●下克上から19年ぶりの「日本一」を目指したDeNAが、延長11回の激闘の末に敗れた。「2勝3敗」で、勝てば逆王手の一戦にアレックス・ラミレス監督(43)は、白崎浩之外野手(27)を指名打者に抜てき。 1点ビハインドの 5回に同点弾を放つなど、采配がズバリ的中。しかし、 9回に山崎康晃投手(25)が「同点アーチ」を打たれ、延長11回には三上朋也投手(28)が打たれサヨナラ負けを喫した。パ・リーグ球団が「日本シリーズ」を制するのは2013年の楽天から「5年連続」で、最近15年では「12度目」。今年で「68回目の日本シリーズ」はセ・リーグ球団の「35勝」に対し、パが「33勝」に迫る。ソフトバンクはダイエー時代の2003年から「日本シリーズ5連勝」。南海時代も含め巨人には「1勝9敗」と分が悪いが、巨人以外のチームとの対戦では「7度」全て勝利している。DeNAは前身の大洋、横浜時代を含め、「3度目の出場」で初めて敗退した。
●甲斐拓也捕手(25)が、松田のいたずらに苦笑いだ。 3回の第 1打席、普段の登場曲ではなくDeNAの守護神山崎康晃投手(25)が使用しているZombie Nationの「Kernkraft400」が流れた。左翼席のDeNAファンはノリノリでヤスアキジャンプ。
●内川聖一外野手(35)が 1点ビハインドの 9回、値千金の左越え「同点ソロ」を放った。土壇場でチームを救った一撃が、サヨナラ劇を呼び込んだ。お立ち台の工藤公康監督(54)から「内川キャプテン!」と呼ばれ登壇。ファンの前で指揮官から「最高の男です」とたたえられると、最高の笑顔をみせた。左翼席に白球が飛び込むと、泣きそうな表情で右拳を突き上げた。今年一番のガッツポーズ。絶体絶命のチームを救う起死回生の一発だ。主将の内川が、サプライズでお立ち台に呼ばれた。指揮官に呼ばれて登壇すると「最高の男です」とたたえられ、手を握られた。クライマックスシリーズ(CS)でも史上初の「4試合連続本塁打」を放って、自身「3度目のMVP」に輝いた。「日本シリーズ」も第 3戦で決勝打を放つなど、 6試合で「22打数7安打」で「打率0.318、1本塁打、3打点」。この土壇場でも、その勝負強さを証明した。2015年のシリーズは直前に左肋骨を骨折して欠場した。主将、「4番」として初めての舞台だった。ただ「重圧は昔の方が感じる」と語る。キャプテンマークをつけて 3年、身に染みたのは責任感だけではない。仲間への恩返しを誓ったポストシーズン。左手親指の骨折で 8、 9月の優勝争いに加われなかった無念は、十分に晴らした。
● 9回から 3イニングを無失点リリーフしたソフトバンクのデニス・サファテ投手(36)が、「日本シリーズ」の最高殊勲選手に選ばれた。炎の36球だった。ソフトバンクの守護神がマウンドに向かう度に大歓声がわき起こった。出番は 1点ビハインドの 9回。打者 3人で仕留め、攻撃にリズムを作って「4番」・内川の起死回生の「同点弾」を誘発すると、剛球の勢いは増した。10回無死 2塁のピンチでホセ・ロペス内野手(33)、筒香嘉智外野手(25)を 150キロ超の直球で連続三振。最後は 1、 2塁から柴田竜拓内野手(23)を 1ゴロに打ち取り、雄たけびを上げた。球場がどよめく中、グラウンドに舞い戻った11回も気合でねじ伏せ、ガッツポーズ。直後の劇的なサヨナラを呼んだ。パ・リーグ覇者のソフトバンクが、DeNAとの延長戦を制し、「4勝2敗」として 2年ぶり 8度目の「日本一」に輝いた。
●「日本一」に輝いたソフトバンク工藤公康監督が、球史に新たな記録を刻んだ。監督では自身 2年ぶり 2度目の「日本一」。選手時代の11度(西武 8、ダイエー 1、巨人 2)を含めれば、13度目の栄冠を手にした。選手と監督合わせて「シリーズ優勝13度以上」は、森祗晶(17度=選11、監 6)、川上哲治(15度=選 4、監11)、王貞治(13度=選11、監 2)に続いて 4人目となった。延長11回、サヨナラ勝利の死闘だった。選手たちの手で 8度宙に舞うと、こらえきれずに天を仰ぎ涙を流した。勝利監督インタビューでは率直な心境をもらした。ファンに感謝していた。
