- 2で敗れている。高橋選手は「気持ちだけは負けたくない。ガツガツ来るペアなので、メダルよりはリベンジしたい」と雪辱を誓った。松友選手は「相手がガツガツ来るのはわかっている。楽しんでかわしていけたらな」と心待ちにしていた。
バドミントン・女子ダブルスの高橋礼華選手(手前)、松友美佐紀選手組は格が下の相手に苦戦しながらも準々決勝を突破。メダル獲得まであと 1勝とした=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
女子ダブルスの準々決勝が行われ、女子第1シードの高橋礼華選手、松友美佐紀選手組はマレーシアペアを 2- 1で下し、準決勝に進んだ。男子の早川賢一選手、遠藤大由選手組は英国ペアに 0- 2で敗戦。第10日の混複で、この種目で日本勢初の 8強入りを果たした数野健太選手、栗原文音選手組は2012年ロンドン五輪金メダルの中国ペアに 0- 2で敗れた。
バドミントン・女子ダブルス準々決勝の高橋礼華選手、松友美佐紀選手=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
「タカマツ」は最後のポイントを奪うと、重圧から解放されたかのように安堵(あんど)の笑みを浮かべた。高橋選手、松友選手組は過去 7戦負けなしだったフー選手、ウォン選手組(マレーシア)に第 2ゲームを落としたが、最終ゲームは焦ることなく21- 9と圧倒。世界ランキング 1位の貫禄を見せつけ、メダルに王手をかけた。
バドミントン・女子ダブルス準々決勝 高橋礼華選手(左)=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
同15位と格が下の相手に 1時間16分も粘られた末の勝利に「第 2ゲームを取られても慌てなかった。しっかり切り替えて、最終ゲームの出だしで引き離せたのが良かった」と高橋選手。ネイルが趣味の26歳は、リオデジャネイロへ出発する直前に東京・銀座のネイルサロンで施してもらった日の丸や五輪マークをあしらった“勝負ネイル”を輝かせた。
バドミントン・女子ダブルス準々決勝 準決勝進出を決めた高橋礼華選手、松友美佐紀選手ペア=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
日本勢の五輪での最高成績は、前回ロンドン大会の同種目で藤井瑞希選手、垣岩令佳選手のペアが手にした銀メダル。「フジカキ」超えを目指し、準決勝(日本時間16日午後10時半開始)では 5月の国・地域別対抗戦ユーバー杯で敗れた韓国のエースペアと対戦する。
松友選手は「がつがつ来る相手だということはわかっている。その来られる感じを楽しんでやれたらいいと思う」と気合をみなぎらせた。
☆<リオデジャネイロ五輪第11日:バドミントン>◇15日=日本時間16日◇男子ダブルス準々決勝◇リオ中央体育館
世界ランク8位の早川賢一選手、遠藤大由選手組が英国のエリス、ランリッジ組に19-21、17-21で敗れた。まるで夫婦のような同学年のペアは初の五輪で「らしさ」を貫いた。
◇ ◇ ◇
2人の敵は、腰痛だった。早川選手が14日の午前練習で急性腰痛症(ぎっくり腰)を発症。「立てると思わなかった」という準々決勝まで中 1日で、注射、座薬などを駆使し懸命の治療を続けた。幸い「ケガなりのパフォーマンスは出せた」と得意のネット前のプレーは問題なかったが、揺さぶられると反応できない。普段通りの連係が取れず、22位と格下の相手の攻撃に押し切られた。遠藤選手は「本当はいつも通りにやれば良かった。カバーしようと意識しすぎた僕が無駄にローテーションをガタガタにしてしまった」。早川選手は「負担をかけるよ、と話していた。遠藤がカバーしてくれたので試合が成り立った」と互いにかばい合った。
準々決勝で敗れた早川賢一選手(後方)遠藤大由選手組=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
遠藤は、ダブルスの魅力を「無駄にスピードを出してカーブを曲がる。すれすれで、手が震える感じ」と大好きな車の運転になぞらえて表現する。「死の組」に入った 1次リーグでは世界ランク 5位の韓国ペア、 1度も勝ったことのない優勝候補のインドネシアペアに対しファイナルまで競り合い、勝った。速さ、力強さ、駆け引き。男子ダブルスの面白さを詰め込んだ試合を演じた。「目標のメダルには届かなかったけど、ベスト 8でも胸を張って帰ろうと思う」(遠藤選手)と涙は無かった。
準々決勝で敗れた早川賢一選手(手前)遠藤大由選手組=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
結成は 6年前。「お前とのペアでメダルをとりたい」という遠藤に、早川選手は「マジかよ? ぶっとんでんじゃないか?」と驚いた。ダブルス経験豊富な早川選手に、遠藤選手が必死についていく。「最初は僕には五輪、メダルへの気持ちがあまり強くなかったですけれど、遠藤に引っ張られていった」と早川選手。海外遠征で負けた夜。よく 2人きりで居酒屋で酒を飲み、ののしり合った。2013、2015、2016年と最も権威ある大会とされる全英オープンで 3度準優勝。昨年の世界選手権では銅メダル。目標の五輪メダルは、あと少しで届くはずだった。
