ヤクルト先発の館山昌平投手(31)の前に 4回まで無安打。 5回に先頭のアニヤン・新井貴浩内野手(35)がチーム初安打で出塁。その後、四球などで二死 1、 3塁とし、打席には 8番今成亮太捕手(24)の適時打で先制した。
サヨナラ勝ち打。 2― 2の延長10回二死無走者から大和(前田大和:24)が内野安打。続く鳥谷敬内野手(31)の左翼線 2塁打で勝負を決め、<阪神3-2ヤクルト>ヤクルトに劇勝した。藤川球児が 2勝目を挙げた。
平野恵一内野手(33)が通算1000試合出場を達成した。
久保がヤクルト打線に得点を許さなかったが、榎田は痛恨の被弾。和田豊監督(49)は“勝利の方程式”を臨機応変に崩す考えを示した。記事をまとめてみました。
3回までは両チーム無得点。ヤクルト館山は無安打投球。阪神久保は、 2回一死満塁で相川を併殺に打ち取るなど要所を締めた。
阪神は 5回二死 1、 3塁から、今成、久保の連続適時打で 2点を先制。ヤクルトは 4回一死満塁の好機も、相川が併殺に倒れた。
8回にヤクルトが畠山の 2ランで同点に追いついた。阪神はヤクルトのリリーフ陣から、 7回以降得点できず延長に入った。
阪神は延長10回、二死から大和が内野安打。続く鳥谷が左越えに 2塁打し、サヨナラ勝ちした。
今成亮太の適時打で先制した。チームはヤクルト先発の館山の前に 4回まで無安打。 5回に先頭のアニヤン・新井がチーム初安打で出塁。その後、四球などで二死 1、 3塁とし、打席には 8番今成。 7球目のストレートをたたくと、打球は遊撃手の横を抜け、中前に転がった。均衡を破る値千金の先制打に「先頭の新井さんがチーム初ヒットでチャンスをつくってくれたし、久保さんもいいピッチングをしてくれていたので、何とかしたいという気持ちでした」と振り返った。
5回裏二死 1、 3塁、中前に先制適時打を放った今成亮太
もし榎田が同点弾を浴びなければ、移籍後初&甲子園初のお立ち台に立っていたかもしれない。今成の先制打は、それほどまでに価値があった。和田監督が「執念」と評したほどに。
「館山さんが新井さんに(初安打となる) 1本打たれて、点を取るのはこういうところだと思ってました」
5回二死 1、 3塁。まさに“執念”で食らいついた打球が投手・館山の、さらには遊撃・川端のグラブの下をすり抜ける。超ラッキーだったが外野に転がった。シーズン途中移籍してきた男の、うれしい甲子園初打点でもあった。
2試合ぶりのスタメンマスクだが、最近7試合中6試合がスタートから。故障の藤井彰の復帰が遅れる状況で、正妻の位置に一番近い存在になっている。
「(榎田は)変化球が抜けてしまった。一発だけはケアする場面だっただけに…」
悔やんだのはやはり 8回の同点被弾。リード面は日々勉強中だ。でも、それを補うほどに打撃は魅力的。打率 0.313の 8番打者は相手にとって相当にやっかいな存在になってきた。
5回二死 1、 3塁で、今成は先制の中前打。聖地・甲子園で初打点をあげた
絶対、ホームに還れる! 誰よりも確信していたのは、打球を正面に見て 2塁を蹴った大和自身だった。全虎党の声援を背に、大和が激走。走りに走って、歓喜のサヨナラのホームへ、突き刺さるようなスライディングを決めた。
「普段通りです。リードの大きさもそうですけど。(打球を見て)自分でいけると思いました」
引き分けが目の前をチラついた、 2- 2で延長10回二死。次回に進まなくなるリミットの 3時間30分まで、一刻の猶予もなかった。打席へ向かう大和に、片岡打撃コーチは何やら耳打ち…。すると若虎は少し微笑んだ。
2球目を見逃した頃に延長11回は消えたが、しぶとく 6球目を叩いた。 5打席目にしてこの日初ヒットが値千金の遊撃内野安打。 1塁へはヘッドスライディングで飛び込んだ。
「(片岡コーチには)ホームランを狙ってこいと言われました(笑)。たまたま、あそこに転がっただけです」
