●「レギュラーシーズン2位」のソフトバンクが首位西武を破り、 2年連続18度目の「日本シリーズ進出」を決めた。第 3戦からリーグ覇者の西武に「3連勝」し、アドバンテージ含めて対戦成績を「4勝2敗」。2004年以降のプレーオフ、CSで「球団史上初の下克上」となった。ソフトバンクが連勝中の勢いのままに先手を奪った。 1回無死満塁、柳田がフルカウントの 6球目を捉え、走者一掃となる左翼へ「適時2塁打」で 3点を先取した。柳田はファーストステージは「打率1割1分1厘」と苦しんだが、ファイナルステージで「打率4割3分8厘(第 4戦終了時点)」と勝負強さを取り戻した。ソフトバンクは 1回無死満塁、柳田悠岐外野手(30)の「適時2塁打」で 3点を先制した。先発の高橋礼投手(22)は 3回まで西武打線を無安打無失点に抑えた。西武は 5回に森友哉捕手(23)の適時打などで 2点を返した。ソフトバンクは 6回、柳田「2号ソロ」で加点。西武は 6回、浅村栄斗内野手(27)の「2号ソロ」で反撃。ソフトバンクは 8回にダメ押しの 2点を追加。継投で逃げ切り、「日本シリーズ進出」を決めた。西武はあと 1点が遠く、敗退した。ソフトバンクはセ・リーグ覇者の広島相手に 「2年連続9度目の日本一」を目指す。敗れた西武は10年ぶりの「日本シリーズ進出」を決めることができなかった。ソフトバンク石川柊太投手(26)が「1勝」、西武ブライアン・ウルフ投手(37)「1敗」目。ソフトバンクはセ・リーグ覇者の広島相手に 「2年連続9度目の日本一」を目指す。敗れた西武は10年ぶりの「日本シリーズ進出」を決めることができなかった。長時間にわたるリプレー検証が行われた。西武が 0- 3と 3点を追う 5回、先頭外崎修汰内野手(25)からの 3連打と内野ゴロの間に 2点を返し、 1点差に追い上げた。さらに秋山翔吾外野手(30)が内野安打で出塁。続く源田壮亮内野手(25)の打席で 2盗を試みた。好スタートで足から滑り込んだ。タイミング的にはセーフのようにも見えたが、判定はアウト。すかさず、辻発彦監督(59)がリクエストを申し出た。ここからが長かった。審判団の協議が 6分を超えたあたりで場内からブーイングが起きた。 7分近くたって、ようやく検証が終了。判定どおりアウトで、リクエストは失敗に終わった。 2年連続9度目の「日本一」を目指すソフトバンクは、セ・リーグ覇者でCSを勝ち抜いた広島と「日本シリーズ」で対戦する。「日本シリーズ( 7回戦制)」は10月27日からセ・リーグ本拠地のマツダスタジアムで行われる。ソフトバンク・工藤公康監督(55)は“おきて破り”の采配で、すごみを見せた。19日の第 3戦で不振に苦しむ松田宣を先発メンバーから外し「7番」にファイナルステージから合流した内川聖一内野手(36)を入れた。王手をかけたこの日は、内川も松田宣浩内野手(35)も外して長谷川勇也外野手(33)をスタメン起用。最強チームを背負ってきた 3人の男を“日替わり”で起用する決断が見事に的中した。王貞治球団会長(78)も、現役時代に計11度の「日本一」を経験した「優勝請負人」のタクトをたたえた。思い切った選手起用も全てコーチとの相談のたまもの。工藤監督はうなずいた。周囲の声に耳を傾け、時には報道陣にも「力を貸して」と口にした。「2年連続」の頂点へ『鷹の逆襲・完結編』が間もなく始まる。
