能見篤史投手(32)が29日、開幕投手を務める30日のＤｅＮＡ戦(京セラＤ)へ闘志を燃やした。
今年から始まった予告先発での開幕マウンドは阪神の左腕では江夏豊氏(63)以来の 2年連続開幕星の偉業を目指す。
この日は打撃練習などで準備を整え｢やることをやるだけ。やれることは一緒｣と自然体を強調した。打のキーマン、アニヤン・新井貴浩内野手(35)も、安打を重ねるお得意の開幕で大暴れを誓った。記事をまとめてみました。
2年連続の開幕勝利を狙う能見篤史。和田監督からは全幅の信頼を得ている
京セラドームのベンチからロッカーへと続く通路。ポーカーフェースはまったく崩れない。取材の質問に足を止め、すべて短いコメントで返した。もう、多くの言葉は必要はない。能見は、開幕のマウンドで雄弁に語り尽くす。
｢やることをやるだけなんで。そんなに長くは話しませんよ。やることは一緒なんでね｣
2012年シーズンの幕開けに 2年連続で開幕投手の大役を担う。今後のチームの浮沈を握る“肩書”はもちろん重い。だが、仕事場で求められることは一つ、勝利を呼び込むピッチングだけだ。
昨年はチームを 4年連続の開幕白星発進へ導く 7回途中 3失点の好投で勝利投手になった。 2年連続勝利となれば、虎の左腕では1974、75年の江夏豊以来となる快挙だ。歴史に名を刻み、阪神で 159勝を挙げた元大エースに、肩を並べることになる。
初陣を背番号｢14｣へ託した和田監督も、全幅の信頼を寄せる。
｢彼が中心となってもらいたいんで、明日はしかりと投げてくれると思いますんで、もう注文はありません｣
開幕投手の能見篤史は、気迫も体調も準備万端
これまで開幕投手の話題を苦笑いでかわしてきた指揮官は、キャンプ最終日の 2月29日に直接伝えたことを明かし、｢中心となってやっていってもらいたい。しっかり投げてくれるだろう。注文はない｣と全幅の信頼を寄せた。また、反応を｢それなりの覚悟はできていたと思うし、お、きたなという感じだった｣と表現。｢準備してくれていると思います｣と力を込めた。
それからの 1カ月。オープン戦は 3試合に登板し、計14回 4失点、防御率 2.57と上々。新球カットボールを加えて変化をつけるなど内容で進化も示してきた。この日はダッシュなど軽めの調整。将の言葉を裏付けるように順調な仕上がりで晴れ舞台を迎える。相手は中畑新監督率いる新生ベイスターズだが、無関心を貫き、投球に全神経を注ぐ。
｢(ＤｅＮＡには)特にないですね。相手どうこうではなくて、やることをやるだけ｣
7季ぶりの優勝へスタートラインに立つ猛虎。エースの快投が勢いをつける。
開幕戦に向けての抱負を語る和田監督
“開幕男”がＶの誓いだ。チームにとっては 7年ぶりの、自身にとっては初めてのセ界の頂点へ。猛虎の 4番・新井が、目前に迫る2012年シーズンへの強い意気込みを改めて示した。
｢(打順は)どこでも一緒だと思ってやりたい。シーズンは長いからね。いろんなことがあると思うけど、気持ちの面で粘り強く戦って、最後に 1番でゴールしたい｣
自然体のまま、内に秘める闘志を言葉にした。体が固まるような緊張感はまだない。アップ、シートノックに始まり、フリー打撃、 1塁と3塁の守備位置でのノック。約 3時間の練習でじっくりと汗を流し準備万端。ヤル気をみなぎらせた。
和田監督(左)の目の前でフリー打撃をする新井貴浩内野手。開幕戦での期待は高まる
今年で虎 5年目のＡ砲は、開幕戦にめっぽう強い。過去 4年間で 4戦ともヒットを放ち、計14打数で 5安打の打率 0.357、 2打点をマークする。さらに、昨年の交流戦開幕戦となった 5月17日のオリックス戦(京セラＤ)でも、 4打数 3安打 1打点の大暴れ。節目に強い男が、勢いをつけてシーズンに乗り込む。
開幕前最後の実戦となったメジャーとの 2試合では、計 8打数 4安打の 1本塁打 3打点。オープン戦当初は低調だったが、『 3.30』に合わせてキッチリと仕上げてきた。
｢(開幕前夜は)いつもと一緒ですよ。特別なことは全然ない。その日になって、球場に来て試合が近づいてくると、開幕という緊張感がある。何年やっても緊張するものだし、何年やっても変わらない｣
今年でプロ14年目。独特の雰囲気を何度も味わい、結果を残してきた。スタートダッシュ、そして悲願の優勝へ。新井が猛虎打線をけん引する。
日本プロ野球機構(ＮＰＢ)は28日、 3月30日に開幕するセ・リーグの開幕１軍メンバーを公示した。
阪神・開幕１軍メンバー
＜投手＞
渡辺亮 (30)
榎田大樹 (25)
能見篤史 (32)
藤原正典 (24)
筒井和也 (30)
岩田稔 (28)
藤川球児 (31)
福原忍 (35)
鶴直人 (24)
ジェイソン・スタンリッジ (33)
＜捕手＞
城島健司 (35)
小宮山慎二 (26)
藤井彰人 (35)
＜内野手＞
大和 (24)
鳥谷敬 (30)
関本賢太郎 (33)
平野恵一 (32)
新井貴浩 (35)
新井良太 (28)
黒瀬春樹 (26)
クレイグ・ブラゼル (31)
＜外野手＞
柴田講平 (25)
金本知憲 (43)
俊介 (24)
浅井良 (32)
桧山進次郎 (42)
伊藤隼太 (22)
能見が先発で投げ、藤川球児でしめる。そんなシーンが見られる。開幕戦は、高校野球と重なり甲子園は使えないが、代わりに京セラDでのスタートだ。そうして、来週火曜日からは神宮の杜に響く阪神の声援のもとツバメ退治が始まる。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！
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