●阪神は 3回まで広島岡田の前に 1安打。広島は 4回、 5回も加点し 9点リード。阪神は 5回に 1点を返すと、 6回に高山の適時 3点 3塁打などで 7点を奪い 1点差とする。阪神は 7回、糸原の適時打で同点、梅野の適時 2点 3塁打で勝ち越し、 9点差を逆転。 4連勝で首位に立った。広島は連日の逆転負けで 2位に転落した。 3番手の高橋が今季初勝利、ドリスが12セーブ目。
●阪神がリプレー検証でのビハインドを乗り越え、球団史上初となる 9点差からの大逆転劇を演じた。問題のリプレー検証は 7回だった。一死 1、 2塁で鳥谷の 2塁ゴロを広島西川がファンブル。 2塁走者の江越が本塁突入し、 1度はセーフの判定が出た。しかし緒方監督の抗議でリプレー検証に。10分以上の検証の末、判定が覆りアウトとなった。幻の同点劇となったが、直後に糸原がタイムリーで同点。梅野が勝ち越しの 2点 3塁打で試合を決定づけた。金本知憲監督(49)は「 9点差をひっくり返したというのは、ぼくも長い間プロ野球にいますけど、僕自身も初めて。まさか逆転するとは。貯金を増やしていくことを目標にやっていきたいと思います」と振り返った。阪神が最大 9点ビハインドをはね返し、大逆転勝利を飾った。 4連勝で阪神が単独首位に立った。
●高山俊外野手(24)が、大逆転劇の流れをつくった。 6回、 4点を奪い 4点差とした二死満塁で、広島 2番手中田のフォークを右翼線へ運ぶ 3塁打。一気に 1点差に詰め寄った。甲子園に逆転ムードが漂う中、 7回に 3点を奪って 9点差をひっくり返した。首位浮上のおまけまでつき、高山は喜んでいた。高山俊外野手が 6回二死満塁から右翼線に走者一掃となる 3点 3塁打を放ち、 1点差に迫った。この回、先頭打者で四球で出塁し、最後は 3点打の大暴れで、今季最多の 1イニング 7得点に貢献。勢いを取り戻した昨季の新人王が優勝まで突っ走る。
●迷わず本塁に突っ込んだ。リプレー検証の末、判定はアウトとなったが、江越大賀外野手(24)が気迫のヘッドスライディングで逆転を呼んだ。 8- 9の 7回一死 1、 2塁で鳥谷の打球を 2塁・西川がファンブル。 2走の江越は自身の判断で 3塁を回った。クロスプレーに一度は真鍋球審がセーフの判定。その後、約17分間の協議の末、アウトに覆った。 糸井が加入した今季は先発出場は1試合もない。それでも、これまでの大振りを封印し、コンパクトな打撃を心がけている。自身に求められている役割は分かっている。これからもチームバッティングに徹する。
●阪神が 0- 9のビハインドから、広島を大逆転で破り単独首位に立った。一時同点かと思われた 7回、江越のホームインがリプレー検証でアウトとなった直後に同点打を放ったルーキー糸原健斗内野手(24=JX-ENEOS)は初のお立ち台で「最高の景色です。チームに貢献して、足を引っ張らないように頑張りたいと思います」と話した。白球が右翼前まで転がっていく。その瞬間、直前まで球場を包み込んでいた大ブーイングが大歓声に変わった。 1塁上のルーキーは表情を引き締めたまま、打撃用手袋を外す。すぐに幻の“得点”を取り返した。 8- 9の 7回二死 1、 2塁。出番の直前、相手の失策の間に本塁突入を試みた江越はリプレー検証の結果、アウトに判定が覆った。お立ち台から初めて見た光景を「最高の景色」と表現した。この眺めを何度でも、その手でつかみとってみせる。
●梅野隆太郎捕手(25)の 2試合連続となる 3塁打で、ついに逆転に成功した。 7回、同点としてなお二死 1、 2塁。初球を振り切ると、打球は右中間を割っていった。 3塁ベース到達は頭から滑り込んだ。立ち上がると、すぐに高代延博 3塁ベースコーチ(62)と両手を合わせ、喜びを表現した。一時は 9点差あったが、 5回からの 3イニングで計11点を奪い、逆転した。阪神は広島との首位攻防戦で球団史上最大となる 9点差を逆転するミラクル勝利で、今季初の単独首位に立った。 球史に残るアンビリーバブルな展開で奪首に成功した。プロ初先発したドラフト 6位・福永春吾投手(22=四国IL徳島インディゴソックス )が 4回 6失点。金本監督ですら敗色濃厚を認めていた。今季 2度目の「4連勝」で貯金は最多を更新する「7」。今季 4戦全敗だった土曜日で初白星をあげた。 5月は“虎のぼり”の季節。ピチピチとした若虎たちが黄金週間を首位固めウイークに変えていく。
