4日阪神甲子園球場で阪神－広島最終戦が行われ、広島は勝ってＣＳ進出に望みをつないだ。最終戦の 7日中日戦に勝利すれば、 3位が決定しＣＳに進出する。最後まで険しい表情のままだった。レギュラーシーズン最終戦で完封負け。和田監督(53)は試合後、超満員のスタンドに向けて深々と頭を下げた。他力頼みも、巨人とＣＳファーストステージで戦えることを信じるしかない。
先発の藤浪晋太郎投手(21)が 5回 4失点で降板した。 3回まで０封したが 4回、松山に先制 2ランを浴びると、石原にも適時打を浴びて大量 4失点。 5回の好機で打席が回ると代打を送られた。目標としていた 200イニングまで、あと｢１｣で無念の降板となった。これで 5月20日の巨人戦から続けていた、自身の甲子園連勝も 8でストップ。 4位広島が 7日の中日戦(マツダ)に勝てば、藤浪のシーズンは終了する。勝利で終わることはできなかった。広島の結果次第だが、ポストシーズンでリベンジのチャンスを待つしかない。
阪神のマット・マートン外野手(34)が今季限りで退団することが 4日、濃厚となった。最終的な決断は新監督の考えを聞いてからになるが、球団は構想外に位置づけていることが判明。2010年には当時のシーズン最多安打記録を更新したＭ砲のタテジマ姿は見納めになるかもしれない。 8月下旬には打率を 3割近くまで上昇させたが、大事な優勝争いの時期に再び精神的なもろさを露呈。結局、 140試合に出場し、打率 0.276、 9本塁打、59打点でレギュラーシーズンを終えた。ファンからも愛された人気者だったが、タテジマを脱ぐ可能性は極めて高くなった。ランディ・メッセンジャー投手(34)には契約 3年目の球団オプションを更新する方針だ。マウロ・ゴメス内野手(31)も契約 2年目の球団オプションがあるが、こちらは流動的。また、守護神の呉昇桓(オ・スンファン)投手(33)は 2年契約が切れるため、残留交渉を行う見通し。
阪神一筋19年、関本賢太郎内野手(37)が、本拠地甲子園で 4万6843人の虎ファンに見守られ、別れを告げた。この日は 6点を追う 8回二死 1塁の場面で代打出場し黒田相手に投手ゴロ、その後 3塁の守りについた。バイプレーヤーとしてチームを支えてきた男らしく裏方への感謝も忘れなかった。チームがクライマックスシリーズ(ＣＳ)に進出した場合はベンチ入りして、最後の仕事をこなす。別れのあいさつと同時に、わずかに可能性が残されたポストシーズンに向けて準備を始めた。記事をまとめてみました。
＜阪神 0－ 6広島＞最終戦◇ 4日◇阪神甲子園球場
阪神藤浪、広島黒田の両先発の投げ合いとなった。ともに走者を背負ったが、序盤無失点の立ち上がり。 0－ 0で中盤へ。
広島は 4回、松山の 7号 2ランで先制。さらに石原の適時打で 2点を加えた。 6回にも田中が 2番手能見から 8号 2ランを放った。
広島黒田は無失点のまま 9回のマウンドに上がったが、一死 1、 3塁とピンチを招いたところで降板。完封こそ逃したが11勝目を挙げた。
広島は勝ってＣＳ進出に望みをつないだ。最終戦の 7日中日戦に勝利すれば、 3位が決定しＣＳに進出する。
レギュラーシーズン最終戦を終え、今季で退任する和田豊監督(中)はファンにあいさつした＝阪神甲子園球場
最後まで険しい表情のままだった。レギュラーシーズン最終戦で完封負け。和田監督は試合後、超満員のスタンドに向けて深々と頭を下げた。
｢最後の最後まで、大観衆の前でプレーできて…。何とかきょう勝って( 3位を)決めたいと思ったけど。最後まで悔しい試合というか、ファンのみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱいです｣
｢球団創設８０周年｣に開幕 3連勝と絶好のスタートを切ったものの、序盤は最下位を経験するなど低迷した。交流戦で持ち直し、夏場は首位に立って大混戦をけん引した。だが、最後はここ 2年と同様に失速した。