●「日本一」に輝いたソフトバンク工藤公康監督、優秀選手賞の内川聖一主将(35)、MVPのデニス・サファテ投手(36)がシリーズ優勝記者会見に出席した。第 6戦、延長11回までもつれた熱戦に、工藤監督は興奮気味に語った。内川は 9回一死から起死回生の「同点ソロ」を放った。CSファイナルシリーズでは「4試合連続本塁打」の離れ業を見せたがまた、強くなった古巣DeNAにも敬意を示した。サファテは 9回から 3イニングを投げた。シリーズMVPに笑顔を見せた。 3イニング続投に笑いを取り、「ホークスのファンは『日本一』」と感謝した。
●ソフトバンク 2年ぶりの「日本一」を祝う選手と首脳陣による歓喜のビールかけが、ヤフオクドーム内の特設会場で行われた。乾杯前には王貞治球団会長(77)がねぎらい、選手たちの激闘をたたえた。また工藤公康監督は感謝。盛り上げた。長谷川勇也選手会長(32)があいさつし、乾杯の号令をかけると、用意されたビール3000本、コーラ 480本、日本酒 4たると一升瓶60本(計 140本相当)が泡となって消えた。
● 2年ぶり 8度目の「日本一」を決めたソフトバンクがヤフオクドーム内で祝勝会を行った。王会長のあと工藤監督が壇上に立ち叫びながらあいさつ。ソフトバンク選手会長の長谷川勇也の音頭で、全員が右手の人さし指を立てて叫びながら、歓喜のビールかけが行われた。長谷川勇はファンの声援に感謝していた。
● 2年ぶりの「日本一」を決めたソフトバンクのCMに出演する女優上戸彩(32)は 4日、祝福コメントをよせた。南海時代からホークスファンのお笑い芸人・間寛平(68)は、ソフトバンクの 2年ぶりの「日本シリーズ制覇」にお祝いのコメントを発表した。
● 2年ぶりに「日本一」を奪回したソフトバンクの鳥越裕介内野守備走塁コーチ(46)と清水将海バッテリーコーチ(42)が退団することが 4日、分かった。 2人は井口新監督が就任したロッテへ移籍する見通し。
●松坂大輔投手(37)が、今季限りで退団することが 4日、分かった。 3年契約が満了し、球団との話し合いの末、自由契約を選択。国内を中心に新天地を探すとみられる。松坂はこの日、早朝に福岡・筑後市のファーム施設で練習と荷物整理を終えた。今後は国内で練習を続ける。関係者によると 8月に故障の原因が分かり、最近 1カ月で急速に回復しているという。
記事をまとめてみました。
<ソフトバンク 4- 3DeNA=延長11回>◇日本シリーズ第 6戦◇ソフトバンク 4勝 2敗◇ 4日◇福岡ヤフオクドーム
下克上から19年ぶりの「日本一」を目指したDeNAが、延長11回の激闘の末に敗れた。
「2勝3敗」で、勝てば逆王手の一戦にアレックス・ラミレス監督は、白崎浩之外野手を指名打者に抜てき。 1点ビハインドの 5回に同点弾を放つなど、采配がズバリ的中。しかし、 9回に山崎康晃投手が「同点アーチ」を打たれ、延長11回には三上朋也投手が打たれサヨナラ負けを喫した。
試合後、ラミレス監督は「去年はCSファイナルで負けたが、今年はここまで勝ち上がってきた。ここにくるまでに、何をすべきか分かった。来年は優勝を目指して準備したい。何事にも甘く見てはいけない。すべてのプレーで、気を抜いてはいけないということを学んだ。人間なのでミスはつきもの。数々の決断をしたが、うまくいった部分があった。かなり学ぶことができた。自信にもなった。後悔したくなかったし、今日も後悔はなにもない。ベストの決断をして、選手がベストのプレーをしてくれた」と話した。
お互いのチームの健闘を称え合い握手を交わすソフトバンク工藤公康監督(右)とDeNAラミレス監督=福岡ヤフオクドーム
パ・リーグ球団が「日本シリーズ」を制するのは2013年の楽天から「5年連続」で、最近15年では「12度目」。今年で「68回目の日本シリーズ」はセ・リーグ球団の「35勝」に対し、パが「33勝」に迫る。
ソフトバンクはダイエー時代の2003年から「日本シリーズ5連勝」。南海時代も含め巨人には「1勝9敗」と分が悪いが、巨人以外のチームとの対戦では「7度」全て勝利している。
