●阪神は28日、宜野座キャンプを打ち上げた。金本知憲監督(48)は野手のMVPに北條史也内野手(22)を挙げ、「完璧」な仕上がりと大絶賛。パワーアップした打撃はついに免許皆伝。今後、鳥谷敬内野手(35)との遊撃争いが本格化するとみられていたが、北條にほぼ軍配が上がった形で、開幕遊撃が決定的になった。歯を食いしばって、ついてきた。朝から晩まで練習漬け。金本監督自ら「俺が現役だったらリタイアしている」という28日間の特訓でも、へばらなかった。むしろ、鍛えれば鍛えるほど、確かな成長をみせた。これならやれる。任せられる。キャンプ打ち上げの日、広島とぶつかる 3月31日の開幕戦(マツダ)の遊撃は北條と決断した。鳥谷との遊撃争いは 3月のオープン戦で本格化するとみられていたが、もう決着はついていた。昨オフから継続するウエートトレで体重は昨季よりもおよそ 6キロ増。強くなった体幹を生かし、ボールに力を伝えて軸回転で飛距離を伸ばす金本監督の直接指導を会得した。キャンプでは実戦 8試合で28打数10安打 4打点の打率 0.357。何より目を引いたのは、 2月25日の北海道日本ハム戦(名護)での 1試合 2発だった。周囲の一部からは中日、巨人で活躍した井端弘和氏(41=現巨人打撃コーチ)らのようなくせ者タイプとして育てるべきでは…という声もあった。大きく育てる方針は不変。井端らを否定するわけではないが、タイガースが長年求めている将来中軸を打てる打者として大成することを念頭に置いて接してきた。北條は意気込んだ。金本監督の言葉を確かなものにするために、さらにギアを上げていく。
●鳥谷は遊撃での実戦出場ゼロでキャンプを終えた。紅白戦の代打出場だけで、先発を予定だった26日の中日戦は雨天中止。早ければ 3日の日本代表戦に出場。開幕スタメンを目指し全力を尽くす。
● 2年目の高山俊外野手(23)は充実したキャンプを過ごした。昨秋から取り組んできた重いバットでの打撃練習が結果につながり、今キャンプでは実戦 8試合で打率 0.414(29打数12安打、 1本塁打)。手応えを口にし気合を入れ直した。
●FAでオリックスから阪神に加入した糸井嘉男外野手(35)が、右膝関節炎の影響で別メニュー調整が続いたキャンプを打ち上げた。 2月 3日には自身の状態について「 2パー!!(%)」と語っていたが、「80パーぐらいは戻ってきている」と、南国で78%アップの急上昇だ。 3月中旬のオープン戦出場もにらみながら、開幕で一気に「 100パー」爆発させる。暖かな日差しに、ジックリと取り組める環境。宜野座のすべてが糸井に味方した。関西へと帰る飛行機に乗り、ここからは開幕へとテイクオフ。視界もすこぶる良好だ。今キャンプだけで「78%超」の超人的回復をしていることを明かした。本屋敷トレーナーの管理のもと、慎重さを失わず、一歩進めるところでも我慢して、最後まで別メニュー調整だった。川藤OB会長に「焦ってます」と打ち明け、「何を言っとるんや!」と、開幕に合わせるようクギを刺されたこともあった。フィーバーの中を、たしかな足取りで駆け抜けた28日間だった。一時は金本監督もオープン戦出場を経ずに 3月31日の広島との開幕戦(マツダ)を迎える“ぶっつけ開幕”も見据えていたが、復帰過程を大きく前倒しすることができそうだ。
●この28日間、糸井サンに魅了されたのは、ファンやナインばかりではありません。球場のお手伝いスタッフで「キミの髪形、マテオそっくりやな!」というキッカケで超人にかわいがられた宇久田海貴さん(20=専門学生)もゾッコンでした。この日はキャッチボール相手も務め別れを惜しみます。プレーで、気さくな人柄で周囲の人々をトリコにしながらシーズンへも突き進んでいきます。
●金本知憲監督は宜野座キャンプの点数を問われると「80点ですね」と厳しくジャッジした。北條、中谷ら若手の成長を評価する一方で、残り20点は守備への課題。 2月22日の紅白戦で両軍合わせて 6つの「E」を灯したことを引き合いにし、 3月のオープン戦期間で突貫工事を行うことを明かした。甲子園で練習を再開する 2日からキャンプの“延長戦”。小さなほころびを埋めていく。記事をまとめてみました。
打撃練習をする北條史也内野手=沖縄・宜野座村球場
阪神春季キャンプ(28日、沖縄・宜野座)阪神は28日、宜野座キャンプを打ち上げた。金本知憲監督は野手のMVPに北條史也内野手を挙げ、「完璧」な仕上がりと大絶賛。パワーアップした打撃はついに免許皆伝。今後、鳥谷敬内野手との遊撃争いが本格化するとみられていたが、北條にほぼ軍配が上がった形で、開幕遊撃が決定的になった。