この日も勝つか引き分けで 3位が確定し、クライマックスシリーズ(ＣＳ)進出が決まる試合だったが、黒田を攻略できないまま完封負け。70勝71敗 2分けで、監督就任初年度の2012年以来となる 3年ぶりのシーズン負け越し。 7日に広島が中日に勝つと、 4位転落でＣＳ進出を逃す。既に退任が決まっており、この日の試合がラスト采配になる可能性もある。
｢まだ(ＣＳ進出は)ゼロではないわけだし、しっかり準備して。やれることをやっていきたい｣
他力頼みも、巨人とＣＳファーストステージで戦えることを信じるしかない。
4回表二死 2、 3塁、藤浪晋太郎投手は石原に右前 2点適時打を浴び落胆する＝阪神甲子園球場
先発の藤浪晋太郎投手が 5回 4失点で降板した。
3回まで０封したが 4回、松山に先制 2ランを浴びると、石原にも適時打を浴びて大量 4失点。 5回の好機で打席が回ると代打を送られた。｢松山選手に打たれたホームランは、ボール 1つ分ほど狙ったところより中に入ってしまった。石原選手のタイムリーも打たれるようなコースに投げてしまいました。こうした結果になってしまったのは自分の甘さが出てしまったからだと思います｣。最多勝に望みをつなぐ15勝目はならず、投球回も 200イニング目前の 199回で終わってしまった。
大粒の汗をぬぐう藤浪晋太郎投手。勝てばＣＳが決まる試合で無念の降板となった＝阪神甲子園球場
藤浪晋太郎投手が、今季最終戦の広島戦(甲子園)に先発し、 5回 4失点で 7敗目を喫した。勝つか引き分けでクライマックスシリーズ(ＣＳ)進出が決まったが、背信ピッチング。目標としていた 200イニングまで、あと｢１｣で無念の降板となった。
満員の甲子園が泣いていた。ＣＳ出場を懸けたマウンドで藤浪が背信のピッチング。敗戦をベンチから見守り、唇を噛んだ。
｢球の走りや状態はよくなかったけど…。ボール 1個、半個分ぐらい甘かったです｣
痛恨の一発だった。 4回、先頭の菊池に中前打を浴びると、苦手の松山(試合前の対戦打率 0.556)にカットボールを右翼ポール際まで運ばれた。痛い先制弾にマウンドの上でしばらく動けなかった。
4回、ピンチを迎え帽子をとる藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
何とか二死までこぎつけたが、四球、単打、マートンの失策も絡み、なお二死 2、 3塁。石原にトドメの右前打で２点を追加された。 1イニング 4失点の乱調。 7月30日のヤクルト戦(甲子園)以来、10試合ぶり。 5回に代打を送られ、無念の降板となった。
95球を投げ、 5回 5安打 4失点。広島・前田に並ぶハーラートップ15勝目を逃し、今季 200イニングにあと｢１｣届かなかった。前田や北海道日本ハム・大谷との沢村賞争いも大きく後退した。
｢あと 1イニング、節目の15勝、何か 1つ足りなかった。来年は超えられるようにしたいです｣
4回、広島・石原に適時打を許した藤浪晋太郎投手＝阪神甲子園球場
これで 5月20日の巨人戦から続けていた、自身の甲子園連勝も 8でストップ。 4位広島が 7日の中日戦(マツダ)に勝てば、藤浪のシーズンは終了する。
｢すごくお世話になった。引退はすごくさびしいです｣
公私ともに仲が良かった関本の引退に花を添えたかった。プライベートで琵琶湖へブラックバスを釣りに行く間柄だ。試合後のセレモニーでは握手を交わし、目には光るものがあった。
｢数字だけ見ると悪いシーズンではなかったですけど、もっと、できたシーズンでした。広島の結果次第ですけど、できる限りの準備はしたいです｣
勝利で終わることはできなかった。広島の結果次第だが、ポストシーズンでリベンジのチャンスを待つしかない。
◆データＢＯＸ◆
◎…藤浪の今季奪三振は 221。奪三振のタイトル獲得となると、阪神では昨年のメッセンジャー( 226)以来となる。日本人選手では2012年の能見篤史( 172)以来。ちなみに球団高卒 3年目での奪三振王は1969年の江夏豊( 262)以来。
◎…藤浪は今季 199イニングで最終戦を終え、目標としていた 200イニングには届かなかった。阪神での 200イニング投球は昨季メッセンジャー(2081/3)が達成しており、日本人では2011年に能見(2001/3)が達成。
