●東洋大學が「4年ぶり6度目の往路優勝」を果たした。 1区で首位に立つとその後もトップの座を譲ることなく芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。「4連覇」を目指す青山学院大學は36秒差の「2位」、「3位」には早稲田大學が入った。21チームが出場して行われ、東洋大學が 5時間28分29秒で「4年ぶり6度目」の往路優勝を飾った。 1区(21.3キロ)で西山和弥( 1年)が「区間賞」に輝くと、その後は一度も首位を譲ることなく、芦ノ湖のフィニッシュテープを切った。青山学院大學は36秒差の「2位」だった。出雲駅伝優勝の東海大は 5分40秒差の「9位」、「全日本大学駅伝覇者」の神奈川大學は 9分35秒差の「15位」に沈んだ。復路( 109.6キロ)は 3日に行われる(タイムは速報値)。 3区(21.4キロ)山本修二( 3年)は昨年 9月に「陸上男子100メートル」で日本選手初の 9秒台を出した 1学年先輩、桐生祥秀のレースを会場で見届け刺激をもらった。日本最速の男に引けを取らない活躍を演じた。 4区(20.9キロ)に抜てきされた吉川洋次( 1年)は 1時間 2分22秒をマーク。 1秒差で神奈川大學・大塚倭( 3年)に区間記録を譲ったが、堂々の「区間2位」で青山学院大學との差を 2分 3秒まで広げ、山上り 5区(20.8キロ)を任された田中龍誠( 1年)に全てを託した。田中は青山学院大學・竹石尚人( 2年)の猛追を振り切り、何とか逃げ切った。
●文化放送で午前 7時半から生放送された「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継」に、東洋大學時代に山登りの 5区で 3回、「区間記録」を更新し「新・山の神」と呼ばれ、2017年 4月に現役を引退した柏原竜二氏(28=富士通)が解説、青山学院大學OB「三代目山の神」と呼ばれた、コニカミノルタ・神野大地(24)がゲストとして出演した。柏原氏は、往路 5区間に 1年生 3人、 2年生 1人を起用して「4年ぶり6回目の往路優勝」を決めた母校について評した。その上で翌 3日の復路を走るメンバーにゲキを飛ばした。神野は、 5区で竹石尚人( 2年=鶴崎工)が、足の違和感から 2度、足を止めながら 1時間12分49秒で走りきったことを評価。36秒差で臨む復路での逆転優勝に期待を寄せた。 3日は同局で、午前 7時半から復路を生放送する。解説は早稲田大學OBでGMOアスリーツの花田勝彦監督(46)が解説、順天堂大學OBで、2005年の 5区で11人抜きを達成し、 1時間 9分12秒の記録を打ち立てた“初代山の神”トヨタ自動車九州の今井正人(33)がゲストで出演する。
●テレビでゲスト解説を務めた早稲田大學OBの大迫傑(26=ナイキ・オレゴンプロジェクト)は、往路を制した東洋大學について評価。母校は東洋大學から 1分56秒差の「3位」につけたが、後輩たちにエールを送っていた。
●テレビ解説を務めた日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(61)は東洋大學について評価した。その一方で神奈川大學が山上りの 5区(20.8キロ)で失速し、「15位」に終わったことには驚いた様子だった。「2位」につけた青山学院大學は 2、 3年時に 8区で「区間賞」の下田裕太( 4年)は補欠登録となったが、今回も 8区での起用が濃厚。箱根のキーポイントとなる山には、 2年連続で山下りに起用されている小野田勇次( 3年)がおり、復路にも強力なメンバーが残る。瀬古氏は王者の巻き返しを予想していた。
●拓殖大学が往路で「4位」に食い込んだ。 1区で「13位」スタートとなったが、 2区のワークナー・デレセ( 3年)が区間「5位」と奮闘して上位に浮上。最後は法大の猛追を受けながらも1秒差でゴールに駆け込んだ。 5区を走った戸部は胸をなで下ろした。昨年は「総合14位」で、2015、2016年はいずれも「16位」。想像以上の好結果に岡田正裕監督はほくほく顔だった。総合で過去最高の「7位」を上回れるか。