DeNAは前身の大洋、横浜時代を含め、「3度目の出場」で初めて敗退した。
3回裏ソフトバンク一死、甲斐拓也捕手は空振り三振=福岡ヤフオクドーム
ソフトバンク甲斐拓也捕手(25)が、松田のいたずらに苦笑いだ。
3回の第 1打席、普段の登場曲ではなくDeNAの守護神山崎康が使用しているZombie Nationの「Kernkraft400」が流れた。
甲斐は「流れた瞬間、うわ~、ヤバイと思った。やられたと思った」。左翼席のDeNAファンはノリノリでヤスアキジャンプ。「聞こえてましたよ」と、申し訳なさそうに苦笑いしていた。
11回、サヨナラ打を放った川島慶三内野手(背番4)をめがけて、松田宣浩内野手、内川聖一内野手、柳田悠岐外野手らナインが歓喜の表情で駆け寄った=福岡ヤフオクドーム
ソフトバンク・内川聖一外野手が 1点ビハインドの 9回、値千金の左越え「同点ソロ」を放った。土壇場でチームを救った一撃が、サヨナラ劇を呼び込んだ。お立ち台の工藤監督から「内川キャプテン!」と呼ばれ登壇。ファンの前で指揮官から「最高の男です」とたたえられると、最高の笑顔をみせた。
左翼席に白球が飛び込むと、泣きそうな表情で右拳を突き上げた。今年一番のガッツポーズ。絶体絶命のチームを救う起死回生の一発だ。主将の内川が、サプライズでお立ち台に呼ばれた。
「シーズンでけがをして、力になれなかった。チームメートが作ってくれた『日本シリーズ』。恩返しがしたかった。一番いいところで、 1本出てよかったです」
歓喜のビールかけ。劇的な同点ソロを放った内川聖一内野手(右)も、顔をくしゃくしゃにしてはしゃいだ=福岡ヤフオクドーム
1点を追う 9回一死、DeNAの守護神・山崎康の決め球をとらえた。低めいっぱいのツーシームを抜群のバットコントロールで拾った。サヨナラの舞台を整えた値千金の「同点ソロ」。工藤監督は自身の勝利インタビューを途中で止めて、叫んだ。「内川キャプテン!」。指揮官に呼ばれて登壇すると「最高の男です」とたたえられ、手を握られた。
「きょうのヒーローでもないのに、うれしかったです」
クライマックスシリーズ(CS)でも史上初の「4試合連続本塁打」を放って、自身「3度目のMVP」に輝いた。「日本シリーズ」も第 3戦で決勝打を放つなど、 6試合で「22打数7安打」で「打率0.318、1本塁打、3打点」。この土壇場でも、その勝負強さを証明した。
「いままでと立ち位置も打順も違うけど、『日本一』になりたいという思いは変わらない」
優勝祝勝会、ソフトバンク・内川聖一内野手にビールをかける松田宣浩内野手=福岡ヤフオクドーム
2015年のシリーズは直前に左肋骨を骨折して欠場した。主将、「4番」として初めての舞台だった。ただ「重圧は昔の方が感じる」と語る。キャプテンマークをつけて 3年、身に染みたのは責任感だけではない。
「自分一人じゃないと分かったから、ガチガチの緊張感はない。みんながいてくれるから。(自分の)いい結果だけを求めていた頃とは違う」
仲間への恩返しを誓ったポストシーズン。左手親指の骨折で 8、 9月の優勝争いに加われなかった無念は、十分に晴らした。
☆第 1戦から第 3戦まで 1回に先頭打者安打を放つなど活躍し、優秀選手賞に輝いたソフトバンク・柳田悠岐外野手
「本当に万々歳。チームのみんなの賞。賞金(40万円)をみんなで使いたい」
優勝祝勝会、ソフトバンク・内川聖一内野手にビールをかける松田宣浩内野手=福岡ヤフオクドーム
ソフトバンクが延長11回、川島のサヨナラ打で劇的に 2年ぶり 8度目の「日本一」となった。 7度胴上げされた工藤公康監督が、優勝監督インタビューで喜びを語った。
-今の率直な気持ちは
工藤監督 もう苦しかったです。「3連勝」した後に、1つ負けて、やっぱりもう、選手もそうだと思いますけど、僕自身もほんとに、勝たなきゃいけない、負けられないっていう中で、選手たちが実力以上の力を出してくれて、強いホークスをこのヤフオクで、ファンの皆さんの前で出せたことが何よりも幸せです。ありがとうございます。
-胴上げされたときの気持ちは
工藤監督 今までにない、最高の気分でした。選手のみんなありがとう!
