15日東京ドームで、セ・リーグクライマックスシリーズ(ＣＳ)ファイナルステージ：巨人－阪神第 1戦が行われ、巨人は 7回裏に阿部の 1発で 1点を返した。だが、阪神は藤浪から福原、高宮、呉昇桓とつないで逃げ切り、 1勝 1敗とした。阪神がポストシーズンにおける初戦からの連続イニング無失点の新記録を樹立。記録を｢２７｣イニングに伸ばした。これまでの初戦からの無失点記録は1951年の日本シリーズで、巨人が南海相手に記録した｢２４｣だった。
先発藤浪晋太郎投手(20)が熱投を見せた。自己最速タイの 157キロをマークし、 7回 1失点で勝利に貢献。1962年の日本シリーズでの村山実(25歳10カ月)を抜き、虎のポストシーズン最年少勝利を飾った。
上本博紀内野手(28)の初球バスターで内海の動揺を誘った！！有言実行のタクトで活路を開いた。
鳥谷敬内野手(33)が先制打を放った。 1回に先頭の西岡が左前打で出塁。一死 2塁となったところで、巨人内海の初球を捉えた。打球は中堅橋本の頭上を越し、適時 2塁打となった。
さすがや、ゴメス！ これこそ猛虎の 4番や！！ マウロ・ゴメス内野手(30)が、巨人とのファイナルステージ初戦の第 1打席でいきなり 2ラン。今季 4本塁打を放っている好相性の東京ドームで、威勢のいい一発を放った。
虎盤石 0封リレー！“ラストボス”呉昇桓(オ・スンファン)投手(32)が、宿敵Ｇの前に仁王立ち！ＣＳファイナルステージで｢ラストボス｣(サムスン時代に親しまれた愛称)が仁王立ちだ。
15日ヤフオクドームで、パ・リーグ、クライマックスシリーズ(ＣＳ)ファイナルステージ：ソフトバンク－北海道日本ハム第 1戦が行われ、リーグ優勝のソフトバンクが、 3－ 2で 3位・北海道日本ハムに逆転サヨナラ勝ち。通算 2勝( 1勝のアドバンテージを含む)とした。
1－ 2の 9回に吉村裕基外野手(30)が中越え 2点 2塁打。今季限りで辞任を表明しているソフトバンク秋山幸二監督(52)は、大事な初戦での劇的勝利に酔った。記事をまとめてみました。
＜セ・リーグクライマックスシリーズ(ＣＳ)ファイナルステージ：巨人 1－ 4阪神＞◇第 1戦◇15日◇東京ドーム
阪神は 1回、鳥谷の適時 2塁打、ゴメスの 2ランで先制。 3回無死 1、 2塁からゴメスの適時打で加点した。
序盤は不安定だった阪神藤浪は 4回以降は安定感を増し、 3イニング連続で 3者凡退とし 6回まで 2安打無失点の好投を続けた。
巨人は 7回裏に阿部の 1発で 1点を返した。だが、阪神は藤浪から福原、高宮、呉昇桓とつないで逃げ切り、 1勝 1敗とした。
7回二死満塁のピンチで、井端を 1飛に仕留め、雄叫びを上げる藤浪晋太郎投手
藤浪、男や！！ ファイナルステージが開幕し、セ・リーグ 2位の阪神が、優勝の巨人を 4－ 1で破り、通算 1勝 1敗(巨人に 1勝のアドバンテージを含む)とした。先発した阪神・藤浪晋太郎投手は自己最速タイの 157キロをマークし、 7回 1失点で勝利に貢献。1962年の日本シリーズでの村山実(25歳10カ月)を抜き、虎のポストシーズン最年少勝利を飾った。
阪神先発藤浪晋太郎投手
阪神がポストシーズンにおける初戦からの連続イニング無失点の新記録を樹立した。
ＣＳファーストステージの広島 2連戦で｢２１イニング連続無失点｣。この日は先発藤浪が 6回まで無失点に抑え、記録を｢２７｣イニングに伸ばした。これまでの初戦からの無失点記録は1951年の日本シリーズで、巨人が南海相手に記録した｢２４｣だった。
