●今年の甲子園球場乾杯プレゼンターを務めるお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建(45)が、試合前のファーストピッチセレモニーに登場した。金本監督にあやかったという背番号「6」のユニホームに身を包み、ノーバウンドのストライク投球を披露。熱烈な虎党としても知られ、ナインにエールを送った。阪神は 1回に 3連打などで 2点を先取。DeNAも 3回に 3連打など 4安打を集中させて 3点を奪い、逆転に成功した。阪神は 5回に福留孝介外野手(41)の「2点適時2塁打」と、DeNAの失策が絡んで 3点を奪い逆転。DeNAは 6回まで毎回安打も追加点を奪えず。阪神は 7回にも 3点を追加してDeNAを突き放し、連敗を「3」で止めた。岡本洋介投手(32)が「初勝利」。 7月25日以来、38日ぶりに本拠地甲子園で勝利を飾った。移籍初勝利を挙げた岡本洋介投手、球団最多タイの通算「700試合登板」を果たした藤川球児投手、 3安打 4打点の福留孝介外野手がお立ち台に上がった。
●外角の変化球にバットを伸ばし、“執念”で食らいついた。北條史也内野手(24)が逆転を呼び込む一打を放ち、試合の流れをグッと引き寄せた。1点ビハインドの 5回だ。先頭の糸原健斗内野手(25)が四球で出塁すると、打順が回ってきた。先発・京山将弥投手(20)の 3球目。 1走が走り出したのを確認すると、外角低めの 131キロ変化球をうまく引っ張った。打球は 3遊間を抜け、 1、 3塁と好機が拡大。続く福留の逆転となる「2点2塁打&激走生還」をおぜん立てした。金本監督は目を細めた。 1回にも無死 1塁で低めの真っすぐを中前に運び、チャンスメーク。虎の主将の先制打につなげた。この日は 5打数 2安打。打率も「0.328」と堂々の「3割」キープだ。成長著しいプロ 6年目。指揮官は期待を寄せた。打って、走って、守って。背番号「2」がこれからもチームを引っ張り続ける。
● 3点リードの 7回一死 1、 2塁。試合を安全圏に運んだのは 3試合ぶりにスタメンだった大山悠輔内野手(23)だった。左腕・砂田毅樹投手(23)に対し、 2球で追い込まれた。しかし、ここからが成長の証だ。高めにきたつり球、 138キロ直球に逆らわず、押っつけて右前へ。緑のじゅうたんに白球が弾み、 2塁から陽川尚将内野手(27)が 7点目の生還だ。 2回先頭でも京山のスライダーを中前に運び、 4回一死でも左中間 2塁打。 5月27日の巨人戦(甲子園)以来、 3カ月ぶりの猛打賞をマークした。それでも好機で凡退した悔しさをにじませたものの、本人以上に喜んだのが金本監督だった。活躍しても翌年になるとパッタリ打てなくなる-という悪しき若虎のジンクスを脱却してほしい。汚名返上するゲームはまだ32試合も残っている。
●福留孝介外野手が初回に先制点となる左前適時打を放った。初回に「1番」糸原、「2番」北條の連打で作った無死 1、 2塁の好機。41歳のキャプテンが、しっかりとはじき返して 3連打。連敗中の虎が幸先のいいスタートを切った。走って、走って、走り抜けた! 福留孝介外野手が全力疾走でダイヤモンドを一周。一気に逆転に成功した。「2点適時2塁打」で逆転に成功。中継プレーが乱れるのを確認すると、福留自身も一気に本塁へ。さっそうと駆け抜けてこの回 3点目を奪った。福留孝介外野手が 3安打 4打点と大活躍。 1回に先制適時打を放つと、 5回には「2点適時2塁打」と送球間、敵失も絡んでダイヤモンドを 1周。さらに 7回には右中間スタンドへ「13号ソロ」を放り込んだ。 7月 4日以来、チームとして11試合ぶりの甲子園での本塁打で今度は 4つのベースの感触を味わいながら、ホームインだ。いくら福留でも、自分ひとりで勝利への扉を開けない。だから若手に歩み寄り、考えを共有する。 8月 5日のヤクルト戦(京セラ)。先発の小野泰己投手(24)が、 5回 122球 6四球でなんとか白星をつかんだ日も、福留はベンチでずっと右腕に語りかけていた。「3位」巨人とは「2ゲーム」差。福留が元気だから、まだ虎は変われる。
●小野泰己投手が 4回 7安打 3失点で降板した。今季「8勝」目を狙ったマウンドだったが、勝ち星をあげることはできなかった。チームが 5回に逆転したため、敗戦投手になることはなかった。
●岡本洋介投手が移籍後初勝利を飾った。移籍後初勝利だ。 5回に「2番手」で登板した岡本は 1回を無失点に抑えると直後に味方が逆転。白星を掴んだ。先頭のホセ・ロペス(34)に 2塁打を浴びたが、筒香嘉智外野手(26)を外角低め直球で見逃し三振に仕留めるなど、後続を断った。 1イニングを無失点で仕事を果たすと、直後にチームが逆転。登板21試合目でうれしい初勝利が舞い込んだ。試合後はお立ち台に登場。甲子園のファンから歓声を浴びた。トレード相手の榎田大樹投手(32)が西武で「9勝」しているが、岡本も「21試合」に登板。
