●28日西武プリンスドームで西武-北海道日本ハム25回戦が行われ、北海道日本ハム大谷は 3回まで西武打線を無安打に抑える順調な立ち上がり。西武菊池も走者は出すが、粘りの投球で 3回まで無失点。北海道日本ハムは 4回にレアードの左翼席への39号ソロで先制。北海道日本ハム大谷は 9回を投げきり、今季最多となる15奪三振の完封勝利で10勝目。チームを 4年ぶりのリーグ優勝に導いた。 4年ぶりにパ・リーグの覇権を奪回した北海道日本ハム栗山英樹監督(55)が、今季の大逆転劇を「北の国から 2016 伝説 (誰もあきらめなかった)」と名付けた。今季は首位を快走していたソフトバンクと最大11.5ゲーム差を離される展開。 619日から始まった球団新記録の15連勝などで猛追し、最後はかわして自身にとっても 2度目のリーグ制覇を成し遂げた。 4年ぶりにパ・リーグの頂点に返り咲いた。北海道日本ハム栗山英樹監督が、就任 5年目で 2度目のリーグ優勝を果たした。 1年目の2012年とはひと味違う満願のリーグ制覇。 4番中田に代打起用、守護神増井の先発転向-。決して順風満帆ではなかったシーズンを英断の連続で乗り切った。夏には所有する軽トラックが事故で廃車になった。2012年の優勝パレードでは、荷台に乗って沿道に手を振った。思い出深い“愛車”だった。同車種探しは難航したが、今月ようやく納車された。新たな相棒の“初仕事”は、優勝パレードになりそうだ。 4年前、巨人に敗れた悔しさ。感動のドラマには、まだ続きがある。
● 4年ぶりにパ・リーグの頂点に返り咲いた。北海道日本ハム栗山英樹監督が、就任 5年目で 2度目のリーグ優勝を果たした。 1年目の2012年とはひと味違う満願のリーグ制覇。奇跡を完結させた。北海道日本ハム大谷翔平投手(22)が、歓喜の真ん中で両腕を突き上げた。超高校級と騒がれても日本一になれなかった。それはもう、過去のことだ。フォークの調子が上がらない中、スライダーを生命線に配球を組み立てた。最速も 159キロ。力ではなく技と頭脳で、今季最多15個の三振を積み上げた。先発ローテを外れた時期もあったが、防御率は1.86、この日 3年連続 2桁勝利にも到達した。打撃でも打率 3割 2分 2厘、22本塁打。何より、シーズン残り 2試合の土壇場で、チームを頂点へと導く最高の投球を見せた。
●西武最終戦(西武プリンスドーム)に 1- 0で勝ち、ソフトバンクとの最大11.5ゲーム差をはね返し、20122年以来 4年ぶり 7度目(前身の東映時代を含む)のパ・リーグ優勝を飾った。先発した大谷翔平投手は 1安打 1四球しか許さず、優勝決定試合で単独投手として初の 1- 0完封を飾り、同じく史上最多の15奪三振。プロ野球史上初となる「10勝& 100安打&20本塁打」も達成し、二刀流を成就。MVPも文句なしだ!! 9回二死一塁。左翼・西川遥輝外野手(24)のグラブに、外崎(とのさき)の打球が収まる。最後まで守り切ったマウンドで、両手を高く掲げた。優勝へのマジックナンバー「1」で迎えた先発登板。高校時代に出場した甲子園では 2年夏、 3年春とも 1回戦敗退。願ってもかなわなかった頂点を決める一戦に、胸は高鳴った。優勝決定試合での 1- 0完封は、単独投手では初。15奪三振も最多、 1安打完封は戦後初。歴史に名を残す快投を演じた。大一番で 3年連続 2桁勝利に到達。10勝& 100安打&20本塁打-。世界でたった一人、大谷にしかできない快挙で、自身初の優勝に花を添えた。リーグMVP受賞もほぼ確実だ。最大11.5ゲーム差を逆転したミラクルと同時に、二刀流の完成という新たなページを歴史に刻んだ。大谷が紡ぐ物語は、まだ道の途中だ。
