甲子園が揺れた。阪神が今季 3度目のサヨナラ勝利を収めた。ヒーローは、この日 7番に入ったクレイグ・ブラゼル内野手(32)だ。ブラゼルが満面の笑みを見せた。 9回一死 2、 3塁で右前打。西武時代も含め、来日 5年目で初のサヨナラ打だ。打撃不振に悩む主砲・新井貴浩内野手(35)が先発を外れた中、自身も 7番に下がったB砲が最後に意地を見せた。
藤井彰人捕手(35)の今季 1号本塁打で先制した。
マット・マートン(30)が 9回無死 1、 3塁の絶好機を作り、劇的なサヨナラ勝ちをおぜん立てした。
ジェイソン・スタンリッジ投手(33)が、土俵際に追い込まれ、その度に踏みとどまった。
パの首位・ロッテを相手に 1勝 1分けの勝ち越しで勝率「 5割」に復帰。さあ、 6月は貯金月間だ!!
この記事をまとめてみました。
阪神は 2回に藤井彰人の 1号ソロで先制。先発スタンリッジは 3回無失点。ロッテは 1回と 3回に先頭が出塁したが無得点。
ロッテは 5回、岡田の適時打で同点。 6回は好機をつくったが無得点。藤岡は 4回から 6回まで 3者凡退と立ち直った。
阪神は 9回、先頭金本が四球、マートンが左前打。一死 2、 3塁からブラゼルが薮田から右前にサヨナラ打を放ち、競り勝った。
沸き立つスタンドを見た瞬間、震えるような興奮が全身を駆け巡った。ヒーローは、この日 7番に入ったブラゼルだ。 1塁ベースを回ったブラゼルが、右拳を突き上げる。来日 5年目にして初のサヨナラ打。今季 3度目の劇的勝利をつかみとった。
「甲子園という球場で、たくさんのファンの前でサヨナラヒットを打つことができて、本当にうれしい。打球が抜けた瞬間、ワーッとスタンドが盛り上がるのを肌で感じたよ」
白い肌を興奮で赤く染めた。 1- 1同点の 9回だ。金本の四球、マートンのヒットでチャンスを作り、迎えた一死 2、 3塁。藪田の投じた外角低めへのフォークに食らいついた。バットの先でとらえた打球が 1、 2塁間を突破。一瞬にして興奮のるつぼと化したアルプスの大歓声と、ナインからの手荒い祝福を一身に受け止め、ブラゼルが満面の笑みを見せた。 9回一死 2、 3塁で右前打。西武時代も含め、来日 5年目で初のサヨナラ打だ。
「最高の気分。 1塁が空いているから、きっちり打てる球がなかなか来なかった。こういう状況が得意な関本さんが前にいたから、自分にまわってくるとは思わなかった。ああいう祝福を受けられて本当にうれしいよ」と、興奮気味にまくしたてた。
9回一死 2、 3塁、ブラゼルは右前にサヨナラ打を放ち、ガッツポーズ
3打席目までは無安打 2三振で、 9回の場面では 1塁が空いていながら勝負された。ロッテ抑えの藪田を攻め立て、四球、ヒットエンドランなどでつくった一死 2、 3塁の好機。敬遠も考えられた場面だったが、勝負に来たカウント 1ボール 2ストライクからの難しい外角の変化球にうまく合わせ、右前に運んだ。「 1塁が空いている状況だったので、甘い球は投げてくれないと思ったよ」と、殊勲の一打を振り返った。
外角の 130キロのフォークに食らいつく執念の一打。チームは今季 3度目のサヨナラ勝ちで、勝率を再び5割に戻した。「苦しい戦いだったけど、なんとか粘ってこういう形で決められた。
虎入り後はもちろん、日本で初のサヨナラ打。自身にとっては、米大リーグ、ドジャース傘下の 2Aでプレーしていた2006年に、サヨナラホームランを放って以来 6年ぶりになるが、その時とは比べものにならない充実感がある。
メジャー昇格を目指していたあの頃とは、プレーする環境、ファンの注目度に雲泥の差がある。大きな期待を受け、日本一熱いといわれる虎ファンの本拠地での劇打。打力を買われてタテジマに袖を通した男は「どんな球場で打つよりもうれしい」と感激に浸った。
9回、サヨナラの中前適時打を放ちガッツポーズのブラゼル
興奮が冷めないまま今季初めて聖地のお立ち台に上がると、ジョークも飛び出した。「三振しようと思って打席に入ったよ」と話すと、「勝つことは美しい人にキスをするくらい素晴らしいことだけど、引き分けは自分の妹にキスするようなもの」とアメリカンな言い回しで喜びを表現した。