●ソフトバンク柳田悠岐外野手が「1本塁打4打点」の活躍で首位西武を破り、「2年連続18度目の日本シリーズ進出」へ導いた。 1回無死満塁、柳田がフルカウントの 6球目を捉え、走者一掃となる「左翼へ適時2塁打」で 3点を先取した。 6回にはウルフから「右中間席へソロ本塁打」を放ち、貴重な追加点をたたき出した。ファーストステージは「打率1割1分1厘」と苦しんだが、ファイナルステージは全試合「4番打者」として「打率4割5分、2本塁打、8打点」の活躍で打線を支えた。MVP受賞が決まり、感謝した。ナインがベンチを飛び出し、一斉に集まった。今季屈辱にまみれた敵地でやり返し、いつも以上に喜びを爆発させた。強力打線に打ち勝った猛打の主役は柳田。最終戦も 4打点を挙げ、「2位」以下から「日本シリーズ」に進出する2004年以降のプレーオフ、CSで「球団史上初の下克上」にチームを導いた。ソフトバンクは27日からセ・リーグ覇者の広島相手に「日本シリーズ」を戦う。試合後にメットライフドームから東京・立川市内の宿舎へ移動し、祝勝会を開いた。後藤球団オーナー代行兼社長、王球団会長らのあいさつに続いて鏡開き。続いて、柳田選手会長が壇上に立ち号令をかけた。3000本のビールなどが約30分で泡となった。工藤公康監督は安堵の表情だった。柳田はファイナルステージ 5試合で「打率・450(20打数9安打)、8打点」をマークし、ラスト 2試合で本塁打を連発と格別の輝きを放ち、文句なしに最優秀選手(MVP)を獲得した。 2年連続 9度目の「日本一」を目指すソフトバンクは、セ・リーグ覇者でCSを勝ち抜いた広島と「日本シリーズ」で対戦する。「日本シリーズ( 7回戦制)」は10月27日からセ・リーグ本拠地のマツダス19日の第 3戦で不振に苦しむ松田宣を先発メンバーから外し「7番」にファイナルステージから合流した内川を入れた。王手をかけたこの日は、内川も松田宣も外して長谷川勇をスタメン起用。最強チームを背負ってきた 3人の男を“日替わり”で起用する決断が見事に的中した。王貞治球団会長も、現役時代に計11度の「日本一」を経験した「優勝請負人」のタクトをたたえた。思い切った選手起用も全てコーチとの相談のたまもの。工藤監督はうなずいた。周囲の声に耳を傾け、時には報道陣にも「力を貸して」と口にした。「2年連続」の頂点へ『鷹の逆襲・完結編』が間もなく始まる。
●ソフトバンク上林誠知外野手(23)が 8回の「2点3塁打」で今シリーズ10打点。プレーオフ、CSで10打点以上は04年アレックス・カブレラ元内野手(46=西武=13)、トニー・フェルナンデス元内野手(56=西武=11)、2009年ターメル・スレッジスレッジ(41=北海道日本ハム=10)、2018年アルフレド・デスパイネ外野手(32=ソフトバンク=10)に次いで 5人目で、日本人では初。上林はファイナルSだけで10打点で、 1ステージで10打点は09年2Sスレッジ以来 2人目の最多タイ記録だ。また 3塁打はファイナルS1、 3戦に続いて 3本目。同一年のポストシーズンで「3 3塁打」は史上初めて。昨年のポストシーズンは不振で、ベンチで寂しい日々を過ごしたが、今年はMVPの柳田を上回る10打点。驚異の勝負強さを身につけた若鷹が、主役の 1人として「日本シリーズ」に挑む。
●「パ・リーグ2位」のソフトバンクは、10年ぶりにリーグを制した西武を 6- 5で下し、「3連勝」で対戦成績を「4勝2敗(西武のアドバンテージ1勝を含む)」として 2年連続18度目の「日本シリーズ進出」を決めた。柳田悠岐外野手が 1回に先制の 3点打、 6回に「ソロ」を放つなど勝利に貢献。最優秀選手(MVP)に選ばれた。東京・立川市のチーム宿舎で祝勝会が開催され、後藤芳光オーナー代行(55)、王球団会長、工藤監督のあいさつに続き、選手会長の柳田が乾杯の音頭を取った。初の大役でお礼も忘れずに号令をかけ、ビールかけをスタート。ビール3000本に日本酒は 4樽と一升瓶60本、 480本のコーラで喜びを分かち合った。