●選手を信じ抜き、 4年ぶりの美酒-。日本ハムは最大11.5ゲーム差をはね返し、王者ソフトバンクとのデッドヒートを制した。故三原脩・元西鉄監督(満72歳没)を尊敬する栗山英樹監督(55)は、故人が西鉄監督時代の1958年に成し遂げた逆転Vを再現。北海道日本ハムは10月12日からのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(札幌ドーム)で、ファーストステージ勝者と対戦。10年ぶり 3度目の日本一を目指す。昨年はソフトバンクに12ゲーム差を付けられての 2位。今年も 6月24日に11.5ゲーム差を付けられたが、諦めることなく食らいついた。さまざまな手を打って局面打開を図ってきた。最大の妙手は 7月、不調の守護神・増井浩俊投手(32)に新人の2010年以来となる先発転向を命じたことだ。増井は 8月 4日のロッテ戦から破竹の 6連勝。大谷が右手中指のまめと右肘の違和感で、先発ローテーションを外れる中、柱としてチームの危機を救った。2011年オフに監督に就任した際、巨人や西鉄(現西武)など計 5球団の監督を歴任し、『魔術師』と呼ばれた名将、故三原脩氏にあやかって、故人がヤクルト監督時代につけた背番号「80」を選んだ。会ったことはないが、「神様」と傾倒する。三原氏が日本ハム球団社長を務めていたときのエピソードにひかれた。試合に勝つだけではなく、野球ファンを喜ばせたい。その思いに共感した。11.5ゲーム差からの逆転優勝はパ・リーグでは 2番目。三原氏は西鉄を率いていた1958年に、ソフトバンクの前身である南海を相手に11ゲーム差をひっくり返して優勝している。それから58年。『栗山魔術』がパ・リーグを席巻した。
● 4年ぶり 7度目の優勝を決めた北海道日本ハムがビールかけを行った。選手会長の大野奨太捕手(29)が壇上に立ち乾杯の音頭を取った。あいさつの間、気持ちのはやる選手らに大野が何度も「まだですよ」と制するなど大盛り上がりを見せた。北海道日本ハム・ナインが歓喜のビールかけに酔いしれた。試合後に都内のホテルに移動。大野選手会長の「なまら最高~」のかけ声で、スタートした。栗山英樹監督は「祝 おめでとう」と書かれたタスキをかけて参加。 4年ぶりのビールかけが、うれしそうだった。記事をまとめてみました。
<西武 0- 1北海道日本ハム、25回戦(北海道日本ハム14勝11敗)>◇28日◇西武プリンスドーム
北海道日本ハム大谷は 3回まで西武打線を無安打に抑える順調な立ち上がり。西武菊池も走者は出すが、粘りの投球で 3回まで無失点。
北海道日本ハムは 4回にレアードの左翼席への39号ソロで先制。西武は 5回に森がチーム初安打を放つも 6回までわずか 1安打で無得点。
北海道日本ハム大谷は 9回を投げきり、今季最多となる15奪三振の完封勝利で10勝目。チームを 4年ぶりのリーグ優勝に導いた。
抱き合う栗山英樹監督(中央右)と大谷翔平投手=西武プリンスドーム
4年ぶりにパ・リーグの覇権を奪回した北海道日本ハム栗山英樹監督が、今季の大逆転劇を「北の国から 2016 伝説 (誰もあきらめなかった)」と名付けた。
今季は首位を快走していたソフトバンクと最大11.5ゲーム差を離される展開。 619日から始まった球団新記録の15連勝などで猛追し、最後はかわして自身にとっても 2度目のリーグ制覇を成し遂げた。
8月には本拠地を置く北海道が未曽有の台風被害にもあった。「北海道のみなさんが災害などで苦しんだけど、あきらめないんだよ。だからこそ、野球であきらめることは絶対にダメなんだ。苦しんでいる人たちにとって、この優勝が少しでも癒やしになれば」と、願っていた。
パ・リーグを制しお立ち台でファンの声援に応える栗山英樹監督=西武プリンスドーム
4年ぶりにパ・リーグの頂点に返り咲いた。北海道日本ハム栗山英樹監督が、就任 5年目で 2度目のリーグ優勝を果たした。 1年目の2012年とはひと味違う満願のリーグ制覇。 4番中田に代打起用、守護神増井の先発転向-。決して順風満帆ではなかったシーズンを英断の連続で乗り切った。
体をぶつけるたびに、涙があふれた。栗山監督は、全員を抱きしめた。最後まで信じた選手たち。その手で、 8度舞った。「感動しました。ファイターズの選手たちは北海道の誇りです]。最大11.5ゲーム差からの大逆転。指揮官ならではのタイトルをつけた。「『北の国から2016 伝説(誰もあきらめなかった)』だね」。最高の“キャスト”に支えられ、 142試合目で感動のフィナーレを迎えた。
革新的に攻め続けた。大きな決断の連続だった。 6月、不振だった中田に代打を送った。2012年の日本シリーズでは骨折していても外さなかった 4番。ベンチに下げ、以降 2試合も欠場させた。