左翼スタンドの虎党は、初回の速攻劇に大興奮だ！
上本博紀内野手の初球バスターで内海の動揺を誘った！！
有言実行のタクトで活路を開いた。決戦前日に｢黙って待っているより動いていくことが多くなる｣と巨人・原監督に叩きつけた通知は、カモフラージュではなかった。 1回、いきなり仕掛けた。
｢まず西岡がヒットが出たことでスタンドもベンチも盛り上がったし、この球場は 1点勝負ではないと踏んでいたので、思い切って動いた｣
1番西岡が左前打で出塁すると、 2番上本が初球をバスターエンドラン(結果は 1ゴロ)。レギュラーシーズンの同ケースでは、手堅く犠打を多用してきた阪神・和田監督の“変化”が、Ｇ先発・内海を動揺を誘った。一死 2塁から、鳥谷＆ゴメスで 3点をもぎとった。
初戦をものにした和田豊監督(中)。 1回からバスターエンドランを仕掛け、先制につなげた
“アツい”采配だった。大一番の舞台、東京はこの日、シトシトとした雨が降り続けた。｢しかし寒いなぁ｣と肌をさすりながらドーム入りした指揮官だったが、グラウンドを踏む直前には｢これから熱くなる！！｣。荒い鼻息が敵地の雰囲気も、冷気も、アドバンテージの 1勝も、すべてを吹き飛ばした。
｢いつもだったら半々ぐらい阪神ファンのみなさんに入ってもらえるが、チケットの関係だろうけど、ややポールよりに集まっている。それでも巨人ファンに負けないぐらいの声援で鼓舞してくれる｣
少しばかり肩身の狭い虎党に、気遣いを見せるあたりは和田監督らしい。｢なんとかあしたも喜ばせたい｣。 2戦目。また｢有言実行｣が見たい。
鳥谷敬内野手は 1回一死 2塁で、中越えへ先制打。初球をたたき、キャプテンが勢いをもたらした
鳥谷敬内野手が先制打を放った。 1回に先頭の西岡が左前打で出塁。
一死 2塁となったところで、巨人内海の初球を捉えた。打球は中堅橋本の頭上を越し、適時 2塁打となった。｢初回に先制できたことは大きいと思います。ツヨシ(西岡)をかえしたいという気持ちでした｣。先頭西岡からわずか 5球で 1点をもぎ取った。
胸の｢Ｃ｣マークがこれほど頼もしく見えたことがあっただろうか。歴史的 1勝は、阪神キャプテン鳥谷の快打から始まった。
｢一回に先制できたことは大きいと思います。ツヨシをかえしたいという気持ちでした｣
幕を開けたファイナルステージ。よ～いドンの最初の攻撃でいきなり一死 2塁の好機。クールな 3番打者は初球スライダーを狙い澄ましたように中越えへ。 2塁打。西岡がホームを踏んで、試合開始から５球で先制だ。
1回表、中越え先制適時 2塁打を放った鳥谷敬内野手
｢(内海とは)シーズンでもあまり対戦が多くなかったし、球種を絞るとか、そういうことではなく、ストライクをドンドン打っていく気持ちでした｣
先に点を取って有利に展開していきたい－。そう話していたのは前日のこと。今季、左腕とは 6打数 2安打。有言実行のチームリーダーは、先頭に立って引っ張った。
冷静な男が珍しく熱く語ったことがあった。稲葉(北海道日本ハム)が引退を表明した時のこと。ワールド・ベースボール・クラシック(ＷＢＣ)で同じ侍ジャパンのチームメートとして戦った“戦友”であり、先輩の引き際に感慨に浸った。
チーム最年長として侍ジャパンを背中でけん引した姿は、タテジマのキャプテンマークを背負う者として、理想であり憧れの存在だった。
3回、安打を放った鳥谷敬内野手
｢みんなを連れて、早出練習とか、されている姿をよく見ました。学ぶところがありますね。人格者です｣