-どんな気持ちで試合を
工藤監督 必ず勝つと、 3点取られたときも、絶対追いつくんだと、追い越すんだと、ここで決めるんだと。もう選手を信じて、ひたすら選手を信じて、采配を振ってましたけど、すごい、この負けてる状況の中で…。内川キャプテン! キャプテン!
(ここで内川聖一内野手がお立ち台へ)
工藤監督 最高の男です。皆さん拍手をお願いします!
「日本シリーズ」を制しソフトバンク工藤公康監督(左)と抱き合って喜ぶ内川聖一内野手=福岡ヤフオクドーム
-せっかくですので一言
内川 いや、あの、ちょっと興奮して、みんなで裏で騒いでたんで、監督が何をしゃべっていたのか聞いてなかったんで、突然呼ばれてびっくりしたんですけど、今年はシーズン中もケガしまして、「日本一」になるチャンスをチームのみんなが作ってくれたシリーズだと思ってたので、最後それを、「日本一」という形で終われてよかったと思います。みんな本当ありがとうございます。
-改めてファンに
工藤監督 本当に 1年間熱い応援、そして今年スローガンに掲げたワンダホー、心ひとつに、チームひとつに、九州を 1つに、「日本一」を奪還しようと、その思いでやってきました。皆さんも同じ思いだったと思います。「日本一」になりました! 達成できました。本当にありがとうございました! ケイゾー(川島)よく打ったぞ!
★グラウンド外でも“最高”
内川は日本シリーズ前に選手、スタッフを焼き肉店に誘い、クライマックスシリーズMVPの賞金 100万円を使って決起集会を開いた。大いに盛り上がり、参加者から「次、誰かがMVPを取ったらまたやろう」との声が上がった。グラウンド内外でチームをまとめたキャプテンを工藤監督が「最高の男」と呼ぶのも当然だった。
◇内川 聖一(うちかわ・せいいち)
1982(昭和57)年 8月 4日生まれ、35歳。大分県出身。大分工業高校から2001年「ドラフト1位」で横浜(現DeNA)入団。2008年に右打者最高打率の「0.378」を記録し首位打者に輝いた。2010年オフにFAでソフトバンクに移籍。主なタイトルはMVP(2011年)、首位打者 2度(2008年、2011年)。2009年、2013年、2015年WBC日本代表。今季成績は「73試合」に出場し、「打率0.297、12本塁打、50打点」。通算成績は「1769試合」に出場し、「打率0.310、176本塁打、886打点」。 1メートル85、90キロ。右投げ右打ち。既婚。今季年俸 3億5000万円。背番号「1」。
9回から 3イニングを無失点リリーフしたソフトバンクのデニス・サファテ投手が、「日本シリーズ」の最高殊勲選手に選ばれた。
11回、観客を盛り上げるソフトバンク・デニス・サファテ投手=福岡ヤフオクドーム
炎の36球だった。ソフトバンクの守護神がマウンドに向かう度に大歓声がわき起こった。「来日7年目」、シーズン計 421試合に投げてきた男が、志願して初の 3イニング登板。サファテが限界を超え、DeNA打線を無失点に抑えた。 2年ぶりの日本一の立役者になり、MVPに輝いた。
「きょう勝つしかない…と。疲れました。監督には『これっきりにしてほしいな』と言いたいと思います」
出番は 1点ビハインドの 9回。打者 3人で仕留め、攻撃にリズムを作って「4番」・内川の起死回生の「同点弾」を誘発すると、剛球の勢いは増した。10回無死 2塁のピンチでロペス、筒香を 150キロ超の直球で連続三振。最後は 1、 2塁から柴田を 1ゴロに打ち取り、雄たけびを上げた。球場がどよめく中、グラウンドに舞い戻った11回も気合でねじ伏せ、ガッツポーズ。直後の劇的なサヨナラを呼んだ。
10回、打者を打ち取りベンチに戻るソフトバンク・デニス・サファテ投手=福岡ヤフオクドーム
2017年はまさにサファテイヤー。プロ野球新の「シーズン54セーブ」を挙げた。今シリーズは 3試合で「1勝2セーブ、防御率0.00」と圧倒的な力を見せた。