優勝し胴上げされる北海道日本ハム栗山英樹監督=西武プリンスドーム
投手陣にも、次々と手を打った。調子が上がらなかった守護神・増井の先発転向。終盤戦にはマーティン離脱にともなって吉川をリリーフで起用した。すべて、チームの、選手のためだと考えた。
今でも忘れない。昨年 7月15日のソフトバンク戦。 2.5ゲーム差を追う直接対決で、大谷を中継ぎ待機させた。本気で使うつもりだった。バンデンハークをKOし、 5回を終わって 1点のリード。だが、大谷の名がコールされることはなかった。実はこの日の朝、首を寝違えたと報告があった。重傷ではなかったが、悩んだ末、自重した。試合は逆転負け。この日を境にチームは下降線をたどり、最後は12ゲームも引き離された。「いまでもトラウマみたいになっている」。大きな決断の根底には、昨年の苦い経験があった。
夏には所有する軽トラックが事故で廃車になった。2012年の優勝パレードでは、荷台に乗って沿道に手を振った。思い出深い“愛車”だった。同車種探しは難航したが、今月ようやく納車された。新たな相棒の“初仕事”は、優勝パレードになりそうだ。「選手たちが一番、日本シリーズに置いてきた忘れ物を感じてくれていると思う。そこを目指してやっていきます」。 4年前、巨人に敗れた悔しさ。感動のドラマには、まだ続きがある。
完封でリーグ優勝を決め、ガッツポーズする大谷翔平投手(中央)と喜ぶ栗山英樹監督(奥右から 3人目)ら北海道日本ハムベンチ=西武プリンスドーム
4年ぶりにパ・リーグの頂点に返り咲いた。北海道日本ハム栗山英樹監督が、就任 5年目で 2度目のリーグ優勝を果たした。 1年目の2012年とはひと味違う満願のリーグ制覇。
奇跡を完結させた。北海道日本ハム大谷翔平投手が、歓喜の真ん中で両腕を突き上げた。「最後まで投げられてよかった。0に抑えることだけを考えました」。わずか 1安打の完封劇。最大11.5ゲーム差からの大逆転劇を、圧倒的な存在感で締めくくった。
超高校級と騒がれても日本一になれなかった。それはもう、過去のことだ。「冷静でしたし、自分を制御しながらできました」。フォークの調子が上がらない中、スライダーを生命線に配球を組み立てた。最速も 159キロ。力ではなく技と頭脳で、今季最多15個の三振を積み上げた。
優勝を決め抱き合う北海道日本ハム・大谷翔平投手=西武プリンスドーム
米アリゾナキャンプ中の 2月 6日。栗山監督に呼ばれ、 2年連続となる開幕投手を言い渡された。その席で、思わぬ言葉をかけられた。「オレに手紙を書きなさい」。昨年は手紙で開幕投手を伝えられた。今度は、逆だ。手元に紙が用意された。突然求められたものだった。だが大谷は迷うことなく、今季の目標、そのためにしなければならないことをしたためたという。
同監督は常々「生き様として、自分との約束は絶対に守らなければいけない」と言う。大谷にも覚悟を決めさせ、自分自身と約束するという作業をさせたかった。先発ローテを外れた時期もあったが、防御率は1.86、この日 3年連続 2桁勝利にも到達した。打撃でも打率 3割 2分 2厘、22本塁打。何より、シーズン残り 2試合の土壇場で、チームを頂点へと導く最高の投球を見せた。あの日誓った約束を、最後まで守り通した証しだった。
大谷:重圧がかかるマウンドは成長するポイントだと思う。優勝を決められて、最後まで投げられた。まだまだ成長できる要素になる。
たどり着いた場所は、ゴールではない。この日の喜びが、大谷翔平をさらに大きくする。
歴史を作った男たちの中心には、やはり大谷翔平投手。 1安打完封、15奪三振。史上初の「10勝& 100安打&20本塁打」。二刀流は間違いではなかった!!=西武プリンスドーム
伝説が生まれた。北海道日本ハムは28日、西武最終戦(西武プリンスドーム)に 1- 0で勝ち、ソフトバンクとの最大11.5ゲーム差をはね返し、2012年以来 4年ぶり 7度目(前身の東映時代を含む)のパ・リーグ優勝を飾った。先発した大谷翔平投手は 1安打 1四球しか許さず、優勝決定試合で単独投手として初の 1- 0完封を飾り、同じく史上最多の15奪三振。プロ野球史上初となる「10勝& 100安打&20本塁打」も達成し、二刀流を成就。MVPも文句なしだ!!