●順天堂大學は往路優勝を狙ったものの「8位」にとどまった。昨年 4区区間賞の栃木渡主将( 4年)を当日変更で 1区に起用したが「10位」と出遅れ、「リオ五輪3000メートル障害代表」の 2区・塩尻和也( 3年)も「10位」と順位を上げられなかった。往路優勝を目指したチームは、見せ場をつくれずに「8位」にとどまった。 3年生の大黒柱はレース後、さえない表情で肩を落とした。記事をまとめてみました。
<第94回箱根駅伝>◇ 2日◇往路◇東京-箱根( 5区間 107.5キロ)
東洋大が「4年ぶり6度目の往路優勝」を果たした。 1区で首位に立つとその後もトップの座を譲ることなく芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。「4連覇」を目指す青学大は36秒差の「2位」、「3位」には早大が入った。
ゴールテープを切り、「4年ぶりの往路優勝」を果たした東洋大5区の田中龍誠選手=神奈川県箱根町
「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走往路( 2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場 107.5キロ)」21チームが出場して行われ、東洋大が 5時間28分29秒で「4年ぶり6度目の往路優勝」を飾った。 1区(21.3キロ)で西山和弥( 1年)が「区間賞」に輝くと、その後は一度も首位を譲ることなく、芦ノ湖のフィニッシュテープを切った。青学大は36秒差の「2位」だった。出雲駅伝優勝の東海大は 5分40秒差の「9位」、「全日本大学駅伝覇者」の神奈川大は 9分35秒差の「15位」に沈んだ。復路( 109.6キロ)は 3日に行われる(タイムは速報値)。
鉄紺のたすきが、快晴の箱根路に映えた。エントリーメンバー16人のうち 4年生はわずか 1人。 1、 2年生12人という若さあふれる選手で臨んだ東洋大が「4連覇」を狙った青学大、「全日本大学駅伝覇者」の神奈川大、「出雲駅伝優勝」の東海大を退けた。
総合順位で2008年の「10位」を最後にこの 9年間で「優勝4回、2位4回、3位1回」と常にトップ争いを演じてきた。今回も安定感が光った。 1区は西山が 1時間 2分16で首位通過。同区では早大・大迫傑(現ナイキ・オレゴンプロジェクト)以来、 7年ぶりに 1年で「区間賞」を手にし、「大迫選手に憧れてトラックでもマラソンでも世界を目指したいと思っているので、それ以来の区間賞でうれしい」と笑顔を浮かべた。
各校のエースが集う花の 2区(23.1キロ)では相沢晃( 2年)が「区間3位」と好走。リードを保ったまま、 3区(21.4キロ)山本修二( 3年)にたすきをつなげた。山本は 2区を走った前回の箱根では「1位」でたすきを受けるも、「8位」まで落ちる大ブレーキになった。その反省を生かし 1時間 2分17秒で「区間賞」を獲得。青学大のエース、田村和希( 4年)に差をつけるエースの役割を果たした。
山本は昨年 9月に「陸上男子100メートル」で日本選手初の 9秒台を出した 1学年先輩、桐生祥秀のレースを会場で見届け刺激をもらった。「コンディションが悪いほど、自分に有利だと思っていた。しっかりと区間賞の走りができた」と日本最速の男に引けを取らない活躍を演じた。
4区(20.9キロ)に抜てきされた吉川洋次( 1年)は 1時間 2分22秒をマーク。 1秒差で神奈川大・大塚倭( 3年)に区間記録を譲ったが、堂々の「区間2位」で青学大との差を 2分 3秒まで広げ、山上り 5区(20.8キロ)を任された田中龍誠( 1年)に全てを託した。田中は青学大・竹石尚人( 2年)の猛追を振り切り、何とか逃げ切った。
往路優勝した東洋大學5区・田中龍誠選手=神奈川県箱根町