●藤川球児投手が、 7回のマウンドに上がり、NPB通算 700試合登板を達成した。史上16人目の達成となった。本拠地・甲子園での到達にスタンドから「球児コール」を受け、花束を受け取った。何度も繰り返される“球児コール”を浴びて、花束を控えめにライトスタンドの方向に掲げた。帽子を取って 4万6653人のファンに一礼。史上16人目の通算「700試合登板」-。藤川が山本和行が持つ球団記録に並び、長い虎の歴史にまた一つ、その名を刻んだ。歴代「15位」タイという価値ある記録にも一笑に付す。個人の記録よりチームのあしたを思う。若手とともに、虎を勝ちに導く。38歳のベテランはチームのためにまだまだ腕を振り続ける。
記事をまとめてみました。
<阪神 8- 3DeNA>◇18回戦◇阪神13勝 5敗 0分◇ 1日◇阪神甲子園球場
今年の甲子園球場乾杯プレゼンターを務めるお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建が、試合前のファーストピッチセレモニーに登場した。
金本監督にあやかったという背番号「6」のユニホームに身を包み、ノーバウンドのストライク投球を披露。「砂とか持ち帰ろうと思ったんですけど、全然そんな余裕なかったですね。あのマウンドに立てると思っていなかったですし、高校球児たちが『甲子園は広いです』というのが体感できましたね」と興奮気味に振り返った。
熱烈な虎党としても知られ、「雨の次は上向くタイガースですから、クライマックスシリーズに向けて勢いづく試合になるといいですね」とナインにエールを送った。
ファーストピッチセレモニーで投球するアンジャッシュ渡部建氏=阪神甲子園球場
阪神は 1回に 3連打などで 2点を先取。DeNAも 3回に 3連打など 4安打を集中させて 3点を奪い、逆転に成功した。
阪神は 5回に福留の「2点適時2塁打」と、DeNAの失策が絡んで 3点を奪い逆転。DeNAは 6回まで毎回安打も追加点を奪えず。
阪神は 7回にも 3点を追加してDeNAを突き放し、連敗を「3」で止めた。岡本が「初勝利」。DeNAは投手陣が誤算。先発京山が「5敗」目を喫した。
5回に登板した岡本洋介投手=阪神甲子園球場
阪神が 7月25日以来、38日ぶりに本拠地甲子園で勝利を飾った。移籍初勝利を挙げた岡本洋介投手、球団最多タイの通算「700試合登板」を果たした藤川球児投手、 3安打 4打点の福留孝介外野手がお立ち台に上がった。
◆岡本洋介投手
-今の気持ちは
岡本 勝利という形で、チームに貢献できて、うれしいです。
-甲子園のお立ち台初、景色は 岡本 こんな大勢のファンの方に応援してもらって、最高です。
-どんな気持ちで
岡本 登板するときは、いつもとりあえずゼロで帰ってこようと思って投げてるので、きょうはそれができてよかったです。
-苦しい状況での登板が増えている。心掛けてることは 岡本 弱気にならずに、強気でどんどん攻めていこうと思って投げてます。
-ウイニングボールは
岡本 もらいました
お立ち台に上がった左から藤川球児投手、岡本洋介投手、福留孝介外野手=阪神甲子園球場
-どんな気持ち
岡本 うれしいです。 -プレゼントは 岡本 家族に渡そうと思います。
-登板増える。どんなピッチングを
岡本 これからもどんどん強気に、攻めたピッチングをしていきたいと思います。
-藤川投手はどんな存在
岡本 いつも送り出してくれるときも、励まして送り出してくれるんで、心強い存在です。
◆藤川球児投手
-振り返って
藤川 たくさんのファンの人に喜んでもらって、それが一番ですね。
-「700試合」目
藤川 個人的には興味がないって言いますか、また次の1試合を頑張っていくということなんですけれども、トレーナーさんたちやファンの方が、ずっと応援してきてくれた「700」なので、感謝したいと思います。
7回表、阪神 4番手で登板した藤川球児投手=阪神甲子園球場
-登板のときはどんな気持ち
藤川 2点差あったので、大丈夫だろうと思いました。また明日は分からないですけど。流れとか、ゲームの展開がありますので、きょうは大丈夫だろうと思いました。
-「700」積み重ねてきた思いは
藤川 まったく、何も思わないですね。目標にしてたわけでもないですので。たくさんのタイガースファンに囲まれて、そこまで投げられたということに、感謝をしています。
-通過点?