●歴史的な逆転劇のフィナーレはこの男だ。12- 9の 9回に守護神・ラファエル・ドリス投手(29)がマウンドへ。ヒットあり、暴投ありで虎党を少々ヒヤリとさせたが、大乱戦のうねりには飲み込まれなかった。無失点で 2試合連続のリーグ独走、12セーブ目を挙げた。 メジャー昇格を目指していた若手時代は遊撃手としてもプレー。試合がどんなにもつれていても、リードさえ奪えば、最強ドミニカンがゲームを締める。記事をまとめてみました。
<阪神12- 9広島>◇ 6日◇阪神甲子園球場
広島は 1回、安部の適時打と鈴木の犠飛で 2点を先制。 2回も丸の 5号 2ランで加点した。阪神は 3回まで広島岡田の前に 1安打。
広島は 4回、 5回も加点し 9点リード。阪神は 5回に 1点を返すと、 6回に高山の適時 3点 3塁打などで 7点を奪い 1点差とする。
阪神は 7回、糸原の適時打で同点、梅野の適時 2点 3塁打で勝ち越し、 9点差を逆転。 4連勝で首位に立った。広島は連日の逆転負けで 2位に転落した。
3番手の高橋が今季初勝利、ドリスが12セーブ目。広島は薮田が今季初黒星。
7回裏阪神二死 1、 2塁、勝ち越しの適時 3塁打を放ち、高代延博コーチ(左)と歓喜する梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
阪神がリプレー検証でのビハインドを乗り越え、球団史上初となる 9点差からの大逆転劇を演じた。
問題のリプレー検証は 7回だった。一死 1、 2塁で鳥谷の 2塁ゴロを広島西川がファンブル。 2塁走者の江越が本塁突入し、 1度はセーフの判定が出た。しかし緒方監督の抗議でリプレー検証に。10分以上の検証の末、判定が覆りアウトとなった。幻の同点劇となったが、直後に糸原がタイムリーで同点。梅野が勝ち越しの 2点 3塁打で試合を決定づけた。
6回裏阪神二死満塁、高山俊外野手の右越え 3点適時 3塁打に歓喜する金本知憲監督=阪神甲子園球場
阪神が 0- 9のビハインドから、広島を大逆転で破り単独首位に立った。
金本知憲監督は「疲れました。本当に疲れました。 9点差をひっくり返したというのは、ぼくも長い間プロ野球にいますけど、僕自身も初めて。最初はお客さんに申し訳ない気持ちでいっぱいで、何とか盛り上がるシーンを、と思ってましたけどまさか逆転するとは。(セーフからアウトとなったリプレー検証は)えーっという感じでしたけどね。それでも審判の方がビデオを見て判断したわけですから。糸原がよく打ってくれました。いつも言うように順位どうこうはまだ関係ないので。貯金を増やしていくことを目標にやっていきたいと思います」と振り返った。
7回裏阪神二死 1、 2塁、梅野隆太郎捕手の右越え 2点勝ち越し適時 3塁打に歓喜する金本知憲監督(右)=阪神甲子園球場
阪神が最大 9点ビハインドをはね返し、大逆転勝利を飾った。 5回表を終えた時点でのスコアは 0- 9。だが、 5回裏に 1点を返すと、 6回に 7得点。さらに 7回に 3点を挙げ、試合をひっくり返した。 4連勝で阪神が単独首位に立った。
逆転勝利に金本知憲監督(左から 3人目)は歓喜の表情で梅野隆太郎捕手を迎える=阪神甲子園球場
阪神が 9点差をひっくり返した。
逆転勝利のプロ野球記録は10点差で、セ、パ両リーグで 1度ずつ、 1リーグ時代に 1度の計 3度あった。
9点差の逆転勝利は両リーグを通じて 6度目で、2003年 7月29日に北海道日本ハムがオリックスに 0- 9から11- 9で勝利して以来。セでは1995年 7月30日、中日が広島に10- 9で逆転勝ちして以来22年ぶり。阪神が 9点差を逆転したのは初めてだった。
6回 適時 3塁打を放った高山俊外野手=阪神甲子園球場