●ソフトバンクの西田哲朗内野手(27)は 3打数 3安打で、ファイナルステージで計「12打数7安打」と大当たりだった。第 4戦で意表を突いてセーフティーバントを成功させたのに続き、 8回の犠打が野選を誘った。レギュラーシーズンは「打率2割1分1厘」だったが、短期決戦でラッキーボーイとなり「成長を感じている」と胸を張った。
●ソフトバンクのルーキー高橋礼投手(22)が大仕事をやってのけた。CS初先発で 3回まで完全投球。 5回に 2点を失い、二死から秋山翔吾外野手(30)に内野安打され降板した。惜しくも白星は逃したが堂々たる投球でチームを日本シリーズに導いた。反省も口にしたが、抜てきに応えた。倉野信次投手統括コーチ(44)はたたえた。高橋礼は、専修大学大から「ドラフト2位」で入団し、シーズンは12試合に登板。日米野球の侍ジャパンにも選出されている。
●ソフトバンクの森唯斗投手(26)がリードを守り切った。 6- 4の 9回に登板し、二死で中村に「ソロ」を浴びたが、最後は森友哉捕手(23)を 2ゴロに仕留め息をついた。 5年目の今季は故障で離脱したデニス・サファテ投手(37)の代役を務め、37セーブで初の「最多セーブ」に輝いた。ファイナルステージでは 3試合に登板し、計 3回を 1失点で「日本シリーズ」へ意気込んだ。
記事をまとめてみました。
パCSファイナルステージ<西武 5- 6ソフトバンク>◇第 5戦◇ソフトバンク 4勝 2敗 0分◇21◇メットライフドーム
ソフトバンクは 1回無死満塁、柳田の「適時2塁打」で 3点を先制した。先発の高橋礼は 3回まで西武打線を無安打無失点に抑えた。
西武は 5回に森の適時打などで 2点を返した。ソフトバンクは 6回、柳田「2号ソロ」で加点。西武は 6回、浅村の「2号ソロ」で反撃。
ソフトバンクは 8回にダメ押しの 2点を追加。継投で逃げ切り、「日本シリーズ進出」を決めた。西武はあと 1点が遠く、敗退した。
ソフトバンク石川が「1勝」、西武ウルフ「1敗」目。
6回表ソフトバンク無死、柳田悠岐外野手は「左越えにソロ本塁打」を放ちベンチ前でナインの出迎えを受ける=メットライフドーム
「レギュラーシーズン2位」のソフトバンクが首位西武を破り、 2年連続「18度目の日本シリーズ進出」を決めた。
第 3戦からリーグ覇者の西武に「3連勝」し、アドバンテージ含めて対戦成績を「4勝2敗」。04年以降のプレーオフ、CSで「球団史上初の下克上」となった。
ソフトバンクが連勝中の勢いのままに先手を奪った。 1回無死満塁、柳田がフルカウントの 6球目を捉え、走者一掃となる左翼へ「適時2塁打」で 3点を先取した。柳田はファーストステージは「打率1割1分1厘」と苦しんだが、ファイナルステージで「打率4割3分8厘(第 4戦終了時点)」と勝負強さを取り戻した。
6回表ソフトバンク無死、柳田悠岐外野手は「左越えにソロ本塁打」を放った=メットライフドーム
追加点は再び柳田のバットから生まれた。 6回無死、ウルフから「右中間席へソロ本塁打」を放った。 1点差に詰め寄られた直後の攻撃だっただけに、大きな 1点となった。さらに 8回に上林の「2点適時3塁打」でリードを広げた。先発の高橋礼は 5回途中で降板し、モイネロ、石川、加治屋でつないで最後は守護神・森が抑えて、「日本シリーズ進出」をもぎ取った。