9回に安打を放ったマット・マートン外野手。退団が濃厚だ＝阪神甲子園球場
阪神のマット・マートン外野手が今季限りで退団することが 4日、濃厚となった。最終的な決断は新監督の考えを聞いてからになるが、球団は構想外に位置づけていることが判明。2010年には当時のシーズン最多安打記録を更新したＭ砲のタテジマ姿は見納めになるかもしれない。
最後まで精彩を欠いた。敗者の通路を歩く、その表情は険しかった。来日 6年目。阪神と 1年契約を結んでいたマートンが今季限りで退団することが濃厚となった。
球団幹部が｢新監督がマートンの残留を望めば別だけど…｣と構想外に位置づけていることを明かした。
4回、安部の打球をグラブで弾いたマット・マートン外野手。守備でのミスが最後でも出た＝阪神甲子園球場
フロントは和田監督が退任することから来季に向け、金本知憲氏(47)に監督要請している。当然、Ｍ砲の去就の最終的な判断は新たな指揮官の意向を聞いた上でになる。ただ、成績やプレーの質、現状 390万ドル(約 4億5000万円)という球団外国人最高額の年俸を踏まえれば、契約更新の選択肢は考えにくい状況だ。
今年は春先からストライクゾーンの判定にいら立つシーンが目立った。不安定なメンタル面とリンクするように期待された打撃も低迷した。 8月下旬には打率を 3割近くまで上昇させたが、大事な優勝争いの時期に再び精神的なもろさを露呈。結局、 140試合に出場し、打率 0.276、 9本塁打、59打点でレギュラーシーズンを終えた。
4回、広島・安部の安打をエラーし、 2塁に送球するマット・マートン外野手＝阪神甲子園球場
同時に守備でも首脳陣を悩ませてきた。この日も、 2点ビハインドの 4回二死 1塁で安部の左前への打球をファンブル。 2、 3塁にピンチを広げ、直後に先発・藤浪が 2点打を浴びた。勝てば、ＣＳ進出が決まる一戦で致命的なミスが響いた。試合後は通訳を伴わず、｢オツカレサマデシタ｣とだけ言葉を残した。
マートンは2010年に当時の日本記録となるシーズン最多安打( 214安打)をマーク。タイトルは最多安打を 3度、首位打者を 1度獲得した。ファンからも愛された人気者だったが、タテジマを脱ぐ可能性は極めて高くなった。
球団は今季 9勝ながら先発ローテの軸を担ったランディ・メッセンジャー投手には契約 3年目の球団オプションを更新する方針だ。ゴメスも契約 2年目の球団オプションがあるが、こちらは流動的。また、守護神の呉昇桓投手は 2年契約が切れるため、残留交渉を行う見通し。しかし、すでに年俸 3億円と高額でマネーゲームは控える方向だ。
阪神一筋19年、関本賢太郎内野手が、本拠地甲子園で 4万6843人の虎ファンに見守られ、別れを告げた。
この日は 6点を追う 8回二死 1塁の場面で代打出場し黒田相手に投手ゴロ、その後 3塁の守りについた。
試合を勝利で飾れなかったが、引退セレモニーが行われ、あいさつを行った。｢大好きな野球を続けてこれたのも皆さんの支えがあったからこそ。いいときも悪いときも家族、友人、知人ありがとう。大きく産んでくれ、いつも応援してくれるお父さん、お母さんありがとう。僕の両親は、僕がプロ野球選手になることが夢でした。19年間、必死にもがいてきましたけど、少しは親孝行できたんじゃないかなと思います｣と言葉をつないだ。
引退セレモニーで阪神ナインから胴上げされる関本賢太郎内野手＝阪神甲子園球場
バイプレーヤーとしてチームを支えてきた男らしく裏方への感謝も忘れなかった。｢19年間、トレーナーさん(医療の)先生、打撃投手を務めてくれた皆さん、スコアラーさん、いつも最高のコンディションをつくってくれた阪神園芸の皆さん、みなさんの支えあってここまでこれました｣。
もちろん、お立ち台でファンを沸かせてきた名フレーズも忘れていなかった。｢阪神タイガース、背番号『３』、関本賢太郎はユニホームを脱ぎますが、第 2の人生はみなさんの声援を胸に必死のパッチで頑張っていきたいと思っています。いつか甲子園に帰ってきたい｣と声を張り上げ、野球指導者への意欲も示していた。
