西岡アキレス腱断裂で今季絶望…狩野、代打でバックスクリーン左へ２号ソロ！青柳２敗…６回途中４失点

●20日阪神甲子園球場で阪神－巨人16回戦が行われ、巨人は 2回、併殺を狙う 1塁カバーで阪神青柳が捕球できない失策の間に先制。阪神はその裏、西岡の適時打で同点に戻した。阪神は 9回に狩野が 2号ソロを放ったが、反撃もそこまで。同一カード 3連敗を喫した。巨人は 4連勝で貯金｢２｣。
●西岡剛内野手(31)が痛恨のアクシデントで退場した。 1点を追う 2回二死 3塁、巨人田口から左翼線へ適時打を放つ。 1塁手前で転倒。 1塁ベースになんとかたどりついたが、うつぶせの状態で動くことができず、担架で運ばれて退場した。西岡は今シーズン、 4月下旬に左太もも裏を痛めてリハビリを行っていた。尼崎市内の病院で左アキレス腱断裂と診断された。調子を上げてきた 1番打者の今季中の復帰は絶望的。2013年は 122試合に出場したが、2014年の開幕直後には、巨人戦(東京Ｄ)で 2回の守備中、福留と交錯し、鼻骨骨折と左肩鎖(けんさ)関節臼、胸部打撲と脳しんとうで入院し、長期離脱。2014年オフには右肘の遊離軟骨除去手術を受け、2015年 5月には右肘屈筋筋挫傷と診断された。今季も 4月24日に左太もも裏の強い張りを訴え、登録を抹消されていた。
●マウロ・ゴメス内野手(31)が打撃不振のため、 6月20日のオリックス戦(甲子園)以来となるスタメン落ち。試合前、フリー打撃は行ったが守備練習を回避。 1塁ベンチ近くで高代ヘッドコーチとおよそ10分間、面談した。金本監督は｢原口の方が期待できる｣と説明した。原口文仁捕手(24)がチャンスを生かせなかった。不振のゴメスに代って 5番を任され、 6月20日のオリックス戦(甲子園)以来となる 1塁手での先発出場も、 3回無死 1、 2塁で 2ゴロ併殺打に倒れた。 1回は死球、 5回は四球で出塁して満塁機を作ったが、いずれも得点にはつながらず、悔しがった。
●北條史也内野手(21)がチャンスで打てない。 1回二死満塁で捕邪飛を打ち上げ、 3回二死 3塁では空振り三振に倒れた。 5回一死満塁では、強烈なゴロを打ち返したが、 3塁手の正面で、併殺打。これで得点圏打率は 0.160に下降。
●狩野恵輔外野手(33)が代打本塁打で一矢報いた。 9回一死の場面で代打として登場。巨人山口からフルカウントで迎えた 6球目を振り抜き、バックスクリーン横に 2号本塁打を放った。虎党の“ゲキ”に応えた。 1－ 6で迎えた 9回の攻撃前。右翼席から突然｢六甲おろし｣が鳴り響いた。勝ったときだけ歌うタイガースの球団歌が試合途中で始まった。 1番から 3番まで。声をからして歌い続けたファンに、狩野が白球を届けた。意地の今季 2号ソロで一矢報いた。フルカウントからの 6球目だ。外角に逃げていくシュートを完ぺきに打ち返した。糸を引くように伸びた白球は、甲子園の左中間最深部へ。ギリギリでスタンドに飛び込んだ一撃に、沈んでいた右翼席に活気が戻った。本拠地でファンの期待を裏切り続けているが、声援が止むどころか、敗戦濃厚な状況で｢六甲おろし｣の大合唱。聖地での連敗は 7まで伸びたが、最後まで球場に残り、声援を送ったファンの思いに報いるアーチになった。連日気温が30度を超える今も、変わらない。打球を追って走り回り、汗だくになってバットを振る。限られた打席に全力を注ぐために、妥協はしない。なぜ 9回途中、 5点ビハインドで｢六甲おろし｣の熱唱！？　｢阪神タイガース応援団ＩＴ会｣に所属する国定浩一氏(76＝大阪学院大學大特任教授)が激励の意味と説明した。国定氏によると、10日の広島戦(甲子園)での 0－ 9の 9回に続く、今季 2度目の現象だったという。“抗議”ではなくチームを鼓舞するためだと説明した。
●阪神先発のドラフト 5位ルーキー青柳晃洋投手(22)が 5回 2/3を 4失点(自責 3)で 2敗目を喫した。 2回に自らの失策で先制を許しが、それ以降は粘りの投球。立ち直りかけたが、 6回に巨人村田の勝ち越し適時打を許したところで降板した。虎キラーの田口と、Ｇキラーになろうとしている青柳の投げ合い。内容では縦じまのクオータースローが上回ったが、黒星がついた。金本監督は｢青柳はよく投げました。これはまた次に期待もてる｣と高く評価する。前回、 7日の巨人戦(東京Ｄ)は 7回 1安打無失点でプロ 2勝目。この日も 6回につかまったとはいえ、 7三振を奪う力投を見せた。
●20日タマホーム スタジアム筑後でウエスタンリーグ・ソフトバンク－阪神、20回戦が行われ、掛布雅之 2軍監督(61)が20日、ウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)の試合前にソフトバンク・王貞治球団会長(76)に挨拶し、助っ人らの橋渡し役を務めてチームの士気を高めた。世界の本塁打王は28年ぶりにタテジマに袖を通したミスタータイガースについて｢幸せそうでした｣とニッコリ。試合は 2－ 9で敗れた。球場に到着するなり、掛布 2軍監督が 3塁ベンチを飛び出してグラウンドを横切った。向かった先は 1塁ベンチ前。そこに、ソフトバンクの 2軍視察に訪れた世界の王が立っていた。約 1分間、東西のスターとして球界を彩った“巨星”同士で言葉をかわし、手を握った。王会長は掛布 2軍監督について｢自分の一番やりたいことをやられていて、幸せそうでした｣とほほえんだ。ファームを率いて 1軍の優勝のために汗を流す。この日は 2－ 9と大敗したが、掛布 2軍監督にとっても身の引き締まる一日だったに違いない。
●阪神は20日、京セラドーム大阪で開催する 8月17日の広島戦で、本年度のファンクラブ会員などを対象に、先着2000人にハズレくじ無しの｢TORACO抽選会｣を開催すると発表した。当日はＴＯＲＡＣＯ応援隊長を務めるＮＭＢ４８の薮下柊が来場する。記事をまとめてみました。