高山俊外野手が、大逆転劇の流れをつくった。 6回、 4点を奪い 4点差とした二死満塁で、広島 2番手中田のフォークを右翼線へ運ぶ 3塁打。一気に 1点差に詰め寄った。
甲子園に逆転ムードが漂う中、 7回に 3点を奪って 9点差をひっくり返した。首位浮上のおまけまでつき、高山は「ずっと点差がありましたけど、いつも通りで。あそこで長打が出たのはよかった。明日もまた頑張ります」と喜んでいた。
6回裏阪神二死満塁、高山俊外野手は走者一掃の 3塁打を放った=阪神甲子園球場
ミラクル大逆転劇を呼んだのは高山!! 高山俊外野手が 6回二死満塁から右翼線に走者一掃となる 3点 3塁打を放ち、 1点差に迫った。この回、先頭打者で四球で出塁し、最後は 3点打の大暴れで、今季最多の 1イニング 7得点に貢献。勢いを取り戻した昨季の新人王が優勝まで突っ走る。
大差をはね返す機運が極限まで高まる中、大声援に応えた。高山が走者一掃の 3点 3塁打を放ち、虫の息だった虎を完全によみがえらせた。一時 9点差がこの一打であと 1点! 雨雲が覆う甲子園で、奪首への道筋を照らしてみせた。
「ほんとにみんながつないでつないでくれたんで、なんとか バットに当てたらなんとかなるかな…と気持ちでいきました」
1- 9の 6回先頭で四球を選ぶと、続く北條の左翼線への 2塁打で無死 2、 3塁とし、糸井の 2ゴロの間に快足を飛ばして生還。さらに、二死から安打、死球などで 5者連続出塁とじわじわ追い上げる。
これで 1点差!! 6回に 3点 3塁打を放った高山俊外野手。一挙 7得点の立役者だ=阪神甲子園球場
「点差はついていましたが、いつも通りで」
5- 9の二死満塁。この回 2度目の打席に立つと、中田の高めに抜けた 129キロフォークにうまく反応して打球を右翼線寄りのフェンス手前までかっ飛ばした。 3塁に到達すると、ベース上で 2度手をたたいて気迫全開。 4月20日の中日戦(ナゴヤドーム)以来となるタイムリーで一挙 7得点のビッグイニングを生みだし、 8回には 2塁内野安打で 3試合ぶりのマルチも記録だ。
どんな場面でも平常心を貫く強さを肉体が支えている。昨年 6月は疲労から打率 0.217と苦しんだ経験もあり、オフにファイテン社と契約。サプリメントなど万全のサポートを受けるようになった。ただ、その本意は「(肉体作りは)もちろんそうですが、チャンスももらっているので」と明かす。チーム一丸で首位を目指した一戦で“主役級”の働きをみせた。
金本知憲監督らと歓喜のハイタッチを交わす高山俊外野手(右)。この勢いで広島に3連勝や!!=阪神甲子園球場
「 9点差ありましたけど、ファンのみなさんにずっと応援していただいていましたので、選手はもちろん気持ちを切ることなく、勝つことを考えていたので、応援のおかげで勝てたと思います。あそこで長打が出たのでよかった。また明日も頑張ります」
不調で先発を外れるときもあった 3、 4月は打率 0.247、 0本塁打、 4打点。 5月はスタメン出場 4試合で打率 0.357(14打数 5安打)、 1本塁打、 4打点と復調気配。虎の未来を背負う若き才能がけん引し、広島 3連破を成し遂げる。
◇データBOX◇
◎…阪神が 6回に一挙 7得点。 1イニング 7得点以上は昨年 7月27日のヤクルト戦(甲子園、○ 9- 0)の 4回 9得点以来。球団記録は1969年 5月27日のアトムズ戦(神宮、○16- 4)の 6回13得点でセ・リーグ記録。プロ野球記録は2009年 6月11日にロッテが広島戦(千葉、○23- 2)で記録した 6回の15得点。
7回、広島の守りのミスの間にホームを狙った江越大賀外野手。セーフの判定だったが、石原のタッチが先に江越の足に触れており、リプレー検証でアウトに変更=阪神甲子園球場
迷わず本塁に突っ込んだ。リプレー検証の末、判定はアウトとなったが、江越が気迫のヘッドスライディングで逆転を呼んだ。
「セーフの自信はあった。タッチはされてないと思ったけど、判定なので仕方ない」