ソフトバンクはセ・リーグ覇者の広島相手に 「2年連続9度目の日本一」を目指す。敗れた西武は10年ぶりの「日本シリーズ進出」を決めることができなかった。
リプレー検証のため中断する=メットライフドーム
長時間にわたるリプレー検証が行われた。
西武が 0- 3と 3点を追う 5回、先頭外崎からの 3連打と内野ゴロの間に 2点を返し、 1点差に追い上げた。さらに秋山が内野安打で出塁。続く源田の打席で 2盗を試みた。好スタートで足から滑り込んだ。タイミング的にはセーフのようにも見えたが、判定はアウト。すかさず、辻監督がリクエストを申し出た。
ここからが長かった。審判団の協議が 6分を超えたあたりで場内からブーイングが起きた。 7分近くたって、ようやく検証が終了。判定どおりアウトで、リクエストは失敗に終わった。
場内に流れた映像ではセーフのようにも見えたため、西武ファンから、さらにブーイングが起きた。
1回表ソフトバンク無死満塁、柳田悠岐外野手が「左中間へ3点適時2塁打」を放ち笑顔でナインを迎える工藤公康監督(手前右)らソフトバンクナイン=メットライフドーム
「レギュラーシーズン2位」のソフトバンクが首位西武を破り、 2年連続「18度目の日本シリーズ進出」を決めた。
第 3戦からリーグ覇者の西武に「3連勝」し、アドバンテージ含めて対戦成績を「4勝2敗」。04年以降のプレーオフ、CSで「球団史上初の下克上」となった。
ソフトバンクは 1回無死満塁、柳田の走者一掃となる「左翼へ適時2塁打」で 3点を先制。連勝中の勢いのままに先手を奪った。さらに 6回には柳田の「ソロ本塁打」、 8回には上林の「2点適時3塁打」に継投策で粘る西武を倒した。工藤監督は「ホッとしています」と安堵の表情だった。
ソフトバンクはセ・リーグ覇者の広島相手に「2年連続9度目の日本一」がかかる「パ・リーグの代表として、セ・リーグと戦ってきます。やるからには『日本一』なれるように一生懸命頑張ります。パリーグ代表として日本一を目指したい」と表情を引き締めた。
8回表ソフトバンク二死 1、 2塁、「右越え2点3塁打」を放ちガッツポーズをする上林誠知外野手=メットライフドーム
「レギュラーシーズン2位」のソフトバンクが「リーグ優勝」の西武を破り、「2年連続18度目の日本シリーズ進出」を決めた。
ソフトバンクは第 3戦から西武に「3連勝」し、アドバンテージ含め通算成績「4勝2敗」。04年以降プレーオフ、CSを通じて「球団史上初の下克上」となった。
連勝中のソフトバンクが先手を奪った。 1回無死満塁から柳田が左中間へ走者一掃の「適時2塁打」を放ち 3点を先制した。
3点を追う西武は 5回無死 1、 3塁から森の右前適時打、さらに無死 1、 3塁からメヒアの遊ゴロ併殺の間に 1点を加え 1点差と詰め寄った。
リードが 1点となったソフトバンクは、 6回無死。柳田の「右中間席へのソロ本塁打」で加点した。
2点を追う西武も 6回一死から浅村の「中越えソロ本塁打」で 1点差とした。
ソフトバンクは 8回二死 1、 2塁から、上林が右翼へ「2点適時3塁打」を放ち 6- 3とした。
3点を追う西武は 8回一死 3塁から浅村の 2塁ゴロの間に 1点。さらに 9回二死から中村が「1号ソロ」を放ったが、あと 1点届かず、10年ぶり「日本シリーズ進出」はならなかった。
ソフトバンク柳田はCSファーストステージで打率「1割1分1厘」だったが、ファイナルステージで「打率4割5分、8打点、2本塁打」と勝負強さを発揮し、MVPに輝いた。
2年連続 9度目の「日本一」を目指すソフトバンクは、セ・リーグ覇者でCSを勝ち抜いた広島と「日本シリーズ」で対戦する。「日本シリーズ( 7回戦制)」は10月27日からセ・リーグ本拠地のマツダスタジアムで行われる。