　＜阪神 2－ 6巨人、16回戦＞◇20日◇阪神甲子園球場
　巨人は 2回、併殺を狙う 1塁カバーで阪神青柳が捕球できない失策の間に先制。阪神はその裏、西岡の適時打で同点に戻した。
　巨人は 6回、村田が右前適時打を放ち、ギャレットの13号 3ランで 4点を勝ち越した。阪神先発青柳はこの回で途中降板した。
　阪神は 9回に狩野が 2号ソロを放ったが、反撃もそこまで。同一カード 3連敗を喫した。巨人は 4連勝で貯金｢２｣。


　 2回、適時打を放ち、一塁付近で転倒した西岡剛内野手＝阪神甲子園球場

　西岡剛内野手が痛恨のアクシデントで退場した。
　 1点を追う 2回二死 3塁、巨人田口から左翼線へ適時打を放つ。 1塁手前で転倒。 1塁ベースになんとかたどりついたが、うつぶせの状態で動くことができず、担架で運ばれて退場した。
　左足首をサポーターで固定し、車いすに乗ってベンチを後にした。試合直後には、高代ヘッドコーチが｢あんまり(報告を)聞いていないけどアキレスけんを押さえているように見えた｣と説明。左足のアキレスけん断裂で今季絶望の重傷だ。西岡は今シーズン、 4月下旬に左太もも裏を痛めてリハビリを行っていた。