【1区(21.3キロ)】
1キロ:21チームがひとかたまりになって 2分52秒で通過。
5キロ:集団がやや縦長となり、14分36秒で通過。
6キロ:関東学生連合の矢沢健太( 4年)が集団から遅れ始める。
10キロ:集団が29分21秒で通過。
17キロ:青山学院大學・鈴木塁人( 2年)が集団から抜け出す。
17.6キロ:東洋大學・西山和弥( 1年)が青山学院大學・鈴木を抜き、先頭に立つ。
20キロ:東洋大學・西山が59分29秒で首位通過。
21.3キロ:東洋大學・西山が 1時間 2分16秒で「区間賞」。
【2区(21.3キロ)】
2.3キロ:神奈川大學・鈴木健吾( 4年が「3位」に浮上。
2.8キロ:神奈川大學・鈴木が「2位」に浮上。
5キロ:東洋大學・相沢晃( 2年)が14分12秒で首位通過。
7.3キロ:順天堂大學・塩尻和也( 3年)が「5位」に浮上。
8.3キロ:東洋大學・相沢と神奈川大學・鈴木との差は28秒。
12キロ:東海大學・阪口竜平( 2年)が神奈川大學・鈴木、青山学院大學・森田歩希( 3年)から遅れ始める。
13.3キロ:山梨学院大學・ニャイロ( 3年)が「5位」に浮上し12人抜き。
15キロ:東洋大學・相沢が43分29秒で「首位」通過。
15.3キロ:東洋大學・相沢と神奈川大學・鈴木、青山学院大學・森田との差は40秒に広がる。
20キロ:東洋大學・相沢が58分 0秒で「首位」通過。
21キロ:青学大學・森田が神奈川大學・鈴木を突き放し、「2位」に浮上。
23.1キロ 東洋大學・相沢が 1時間 7分18秒で「首位」通過。
【3区(21.4キロ)】
1キロ:東洋大學・山本修二( 3年)が 2分42秒で通過。
2キロ:東洋大學・山本が 5分30秒で通過。
5キロ:東洋大學・山本が14分15秒で通過。「2位」の青学大・田村和希( 4年)との差は16秒。
5.5キロ:東洋大學・山本と青山学院大學・田村との差が12秒に縮まる。
10キロ:東洋大學・山本が28分30秒で通過。青山学院大學・田村との差は 9秒。
14.5キロ:東洋大學・山本と青山学院大學・田村との差が13秒に広がる。
21.4キロ:東洋大學・山本が 1時間 2分17秒で「区間賞」を獲得。
【4区(20.9キロ)】
3キロ:神奈川大學・大塚倭( 3年)が早稲田大學・石田康幸( 3年)を抜き「3位」に浮上。
9.1キロ:東洋大學・吉川洋次( 1年)と青山学院大學・梶谷瑠哉( 3年)との差が 1分13秒に広がる。
13.4キロ:東洋大學・吉川と青山学院大學・梶谷との差は 1分34秒に広がる。
18.3キロ:拓殖大學・西智也( 4年)が早稲田大學・石田を抜き「4位」に浮上。
20.9キロ:東洋大學・吉川が 1時間 2分22秒で「首位」通過。神奈川大・大塚が 1時間 2分21秒で区間新記録をマークした。
【5区(20.8キロ)】
3キロ:東洋大學・田中龍誠( 1年)が 9分20秒で通過。 3.6キロ:東洋大學・田中と青山学院大學・竹石尚人( 2年)との差は 1分50秒に縮まる。
5キロ 東洋大學・田中が16分25秒で「首位」通過。
7.1キロ:東洋大學・田中と青山学院大學・竹石の差が 1分21秒に縮まる。
9.3キロ:東洋大學・田中と青山学院大學・竹石の差が 1分 5秒に縮まる。
10キロ:東洋大學・田中が35分40秒で首位通過。
11.9キロ:東洋大學・田中と青山学院大學・竹石の差が 1分 2秒に縮まる。
13.5キロ:城西大・服部潤哉( 3年)が「5位」に浮上。
16キロ:東洋大學・田中と青山学院大學・竹石の差が43秒に縮まる。竹石は給水を受けた直後に、足のけいれんからかいったん止まる。
19.4キロ:青山学院大學・竹石の動きがいったん止まる。
21チームが出場して行われ、東洋大が 5時間28分29秒で「4年ぶり6度目の往路優勝」を飾った。 1区(21.3キロ)で西山和弥が区間賞に輝くと、その後は一度も首位を譲ることなく、芦ノ湖のフィニッシュテープを切った。青学大は36秒差の「2位」だった。「出雲駅伝優勝」の東海大は 5分40秒差の「9位」、全日本大学駅伝覇者の神奈川大は 9分35秒差の「15位」に沈んだ。復路( 109.6キロ)は 3日に行われる(タイムは速報値)。