采配がさえた工藤公康監督(右)。王貞治球団会長らと笑顔で記念写真に収まった=メットライフドーム
ソフトバンク・工藤公康監督は“おきて破り”の采配で、すごみを見せた。
「苦渋の決断です。勇気が要りました」 19日の第 3戦で不振に苦しむ松田宣を先発メンバーから外し「7番」にファイナルステージから合流した内川を入れた。王手をかけたこの日は、内川も松田宣も外して長谷川勇をスタメン起用。最強チームを背負ってきた 3人の男を“日替わり”で起用する決断が見事に的中した。
「よく踏ん切ったし、勝利につながったから良かった。いい決断だった」。王貞治球団会長も、現役時代に計11度の「日本一」を経験した「優勝請負人」のタクトをたたえた。
思い切った選手起用も全てコーチとの相談のたまもの。工藤監督は「みんなに相談しながらです」とうなずいた。周囲の声に耳を傾け、時には報道陣にも「力を貸して」と口にした。「2年連続」の頂点へ『鷹の逆襲・完結編』が間もなく始まる。
6回表ソフトバンク無死、柳田悠岐外野手は「左越えにソロ本塁打」を放った=メットライフドーム
ソフトバンク柳田悠岐外野手が「1本塁打4打点」の活躍で首位西武を破り、「2年連続18度目の日本シリーズ進出」へ導いた。
1回無死満塁、柳田がフルカウントの 6球目を捉え、走者一掃となる「左翼へ適時2塁打」で 3点を先取した。 6回にはウルフから「右中間席へソロ本塁打」を放ち、貴重な追加点をたたき出した。ファーストステージは「打率1割1分1厘」と苦しんだが、ファイナルステージは全試合「4番打者」として「打率4割5分、2本塁打、8打点」の活躍で打線を支えた。
MVP受賞が決まり、「自分でいいのかなという気持ち。みなさんのおかげです」と感謝した。
これで04年以降のプレーオフ、CSで「球団史上初の下克上」となり、ソフトバンクは27日からセ・リーグ覇者の広島相手に「日本シリーズ」を戦う。「頑張ります。(広島は)やっぱ強いチームなんで。ここまできたらあと 4つ勝ちます」と「2年連続9度目の日本一」をファンに約束した。
祝勝会でビールかけの音頭を取る柳田悠岐外野手=東京・立川市内の宿舎
試合後にメットライフドームから東京・立川市内の宿舎へ移動し、祝勝会を開いた。後藤球団オーナー代行兼社長、王球団会長らのあいさつに続いて鏡開き。続いて、柳田選手会長が壇上に立ち「酒は飲んでものまれるな。そんなん関係ないです! 広島に向けて頑張りましょう。チェスト!」と号令をかけた。3000本のビールなどが約30分で泡となった。
豪快な一振り。柳田悠岐外野手が 6回に「右中間席にソロ」を放ち、勝利を引き寄せた=メットライフドーム
「パ・リーグ2位」のソフトバンクは、10年ぶりにリーグを制した西武を 6- 5で下し、「3連勝」で対戦成績を「4勝2敗(西武のアドバンテージ1勝を含む)」として 2年連続18度目の「日本シリーズ進出」を決めた。柳田悠岐外野手が 1回に先制の 3点打、 6回に「ソロ」を放つなど勝利に貢献。最優秀選手(MVP)に選ばれた。 2年連続の「日本一」を懸けた広島との「日本シリーズ」は、27日に敵地・マツダスタジアムで開幕する。
ナインがベンチを飛び出し、一斉に集まった。今季屈辱にまみれた敵地でやり返し、いつも以上に喜びを爆発させた。強力打線に打ち勝った猛打の主役は柳田。最終戦も 4打点を挙げ、「2位」以下から「日本シリーズ」に進出する球団史上初の“下克上”にチームを導いた。
挨拶をするソフトバンク・王貞治球団会長=東京・立川市内の宿舎