　 2回裏阪神二死 3塁、左翼線へ同点適時打を放つも 1塁でバランスを崩し動けなくなった西岡剛内野手＝阪神甲子園球場

　西岡剛内野手が20日の巨人戦(甲子園)で左足を負傷し、尼崎市内の病院で左アキレス腱断裂と診断された。調子を上げてきた 1番打者の今季中の復帰は絶望的。
　西岡は2013年の阪神移籍後、毎シーズン故障に泣かされ、フル出場したことはない。2013年は 122試合に出場したが、2014年の開幕直後には、巨人戦(東京Ｄ)で 2回の守備中、福留と交錯し、鼻骨骨折と左肩鎖(けんさ)関節脱臼、胸部打撲と脳しんとうで入院し、長期離脱。2014年オフには右肘の遊離軟骨除去手術を受け、2015年 5月には右肘屈筋筋挫傷と診断された。
　今季も 4月24日に左太もも裏の強い張りを訴え、登録を抹消されていた。


　 9回、中飛に倒れたマウロ・ゴメス内野手＝阪神甲子園球場

　マウロ・ゴメス内野手が打撃不振のため、 6月20日のオリックス戦(甲子園)以来となるスタメン落ち。試合前、フリー打撃は行ったが守備練習を回避。 1塁ベンチ近くで高代ヘッドコーチとおよそ10分間、面談した。｢野球のことを話した。技術的なことというよりも精神的なこと。どうやったらリラックスできるか｣。 9回代打で登場も中飛。金本監督は｢原口の方が期待できる｣と説明した。


　 8回、バットを折られて投ゴロに倒れた原口文仁捕手＝阪神甲子園球場

　原口文仁捕手(24)がチャンスを生かせなかった。不振のゴメスに代って 5番を任され、 6月20日のオリックス戦(甲子園)以来となる 1塁手での先発出場も、 3回無死 1、 2塁で 2ゴロ併殺打に倒れた。
　｢チャンスで打てないようだと、こういう展開になってしまう。流れを持ってこれるように、もっと集中してやっていきたい｣。 1回は死球、 5回は四球で出塁して満塁機を作ったが、いずれも得点にはつながらず、悔しがった。


　 5回一死満塁で併殺打に倒れた北條史也内野手。チャンスで打ちたい＝阪神甲子園球場

　北條史也内野手がチャンスで打てない。 1回二死満塁で捕邪飛を打ち上げ、 3回二死 3塁では空振り三振に倒れた。 5回一死満塁では、強烈なゴロを打ち返したが、 3塁手の正面で、併殺打。これで得点圏打率は 0.160に下降｢( 3塁手の正面をついたのは)しようがないので、前向きにやっていきます｣。勝負弱いというレッテルを早くはがしたい。

 
　 9回裏阪神一死、代打で左中間にソロ本塁打を放った狩野恵輔外野手＝阪神甲子園球場

　狩野恵輔外野手が代打本塁打で一矢報いた。 9回一死の場面で代打として登場。巨人山口からフルカウントで迎えた 6球目を振り抜き、バックスクリーン横に 2号本塁打を放った。


　 9回、負けているのに｢六甲おろし｣の大合唱が起こった右翼席。応援団がゲキ＝阪神甲子園球場

　虎党の“ゲキ”に応えた。 1－ 6で迎えた 9回の攻撃前。右翼席から突然｢六甲おろし｣が鳴り響いた。勝ったときだけ歌うタイガースの球団歌が試合途中で始まった。 1番から 3番まで。声をからして歌い続けたファンに、狩野が白球を届けた。意地の今季 2号ソロで一矢報いた。
　｢どんな場面でも打たないといけないから｣
　出番は 9回一死走者なし。代打のコールを受けて 5番手・山口と対戦すると、フルカウントからの 6球目だ。指 2、 3本分短く持ったバットで、外角に逃げていくシュートを完ぺきに打ち返した。糸を引くように伸びた白球は、甲子園の左中間最深部へ。ギリギリでスタンドに飛び込んだ一撃に、沈んでいた右翼席に活気が戻った。