あいさつを終えると広島の新井貴、鳥谷らから花束が贈られた。関本の愛息２人もグラウンドに現れ、涙の抱擁をかわした。関本は、紙テープが舞う中、場内を一周。チームメートから胴上げされ、心地よく甲子園の夜空に向かって舞った。
関本賢太郎内野手、お疲れさま。ファンに別れを告げた背番号｢３｣は、ナインによって 3度宙に舞った＝阪神甲子園球場
今季限りでの現役引退を表明していた関本賢太郎内野手が 4日の今季最終戦広島戦(甲子園)の 8回二死 1塁の場面に代打で出場し、投ゴロの後は、 3塁の守備にもついた。試合後に引退セレモニーが行われ、ファンに別れのあいさつ。チームがクライマックスシリーズ(ＣＳ)に進出した場合はベンチ入りして、最後の仕事をこなす。
無数の紙テープと自身の応援歌、虎党の涙にも包まれ、ゆっくりと場内に手を振った。どれだけ愛されてきたのか、はっきりと証明された一日。虎一筋19年の関本は得意のフレーズを使って、甲子園に別れを告げた。
｢小学 1年生から始めた野球一筋の31年。この聖地甲子園で、これだけ多くのファンの前で引退できることが幸せです。これからの第二の人生、支えていただいた気持ちを胸に、必死のパッチで励んで参ります｣
関本賢太郎内野手は 2人の息子から花束を受け取り、親子そろって涙、涙…＝阪神甲子園球場
最後の出番は 8回二死 1塁。いつも以上の関本コールに迎えられた。｢ありがとう｣。そうつぶやいて向かった通算3481打席目は投ゴロ。脱帽して声援に応えると、サプライズで 3塁の守備へ向かった。
｢(歓声が)きょうは聞こえた。最後の最後で聞こえた｣
普段は集中して歓声が耳に届かない。この日は特別だった。｢(頭の中が)ぶっ飛んでた｣。打撃フォームの注意点や狙い球も考えられなかった。試合前は｢普通なんよな。ぐっすり寝た｣と笑顔。試合中の準備も自然体だったが、19年分の思いが詰まった打席で、ついに自分を見失った。
この日は家族と親族、知人を十数人も招待した。妻・恵さん(35)は振り返る。｢子どもが、プロ野球選手だと分かる年になるまで続けることをずっと目標にしていました｣。物心つくと、自然とバットとボールで遊んだ13歳と10歳の 2人は、もう立派な野球少年。親子の会話は野球ばかりだ。
8回、代打に起用された関本賢太郎内野手は投ゴロに倒れた＝阪神甲子園球場
助言を求める息子の相談や練習の誘いは絶対に断らない。部屋での素振り、バッティングセンター。疲れた体で、時間があれば付き合った。愛妻から｢家では絶対にイライラしない｣と頼りにされるパパ。今季も辛い顔は見せなかった。だからこそ、引退を告げた瞬間に子どもたちは｢ホンマに？ ホンマに？｣と、何度も聞き返したという。
まだできる－。周囲もそう思った。ユーティリティープレーヤーとして、代打の切り札として、虎の歴史に名を刻んだ男は惜しまれながら、虎党に約束。釣り仲間の藤浪も泣いていた。
｢いつか、甲子園に帰ってきたいと思います｣
別れのあいさつと同時に、わずかに可能性が残されたポストシーズンに向けて準備を始めた。
★関本賢太郎(せきもと・けんたろう)：内野手。1978年(昭和53)年 8月26日生まれ、37歳。奈良県出身。天理高校から1997年ドラフト 2位で阪神入団。2005年には阪神のリーグ優勝に貢献。近年は代打の切り札として活躍。今季は55試合に出場し42打数11安打、10打点、打率 0.262。通算成績は1272試合に出場、2905打数 807安打、48本塁打、 312打点、打率 0.278。 1メートル86、96キロ。右投げ右打ち。年俸6000万円。背番号｢３｣。
ついに虎軍の今年は終わった…。残りは、広島の勝負結果を待つだけになってしまった。ＣＳに出られたら良いのだけれど…。
2015年 公式戦 日程と結果(10月)
10月 4日現在順位表
10月 4日現在対戦表
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