「勢いに乗せてもらいました。チームのために点を取るのが自分の仕事。いい仕事ができた」 まずは 1回無死満塁で左中間へ走者一掃の 2塁打を放ち、先制の 3点をもたらした。 1点差の 6回先頭では「右中間席へのソロ」でリードを広げた。
6点を挙げたチームは、1963年の「日本シリーズ( 7試合)」で40得点した巨人を超え、ポストシーズン新記録の44得点を 5試合でたたき出した。63安打もCS新記録。中でも、柳田はファイナルステージ 5試合で「打率・450(20打数9安打)、8打点」をマークし、ラスト 2試合で本塁打を連発と格別の輝きを放ち、文句なしにMVPを獲得した。
挨拶をするソフトバンク・工藤公康監督=東京・立川市内の宿舎
今季 1度も西武からリーグ首位を奪えなかったソフトバンクだが、敵地で「3勝9敗」と負け越したことが大きな要因となった。柳田も敵地で「打率0.192(26打数5安打)、0本塁打」と低迷。直接対決で痛恨の「5連敗」を喫した 9月には、打球が頭部を直撃して大事な試合で欠場を強いられるなど悔しい思いを残した。
しかし、大舞台で最高のリベンジ。工藤監督は「悔しい思いをしっかり持ってくれたのが一番」と選手たちをたたえ、主砲も「悔しい思いをしたし、個人的にもメットライフドームでいい成績を残せていなかったので」とうなずいた。
「日本シリーズ進出」で歓喜に沸いたソフトバンクのナイン。選手会長を務める柳田悠岐外野手(中央)の号令でビールかけが始まった=東京・立川市内の宿舎
秋山幸二前監督(56)に授かった“金言”が、活躍の礎となった。「あまり(バットを)変えない方がいい。自分の調子が悪いか、バットが悪いか分からなくなる」。CS中も打撃の微調整を繰り返す一方、いろいろなものに手を出してきたバットの材質を終盤戦でメープルに固定した。信じて決めた相棒で快音を連発した。
夏場には球場のグラウンドキーパーのために食事会を開くなど、周囲への感謝も忘れない。MVPの賞金 100万円を受け取った選手会長は「僕でいいのかな。皆さんのおかげなので、みんなに還元したい。特に裏方さんに」と笑った。
鏡割りをするソフトバンク・工藤公康監督(中央)ら=東京・立川市内の宿舎
「(広島は)生まれ育った街。「日本シリーズ」でカープと戦えるなんて想像できなかった。かみしめて頑張ります。工藤監督を胴上げしたいです」
広島出身で広島商高、広島経大に進み、元々はカープの大ファン。球団としても、広島との「日本シリーズ」は史上初の組み合わせとなる。 2年連続の日本一と故郷への恩返しへ。“ギータ”が最後の大仕事を見据えた。
■ 1回無死 1、 2塁から 1塁前へバント安打を決め、続く柳田の「3点2塁打」を呼んだソフトバンク・ユリスベル・グラシアル内野手
「サインではない。自分の判断。あの場面はどういうプレーが必要なのかを考えた」
ソフトバンク・デスパイネ外野手(32)(左)にビールをかける松田宣浩内野手(右)=東京・立川市内の宿舎
■3打数3安打で、ファイナルステージで計12打数7安打と大当たりだったソフトバンク・西田哲朗内野手
「シーズン終盤から(状態が)いい感じで来ていた。チャンスをもらって結果を残せた」
◇データBOX◇
〔1〕「レギュラーシーズン2位」のソフトバンクが対戦成績を「4勝2敗(西武にアドバンテージの1勝を含む)」とし、昨年に続く通算「18度目(前身球団を含む)の日本シリーズ」出場を決めた。18度以上の出場は巨人の34度、西武の21度に次ぐ 3番目。
笑顔でビールをかけるソフトバンク・内川聖一内野手(右)=東京・立川市内の宿舎