文化放送でゲスト解説を務めた青学大OBで、山上り 5区で活躍した神野大地は、往路で「2位」に終わった母校について、「『3連覇』していたので総合優勝は少し黄色信号だと思うけど、復路に何枚かカードを残しているので、まだまだ狙える位置の差」と評価した。
東洋大から 2分 3秒差でたすきを受け取った 5区(20.8キロ)の竹石尚人は、足がけいれんし何度か動きをとめたが、最終的には36秒まで差を縮めてフィニッシュした。神野は後輩の力走に「全体的に山のレベルが上がっていると感じた。竹石が足がつりかけても最後まであきらめずに走りきったことは、あすの 6区以降の選手が勇気づけられる走りをしてくれた」とねぎらい、「あきらめない気持ちを最後まで持ち続けることがあすにつながる」と巻き返しに期待した。
青山学院大學時代の神野大地氏
文化放送で午前 7時半から生放送された「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継」に、東洋大時代に山登りの 5区で 3回、「区間記録」を更新し「新・山の神」と呼ばれ、2017年 4月に現役を引退した柏原竜二氏(富士通)が解説、青学大OB「三代目山の神」と呼ばれた、コニカミノルタ・神野大地がゲストとして出演した。
柏原氏は、往路 5区間に 1年生 3人、 2年生 1人を起用して「4年ぶり6回目の往路優勝」を決めた母校について「東洋は来年以降興味深いチーム。少しずつの積み重ねでチームは強くなる。いい事悪い事を受け継いでいくことが上級生の仕事だと思います」と評した。その上で翌 3日の復路を走るメンバーに「明日、走る先輩は、情けない走りは出来ないな、と思ってほしい。それが力にもなる。いい緊張感を持って明日を迎えてほしいです」とゲキを飛ばした。
神野は、 5区で竹石尚人( 2年=鶴崎工)が、足の違和感から 2度、足を止めながら 1時間12分49秒で走りきったことを評価。「竹石が諦めずに走り切ったのは、明日走る選手を勇気づける。諦めない気持ちが明日につながる。青山学院にとっては、いい往路の終わり方」と、36秒差で臨む復路での逆転優勝に期待を寄せた。
柏原氏と神野の主なコメントは、以下の通り。
「文化放送新春スポーツスペシャル 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継」に出演した、左から柏原竜二氏、神野大地、松島茂アナウンサー
-もう 1度、箱根駅伝を走るなら何区を走りたいですか?
柏原氏 7区か 8区。近年 7、 8区で勝負が決まる。非常に興味があります。
神野 全てが完璧だった 3年時のタイムを上回るのは難しいが、あの注目をもう一度味わうために 5区。
-運営管理車から監督にかけられた言葉で印象に残っているのは?
柏原氏 ほぼ声をかけられませんでした。なぜなのかと聞いたら、監督は「見るからに頑張ってるから、声をかけると逆に観客に突っ込まれそうだから」
神野 原(晋)監督は「山の神になれるぞ」とか「湘南の神になれるぞ」とか、モチベーションが上がる言葉をかけてくれます。選手に合わせた、ただの根性論ではない独特の言葉。
-山を登るときに 1番意識したことはなんですか?
柏原氏 足を前に出すのではなく真下に下すというイメージ。腸腰筋でしっかり引き上げるということです。
神野 気持ちを強く持つ。きつくなってからは、とにかく腕を振る。
-小涌園の後、ゴールまでは
柏原氏 僕にとっては、ここは稼ぎどころ、傾斜が緩くなって、みんな気持ちが単調になってくるところ、そこに付け込む。
神野 頑張れば頑張るだけ差が開くところ。みんなきついが、そこで自分がどれだけ頑張れるかがポイントで。
-お互いの解説を聴いてみて感想は?