　 9回、意地の一発を左中間に運んだ狩野。歯を食いしばって打った＝阪神甲子園球場

　本拠地でファンの期待を裏切り続けているが、声援が止むどころか、敗戦濃厚な状況で｢六甲おろし｣の大合唱。聖地での連敗は 7まで伸びたが、最後まで球場に残り、声援を送ったファンの思いに報いるアーチになった。
　｢今年34歳の若手｣
　笑って自分のことをそう話す。阪神在籍16年目は野手では最長だが、ベテランの動きはしない。ルーキー高山をはじめ、江越に緒方、中谷ら、若手が特に多い外野陣の中で、常に若手に交じって同じメニューをこなす。それも、室内練習場で入念にアップをしてから。


　 9回、本塁打を放ちマウロ・ゴメス内野手(左)とハイタッチを交わす狩野恵輔捕手＝阪神甲子園球場

　｢この暑さはキツイよ。でも、動かんと太るし、動けなくなる｣
　連日気温が30度を超える今も、変わらない。打球を追って走り回り、汗だくになってバットを振る。限られた打席に全力を注ぐために、妥協はしない。
　後半戦初打席で、 6月 1日の楽天戦(コボスタ宮城)以来の今季 2号。常に結果を求められる“ひと振り家業”を続ける男はいった。
　｢また次です｣
　後半戦は始ったばかり。ファンより先に、諦めたりはしない。

　なぜ 9回途中、 5点ビハインドで｢六甲おろし｣の熱唱！？　｢阪神タイガース応援団ＩＴ会｣に所属する国定浩一氏が激励の意味と説明した。
　｢ 9回は団長が指揮を執るのですが、最後の最後まで絶対に諦めないという気持ちを選手に届けたい、そして、ファンの方に楽しんでもらいたい、そういう意味だと思います｣
　国定氏によると、10日の広島戦(甲子園)での 0－ 9の 9回に続く、今季 2度目の現象だったという。この日は指定席の右翼席ではなく、大阪府内の自宅でのテレビ観戦だったが、“抗議”ではなくチームを鼓舞するためだと説明した。
　｢人生も一緒。絶対に諦めたらアカン。たとえゴメスが打てなくても試合が終われば責めません。明日に向けて応援する。それが応援団です｣
　右翼席の思いを代弁していた。

★六甲おろし(颪)：阪神タイガースの球団歌で正式名称は｢阪神タイガースの歌｣。作詞は佐藤惣之助、作曲は古関裕而。球団創設時の1936年に｢大阪タイガースの歌｣として発表され、1961年に球団名変更の際に改題。プロ野球12球団の球団歌においては最も古い楽曲。主にチームの勝利時に歌われる。

 

　阪神先発のドラフト 5位ルーキー青柳晃洋投手＝阪神甲子園球場

　阪神先発のドラフト 5位ルーキー青柳晃洋投手が 5回 2/3を 4失点(自責 3)で 2敗目を喫した。
　 2回に自らの失策で先制を許しが、それ以降は粘りの投球。立ち直りかけたが、 6回に巨人村田の勝ち越し適時打を許したところで降板した。
　｢ 2回は併殺だったところを自分のミスで点を与えてしまい、チームに迷惑をかけてしまったことが今日のゲームで一番大きかった。 6回も坂本選手への四球から失点してしまい、坂本選手をしっかりとアウトに打ち取っていれば点は入っていなかったのかなと思います。今日は自分のミスから失点してしまったことがすべてでした｣