「こういう形で決められたが、きのう、きょうと紙一重の戦いが続いている。勢いに乗って前に進みたい。最後は何とかしてくれ、とベンチのみんなが思って見ていた。本当によく打ってくれた」
和田監督は最敬礼で振り返った。勝率5割に復帰。札幌、仙台と続くロードを前に勢いをつけた。
「チームの状態は悪くないし、ピッチャーもよく頑張ってくれている。自分も頑張っていきたい」
カクテル光線を浴びながら、ブラゼルが言葉に力を込めた。胸に刻んだこの瞬間が、さらなる活躍の原動力になる。
きのうきょうと紙一重だった。これで勢いに乗っていける」と和田監督。前日は最大 6点差を追いついて引き分けた。熱戦続きの甲子園。最高の形で 5月を締めくくった。
ネクストバッターズサークルに控えていた新井。しかし出番はなく…
アニヤン・新井が、試合終了までグラウンドに立つことはなかった。アニヤン・新井の連続試合出場が「 490」でストップした。
「自分としては準備していた。ナイスゲームだったね」
1- 1の 9回一死 2、 3塁。ブラゼルの打席では、ネクストで代打として控えていた。和田監督は「気分も変わるであろうというところからベンチスタートにした」と説明。試合前、指揮官から直接伝えられた。
先発を外れるのは、2008年10月11日の横浜戦(横浜)以来。欠場するのは、同年 9月25日の横浜戦(甲子園)以来だ。しかしこのときは、日本代表として北京五輪を戦い、腰椎を骨折し回復した直後だった。
阪神に移籍して 5年目。けがではなく、打撃不振が理由のスタメン落ち、そして欠場は初めてのことだった。打てないことが原因でスタメンを外れるのは、広島時代の2006年 5月26日の楽天戦(フルスタ宮城)以来、実に 6年ぶり。打率 0.232、 4本塁打、25打点。好機で凡打する内容が目立っていた。
指揮官は開幕 4番を外した決断に「もちろん簡単なことじゃない。後は新井が 1日も早く状態を取り戻して、しっかりと機能してくれるのを願うばかり」と期待をかける。打線に不可欠な存在。完全復調を信じて待つしかない。
藤井彰の打球が、ロッテの大応援団の中に飛び込んだ。 2回二死。初球だった。藤井彰がドラフト 1位・藤岡貴弘投手(東洋大)の初球、 142キロのストレートの直球をたたいた。左翼ポール際に飛び込む 1号ソロ。先制点、 2試合連続打点とした。
「真っすぐを狙った。(球場が)広いから、打った瞬間、オッシャーとは、ならないけど…」
半信半疑の軌道がフェンスを越えた。本人もだが、実はベンチも。和田監督までが「まさかの一発…スマン、藤井(笑)」と驚いた。昨年 7月17日の横浜戦(横浜)以来、 319日ぶりとなるアーチ。ベンチ前のハイタッチの列では、手荒い祝福を受けた。
前日30日は被安打13で 9点を献上した。扇の要を任されているだけに同じ過ちは繰り返さない。この日はスタンリッジを 7回 1失点の好リード。筒井、藤川と救援陣も無失点と引っ張った。
2回に藤井彰が先制の 1号。和田監督も驚いた…
移籍初年度の昨季は99試合、打率 0.223、 2本塁打、15打点の成績だった。残した数字では、納得できない思いもあった。しかし、周囲の評価は違った。
「人から『よくやった。よく頑張ってくれた』って言われた。でも、この成績でそう言われていいの? って。ありがたいんやけどね」
6月から負傷離脱した城島に代わり、毎日マスクをかぶった。しかし、今季は名実ともに正捕手。眠りについてもどうすれば、チームが勝つかを考え続けた日々がいまを支えている。
「去年、寝言がストライーク! っていうことあったんですよ。嫁が言ってましたもん(笑)」
寝ていても試合に出ていることは、陽子夫人(39)に教えられた。笑いながら振り返るが、それだけ四六時中、配球のことや野球のことに思いを巡らせている。
監督をも驚かせるその意外性がチームを勢いづける。「いつも貢献したいけど、なかなかねぇ…。ホームランの後の 3打席目( 7回二死 2塁で投ゴロ)がね」と藤井彰。控えめな男は、反省の積み重ねで次戦に向かう。