そのパワーの源は愛する家族と、チームメートの存在。 5月下旬に夫人・ジェイダさんの体調不良で一時帰国したが「自分の都合でチームを離れたときに、みんなが自分のために頑張ってくれた。だから、自分もチームのために頑張ろうと思った」。仲間の手で胴上げされ、「5度宙に舞った」。最高の形で 1年を締めくくった。
「また、来年も同じ喜びを(みんなで)分かち合いたい」。背番号「58」はお立ち台で連覇を宣言した。
デニス・サファテ投手は十回のピンチを切り抜け、ガッツポーズしながらベンチに戻った=福岡ヤフオクドーム
パ・リーグ覇者のソフトバンクが、DeNAとの延長戦を制し、「4勝2敗」として 2年ぶり 8度目の「日本一」に輝いた。 1点を追う 9回に内川の「ソロ本塁打」で同点に追いつくと、11回には二死 1、 2塁から川島が右前にサヨナラ適時打を放った。守護神・サファテが 9回から 3回を投げ無失点で勝利投手に。最高殊勲選手(MVP)にも選ばれたサファテはお立ち台で喜びに浸った。
-今の気持ちは
サファテ 今日、全部使い切ってしまったんで、今日とにかく勝つしかないと思って、明日の分はもう残ってなかった。ケイゾー(川島)、ベンチからヒーローになってくれと、叫んでました。そういう選手が打ってくれる。愛すべきチームメートだと思います。
- 3イニング。どんな思いで投げたか
サファテ チームのために。それだけです。今年ちょっと、自分の都合でチームを抜けた時期もありましたけど、そのときみんなが自分のためにと、戦ってくれたんで、今日は自分が、チームのためにと思って投げました。
ナインから胴上げされるデニス・サファテ投手=福岡ヤフオクドーム
-今年はセーブの記録も作った。どんなシーズンだった
サファテ このチームで、この素晴らしいファンの皆さんの前で、こうやって愛すべきチームメートと、愛すべきファンの皆さんと、戦える。本当に最高の気分だと思いますし、「日本一」を達成できたのは本当にうれしいと思います。
-ファンの皆さんに
サファテ 感謝しきれないです。来年同じ喜びを一緒に味わいましょう。皆さん最高です。アリガトゴザイマース!
◇データBOX◇
ソフトバンク・サファテがシリーズMVP。投手の受賞は2013年の楽天・美馬学以来 4年ぶり21人目(24度目)。外国人投手の受賞は1964年の南海・スタンカ以来53年ぶり 2人目。ホークスの投手としては1959年の杉浦忠、1964年のスタンカ、2003年の杉内俊哉に次いで 4人目の受賞。また、36歳 6カ月での受賞は2011年のソフトバンク・小久保裕紀(40歳 1カ月)、1999年のダイエー・秋山幸二(37歳 6カ月)に次ぐ「3番目」の高齢で、投手としては2004年の西武・石井貴ら(33歳 2カ月)を抜いて最年長。
◇デニス・サファテ(Dennis Sarfate)
1981年 4月 9日生まれ、36歳。米ニューヨーク州出身。2001年「ドラフト9巡目(全体268位)」でブルワーズ入団。2006年にメジャーデビュー。オリオールズなどを経て2011年に広島移籍。2013年は西武、2014年にソフトバンクへ移籍。今季はシーズン最多の「プロ野球新記録54セーブ」を樹立するなど66試合に登板し、「2勝2敗、防御率1.09」。 1メートル93、 102キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸 5億円。
MVPのデニス・サファテ投手(中央)を祝福する工藤公康監督(後方左)と王貞治球団会長=福岡ヤフオクドーム
「日本一」に輝いたソフトバンク工藤公康監督が、球史に新たな記録を刻んだ。
監督では自身 2年ぶり 2度目の「日本一」。選手時代の11度(西武 8、ダイエー 1、巨人 2)を含めれば、13度目の栄冠を手にした。選手と監督合わせて「シリーズ優勝13度以上」は、森祗晶(17度=選11、監 6)、川上哲治(15度=選 4、監11)、王貞治(13度=選11、監 2)に続いて 4人目となった。
延長11回、サヨナラ勝利の死闘だった。選手たちの手で 8度宙に舞うと、こらえきれずに天を仰ぎ涙を流した。