その右腕で、伝説を作り上げた。 9回二死一塁。左翼・西川のグラブに、外崎(とのさき)の打球が収まる。最後まで守り切ったマウンドで、両手を高く掲げた。
「うれしいです! 相手の先発は(花巻東高の先輩)雄星さんで、僕的には特別な感覚。勝つのには、最高のシチュエーションでした」
先発した北海道日本ハム・大谷翔平投手=西武プリンスドーム
優勝へのマジックナンバー「1」で迎えた先発登板。試合前、厚沢ベンチコーチに「大丈夫か」と声を掛けられると、「こんな最高の舞台を用意してくれて、ありがとうございます!」。高校時代に出場した甲子園では 2年夏、 3年春とも 1回戦敗退。願ってもかなわなかった頂点を決める一戦に、胸は高鳴った。
マウンドでは冷静。「フォークボールは(スタンドに)持っていかれる可能性が高い」。最速 159キロの直球とスライダーで、スタイルを変えた。走者は 5回一死から森に許した右前打と、 9回の上本の四球だけ。レアードの本塁打による 1点を守り抜く。優勝決定試合での 1- 0完封は、単独投手では初。15奪三振も最多、 1安打完封は戦後初。歴史に名を残す快投を演じた。
先発した北海道日本ハム・大谷翔平投手=西武プリンスドーム
二刀流は、危機に立たされていた。
7月 3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。「 1番・投手」で初回先頭打者本塁打&勝利投手。 1カ月前から、コーチ会議で熟考を重ねた策が実り、二刀流は完成形を示したかにみえた。
ところが 1週間後。同10日のロッテ戦(札幌ドーム)で右手中指のまめを潰した。同24日に救援登板後、右肘に違和感を覚え、投球フォームが崩れた。栗山監督は決断する。
「優勝のために、打者でしばらくいくぞ。チームを勝たせろ」 受け入れたものの、葛藤はあった。「投げられるのに、投球フォームのせいで投げさせてもらえない…」。周囲に思わぬ弱音を吐いた。
5回、西武・栗山を三振に斬りガッツポーズする先発の北海道日本ハム・大谷翔平投手=西武プリンスドーム
悔しさを支えたのも、やはり「二刀流へのこだわり」だった。有原ら先輩投手に「 1週間に 1日しか投げないなんて、暇じゃないですか?」と言ってはばからない、根っからの野球少年。投げられず、DHでベンチにいる時間が長い分、率先して声を張り上げ、ムードメーカー役を担った。
9月 7日に投手として復帰すると、13日のオリックス戦(札幌ドーム)で、プロ野球最速を更新する 164キロをマーク。そしてこの日。「打者・大谷」でしかほとんど見せない笑顔を、マウンドで何度も見せた。大一番で 3年連続 2桁勝利に到達。10勝& 100安打&20本塁打-。世界でたった一人、大谷にしかできない快挙で、自身初の優勝に花を添えた。リーグMVP受賞もほぼ確実だ。
「優勝を決める試合で、最後まで投げられた。成長できると思う。今までで一番、最高の一日です」
最大11.5ゲーム差を逆転したミラクルと同時に、二刀流の完成という新たなページを歴史に刻んだ。次は、入団時に目標に掲げた「日本一」-。大谷が紡ぐ物語は、まだ道の途中だ。
優勝を決めガッツポーズの北海道日本ハム・大谷翔平投手=西武プリンスドーム
★ファンも酔った 北海道日本ハムの劇的な逆転優勝に、埼玉・所沢市の西武プリンスドームに集まったファンも酔いしれた。札幌市から友人と駆け付けた大学生の田口奈々さん(19)は 2日続けて応援。「うれしくて、ぼうっとしている。今年のMVPは大谷選手。今日も一人で頑張って投げてくれた」と感無量の表情だった。20年来のファンという東京・練馬区の男性会社員(39)は「栗山監督じゃなきゃここまで来られなかった。起用法がすごかった」とたたえた。