藤川 とにかく次の 1歩を考えて、準備してますので、終わったことは忘れて、次へ次へと頑張っていきたいと思います。
◆福留孝介外野手
-お疲れ様でした
福留 はい、疲れました。
-「逆転タイムリー2ベース」。どんな思いで
福留 その前の守備で岡本に迷惑かけたんで、何としても取り返してやろうと思って打席に入りました。
7回裏阪神無死、福留孝介外野手は右翼越えソロ本塁打を放った=阪神甲子園球場
-感触は
福留 ヒットになったんでよかったです。
-その後の走塁すごかった
福留 まだまだ走れます。
-途中からいけると?
福留 あまり思わなかったですけど。ただ、しんどかったです。
-ベンチすごい盛り上がり
福留 なかなか勝てなかったときに、暗くなりがちですけど、全員で明るくやっていこうと試合前に言ってたんで、それがほんとにできてよかったです。
- 2年ぶりのサイクルヒット狙って?
福留 3塁まで走る体力ありませんでした。
-ファンに
福留 なかなかここで勝って、気持ちよく「六甲おろし」を歌っていただいてないので、あすも頑張ります。
試合後、笑顔の金本知憲監督。この表情をずっと見たい=阪神甲子園球場
-- 7試合ぶりの先制
金本監督 「今まで先発が 1回に失点するケースがあった。それは仕方がないかなという部分と、やっぱり先制点とりたいという思いもあった。きょうはいい形でドメ(福留)がとってくれました」
--福留は最後、サイクル安打も期待した
「ハッハッハ。いや、もうそれは足が心配なんで(笑)。記録は三塁打なんですかね?( 2塁打) ベース一周していますんで、点が入ってよかったんですが、こちらは足が心配ですね(笑)」
--岡本が移籍後、初勝利
「よかったですね。いつでもどこでも、何もいわず黙々と投げてくれるんで、本当に助かっていたんで、よかったですね。うれしいですね」
--藤川が球団タイの「700試合登板」
「ホント、強い投手といいますか、特に大きなけがもなく、 1回手術を受けましたけど、見事そこからはい上がって、ナイスピッチングでしたね」
--小野を早めに降板させた
「ちょっと上がり目というのがまったくなかったんで。きょうなんかは週末やしね。少々ビハインドでも勝ちパターンでいこうかな、というのもありましたしね」
1回、センターヒットを放った北條史也内野手=阪神甲子園球場
外角の変化球にバットを伸ばし、“執念”で食らいついた。北條が逆転を呼び込む一打を放ち、試合の流れをグッと引き寄せた。
「今日はいい形で次につなげられたのでよかった」
1点ビハインドの 5回だ。先頭の糸原が四球で出塁すると、打順が回ってきた。先発・京山の 3球目。 1走が走り出したのを確認すると、外角低めの 131キロ変化球をうまく引っ張った。「エンドランだったのであの辺( 3遊間)を狙ってました」。打球は 3遊間を抜け、 1、 3塁と好機が拡大。続く福留の逆転となる「2点2塁打&激走生還」をおぜん立てした。金本監督は「いい当たりではないんですけど、狙って打ったようなアレ(当たり)でしたね」と目を細めた。
北條史也内野手は 5回無死 1塁で 3遊間を破り、エンドラン成功で 1、 3塁に好機を広げた=阪神甲子園球場
1回にも無死 1塁で低めの真っすぐを中前に運び、チャンスメーク。虎の主将の先制打につなげた。この日は 5打数 2安打。打率も「0.328」と堂々の「3割」キープだ。
今季は開幕 1軍を外れ、悔しい思いも味わったが、 5月末に 1軍に昇格すると、以降は「2番・遊撃」でスタメンに定着。安打は放っていたが、大事な場面でのバント失敗も続いた。「2番」としてベンチのサインを遂行したことで、打線がつながり、逆転への流れを呼び込んだ。
成長著しいプロ 6年目。指揮官は「本当に彼の成長というか、いやらしいというか、いい選手にこのままどんどん成長していってほしいですね」と期待を寄せた。打って、走って、守って。背番号「2」がこれからもチームを引っ張り続ける。
こういう姿をもっと早く見たかった。 3点リードの 7回一死 1、 2塁。試合を安全圏に運んだのは 3試合ぶりにスタメンだった大山だった。