〔2〕2004年以降のプレーオフ、CSを勝ち上がって「日本シリーズ」に出場するのは 5度目で北海道日本ハムと並んで最多。「2位」以下での出場は球団初。
〔3〕「シーズン2位」以下の球団の「日本シリーズ進出」は、2004年の西武(2位)、2005年のロッテ(同)、2007年の中日(同)、2010年のロッテ(3位)、2014年の阪神(2位)、2017年のDeNA(3位)に次いで 7度目。パで「2位球団」が出場するのは2005年のロッテ以来13年ぶり 3度目で、 4戦先勝となった2008年以降では初。
〔4〕ソフトバンクのステージ通算「44得点、63安打」はプレーオフ、CS最多。「19長打」は2004年第 2ステージのダイエーと並ぶ最多。
祝勝会でビールを浴びる上林誠知外野手=東京・立川市内の宿舎
ソフトバンク上林誠知外野手が 8回の「2点3塁打」で今シリーズ10打点。プレーオフ、CSで10打点以上は04年カブレラ(西武=13)フェルナンデス(西武=11)09年スレッジ(日本ハム=10)18年デスパイネ(ソフトバンク=10)に次いで 5人目で、日本人では初。
上林はファイナルSだけで10打点で、 1ステージで10打点は09年2Sスレッジ以来 2人目の最多タイ記録だ。また 3塁打はファイナルS1、 3戦に続いて 3本目。同一年のポストシーズンで「3 3塁打」は史上初めて。
8回、「右越えに2点適時3塁打」を放ったソフトバンク・上林誠知外野手(投手・カイル・マーティン投手)=メットライフドーム
終わってみれば“決勝点”は 8回二死 1、 2塁から上林が「右越えの適時3塁打」でたたき出した 2点だった。「 1点差だったので打ててよかった。自分で自分を褒めたいです」。どこかで聞いたセリフも、充実感があるからこそ。昨年のポストシーズンは不振で、ベンチで寂しい日々を過ごしたが、今年はMVPの柳田を上回る10打点。驚異の勝負強さを身につけた若鷹が、主役の 1人として「日本シリーズ」に挑む。
◇データBOX◇
〔1〕ソフトバンク・上林がこの日 2打点を挙げて、ファイナルステージ通算「10打点」。「日本シリーズ」を含めたポストシーズンで 1ステージ10打点は最多タイ。1978年「日本シリーズ」のヤクルト・大杉勝男、1984年「日本シリーズ」の広島・長嶋清幸、2009年第 2ステージの北海道日本ハム・スレッジに次いで 9年ぶり4人目。
〔2〕「1ステージ「3本の3塁打」、通算「3本」はプレーオフ、CS最多記録。 1ステージでは2015年ファーストステージの巨人・立岡宗一郎の「2本」。通算は北海道日本ハム・田中賢介、西武・秋山翔吾、巨人・立岡の「2本」を上回った。レギュラーシーズンでは今季「歴代4位タイ」の「14本」をマークした。
1回、二塁打を放つソフトバンク・上林誠知外野手(投手・ブライアン・ウルフ)=メットライフドーム
ソフトバンクの上林が 2安打 2打点で「1番打者」として打線をけん引した。 1回、初球を「右翼線2塁打」として先制の足場をつくると、 4- 3の 8回には「右越えに2点3塁打」を放った。「 1回はチームを勢いづけたかった。 8回の 2点も大きかったし、自分を褒めたい」と胸を張った。
この日の「2本の長打」で1973年から1982年の前後期制の時代を含むプレーオフ、CSで最多の「シリーズ6長打」となった。「シリーズ10打点」も最多記録に並び「記録のためにやっているわけではないが、名前が残るのはうれしい」と控えめに喜んだ。
※ソフトバンク球団初の下克上で日本シリーズ進出!西武リプレー検証長時間に判定覆らずでブーイング!2に続く!