▼大谷が15三振を奪ってプロ初の 1安打完封勝ち。15奪三振以上で1安打以下の完封勝利は、16三振で完全試合の1968年 9月14日外木場(広島)16三振で 1安打完封の2001年 5月24日野口(中日)に次いで史上 3人目。パ・リーグでは初めてだ。リーグ優勝決定試合(プレーオフは除く)で完封勝ちは1995年 9月30日ブロス(ヤクルト)以来で、 1安打完封勝ちは 1リーグ時代の1943年10月31日藤本(巨人)に次いで73年ぶり 2人目の快挙。リーグ優勝決定試合で15奪三振は最多となった( 2桁奪三振の完封は 4人目)。大谷は今季10勝目。「 2桁勝利+ 2桁本塁打」は、大谷自身が2014年(11勝、10本)に記録して以来史上 2度目だが、今年は 104安打。ベーブ・ルースも達成できなかった「 2桁勝利+ 2桁本塁打+ 100安打」をマークした。
◆大谷翔平(おおたに・しょうへい)1994年(平 6) 7月 55日、岩手県生まれ。花巻東から2012年ドラフト 1位で北海道日本ハム入団。2014年は日本プロ野球初の 2ケタ勝利& 2ケタ本塁打。2015年は最多勝、最優秀防御率、最高勝率、ベストナイン。今年 9月13日オリックス戦でプロ野球最速の 164キロをマークした。通算39勝13敗、防御率2.49。打者では通算 229安打、40本塁打、 135打点。 193センチ、92キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸 2億円。背番号「11」。
選手を信じ抜き、 4年ぶりの美酒-。日本ハムは最大11.5ゲーム差をはね返し、王者ソフトバンクとのデッドヒートを制した。故三原脩・元西鉄監督を尊敬する栗山英樹監督は、故人が西鉄監督時代の1958年に成し遂げた逆転Vを再現。北海道日本ハムは10月12日からのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(札幌ドーム)で、ファーストステージ勝者と対戦。10年ぶり 3度目の日本一を目指す。
涙が止まらない。この 1年間一緒に戦ってきた選手たちと熱い抱擁を交わすうちに、熱いものがこみ上げた。選手らに支えられて宙に舞うこと 8度。目を赤くした栗山監督が感無量の面持ちで、ことしの大逆転Vを表現した。
高く、長く舞った 栗山英樹監督は選手の手で 8度宙に舞った。11.5ゲーム差をはね返し、 4年ぶりの頂点に立った=西武プリンスドーム
「『北の国から2016~伝説、誰も諦めなかった』だね。ホント、よかった」
昨年はソフトバンクに12ゲーム差を付けられての 2位。今年も 6月24日に11.5ゲーム差を付けられたが、諦めることなく食らいついた。
「先入観にとらわれない」がモットー。さまざまな手を打って局面打開を図ってきた。最大の妙手は 7月、不調の守護神・増井に新人の2010年以来となる先発転向を命じたことだ。増井は 8月 4日のロッテ戦から破竹の 6連勝。大谷が右手中指のまめと右肘の違和感で、先発ローテーションを外れる中、柱としてチームの危機を救った。
大谷翔平投手と抱擁 二刀流を信じた師弟の二人三脚も完結。栗山英樹監督(右)は大谷翔平投手としっかり抱き合った=西武プリンスドーム
2011年オフに監督に就任した際、巨人や西鉄(現西武)など計 5球団の監督を歴任し、『魔術師』と呼ばれた名将、故三原脩氏にあやかって、故人がヤクルト監督時代につけた背番号「80」を選んだ。会ったことはないが、「神様」と傾倒する。
三原氏が日本ハム球団社長を務めていたときのエピソードにひかれた。「娘婿の中西太さんが監督の時、開幕戦の 1回にバントを多用。それを見て、『こいつは監督はできない』と怒ったんだって」。試合に勝つだけではなく、野球ファンを喜ばせたい。その思いに共感した。
11.5ゲーム差からの逆転優勝はパ・リーグでは 2番目。三原氏は西鉄を率いていた1958年に、ソフトバンクの前身である南海を相手に11ゲーム差をひっくり返して優勝している。それから58年。『栗山魔術』がパ・リーグを席巻した。