「よかったですけれど、( 5回二死 2塁で)初球をレフトフライというのは、しっかり反省しないといけないです」
左腕・砂田に対し、 2球で追い込まれた。しかし、ここからが成長の証だ。高めにきたつり球、 138キロ直球に逆らわず、押っつけて右前へ。緑のじゅうたんに白球が弾み、 2塁から陽川が 7点目の生還だ。
7回、ダメ押しの右前適時打を放った大山悠輔内野手。逆襲の 3安打だ=阪神甲子園球場
2回先頭でも京山のスライダーを中前に運び、 4回一死でも左中間 2塁打。 5月27日の巨人戦(甲子園)以来、 3カ月ぶりの猛打賞をマークした。それでも好機で凡退した悔しさをにじませたものの、本人以上に喜んだのが金本監督だった。
「昨年の秋からいいものを出してくれて今年開幕ずっといって…そのときは期待を裏切られましたけどね、正直(笑)」
ルーキーイヤーの昨季は「75試合」で「打率0.237、7本塁打、38打点」。球団史上53年ぶりとなる「新人4番」も務めた。虎将は 2年目の上がり目を見越し、鳥谷を 2塁にコンバート。しかし、大山は開幕戦で一発を放ったが、「打率1割台」の低迷。得点圏での勝負弱さも目立った。
指揮官は「まだまだ挽回するチャンスはある。そこからはい上がってくる姿を彼には期待したい」と願った。活躍しても翌年になるとパッタリ打てなくなる-という悪しき若虎のジンクスを脱却してほしい。汚名返上するゲームはまだ32試合も残っている。
1回裏阪神無死 1、 3塁、福留孝介外野手は左前先制適時打を放った=阪神甲子園球場
福留孝介外野手が初回に先制点となる左前適時打を放った。
「打ったのはチェンジアップ。先制点を取りたい状況で、 1、 2番が良い形でチャンスを作ってくれたので、なんとか返すことができて良かったです」
初回に「1番」糸原、「2番」北條の連打で作った無死 1、 2塁の好機。41歳のキャプテンが、しっかりとはじき返して 3連打。連敗中の虎が幸先のいいスタートを切った。
5回裏阪神無死 1、 3塁、福留孝介外野手は中越えに 2塁打を放ち相手エラーの間に本塁生還を決め出迎えた糸井嘉男外野手(左)、北條史也内野手(右)と気合いの入った表情でタッチする=阪神甲子園球場
走って、走って、走り抜けた! 福留孝介外野手が全力疾走でダイヤモンドを一周。一気に逆転に成功した。
「初回に続いて 1、 2番が良い形でチャンスを作ってくれたので、まずは同点にとコンパクトにスイングしました。とにかく必死で走りました」
集中力を研ぎ澄ました。 1点を追う 5回無死 1、 3塁。福留は左中間を割る痛烈な打球を放った。「2点適時2塁打」で逆転に成功。中継プレーが乱れるのを確認すると、福留自身も一気に本塁へ。さっそうと駆け抜けてこの回 3点目を奪った。
試合後お立ち台でインタビューを受ける福留孝介外野手、左は藤川球児投手=阪神甲子園球場
福留孝介外野手が 3安打 4打点と大活躍。 1回に先制適時打を放つと、 5回には「2点適時2塁打」と送球間、敵失も絡んでダイヤモンドを 1周。さらに 7回には右中間スタンドへ「13号ソロ」を放り込んだ。お立ち台に上がった福留は開口一番に「疲れました」と一言。続けて「まだまだ走れます。あまり(行けるとは)思わなかったですけど。ただ、しんどかったです」と語り、球場をわかせた。 3塁打が出ればサイクル安打だったが「 3塁まで走る体力ありませんでした」と笑った。
本拠地甲子園での久々の勝利に「なかなか勝てなかったときに、暗くなりがちですけど、全員で明るくやっていこうと試合前に言ってたんで、それがほんとにできてよかったです。なかなかここで勝って、きもちよく六甲おろしを歌っていただいてないので、あすも頑張ります」と振り返った。
5回 「2点適時2塁打」を放った福留孝介外野手。エラーを誘って本人も生還=阪神甲子園球場
あれはボルトか、桐生祥秀か、いや福留だ!! 福留孝介外野手が 1点を追う 5回に逆転の「2点2塁打」と敵失でダイヤモンド一周の大激走。 7回にはDeNAにトドメを刺す「13号ソロ」を放って、今度は悠々とベースを一周した。主将の 4打点の大暴れで甲子園では38日ぶりの勝利。 9月は白星発進、いくで、ここから!!