黙々とプレーすることのみで阪神を引っ張る男が、言葉で、行動で引っ張る稲葉に対する思い。そんなリーダーになりたい…。ちょっと意外で、ちょっとうれしい一面を垣間見た。
ＣＳに向けて 1軍主力が宮崎フェニックス・リーグでの実戦に向かった今月 7日、シーズンの疲労を考慮して甲子園に残った。しかし、チームが甲子園に戻った全体練習では誰よりも声を出した。これもチームリーダーとしてレベルアップした証だろう。
初めて進出したファイナルステージで、まず 1勝。しかも、始まりはチームリーダーの 1打点。これで勢いに乗らなければウソだ。
1回表、 2点本塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手
さすがや、ゴメス！ これこそ猛虎の 4番や！！ マウロ・ゴメス内野手が、巨人とのファイナルステージ初戦の第 1打席でいきなり 2ラン。今季 4本塁打を放っている好相性の東京ドームで、威勢のいい一発を放った。 3回にも追加点となるタイムリーを放って 3打点の活躍。ファイナル突破へ、まだまだ頼むで！！
ゴメスが有言実行弾だ。鳥谷の適時 2塁打で 1点を先制した直後、 1回一死 2塁の好機で巨人内海の 124キロを左翼スタンドに運んだ。リードを 3点に広げる 2ランで鮮やかな速攻を決めた。
前日14日には｢(東京ドームは)大好きさ｣と豪語。いきなり結果を残し、チームは主導権を握った。｢トリタニサンをホームへかえすことだけに集中していたんだ。打った瞬間はライナー性の当たりだったからスタンドに届くかわからなかったんだけど、ホームランになってくれて良かったよ｣と喜んだ。
マウロ・ゴメス内野手は 1回一死 2塁で、左翼席へ 2ラン。得意の東京ドームで一発かました！
ド派手に巨人を粉砕した。左翼席で待ち構えた虎党も、いきなり飛んできた打球に大興奮だ。大事な初戦のゴングからわずか 5分。ゴメスの豪快なフォロースルーに東京ドームが揺れた。
｢打てる球を積極的にいこうと思っていた結果、いいスイングができた。ライナー性だったからスタンドに届くか分からなかったけどね｣
1回一死 2塁。鳥谷の先制打に続いて 3球目だ。内海のチェンジアップをとらえると、低い弾道でも飛距離は十分。ＣＳ 1号となる 2ランを放った。試合開始から 8球で 3得点。一気にＣＳファイナル初勝利をたぐりよせた。
｢試合に入る前に『真ん中の球をセンターへ、外よりは右方向へ』と意識していたよ｣
大一番を前にした打撃練習では、センター中心の打撃が目立った。基本を確 3三回無死 1、 2塁で右前適時打。外角のシュートに“有言実行”の打撃で、 3打点目を挙げた。
阪神ナインに笑顔で出迎えられるマウロ・ゴメス内野手(中)
レギュラーシーズンでは東京ドームで打率 0.341、 4本塁打。12２試合で12打点を稼いだ。｢東京ドームは大好き。打者なら誰でもここで試合をするのが好きなんじゃないの｣。一発がものをいう舞台で、虎のキーマンはＧ砲だ。和田監督も｢状態もいいし、この球場は特に相性もいい。早い回に一発が出て、 3点を取れたことがよかった｣と頼りにした。
そんな同球場で、 8月27日には看板直撃のアーチを放った。｢賞金 100万円とビール 1年分｣に大喜びと思われたが…。フレームだったため無効。ぬか喜びにガッカリしていたという。試合前に関係者と談笑。｢隣の看板は何がもらえるのかな｣。愛きょうたっぷりのジョークは、落ち着いている証拠。平常心で、“懸賞弾”以上に価値ある一撃を放った。