8- 9の 7回一死 1、 2塁で鳥谷の打球を 2塁・西川がファンブル。 2走の江越は自身の判断で 3塁を回った。クロスプレーに一度は真鍋球審がセーフの判定。その後、約17分間の協議の末、アウトに覆った。「まさかと思った」。しかし、直後に同学年の糸原が同点打を放ってくれた。「糸原が打ってくれたので救われた」と胸をなでおろした。
7回、安打を放った江越大賀外野手=阪神甲子園球場
7回一死から代打で左前打。カウント 0- 2と追い込まれながらも、今季29試合目、 6打席目で初安打をマークした。「よかったです。何とか塁に出ようという気持ちで打った」。糸井が加入した今季は先発出場は1試合もない。それでも、これまでの大振りを封印し、コンパクトな打撃を心がけている。福留が「江越は今年変わった。自分でとにかく考えるようになった。このまま努力を重ねれば、日の目を見ることになると思う」と話すように、チームメートも江越の変化に気づいている。 「チャンスが少ない立場。結果は出たけど、気持ちを引き締め直してやりたい」 自身に求められている役割は分かっている。これからもチームバッティングに徹する。
☆江越の走塁について阪神・高代延博ヘッドコーチ
「自分で腕を回したか覚えていない。江越は『自分でいった』と言っていた。そんな江越をほめてあげたい」
☆リプレー検証が17分もかかったことについて真鍋勝己球審
「結果が出るまで、あれだけの時間がかかったということです」
阪神が 0- 9のビハインドから、広島を大逆転で破り単独首位に立った。
一時同点かと思われた 7回、江越のホームインがリプレー検証でアウトとなった直後に同点打を放ったルーキー糸原健斗内野手は初のお立ち台で「最高の景色です。チームに、守備の方で迷惑をかけていたので、集中力をきらさずに打つことができました。 2アウトになって、次につなげば梅野さんが何とかしてくれると思って打ちました。梅野さんがさすがのバッティングでタイムリーを打ってくれたのでよかったと思います。チームに貢献して、足を引っ張らないように頑張りたいと思います」と話した。
7回裏阪神二死 1、 2塁、糸原健斗内野手は右前適時打を放った=阪神甲子園球場
白球が右翼前まで転がっていく。その瞬間、直前まで球場を包み込んでいた大ブーイングが大歓声に変わった。本塁に滑り込んだ中谷は喜びを爆発させたが、 1塁上のルーキーは表情を引き締めたまま、打撃用手袋を外す。D 5位・糸原健斗内野手がバットで、“リプレーシーン”を得点に上書きした。
「(判定結果まで)けっこう長かったですけど、集中を切らさずやれました。ゾーンだけ上げて、甘い球をいこうと思っていた。それを一発で仕留められました。いいところに抜けてくれました」
7回二死 1、 2塁から右前に同点タイムリーを放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
すぐに幻の“得点”を取り返した。 8- 9の 7回二死 1、 2塁。出番の直前、相手の失策の間に本塁突入を試みた江越はリプレー検証の結果、アウトに判定が覆った。それまでの約17分間、集中は切れない。打席をイメージし素振りを繰り返す。そして、薮田の 1ボールからの 2球目だ。ファーストストライク、 152キロの真っすぐを思い切り引っ張り、中谷が 2塁から返球より先に生還。 100回リプレー検証しても覆らない正真正銘の同点タイムリーだ。
スタンドから怒号が飛び交う異様な雰囲気にも動揺しない精神力に金本監督も「あそこで打てるというのはね。なかなか、いい肝っ玉してますね」と称えた。
7回、糸原健斗内野手のタイムリーで本塁へ生還する中谷将大外野手。今度は誰が見てもセーフのタイミングだった=阪神甲子園球場
ミスを取り返したい一心だった。 5回に安部の右前適時打を捕球した中谷から返球を、グラブで弾いてしまった。 1失点につながった失策。「自分のミスですね…」と反省。これでチームの失策は開幕から29試合で30個目となった。「しっかり守りから打撃につなげていきたい。取り返す気持ちでした」とリベンジする姿を頭に描き、打席に立っていた。
「チャンスだと思うので。自分のプレーをしてあしたからもチームに貢献したい」