止まらない。ここで止まれるワケがない。 2塁を回る。 3塁も蹴ると、本塁を突き抜け、感情のままにほえた。久々に甲子園で勝った。黒土を縦横無尽に駆け、福留が勝たせた。衝撃のダイヤモンド一周だ。
「まだまだ走れます!! なかなか勝てなかったんですけど。『全員で明るくやっていこう!』ということを試合前に言っていたので。それが本当にできてよかったです」
5回 「2点適時2塁打」を放った福留孝介外野手。エラーを誘って本人も生還=阪神甲子園球場
全力疾走で、感情爆発で、すべてを変えた。 1点を追う 5回無死 1、 3塁だった。カウント 1- 1から、京山の外角直球に思いきって踏み込み、振り切った。ライナーで左中間を真っ二つに破る。 3走が生還。 1走もホームイン。これを阻止しようとした遊撃手・大和の送球が本塁からそれ、捕手の伊藤がつかめない。大きく 1塁側ファウルグラウンドへ跳ねるのを見て、41歳は猛然と本塁を駆け抜けた。「2点2塁打」と、遊撃手の送球&失策間の“衝撃的ベース一周”。重たかったはずの甲子園の空気が、一瞬で変わった。
ただでさえ、 7試合ぶりとなる先制点も 1回の適時打でたたき出していた福留。だが、バットは止まらない。 5- 3の 7回先頭では右中間席へ「13号ソロ」をたたき込み、ダメ押しした。 7月 4日以来、チームとして11試合ぶりの甲子園での本塁打で今度は 4つのベースの感触を味わいながら、ホームインだ。
甲子園では 7月25日以来、実に38日ぶりの勝利。金本監督も「ちょっと長すぎましたね。本当にファンに申し訳ない気持ちでいっぱいだった」とわびた。主将の大ハッスル 3安打 4打点で、連敗も「3」で止めた。
5回、左中間への「逆転2点2塁打」と敵失で一気に生還した福留孝介外野手はこの表情=阪神甲子園球場
いくら福留でも、自分ひとりで勝利への扉を開けない。だから若手に歩み寄り、考えを共有する。 8月 5日のヤクルト戦(京セラ)。先発の小野が、 5回 122球 6四球でなんとか白星をつかんだ日も、福留はベンチでずっと右腕に語りかけていた。小野は「『後ろからはこう見えた』という話をしていただいて。(左翼から)そんなところまで見られているのかと、驚きました」と目を丸くした。20歳近く離れた植田を、突然食事に誘ったこともある。
そして迎えた 9月 1日も、福留なりに動くときだと判断した。「自分たちのことを表現して、もっと明るく野球をしようよ」。ミーティングで伝え、主将が率先して、明るく動き回った。最終打席は、 3塁打が出ればサイクル…という局面だったが空振り三振。
「もう、 3塁まで走る体力がありませんでした。もう無理だった本当に足が…。あした、居なくても探さないでくれる?」。ニヤッとそう言い残し、引き揚げた41歳。「3位」巨人とは「2ゲーム」差。福留が元気だから、まだ虎は変われる。
3回表DeNA一死満塁、小野泰己投手はホセ・ロペス内野手に右前同点適時打を浴びる=阪神甲子園球場
小野泰己投手が 4回 7安打 3失点で降板した。今季「8勝」目を狙ったマウンドだったが、勝ち星をあげることはできなかった。
「初回に先制してもらいましたが、四球からピンチを作って粘りきれずに逆転されてしまい、先発の役割を果たすことができませんでした。早い回で降板してしまい、チームに申し訳ないです」
チームが 5回に逆転したため、敗戦投手になることはなかった。
※阪神連敗ストップ、岡本が初勝利!41歳福留あと三塁打でサイクルも!藤川が通算700試合登板!-2に続く!
「雨の次の日伝説」は。生きていた!全員野球でファン皆が待ち望む「三文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!