守備でもチームを救った。 3回一死、右中間を襲ったミレッジの大飛球を、体を精いっぱいに伸ばしグラブの先で捕らえた。フェンスに激突したが、ボールは離さない。「ポジショニングも良かった。気づいたら(フェンスが)目の前だった」と振り返ったスーパープレーだった。
ミレッジの打球を好捕する大和
和田監督は「大和の粘りと出塁が大きかった」と、二死無走者から塁に出た 2番打者大和の粘りを高く評価。その上で、「ここまで右投手(相手)が課題だったけど、粘り強く対応しようというのが打席でもみてとれる。あの足を何とか生かしたい。これが続くようになると力になってくる」と目を細めた。
大和は俊足を飛ばして 1塁へ猛烈なヘッドスライディング。「追い込まれていたので、何とか塁に出ようと思った」という必死なプレーに、野手キャプテンの鳥谷も「大和も気持ちが出ていた」と胸を打たれた。
去年のこの時期は 5月に負った左肩亜脱臼からの復帰を目指し、リハビリに明け暮れていた。「だから余計に今年はなんとしてでも 1年間 1軍にいたい。求められるものは多いし、プレッシャーもある。でもそれをやらないといけない立場なんで」。たくましさを増した若虎は、日を重ねるごとに欠かせない選手になっていく。
サヨナラのホームを踏んだ感触を問われると「いやもう、最高です」とポーカーフェースを崩した。若虎がチームに与える勢いが、本物になってきた。
虎党の雄叫びの中で、鳥谷の打球が左翼線で弾んだ。10回二死 1塁。 3時間30分を過ぎた状況で、バットを思い切り振り抜いた。ボールが左翼フェンスの上で2度弾む。その間に 1塁走者の大和が一気に本塁へ。左翼線へサヨナラ 2塁打。甲子園が一気に沸き返った。
「何とかつないでいこうという気持ち。飛んだところが良くて、サヨナラになって良かった」
延長10回。二死から大和が遊撃内野安打で出塁する。時計は午後 9時27分すぎ。それ以上、延長イニングに入らない規定の 3時間30分まで 3分もなかった。ここでヤクルトベンチが動く。荒木チーフ兼投手コーチがマウンドへ向かった。「こっちはもう 1回やりたかった。勝たないといけないから」と和田監督。引き分け狙いの時間稼ぎとみたファンは、大ブーイングを浴びせた。そして試合再開。勝つか、引き分けか。鳥谷の快打がブーイングを歓声に変えた。
鳥谷のバットが、激戦に終止符を打った。サヨナラ勝ち。規定の 3時間半を超え、引き分け寸前のチームを救った。 2― 2の延長10回二死無走者から大和が内野安打。続く鳥谷が左翼線へ劇的なサヨナラ 2塁打を放ち、勝負を決めヤクルトに劇勝した。藤川球児が 2勝目を挙げた。
2年ぶりのサヨナラ打を放った鳥谷は「本当に飛んだところが良くてサヨナラという形になってよかった」と喜びをにじませた。 3ボール 1ストライクからリーグトップの四球を得ている鳥谷は外角高めの直球を逆方向に運んだ。「 3ボール 1ストライクになった時点で、外目の甘い球が来たら打っていこうと切り替えた」と説明。山本哲の外角高めの直球を狙い通りに捉えた一打に、和田監督は「理想通りの打球だった。思い切っていってくれた」と手放しでたたえた。
10回裏阪二死 1塁、左翼線へサヨナラ 3塁打を放ちバンザイして笑顔を見せる鳥谷
2点リードの 8回に同点 2ランを被弾した中継ぎ・榎田の失投を野手キャプテンが帳消し。 2点のリードを追い付かれる苦境を救う一打に鳥谷は「一つの区切りとして残り 4試合を勝って前半を終わりたい」と決意を込め 7月初の連勝に導き、球宴までの全勝を宣言した。
ヤクルトは 8回に畠山が 2ランを放ち追い付いたが、 6番手・山本哲の詰めが甘かった。
真っすぐに伸びた打球は、左翼線付近で激しく弾んだ。ボールはフェンスで跳ね返らず、ラバーの上をコロコロと転がる。 1走・大和が一気に 3塁を蹴った。ヤクルトも中継で転送するが、セーフ。サヨナラだ!