ビールかけする淺間大基外野手(左)と西川遥輝外野手
4年ぶり 7度目の優勝を決めた北海道日本ハムがビールかけを行った。
選手会長の大野奨太捕手が壇上に立ち「みなさんお疲れ様です。北海道の皆さん、ファイターズファンの皆さん、優勝おめでとうございます。皆さんの声援が力になりました。関係者の皆さん、監督 、コーチ、スタッフの皆さん、支えていただきありがとうございます。選手の皆さん、おめでとうございます。最高のチームです。CS、日本シリーズもありますが、今夜は忘れましょう。今夜はなまら最高で~す」と乾杯の音頭を取った。
あいさつの間、気持ちのはやる選手らに大野が何度も「まだですよ」と制するなど大盛り上がりを見せた。
祝勝会でビールを豪快にかけられる大谷翔平投手
北海道日本ハム大谷翔平投手が、歓喜の味に浸った。
熱戦を終え、球場から東京都内のビールかけ会場に到着。チームメートから大量のビールを浴びせられ「おいしいです」と大興奮だった。「ファンのみなさんのおかげ。まだまだ頑張りたいです」と日本一へ、頼もしかった。
祝勝会でブランドン・レアード内野手(右)にビールをかけられ、ガッツポーズで喜ぶ栗山英樹監督
北海道日本ハム・ナインが歓喜のビールかけに酔いしれた。試合後に都内のホテルに移動。大野選手会長の「なまら最高~」のかけ声で、スタートした。栗山英樹監督は「祝 おめでとう」と書かれたタスキをかけて参加。「(タスキは)宮西がくれた。うれしいっす」と笑顔。
テレビのインタビューに「自分で言うのもなんだけど、このゲーム差を…」と言いかけると、大野からビールをかけられインタビューが寸断。「(大野)奨太、えらかったよ~。えらかった」と、今季から選手会長兼主将の大役を担った大野をねぎらった。
インタビューの続きを答えようと「一生忘れないし、誇りなんでね…」と言いかけたが、再び選手からのビール攻撃に撃沈。「ほとんど、監督だと思っていない」と苦笑いも、 4年ぶりのビールかけが、うれしそうだった。
北海道日本ハムの竹田憲宗球団社長 (写真は2015年10月20日)
北海道日本ハムが最大11.5ゲーム差をひっくり返す大逆転劇で、 4年ぶり 7度目の優勝を決めた。
竹田憲宗球団社長は球団を通じて、以下のコメントを発表した。
「ファイターズの優勝を信じて力の限り応援してくださったすべての皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。自らの信念を貫き通し采配を振った栗山監督、妥協なき努力を重ねて見事『爆(は)ぜた』選手たち。そしてゲーム差を離されても声をからして後押しし続けてくださったファンの皆様、その信じ合う力が栄冠を手繰り寄せました。北海道に2006年以来10年ぶりの日本一をもたらせるよう、まだ先にあるゴールを見据えて戦います。引き続き変わらぬご支援、ご声援をよろしくお願い申し上げます」
ついにパリーグも 1位, 2位が決まった!虎ちゃんは、「サッポロラーメン」よりも紅ショウガが似合う中州の「豚骨らあめん」の方が好きだけれど、こうなったら札幌中央大通り近くにあった熊さんの「牛乳ラーメン」が今一度食べたい!(あれから40年程過ぎたけれど、熊さんまだやっているのかな…)
2016年 公式戦順位表
◇公式戦全試合実況速報 公式戦全試合をテキスト速報!タイガース迂遠実況で応援気分を盛り上げます。ほかにも対戦中の選手の成績が」一目で分かる「観戦モード」も必見!
◇現場からお届け!トラ番LIVEニュース 主催試合時は、現場から直接ニュースを配信! タイガース情報をどこよりもはやく、そうして細やかに。「生」の情報もお届けします!!
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※らくらくスマートフォンには対応しておりません。