歯を食いしばって、ついてきた。朝から晩まで練習漬け。金本監督自ら「俺が現役だったらリタイアしている」という28日間の特訓でも、へばらなかった。むしろ、鍛えれば鍛えるほど、確かな成長をみせた。これならやれる。任せられる。キャンプ打ち上げの日、広島とぶつかる 3月31日の開幕戦(マツダ)の遊撃は北條と決断した。
「(野手のMVPは)北條か中谷かな。(北條は)スイングも今、一番じゃないかなというぐらい。かなり完璧に仕上がってきている。あれで打てへんかったら気を抜いている証拠やで」
鳥谷との遊撃争いは 3月のオープン戦で本格化するとみられていたが、もう決着はついていた。
手締めでキャンプを打ち上げた金本知憲監督(中)。北條史也内野手を遊撃で使っていく考えを明かした=沖縄・宜野座村球場
那覇空港で大阪に戻る飛行機に乗り込む前に再び取材に応じると「もう言っているって。トリ(鳥谷)が 7対 3で勝っても、『お前は(スタメンは)ないぞ』と。そりゃ、(鳥谷が)北條よりも素晴らしいものをみせてくれるかわからん…」と話した後「でも北條を使わんわけにはいかんでしょ。少ない右バッター」と言い切った。
昨オフから継続するウエートトレで体重は昨季よりもおよそ 6キロ増。強くなった体幹を生かし、ボールに力を伝えて軸回転で飛距離を伸ばす金本監督の直接指導を会得した。キャンプでは実戦 8試合で28打数10安打 4打点の打率 0.357。何より目を引いたのは、 2月25日の北海道日本ハム戦(名護)での 1試合 2発だった。
周囲の一部からは中日、巨人で活躍した井端(現巨人打撃コーチ)らのようなくせ者タイプとして育てるべきでは…という声もあったが「俺は絶対にしないと言っていた」。大きく育てる方針は不変。井端らを否定するわけではないが、タイガースが長年求めている将来中軸を打てる打者として大成することを念頭に置いて接してきた。
キャンプ、実戦を通じて快音を連発し続けた北條史也内野手。金本知憲監督(後方)は「鳥谷が 7対 3で勝っても北條を使う」と遊撃で起用する腹を固めた=沖縄・宜野座村球場
この日のフリー打撃でも37スイングでサク越え 1本ながらも鋭い打球を披露。 2年目のキャンプでさらなる成長も結果もみせた。「遊撃一本」で巻き返す鳥谷の意地の逆襲がよほどでない限り、「遊撃北條」の基本方針がブレることはないことを強調した。
北條は監督MVPについて「もっともっと向上心を持って、自分のレベルアップをしっかりやっていきたい」と気を引き締めた。宿舎に隣接する室内練習場や球場での早朝練習に金本監督はつきあってくれた。「絶対にできる」「やっていく中で見えてくるものが必ずある」「俺を信じろ」と言い続けてくれた。
北條は「オープン戦が始まりますので、しっかり結果を求めて試合に出られるようにやっていけたら。守備でもっと信頼されないと試合に出られない。優勝できるように頑張りたい」と意気込んだ。金本監督の言葉を確かなものにするために、さらにギアを上げていく。
ノックを受ける鳥谷敬内野手=沖縄・宜野座村球場
鳥谷は遊撃での実戦出場ゼロでキャンプを終えた。紅白戦の代打出場だけで、先発を予定だった26日の中日戦は雨天中止。「ここから実戦で、という準備はしっかりできたかなと思う」。
遊撃への思いを問われると、「ポジションを決めるのは自分じゃないので。しっかり準備して後は監督が決めるのではないかと」。早ければ 3日の日本代表戦に出場。開幕スタメンを目指し全力を尽くす。
打撃練習をする高山俊外野手=沖縄・宜野座村野球場
2年目の高山は充実したキャンプを過ごした。昨秋から取り組んできた重いバットでの打撃練習が結果につながり、今キャンプでは実戦 8試合で打率 0.414(29打数12安打、 1本塁打)。「冬にやってきたことと第 1、第 2クール、前半は力をつけて、実戦にいくということだったんですが、本当にいいキャンプだったのかなと思います」と手応えを口にし、「オープン戦が始まるのでそこで 1つでもいいアピールができるように」と気合を入れ直した。
フリーエージェント(FA)でオリックスから阪神に加入した糸井嘉男外野手が、右膝関節炎の影響で別メニュー調整が続いたキャンプを打ち上げた。 2月 3日には自身の状態について「 2パー!!(%)」と語っていたが、「80パーぐらいは戻ってきている」と、南国で78%アップの急上昇だ。 3月中旬のオープン戦出場もにらみながら、開幕で一気に「 100パー」爆発させる。
