岩田、 8回 0封で 5勝！藤川球児と完封リレー！ブラゼル、値千金 1点もぎ取った！

　岩田稔投手(28)が、｢攻めて攻めてと考えていた｣ 8回無失点で 5勝目を挙げた。 9回を締めた藤川球児投手(31)とともに＜阪神１ー０ソフトバンク＞と零封だ。
　阪神は鷹に勝ったが、得点は 8回の敵失による 1点だけ。口火を切ったのはクレイグ・ブラゼル内野手(32)だった。
　新井・弟が、 8回の勝負所で効果絶大の犠打。記事をまとめてみました。



　阪神が競り勝った。 0― 0の 8回一死 3塁で捕手・細川の 3塁へのけん制悪送球に乗じて決勝点を奪った。岩田は 8回 3安打無失点で 5勝目。 9回を締めた藤川球児とともに零封した。ソフトバンクは力投の山田を攻守で援護できなかった。
　阪神は 3試合連続 1得点の打線を投手陣がカバーした。 8回無失点の岩田は切れのある速球をコーナーに投げ分けた。 3回途中から 8回一死までは打者14人を連続でアウトに。四球ゼロでの 8奪三振は｢攻めた結果｣と胸を張った。和田監督も｢しんどい試合が続いているが、こういう試合をきっかけに浮上したい｣と言い切った。


　勝利投手の岩田稔はお立ち台で｢気持ちいいっす｣

　岩田が 8回無失点で 5勝目を挙げた。｢攻めて攻めてと考えていた｣という左腕は、インコースを積極的に使い、攻め続けた。8回を投げ、 3安打 8奪三振の快投。さらに11個のアウトをゴロで稼ぐ効率のよい投球に｢ボールを低めに集めることが出来た｣と納得の表情を見せた。
　のどから手が出るほどほしかった 1点が 8回に入った瞬間、岩田はベンチから身を乗り出した。ラバーフェンスを何度もたたいて、喜びを爆発させた。
　｢あの 1点はめちゃくちゃ、うれしかったです！！｣
　歓喜のお立ち台。勝利の立役者は顔を紅潮させて絶叫した。 8回 3安打ゼロ封。 8三振を奪う快投で若鷹・山田との投手戦を制した。自身 3連勝でチームトップの 5勝目( 5敗)をつかんだ。


　 8回 3安打無失点の好投でチームトップの 5勝目を挙げた岩田

　｢フルカウントが多かったですが、四球にびびらずに、しっかり勝負して打たれたら仕方がないと思って投げました｣
　最大の山場は 2回一死 3塁で長距離砲のペーニャを迎えた場面。｢ 1点は仕方がないと開き直って投げました｣。徹底した内角攻めの末、フルカウントに持ち込まれたが動じない。 6球目、 128キロのスライダーで 3ゴロを打たせた。長谷川もフルカウントから外角直球をズバッと投げ込み、見逃し三振斬り。その後は持ち前の“動く直球”を低めに集めた。打線にリズムを作る無四球ピッチが待望の先取点を呼び込んだ。


　 8回を無失点で 5勝目を挙げた岩田はお立ち台でファンにあいさつ

　前回 5日の楽天戦(クリネックススタジアム宮城9の白星に続く快投の秘訣は下半身の使い方にあった。セットポジションの際に両ひざを軽く曲げ、重心を低くする投球フォームに改良。負担がかかる分だけ、イニングの合間のキャッチボールのタイミングには屈膝(くっしつ)開脚などのストレッチを取り入れた。｢下半身を意識して投げているので、より意識するための体操です｣。黒星先行の日々に浮上のきっかけをつかもうと必死だった。
　ようやく勝敗を五分に戻した左腕について、和田監督も｢きょうは岩田に尽きる。これで勝ち負け並んで、スタートというところでやってくれるでしょう｣とたたえた。
　｢試合は続くのでしっかり頑張っていきます｣
　背番号｢21｣は黄色に染まったスタンドに向けて誓いを立てた。まだまだ“連勝街道”を突っ走っていく。

　藤川球児が 9回に登板。圧巻の投球でソフトバンク打線を封じた。見慣れぬ球筋に、日本屈指の好打者も首をひねった。守護神・藤川球児が 1点リードの 9回をゼロ封。
　先頭本多にファウルで 5球粘られたが、最後は外角低めフォークで空を切らせた。代打松中には四球を与えたが内川、カブレラを抑えて勝利を運んだ。
　｢四球を出してしまったんでね。もったいなかった。ツーシームが効きました。内川を抑えられたし｣と 3人斬りとはならなかったことを反省しながらも“秘技”には確かな手応えを感じ取った。


　最後を締めて岡崎(左)と勝利のハイタッチをする藤川

　待望の 1点が入った直後の 9回にマウンドへ。一死から松中に四球を与えると、代走に城所が送られた。 1塁をケアしながら向かい合ったのが、内川だ。
　 2ボールから、インコースへのツーシームで詰まらされ、中飛に打ち取れた好打者は、不思議そうな顔を浮かべ、ベンチに引き揚げた。
　両リーグで首位打者を獲得し、昨季パ・リーグＭＶＰに輝いた男を手玉に取った。続くカブレラも 3球三振に斬って取り、甲子園の夜空にジェット風船が舞った。