｢明日も今日と同じように、全力を尽くして勝ちたいね｣
短期決戦は波に乗った者の勝ち。虎の 4番が、真っ先にファイナルステージの主役候補に躍り出た。
7回、代打井端を一飛に抑えてピンチをしのぎガッツポーズでほえる藤浪晋太郎投手
先発藤浪晋太郎投手が熱投を見せた。初回から 3番坂本に対して自己最速タイの 157キロをマークするなど、エンジン全開。
圧巻は 3点リードで迎えた 7回無死満塁のピンチだった。代打セペダを一ゴロに打ち取り、ホームゲッツーを成立させ二死 2、 3塁。続く代打井端を一飛に抑えてピンチを切り抜けると｢よっしゃー！｣と雄たけびを上げた。 7回を阿部のソロ本塁打のみで切り抜け、 6安打 1失点で勝利投手に。大舞台で先発の役割を果たした。
7回二死満塁で、井端を 1飛に仕留めた藤浪晋太郎投手
井端の放った飛球が 1塁手・ゴメスのグラブに収まった瞬間、藤浪は体を反転させ、右拳を力強く突き出した。｢よっしゃあ！！｣。 7回の危機を脱し、見たことがないほど激しくほえた。闘志むき出しの力投が、猛虎をＣＳファイナルステージ初勝利を呼んだ。
｢なんとか初戦をとりたかったんで、良かったです。短期決戦ということで、いつもと違う緊張があったんですけど、その中で粘って投げることができました｣
自己最速タイの 157キロを計測するなど課題の初回を無失点で切り抜け、 6回までゼロを並べた。だが、 4－ 0の 7回先頭・阿部にソロを被弾。試練が始まった。
アンダーソン、村田、亀井の 3連打で無死満塁。序盤は制球に苦しむ場面もあり、ここで球数は 110球に達した。シーズン中も 100球を超えると崩れる場面があった。だが、ベンチは動かない。｢代打のセペダも井端も、(リリーフより)球威がある(藤浪の)ほうがいい｣(中西投手コーチ)と判断。｢逆に開き直って、思い切って｣と覚悟を決めた右腕は代打・セペダを一ゴロ併殺。代打・井端もねじ伏せ｢気合が入っていたので。普段はあまりしないですが｣とこん身のガッツポーズだ。
ヒーローインタビューを受けた藤浪晋太郎投手
7回を 6安打 1失点。村山実のもつポストシーズン球団最年少勝利を抜いた右腕に、和田監督も｢初戦に抜てきされて、こういう投球ができる。そういうものを持った選手｣と目を細めた。
11日のファーストステージ・広島戦(甲子園)から続くチームの連続無失点イニング数を｢２７｣まで伸ばし、ポストシーズン記録も樹立した。
広島を下した際、首脳陣から｢初戦はお前でいくぞ｣と告げられた。今季は11勝( 8敗)を挙げたが、巨人には 0勝 2敗、防御率4.50。それでも抜てきされたことに、｢意気に感じた｣という。昨年10月12日のＣＳファーストステージ・広島戦(甲子園)。大事な初戦に登板したが、 5回 4失点。チームは第 2戦も落とし敗退した。事あるごとにキラに 3ランを浴びた場面が流れた。画面のなかで悔しさをにじませる自身の姿。｢目にする機会はありましたね…。でも、もう終わったことなので｣。
長所の一つが驚異的な記憶力。知人が過去の試合内容を問うと｢あれは三振だった｣｢あのときは内野ゴロ｣とスラスラ答える。｢得点されたシーンは、勝負しにいっている場面。覚えています｣。去年を上回る大舞台でリベンジした。
｢やっぱり日本一しか目指すところがないんで、チーム一丸となって頑張りたい！！｣
その言葉に、左翼席が沸いた。アドバンテージを含めて五分にした。一気に駆け上がる。藤浪が下克上の扉を開けた。