　粘って投げていた青柳晃洋投手だが、 6回途中 4安打 4失点で 2敗目を喫した＝阪神甲子園球場

　虎キラーの田口と、Ｇキラーになろうとしている青柳の投げ合い。内容では縦じまのクオータースローが上回ったが、黒星がついた。
　｢先制点は自分のエラーから。 6回は坂本さんへの四球。自分のミスから失点している｣
　 2回無死 1、 2塁でギャレットを 1ゴロに仕留めた。 3－ 6－ 1の併殺完成…と思った瞬間、鳥谷からの送球を捕球しそこない(失策)、 1点を献上してしまった。
　 1－ 1の 6回は一死から坂本を歩かせ二死後、阿部の中前打で 1、 2塁。その後、村田に右前にポトリと落とされた。再びリードを許し降板。 2番手・高橋がギャレットに 3ランを浴び、とどめを刺される場面はベンチで見た。
　阿部、村田とも初球を打たれた。しかし、青柳は｢全力で勝負した結果。不用意な球じゃないので悔いはない｣と胸を張る。味方打線は 3併殺など、拙攻に次ぐ拙攻。ストレスがたまる中、踏ん張り切れなかったことだけに悔しさが残った。
　金本監督は｢青柳はよく投げました。これはまた次に期待もてる｣と高く評価する。前回、 7日の巨人戦(東京Ｄ)は 7回 1安打無失点でプロ 2勝目。この日も 6回につかまったとはいえ、 7三振を奪う力投を見せた。

◆データＢＯＸ◆
◎…阪神は 6月28日のＤｅＮＡ戦で勝ったのを最後に、甲子園で７連敗。これは2002年 5月 1日の中日戦～同22日の巨人戦以来。ちなみに、球団ワーストは1998年 5月 7日の中日戦～ 6月12日の広島戦の12連敗。今季甲子園では15勝24敗 1分けと負け越しており、シーズンで負け越しとなると2013３年(28勝29敗 3分け)以来となる。



　ウエスタンリーグ＜ソフトバンク 9－ 2阪神、20回戦＞◇20日◇タマホーム スタジアム筑後
　掛布雅之 2軍監督(61)が20日、ウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)の試合前にソフトバンク・王貞治球団会長(76)に挨拶し、助っ人らの橋渡し役を務めてチームの士気を高めた。世界の本塁打王は28年ぶりにタテジマに袖を通したミスタータイガースについて｢幸せそうでした｣とニッコリ。試合は 2－ 9で敗れた。
　球場に到着するなり、掛布 2軍監督が 3塁ベンチを飛び出してグラウンドを横切った。向かった先は 1塁ベンチ前。そこに、ソフトバンクの 2軍視察に訪れた世界の王が立っていた。
　｢久しぶりにお会いしたからね。『やっぱりユニホームはいいだろ？　グラウンドはいいだろ？　』と声をかけていただいたよ｣


　掛布雅之 2軍監督(右)が橋渡しをしてペレス(左)、ヘイグ(右から 2人目)がソフトバンクの王貞治球団会長(左から 2人目)と記念写真＝タマホーム スタジアム筑後

　約 1分間、東西のスターとして球界を彩った“巨星”同士で言葉をかわし、手を握った。阪神ベンチも王会長の姿に独特の緊張感が漂う。中でも、ペレスとヘイグは｢世界の王｣との橋渡しを将に懇願し、記念撮影に成功。ゴメスが不振でも 1軍から声がかからない状況とあり、大きな刺激を受けていた。
　王会長は掛布 2軍監督について｢自分の一番やりたいことをやられていて、幸せそうでした｣とほほえんだ。
　28年ぶりにタテジマに復帰し、ファームを率いて 1軍の優勝のために汗を流す。この日は 2－ 9と大敗したが、掛布 2軍監督にとっても身の引き締まる一日だったに違いない。