　藤川球児(右)を迎える和田豊監督

　この日も、米大リーグ、レンジャーズのスカウトが甲子園に駆けつけた。藤川が動くボールの習得に取り組んでいることは以前から把握していた、レ軍ジム・コルボーン環太平洋スカウト部長だが、普段あまり見せないツーシームには、さぞ目を凝らしたことだろう。新たな引き出しを見せつけ、連敗中だったチームの窮地もしのいでみせた。
　｢もう 1点ほしいところ。 2－ 0でゲームができるようになれば、勝ちがつながる。きょうは岩田が投手陣の課題の『我慢しよう』というのを実践してくれた｣
　投手キャプテンらしく、岩田を称えることも忘れなかった。今季12セーブ目で、甲子園通算 100セーブに王手。聖地の勝利の輪の中心で、球児も笑顔が弾けた。

　新井良太がリベンジに燃えていた。マートンの代役として起用された前日10日は 2打数 2三振。 2戦続けての先発起用に気合を入れた。 3回に左中間突破の 2塁打を放つと、 8回の勝負所では効果絶大の犠打。新井良太が和田監督の起用に応え、勝利を引き寄せた。
　｢きのう散々な結果だったのに、きょうも使ってもらったので。使ってくれた監督に感謝しているし、絶対に、きょうはやってやろうと思っていた｣
　 0－ 0の 8回だ。ベンチで和田監督、山脇守備走塁総合コーチから声をかけられた。｢ブラゼルが出たら代走を送るといわれていたので、心の準備はできていた｣。Ｂ砲の右翼線 2塁打を見届けると、心は熱く、頭は冷静に打席に入った。


　 8回無死 2塁でバントを決めた新井良太

　｢カブレラがメッチャ前にきとったけんね。ピッチャーの前しかないと思った。マグレやね｣
　相手の動きを確認し、 2ボールからの 3球目を思惑通りマウンド手前へ転がした。走者を 3塁に進めると、続く関本への打席で鷹の捕手・細川がけん制悪送球。一死 3塁の状況を作ったことが、勝利に直結した。
　打で貢献したい理由は他にもあった。マウンドで力投していたのは、同級生の岩田だった。
　｢試合前から頼むぞといわれていたし、試合中もベンチで声をかけてくれていた。(岩田)稔に勝利がついて最高にうれしい｣
　派手さはないが、熱い気持ちで大きな仕事を果たした。虎の元気印が猛虎を押し上げる。

　クレイグ・ブラゼルが救った－。阪神は鷹に勝ったが、得点は 8回の敵失による 1点だけ。口火を切ったのはブラゼルだった。試合前には南信男球団社長(57)と和田豊監督(49)が緊急会談し、｢そろそろ前に出て行く時期じゃないか｣と指揮官にアドバイス。貧打解消へ、フロントも動いた。
　重苦しい空気を一振りで一転させた。 0－ 0の 8回。先頭のブラゼルだ。初球の 121キロスライダーをとらえ、右翼線へ運んだ。虎党の大歓声に乗って、悠々と 2塁ベースに到達。決勝点の起点を作った。
　試合後の雑踏。報道陣の問いかけに、ノーコメントでロッカーへと入ったＢ砲。前の 2打席は相手先発・山田に 2つの空振り三振。気合が入らないはずがない。
　代走に田上が送られ、一死 3塁から相手捕手・細川が 3塁へのけん制悪送球で待望の 1点。終盤で飛び出したＢ砲の 4試合連続となる安打が、聖地のムードを変えたのだ。


　 8回に右翼線へ口火を切る 2塁打を放ったブラゼル

　｢(序盤の打席を)引きずらずに打ってくれるのはありがたいけど 1打席目からね。こんなに率が低い打者じゃないし、そろそろエンジンをかけてもらわないと。 1打席目で打つと率も上がって、本来の打撃に近づいていくと思う｣
　和田監督は満足していない。今年が 2年契約の 2年目のブラゼルに求めるレベルは高い。さらなる奮起を促した。
　この日のスコアは 1－ 0。タイムリーはない。白星は相手のミスで転がりこんできた。 4安打と貧打は相変わらず。 5月30日のロッテ戦(甲子園)で 9点を奪って以降 9試合連続で 3点以下の試合。 6月は 8試合で計16得点と深刻な得点力不足に悩む。岩田( 8回無失点)の好投も見殺しにしかねない試合だった。
　猛虎打線の危機的状況に球団首脳も黙ってはいられなかった。関係者によると練習前、南球団社長と和田監督による会談が行われたという。同社長が監督室へと足を運び、助言を送った。
　｢そろそろ(監督が)前に出て行く時期じゃないか｣
　阪神では選手の指導を各コーチ陣に委ねるのが伝統。和田監督は、ときにブラゼルへアドバイスを送ることもあったが、ほとんど片岡打撃コーチに任せていた。だが、打撃コーチとしての長年の経験を生かし、積極的に指導するのもいいのでは…。これが社長のメッセージだった。
　この日負ければ交流戦最下位転落の可能性があった一戦。相手のミスで救われた。
　交流戦も残り 4試合。12日から関東遠征(西武、ロッテ)へ出る。和田監督は｢今のところ打線待ちのところがあるが、最後 4試合で勢いをつけてセとの戦いに入りたい。甲子園を離れるが、しっかり戦ってきたい｣と力を込めた。
　だれもが猛虎打線の爆発を待っている。



　 8回まで互いに 0封で団子が14個も並んだが、一本の串を刺したのがブラゼルだった。岩田が頑張っているのに無駄にはできなかった試合に、ブラゼルの放った 1点はカンフル剤となってこれからの試合にも影響を与えてくれると嬉しいですね。
　ガンバレ！阪神！我らのタイガース！

　2012年度 日本生命セ・パ交流戦　試合日程は、次の所で調べることができます。
　http://www.npb.or.jp/schedule/2012inter.html

　マツダオールスターゲーム・ファン投票が始まっていました！応募は下記 URLでどうぞ。
　http://allstargame.npb.or.jp/index.html

















にほんブログ村