2回裏二死、先制の左越え本塁打を放った藤井彰(右)を笑顔で迎える新井
マートンがガランと空いた 3遊間へ、見事に狙い打った。
9回無死 1塁。スタートを切っていた 1走・田上は、一気に 3塁まで到達した。マートンが劇的なサヨナラ勝ちをおぜん立てした。
「 3ボール、 2ストライクになったし、ランナーが(足が速い)田上だったからね。コンパクトに当てることだけを思っていたよ」
無死 1、 3塁の絶好機を作り、塁上で打撃用手袋を得意そうに口にくわえた。 7回先頭でも7試合連続安打となる右前打。 3試合ぶり今季11試合目のマルチ安打が、戦友のお立ち台を呼んだ。
「きょうはスタンリッジ、ナイスピッチング! ブラゼルサン、アリガトウ!」
一時は打率 1割台まで落ち込んだ。自らペンを握って作ったデータノートをベンチで見直すシーンも目立った。復調した今でもストイックな姿勢は変わらない。前日30日の打撃練習直後、突然バットを地面にたたきつけて怒りをあらわにした。珍しい光景に片岡打撃コーチがなだめたほどだ。
「右方向に打っていたんだけど、内角に手首がかえってしまったんだ」
練習でも妥協を許さない姿勢を貫き、気がつけば打率 0.245。 2年連続最多安打の冠を汚しはしない。
サヨナラ打のブラゼルに抱きつくマートン。ヒーロー 2人を見るアニヤン・新井(左)は、笑顔だけど少し寂しそう
スタンリッジの 112球の気迫は機上の両親にも届いただろう。
スタンリッジが、土俵際に追い込まれ、その度に踏みとどまった。
「ラッキーな面も多かったけど、全体的には自分の投げたいボールを投げられた。試合に勝ててホッとしているよ」
粘り腰の 7回 1失点。自身に 5つ目の白星はつかなかったが、力投がブラゼルのサヨナラを呼んだ。
苦しかった。 7回で 6度、先頭打者を出した。 1- 0の 5回に 3安打を許して同点に…。ここから冷や汗の連続だった。
勝ち星こそつかなかったものの 7回 1失点でしのぎきったスタンリッジ
「自分でピンチを招いたけど切り抜けられた。しっかり投げられたと思う」
6回は無死 1、 2塁のピンチをしのぎ、続く 7回もヒヤヒヤだった。二死満塁から、迎えた打者は 4番・サブロー。力勝負に出た。
「真っすぐはキレがあった。しっかりしたボールを投げられた」
149キロから入り、最後も同じ 149キロで 1ゴロに。 4球オール直球で退治した。序盤から 140キロ後半を連発し、この日の最速 151キロも 7回の福浦に対してマーク。力強い速球を武器に、最少失点で耐えた。
15日に来日した両親がこの日の午後、帰国の途に。観戦にはこれなかったが「いつものような投球をしろ」と言葉をかけてもらい、送り出してくれた。前回登板のソフトバンク戦(25日、ヤフーD)で観戦した 2人に白星をプレゼントしていた息子は「いわれた通りにできたかな」と笑った。
勝ち星はゲットできなかったが虎投で唯一、白星先行の 4勝 3敗。和田虎にとっても頼りになる孝行息子だ。
勝率を 5割に戻して、 6月にのぞむことになったタイガース。
使いたくても使えないアニヤン。だが、 6月には是非とも復活して欲しいが、打てない
守れないアニヤンじゃ話しにならないですよね。その分、他の選手が頑張っている。
5月最後の頑張りをそのまま持ち込んでいって欲しいですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!
2012年度 日本生命セ・パ交流戦 試合日程は、次の所で調べることができます。
http://www.npb.or.jp/schedule/2012inter.html
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ブラゼルが初のサヨナラ打!阪神、今季 3度目サヨナラ!勝率「 5割」復帰!
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