右足首を痛めた上本の代役では終わらない。一緒にお立ち台に上がった明大の後輩・高山から「さすがです」と持ち上げられ、「なめてますね」と苦笑い。お立ち台から初めて見た光景を「最高の景色」と表現した。この眺めを何度でも、その手でつかみとってみせる。
お立ち台で指で「1」のポーズ取る高山俊外野手、糸原健斗内野手、=阪神甲子園球場
★部屋でバット構え毎日イメージトレ
糸原には日課がある。いつも部屋にバットを 1本持ち込み、イメージトレーニングを行う。バットを構え、フォームチェック。「全力で振るまではいかないですけど、いろいろ感覚の確認とかしてますね」。室内ということもあり、フルスイングは難しいが、イメージすることは出来る。それは遠征先でも欠かさない。欠かさないルーティンが、試合が中断しても途切れない集中力につながっている。
梅野隆太郎捕手の 2試合連続となる 3塁打で、ついに逆転に成功した。 7回、同点としてなお二死 1、 2塁。初球を振り切ると、打球は右中間を割っていった。
3塁ベース到達は頭から滑り込んだ。立ち上がると、すぐに高代 3塁ベースコーチと両手を合わせ、喜びを表現した。
一時は 9点差あったが、 5回からの 3イニングで計11点を奪い、逆転した。
7回裏阪神二死 1、 2塁、勝ち越しの適時 3塁打の梅野隆太郎捕手は高代延博コーチに向かい喜びを爆発させた=阪神甲子園球場
阪神が 0- 9のビハインドから、広島を大逆転で破り単独首位に立った。
決勝の 2点 3塁打を放ち、 3試合連続のヒーローインタビューとなった梅野隆太郎捕手は「今日もやりました!(リプレー検証で)中断したあとの(同点打の糸原)健斗の姿を見て気迫をもらって、初球から行かないといけないと思い、打った結果が最高の結果になりました。きょうはキャッチャーとして、なかなか攻撃にリズムを持って行けなかった。勝ちたいという一心であの打席に立っていきました。(お立ち台) 3日連続はなかなかないことですし、明日も勝ってこのお立ち台に上がれるように頑張りたいと思います」と振り返った。
ゴールデンウイークは梅ちゃんウイーク!! 球団史上最大の 9点差逆転勝利に「きょうもやりましたー!!」と絶叫=阪神甲子園球場
神ってるのは虎!! 阪神は広島との首位攻防戦で球団史上最大となる 9点差を逆転するミラクル勝利で、今季初の単独首位に立った。 7回、江越の生還がリプレー検証でアウトに覆ったが、糸原の同点打の後、新神ってる男、梅野隆太郎捕手が決勝の 2点 3塁打。梅ちゃんが12年ぶりの優勝を運んでくる!!
虎に奇跡が起きた。梅野の打球が右中間をきれいに破っていく。誰がこんなドラマを予想しただろうか。夢か。いや夢じゃない。最大 9点差をひっくり返す球団史上初の大逆転劇。スタンドの虎党は泣いていた。球史に残るアンビリーバブルな展開で奪首に成功した。
「今日もやりました!! 健斗(糸原)の姿を見て気迫をもらったので、これは初球からいかないとと思って、思いきり振った結果だと思います」
まくぎれ、梅野隆太郎捕手とハイタッチする金本知憲監督=阪神甲子園球場
プロ初先発したドラフト 6位・福永春吾投手が 4回 6失点。ベンチも 4番・福留も 4回で下げ、 5回表で 9点を追う展開となった。金本監督ですら「お客さんに申し訳ない気持ちで一杯で何とか少しでも盛り上がるシーンを作ってほしいなと思っていた」と敗色濃厚を認めていた。
ところが、じわりじわりと追い上げ、 6回、高山の 3点 3塁打でついに 8- 9の 1点差。ベンチはもうお祭り騒ぎで「これでいけると思った」と金本監督。
7回には一死 1、 2塁で鳥谷の 2ゴロを西川がファンブル。 2走・江越が一気に本塁突入を試みた。遊撃手・田中が本塁に送球したが、江越は頭から突っ込んで、真鍋球審はセーフのジャッジ。しかし…。長い長い約17分間のリプレー検証の結果、江越の足にタッチしたのが速いとして判定が覆った。誰もが観念しかけた次の瞬間、D 5位・糸原健斗内野手が右前に同点打!! 9点差を追いつく神がかりな展開に、甲子園が揺れた。こうなれば、新神ってる男の出番だ。