ベンチからナインが笑顔で猛ダッシュしてくるのが見えた。鳥谷が決めた。
「本当にうれしいです。何とか(自分も) 2塁に、という感じで走っていたらクッションをパッと見たら、タイミング的にいけるかなという感じだった」
2- 2の延長10回。午後 9時半を回った二死から大和が遊撃内野安打。ヘッドスライディングでつないでくれた。「気持ちが出ていましたし、そういうのを続けていければ、いい方向にいくんじゃないかと思います」。クールな男も、輪の中で喜びを分かち合った。和田監督は「ベンチからみていて、あそこに飛んでくれという理想なところだった。本当はつなぎたいところだろうけど、積極的に打ってくれた」と殊勲の一打をたたえた。
10回二死 1塁、左線にサヨナラ 2塁打を放ちナインと大喜びする鳥谷(中)
2- 2も“劣勢”だった。 2点先行も 8回に 2番手・榎田が畠山に 6号 2ランを浴びた。スコアは同点でも、形勢は逆転。そんな負の流れを野手キャプテンが救った。自身 2年ぶり 6度目のサヨナラ打で、今季 4度目のサヨナラ勝利。 7月初連勝で借金を「7」に減らした。バットだけではない。
「守備、全体的にミスで負けるという試合も何試合かありましたし、できることをしっかりやろうと」
2回。一死満塁で遊ゴロを素早くさばき、併殺を完成。 7回一死では代打・藤本の打球をダイビングキャッチした。「まぁ、エラーもしていますし」と 5回二死からの悪送球は反省。それでも守りの安定感が攻撃にいいリズムを生んでいる。
今季 4度目のサヨナラ勝ち。鳥谷にとっては2010年 7月20日の広島戦(甲子園)以来、 2年ぶり 6度目だ。球宴まで残り 4試合。「オールスターまで甲子園で 4試合あるので、その試合を全部勝ちたいと思います」とヒーローがお立ち台で宣言すれば、指揮官は「気象庁より先に(チームが)梅雨明け(宣言が)できるよう頑張ります」と誓った。
プロ 8年目の昨季。初のゴールデングラブ賞を獲得した。グラブのサポートを受けるスラッガー社には、毎オフあいさつに赴き、感謝を伝える。「そろそろゴールデングラブ賞をとります」と色紙に記していた。受賞が決まると、担当者・和田卓也氏に「和田さん、とりました」。 2人でガッチリ握手をした。もう一つの証もできた。29万3825票でのオールスター出場は、セ・リーグ最多得票だ。ファンに認められ、初めて“No.1”として夢舞台を踏むが、その前にやることがある。
いまだ借金は「7」。それでも誰もが、逆襲の思いを心に秘めている。逆境をはね返し、勝った。劇勝が、虎の逆襲に弾みをつける。
平野が通算1000試合出場を達成した。 5回の試合成立時に花束を受け取った平野は、ライトスタンドを中心に巻き起こる平野コールに一礼して応えた。「僕みたいな選手が1000試合出場出来たというのは、たくさんの方の支えとか協力があったから。感謝したい」と感慨深げに話した。
節目の試合で、自らを祝うように、久しぶりの安打を放った。5戦連続無安打と打撃不振が続いていたが、 9回に中前打を放ち長いトンネルを抜けた。
細かい修正を試みるより、思い切り腕を振り抜くことを選択した。理論派から剛腕へ。“リニューアル”してもキラーぶりは変わらない。久保がヤクルト打線に得点を許さなかった。
「四死球が多すぎる。マズイね。計算内といえば、計算内だけど。(マウンドで)修正することより、投げきることに集中した」
勝ち星はつかなかったが、十分な仕事ぶりだ。 2度のピンチを鮮やかに脱出した。まずは 2回。一死から連打と四球で満塁に追い込まれたが、相川を直球 146キロで遊ゴロ併殺にねじ伏せた。 4回も一死から四球、左前打、死球で満塁としたが、再び相川を料理。外角へのカットボールで三ゴロ併殺に仕留めた。
2回に続き、 4回も満塁のピンチを併殺でしのぎ、ガッツポーズする久保
6月 6日の楽天戦(クリネックススタジアム宮城)以来の 1軍のマウンドで、 7回を無失点。 6安打 3四死球に、「個人的には不安がある。ひとつ間違えば大量失点だった」と反省を忘れなかったが、今までとは違う姿を見せた。
虎投きっての理論派は、 140キロ台後半を連発。 3回にミレッジを中飛に打ち取った際には、 150キロを計測した。約 1カ月の 2軍生活。制球より球威を重視してきた成果が結果に表れた。
頼もしい 1ピースが戻ってきた。昨季のヤクルト戦は、 6試合で 5勝 1敗の防御率 1.69。今季も 2試合14回を投げて、わずか 3失点。抜群の相性を誇る。前半戦での対戦は、15日を含めても10試合。半分以上の14試合が球宴後。登板機会がないため、一度登録を抹消されるが、上位たたきに欠かせない男の復肩は頼もしい限りだ。
5回には 2年ぶりのタイムリーとなる中前打を放ち、「素晴らしかったですね」と満面の笑み。剛柔兼ね備えた右腕が、和田阪神を上昇させる。
榎田は痛恨の被弾。 2点リードの 8回から登板したものの、一死 1塁で畠山に左越えに 2ランを許し、一時同点にした。
「勝ったのはよかったのですが…久保さんが頑張っていたので、悔しいです。全体的にバラついている。打たれた球も高かった。修正します。明日も試合があるので…」
12日の中日戦( 2/3回 2安打 1失点)から 2試合連続失点。 3日の広島戦(松山)でも 1回 3安打 3失点と崩れている。
和田監督は「今後も 8回? そこが基本ではあるんだけど、筒井であったり福原であったりが状態はいいので。何としても抑える継投を球宴までしていかないと」と“勝利の方程式”を臨機応変に崩す考えを示した。
阪神甲子園球場で、ツバメ退治!良いではないか!
今後もこの威力で勝ち進まなければ、Aクラス入りは望めないだろう。しかし、思いもよらないような選手が光ることも有る。そこを巧く建てていくのが監督としての仕事だが、どこまで行けるかが今後の課題になるのは間違い無い。とにかく元気良く前進するだけだ!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!
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今成のタイムリーで先制!攻守で光った大和の激走!鳥谷、サヨナラ 2塁打!
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