ある日、偶然全く同じブランドのストライプのパンツを履いていた 2人。けんかをしても翌日には互いに忘れている「夫婦みたい」(早川選手)な 2人。今後についても「分からない」と口をそろえた。
男子ダブルス準々決勝で英国組と対戦する早川賢一選手(手前)、遠藤大由選手組。 0- 2で敗れた=リオデジャネイロ・リオ中央体育館
男子ダブルスの準々決勝が行われ、男子の早川賢一選手、遠藤大由選手組は英国ペアに 0- 2で敗戦。世界ランキング 8位の早川選手、遠藤選手組は同22位の英国ペアに屈した。 1次リーグ最終戦前の練習で早川がぎっくり腰を発症し、「最初は歩くこともできなかった」。必死に回復に努めて挑んだが、影響は大きかった。「この舞台に立てるとも思っていなかったので、ここまでできるように治療してもらったことに感謝したい」。今大会で男子はメダルなしが確定し、遠藤選手は「申し訳ない」と肩を落とした。
☆<リオデジャネイロ五輪第11日:シンクロナイズドスイミング>◇15日=日本時間16日◇デュエット予選・テクニカルルーティン(TR)◇マリア・レンク水泳センター
シンクロナイズドスイミングのデュエット予選テクニカルルーティン(TR)が行われ、日本の乾友紀子選手三井梨紗子選手組は 93.1214点、フリールーティン(FR)との合計187.5214点でロシア、中国に次ぐ 3位で決勝に進んだ。もっとも決勝に持ち越す、この日のTRではミスもあり、ライバルのウクライナを0.01444点下回った。
まさかのミスが出た。乾選手、三井選手組は前半から勢いある演技をしたが、後半に同調性に欠ける場面があった。乾選手、三井選手はともに「後半のミスが悔しい」と口をそろえた。予選は 3位通過も、決勝に持ち越すTRの得点だけでは93.1214点の 4位。ライバルのウクライナに“逆転”された。
華麗な演技を見せる乾友紀子選手、三井梨紗子選手組=リオデジャネイロ・マリア・レンク水泳センター
14日の予選FRでは完璧な演技で、ライバルのウクライナ、スペインを上回り 3位につけていた。初日から幸先の良いスタートを切っていただけに、手痛いミスとなった。井村ヘッドコーチ(HC)も「93点台の後半とひそかに思っていた」と皮算用が狂ったことを認めた。
日本は前回ロンドン大会で初めてメダルなしに終わった。日本水連は2004年アテネ大会後に若返りの方針で交代させた井村HCを 2年前から再起用。選手たちは日本、中国で計14個の五輪メダルをもたらした井村HCによる 1日12時間の猛練習に耐えてきた。粘り強さと執念はどこにも負けない。
デュエット・テクニカルルーティンでの乾友紀子選手(左)、三井梨紗子選手組の演技=リオデジャネイロ・マリア・レンク水泳センター
最後まで綿密な準備を続けてきた。競技開始の 2週間前の先月30日にはリオ入りした。他国がほとんど来てない中、到着当初は貸し切り状態で練習を続けてきた。現地の生活に慣れ、会場を味方にすることが狙いだった。競技優先で欠席者の多い 5日の開会式にも参加。五輪という大舞台への覚悟と意識を高めた。
数日前からプールが緑色に濁り、悪臭も発生。一時は50センチ先も見えなかったが、動じる者はいない。屋外プールのグアム合宿では嵐の中で練習してきた。「みんな一緒。日本だけが汚い水ではない」と井村HCの言葉を素直に受け入れた。他国がちゅうちょする中で、日本選手は汚い水も構わず、目を真っ赤にさせて腕と足を動かした。
ウクライナとの差はわずか。乾選手が「最後はどれだけ勝ちたいか、気持ちの勝負」と言えば、三井選手も「やることはやってきた。全部出し切りたい」とたくましく言い切った。くしくも決勝の16日は井村HCの66歳の誕生日。最高のプレゼントを贈る。
予選のTRで音楽に乗って演技する乾友紀子選手、三井梨紗子選手組=リオデジャネイロ・マリア・レンク水泳センター
デュエットで予選のテクニカルルーティン(TR)が行われ、 2大会ぶりのメダルを狙う日本の乾友紀子選手、三井梨紗子選手組は、 93.1214点で 4位。前日のフリールーティン(FR)予選との合計を187.5214点として全体 3位で上位12組による決勝(16日)に進んだ。メダルは、この日のTR予選の得点と決勝(FR)の合計点で争う。
7番目で演技した日本のペアは 93.1214点とまずまずの得点。井村雅代ヘッドコーチは「93点台に乗ったのはいいこと」と一定の評価を下した。だが、15番目に登場したウクライナのペアに0.0144点上回られての 4位。決勝は、前日のFR(日本 3位、ウクライナ 5位)の得点は反映されず、TR予選とFR決勝の合計点で争われるため、表彰台へは微妙な状況。乾選手は「勝ちたいという気持ちの勝負になる」と気合を入れ直した。
またまたメダル!これからも何色にしろメダルがドンドン増えていくと思われている。いっ
たい最後にはどの位のメダル数になるのでしょうね。ガンバレ!日本!我らのジャパン!勝利を掴め!