7回、梅野隆太郎捕手が適時 3塁打を放った=阪神甲子園球場
二死 1、 2塁で梅野が薮田の初球 151キロを狙った。前日 5日も左中間に逆転の 2点 3塁打を放っていた正妻が今度は右中間を深々と破る 2点 3塁打で勝ち越した。
「中断が長かったんですけど、気持ちはそのままいけました。(判定にに)ガクっとしたというよりは、まだ(頭の中は江越の生還で)同点の気分だったというか。あまり(状況の)整理がついていない感じだったので、逆にのまれた感じがなかったです」
梅野はルーキーイヤーの2014年に92試合出場、 7本塁打を放ったが、今季は28打席連続無安打も経験。入団時の打てる捕手という看板は消え去り、悔しくて不眠にも陥った。「あんまり寝れないですね…。夢もみないです。いい夢みたいです」。目の下にくまを作りながら、漏らしたこともあった。どん底を味わった分、リバウンドは青天井だ。
まくぎれ、リリーフカーで場内を一周する選手に手を振り盛り上がる阪神ファン=阪神甲子園球場
今季 2度目の「4連勝」で貯金は最多を更新する「7」。今季 4戦全敗だった土曜日で初白星をあげた。虎将は「まさか逆転するとはね」と若きナインに脱帽した。 梅野は「明日も勝ってお立ち台に上がれるように頑張ります」と声を張り上げた。 5月は“虎のぼり”の季節。ピチピチとした若虎たちが黄金週間を首位固めウイークに変えていく。
★奇跡のウイニングボール歴史館に
9点差の逆転勝利は1978年 5月 2日の大洋戦(横浜)の「8」を抜き、球団史上最大。そのウイニングボールは 7日から甲子園歴史館で急きょ展示されることが決定した。金本監督も「 9点差をひっくり返したのは僕も長い間プロ野球にいますが、僕も初めてですね」と驚くほど。“神ってる”白球を、どうぞごらんください。
5回 一死 3塁、梅野隆太郎捕手が中前に適時打を放った=阪神甲子園球場
◇データBOX◇
◎…阪神の単独首位は昨年 4月 8日以来、 393日ぶり。 5月に単独首位に立つのは、2010年 5月 2日以来、 7年ぶり。
◎…阪神の 9点差逆転勝利は球団史上初。 9点差以上の逆転勝利は、2003年 7月29日に北海道日本ハムがオリックス戦で 9点差( 0- 9→11- 9)をひっくり返して以来14年ぶりプロ野球史上 9度目。阪神の最大逆転勝利は1978年 5月 2日の大洋戦(横浜)の 0- 8からの 8点差だった。
梅野隆太郎捕手(左)勝利のハイタッチを交わすラファエル・ドリス投手。最後は任せろ!!=阪神甲子園球場
歴史的な逆転劇のフィナーレはこの男だ。12- 9の 9回に守護神・ドリスがマウンドへ。ヒットあり、暴投ありで虎党を少々ヒヤリとさせたが、大乱戦のうねりには飲み込まれなかった。無失点で 2試合連続のリーグ独走、12セーブ目を挙げた。
「 9回というのを忘れて、とにかく目の前のバッターに集中するようにしていた。より集中して投げたよ」
3点を守る 9回、先頭の田中に右前打。安部を空振り三振後、丸へのスプリットがホームの手前でバウンド。梅野がボールを捕球する間に 1走が 3塁まで進む大暴投でピンチを招いたが、冷静だった。
投球するラファエル・ドリス投手=阪神甲子園球場
丸へのスプリットが再び捕手の手前でワンバウンドしたが、すぐにベースカバーに入ると、梅野のトスを捕球して 3走・田中を本塁タッチアウトにした。何度もガッツポーズを決めて喜びをあらわにした。 メジャー昇格を目指していた若手時代は遊撃手としてもプレー。「点差はあったけど、 1点もあげたくなかった。体が自然と反応したよ」と胸を張った。
最後の打者・丸をフォークで空振り三振に仕留めて、ゲームセット。暴投もあったが、 1回 1安打無失点。 4月30日には右肩の張りを訴えたものの、前日 5日に続く 2連投。周囲の不安を吹き飛ばした。
「こんな試合は経験したことないし、見たこともないよ。本当に何が起こるかわからないなと思ったね」。試合がどんなにもつれていても、リードさえ奪えば、最強ドミニカンがゲームを締める。
2017年 公式戦 順位表
2017年 公式戦 日程と結果(05月)