暖かな日差しに、ジックリと取り組める環境。宜野座のすべてが糸井に味方した。関西へと帰る飛行機に乗り、ここからは開幕へとテイクオフ。視界もすこぶる良好だ。今キャンプだけで「78%超」の超人的回復をしていることを明かした。
「80パー(%)くらいまでは戻ってきている。今が大事。ここが無理をするところではないので。少しずつ回復しているのは感じます」
別メニュー調整だった28日間のキャンプを終え、一本締めのためにグラウンドに歩みを進める糸井嘉男外野手。驚異の78%上昇だ=沖縄・宜野座村野球場
まだ第 1クールだった 3日には調整の進み具合を問われ「 2パー(%)!!」と打ち明けていたが…。 1月24日に右膝関節炎と診断された不安は、ほとんど沖縄に置いてきてしまった。
本屋敷トレーナーの管理のもと、慎重さを失わず、一歩進めるところでも我慢して、最後まで別メニュー調整だった。川藤OB会長に「焦ってます」と打ち明け、「何を言っとるんや!」と、開幕に合わせるようクギを刺されたこともあった。
南国の日差しにさらされると、超人ぶりはさらに際立った。フリー打撃を再開すれば 140メートル級の特大サク越えを連発。スタンドには打球に見とれる虎党のため息が充満した。サイン会はいつも押し合いへし合いの大盛況。フィーバーの中を、たしかな足取りで駆け抜けた28日間だった。
阪神は選手会副会長の梅野隆太郎捕手(中央)の手締めで28日間のキャンプを打ち上げた=沖縄・宜野座村野球場
すでに中堅守備も打球捕まで解禁。スライディングやベースランニング、シートノックなどはここからさらに慎重を期して取り組んでいくが、オープン戦出場のメドも立ってきた。糸井自身が「順調にいけた。 3月中旬? はい、それくらいだと思います」と見通しを明かす。一時は金本監督もオープン戦出場を経ずに 3月31日の広島との開幕戦(マツダ)を迎える“ぶっつけ開幕”も見据えていたが、復帰過程を大きく前倒しすることができそうだ。
「今すぐに試合という雰囲気ではないけど、あした( 3月 1日)から上げてやっていきます」と力強く言い残し、勝負のときを見据えた。
笑顔で話す糸井嘉男外野手=沖縄・宜野座村野球場
この28日間、糸井サンに魅了されたのは、ファンやナインばかりではありません。球場のお手伝いスタッフで「キミの髪形、マテオそっくりやな!」というキッカケで超人にかわいがられた宇久田海貴さんもゾッコンでした。
この日はキャッチボール相手も務め「すごい球でした。正直、今も手が痛いです」と顔面蒼白。「あんなにすごい選手なのに僕らにも気さくに話しかけてくださって、感激しました」と別れを惜しみます。練習後には、こんなやり取りも-。
宇久田さんらに「ゆうべ、スポーツ界のレジェンドが特集されている番組を見ました」と聞かされた超人。「俺も出てた?」と興味津々でしたが「いえ、出ていませんでした」と伝えられ、思わず「じゃあなんでそれを俺に話すんや!!」とご立腹。
慌てた若者らが「でも糸井サン、史上最年長の盗塁王なんですよね?」と“フォロー”すると、これには満足げ。「ニュースで(最年長だと)知って、火がついたんや。怒とうの追い上げや!」と、秘話まで明かしてくれたそうです。
プレーで、気さくな人柄で周囲の人々をトリコにしながらシーズンへも突き進んでいきます。
帽子をとって、関係者にあいさつをする金本知憲監督。甲子園で内外野の守備を徹底練習する=沖縄・宜野座村野球場
金本知憲監督は宜野座キャンプの点数を問われると「80点ですね」と厳しくジャッジした。
北條、中谷ら若手の成長を評価する一方で、残り20点は守備への課題。「意外と内野のエラー、ミスが多かったかな。スローイングのミスも結構多かった。実戦でいきなり 6失策?」。 2月22日の紅白戦で両軍合わせて 6つの「E」を灯したことを引き合いにし、 3月のオープン戦期間で突貫工事を行うことを明かした。
「キャンプのやり直しといえば語弊があるけど、もう 1回徹底してやっていきたいなと思う。守りは 100%に近い状態にもっていかないと。投内連係とか内外野ノックとかやることは(コーチに)指示しています」
甲子園で練習を再開する 2日からキャンプの“延長戦”。小さなほころびを埋めていく。
今シーズンは、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2017年 公式戦 日程と結果(02月)
2017年 公式戦 日程と結果(03月)
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