柏原氏 心強い相棒がいてくれたので、いつも以上にしゃべってないと思います。かなり頼りました。ずっとラジオが好きだと言っていて。ラジオならではの臨場感、言葉でしか伝えられないこと、選手目線で僕らが伝えられることは、映像ではできないこともあります。ラジオは楽しいです。
神野 自分もよく解説うまいねと言われますが、今日は「柏原さんうまいな」と思って聞いていました。
3日は同局で、午前 7時半から復路を生放送する。解説は早大OBでGMOアスリーツの花田勝彦監督が解説、順大OBで、2005年の 5区で11人抜きを達成し、 1時間 9分12秒の記録を打ち立てた“初代山の神”トヨタ自動車九州の今井正人がゲストで出演する。
「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走往路」21チームが出場して行われ、東洋大が 5時間28分29秒で「4年ぶり6度目の往路優勝」を飾った。 1区(21.3キロ)で西山和弥( 1年)が「区間賞」に輝くと、その後は一度も首位を譲ることなく、芦ノ湖のフィニッシュテープを切った。青学大は36秒差の「2位」だった。「出雲駅伝優勝」の東海大は 5分40秒差の「9位」、「全日本大学駅伝覇者」の神奈川大は 9分35秒差の「15位」に沈んだ。復路( 109.6キロ)は 3日に行われる(タイムは速報値)。
早稲田大學OBの大迫傑選手
テレビでゲスト解説を務めた早大OBの大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)は、往路を制した東洋大について、「西山くんが『1区』で飛び出してから、ずっとそのままトップを譲らなかったので、いかに駅伝は流れが大事かと再認識できた」と評価。母校は東洋大から 1分56秒差の「3位」につけたが、「早大が思ったよりいい位置にいるので、最後まであきらめずにがんばってほしい。トップともそんなに差がないので楽しみ」と後輩たちにエールを送っていた。
「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走往路」21チームが出場して行われ、東洋大が 5時間28分29秒で「4年ぶり6度目の往路優勝」を飾った。 1区(21.3キロ)で西山和弥( 1年)が「区間賞」に輝くと、その後は一度も首位を譲ることなく、芦ノ湖のフィニッシュテープを切った。青学大は36秒差の「2位」だった。出雲駅伝優勝の東海大は 5分40秒差の「9位」、「全日本大学駅伝覇者」の神奈川大は 9分35秒差の「15位」に沈んだ。復路( 109.6キロ)は 3日に行われる(タイムは速報値)。
瀬古利彦氏
テレビ解説を務めた日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは東洋大について、「 1区の西山くん、 2区の相沢くんの勢いを切らすことなくつなげた。立派でした」と評価した。その一方で神奈川大が山上りの 5区(20.8キロ)で失速し、「15位」に終わったことには「箱根は山を制したところが上位にくる」と驚いた様子だった。
「2位」につけた青学大は 2、 3年時に 8区で「区間賞」の下田裕太( 4年)は補欠登録となったが、今回も 8区での起用が濃厚。箱根のキーポイントとなる山には、 2年連続で山下りに起用されている小野田勇次( 3年)がおり、復路にも強力なメンバーが残る。瀬古氏は「下田くんを残していますからね。そこが大きい」と王者の巻き返しを予想していた。
拓殖大學 1区の馬場祐輔選手と 2区のワークナー・デレセ輔選手
拓大が往路で「4位」に食い込んだ。 1区で「13位」スタートとなったが、 2区のデレセが区間「5位」と奮闘して上位に浮上。最後は法大の猛追を受けながらも1秒差でゴールに駆け込んだ。 5区を走った戸部は「順位を守ることができて良かった」と胸をなで下ろした。
昨年は「総合14位」で、2015、2016年はいずれも「16位」。想像以上の好結果に岡田監督は「みんなが20秒くらい予定を上回ってくれた。トータルで2分くらい良かった」とほくほく顔だった。すぐ後ろに迫っている「5位」以下のグループとの争いに打ち勝って、総合で過去最高の「7位」を上回れるか。指揮官は「我慢のレースができれば」と話した。
順大は往路優勝を狙ったものの「8位」にとどまった。昨年 4区区間賞の栃木主将を当日変更で 1区に起用したが「10位」と出遅れ、「リオ五輪3000メートル障害代表」の 2区・塩尻も「10位」と順位を上げられなかった。
栃木は10日前に長門監督から 1区投入を伝えられたが「調整に影響はありませんでした。焦らずについていくつもりでしたが、西山君(東洋大)に離され過ぎました。塩尻を生かす走りもできなかった」と最後の箱根を悔しそうに振り返った。
塩尻も「調整は順調だったのに10~15キロで体が動かなくなって修正できませんでした。何が悪かったのかはこれから分析しますが、より万全な準備は必要だということが分かりました」と 3年連続のエース区間でワースト順位に首をひねった。
鶴見中継所に「10位」で到着し、 2区塩尻和也選手(右)にたすきを渡す順天堂大學1区栃木渡主将=鶴見中継所
「3000メートル障害」でリオデジャネイロ五輪に出場した順大の塩尻はエースが集まる 2区を託されたが、走りに躍動感を欠いた。「10位」でたすきを受け、一時は順位を上げたものの徐々に後退し「10位」に。タイムも区間「10位」にとどまった。
往路優勝を目指したチームは、見せ場をつくれずに「8位」にとどまった。 3年生の大黒柱はレース後、さえない表情で「思っていたよりも(走りが)しっくりこなかった」と肩を落とした。