勝利監督インタビューでは「苦しかったです」と率直な心境をもらした。「 3点取られた後も絶対に勝つ、ここで決めるんだと選手を信じて采配を振っていました。選手たちが実力以上のものを出してくれて、強いホークスをヤフオクドームの皆さんの前で見せることができて、何より幸せです!」とファンに感謝していた。
「日本一」に輝いたソフトバンク工藤公康監督、優秀選手賞の内川聖一主将、MVPのデニス・サファテ投手がシリーズ優勝記者会見に出席した。
第 6戦、延長11回までもつれた熱戦に、工藤監督は「自分の現役時代も含めて、こんなに緊張して、ハラハラして、ドキドキした日本シリーズはなかった。日本一になれて幸せです」と興奮気味に語った。川島のサヨナラ打の瞬間については「頭が真っ白でした。勝ったんだ、『日本一』になったんだという喜びがわいてきて、もう泣かないと決めたんですけど、一瞬にして苦しかったことが頭をよぎって、涙してしまいました」と振り返った。
「日本シリーズ制覇」を果たしファンの声援に応えるソフトバンク工藤公康監督=福岡ヤフオクドーム
内川は 9回一死から起死回生の「同点ソロ」を放った。「今年はケガでチームにいられない期間が長かった。クライマックス、『日本シリーズ』はチームが『日本一』になるチャンスをつくってくれた。結果で恩返ししたかったので、伴ってくれてうれしい」と喜んだ。CSファイナルシリーズでは「4試合連続本塁打」の離れ業を見せたが「正直、出来すぎだった。一度あのバッティングは捨てないといけないと思っていましたが、一番いいところで 1本出てくれた。何とかしたいというみんなの思いが、僕のバットに乗り移ってくれたんだと思います」。また「僕が横浜にいた時は、『日本一』になるっていうこと(期待)を、ファンの皆さんに持ってもらう機会がなかったので」と、強くなった古巣DeNAにも敬意を示した。
サファテは 9回から 3イニングを投げた。シリーズMVPに「とても光栄なこと。 9回をしっかり抑えれば、デスパイネ、内川、中村晃が何とかしてくれると思った。その通りになってうれしい」と笑顔を見せた。 3イニング続投に「疲れました。監督にはこれっきりにしてもらいたい」と笑いを取り、「ホークスのファンは『日本一』」と感謝した。
祝勝会であいさつする王貞治球団会長=福岡ヤフオクドーム
ソフトバンク 2年ぶりの「日本一」を祝う選手と首脳陣による歓喜のビールかけが、ヤフオクドーム内の特設会場で行われた。
乾杯前には王貞治球団会長が「本当に素晴らしかった。こんなに涙が出る日本シリーズは初めてです。みんなの涙を見てたらもらい泣きしちゃったのかな」とねぎらい、選手たちの激闘を「歴史に残ると思う」とたたえた。
また工藤公康監督は「みんなの成長を今年 1年見ることができて、本当にうれしく思う」と感謝。「今日は大いに(ビールを)かけるだけかけて、浴びるだけ浴びて、もう明日からオフだ!野球やんなくていいんだ!しっかり楽しめよー!」と盛り上げた。
長谷川勇也選手会長が「選手、監督、コーチ、スタッフ。こうして日本一になれたのも、ここにいる全ての皆さんの努力のたまものだと思います。本当におめでとうございます。ありがとうございます」とあいさつし、乾杯の号令をかけると、用意されたビール3000本、コーラ 480本、日本酒 4たると一升瓶60本(計 140本相当)が泡となって消えた。
全員野球で、全員で力を合わせて勝ち取った! オメデトウ!よくぞ勝利を掴んだ!ホークス万歳!
2017年 公式戦 順位表
2017年 公式戦 日程と結果(10月)
2017年日本シリーズ 日程
どんな相手にも立ち向かう。どんな局面でも己の限界にトライする。
その精神を全員が強く持ち、タイガースが変革し続ける一年にしたい。
そうした強い思いをスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは、2017年のシーズンロゴとしても展開して参ります。