9回のマウンドに上がった呉昇桓投手。ＣＳ 3戦連続で｢０｣で締めた
虎盤石 0封リレー！“ラストボス”呉昇桓投手が、宿敵Ｇの前に仁王立ち！
呉昇桓には｢石仏｣以外にサムスン時代に親しまれた愛称がある。それは、ゲームのエンディングで待ち構える強敵になぞらえたもの。今宵はまさに、その名にたがわぬ、存在感だった。ＣＳファイナルステージで｢ラストボス｣が仁王立ちだ。
｢勝っていた状況で３点差もあったので、しっかり抑えることができてよかった｣
淡々と振り返った出番は 4－ 1の 9回。当然のように、バトンを託された。一死から村田に死球こそ与えたが焦りの色はない。続く亀井をオール直球勝負で空振り三振にねじ伏せ、代打・ロペスは外角低めのカットボールで遊ゴロに仕留めた。
鶴岡一成捕手(左)とハイタッチする呉昇桓投手
今季は巨人戦11試合で 1敗 5セーブ、防御率3.48とセの 5球団ではもっとも相性は悪いが、この日は 1球だけ、あまり使わないカーブを投じるなど 2戦目以降への布石も打った。肝心要な初戦を締め、ポストシーズン 2セーブ目を挙げた。
熱烈な虎党を失望させたくない－。そう強く抱いた来日 1年目。救援失敗が続いたシーズン序盤には｢ファンは俺のことを期待外れだと思っているだろ？｣とまで、悔しがった。だが、いまとなっては、過去の話。｢ファンは俺のことをどう思っている？｣。重要な終盤に大車輪の活躍を見せたセーブ王に対し、虎党はきっとこう答えるだろう。絶大な信頼を寄せてますよ、と－。
短期決戦特有の敵地の緊張感も感じない。｢関係ない。これまでも、投げている球場だから｣。それも、左翼席を黄色に染めるファンがいたからだ。12日の広島とのＣＳファーストステージで驚異の 3イニング登板をこなした｢ラストボス｣はセ界頂上決戦でも、宿敵に悠然と立ちはだかる。
＜パ・リーグ、クライマックスシリーズ(ＣＳ)ファイナルステージ：ソフトバンク 3ｘ
－ 2北海道日本ハム＞第 1戦◇15日◇ヤフオクドーム
吉村が決めた！ リーグ優勝のソフトバンクが、 3－ 2で 3位・北海道日本ハムに逆転サヨナラ勝ち。通算 2勝( 1勝のアドバンテージを含む)とした。 1－ 2の 9回に吉村裕基外野手が中越え 2点 2塁打。今季限りでの辞任を発表した秋山幸二監督(52)の花道を飾るポストシーズンで、最高のスタートを切った。
殊勲の吉村裕基外野手(手前)を笑顔で出迎える秋山幸二監督
今季限りで辞任を表明しているソフトバンク秋山幸二監督は、大事な初戦での劇的勝利に酔った。
1点ビハインドで迎えた 9回に、吉村裕基内野手の 2点適時打で一気にサヨナラ勝ち。試合後｢最後の最後まで何が起こるか分からんな野球は｣と信じられないといった口調。勝負を決めた吉村について｢勝負強いところがある。 1打席 1球の集中力がある｣と絶賛した。これで 2勝先行した状況となり｢クライマックスシリーズ初戦は緊張するが、こういう勝ち方は勢いがつく｣と言葉も弾んでいた。
やったね！これで完全にスタート地点に着いた形になった。残り 5試合で、どちらが先に 3勝するかになった。
阪神には、このまま進んで行って欲しいですね。
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阪神がポストシーズン連続無失点新記録！鳥谷、内海の初球捉え先制打！ゴメス有言実行弾！藤浪初勝利！
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