●連覇を狙うソフトバンクが 2夜連続で「地の利」を生かして、34年ぶり「4度目の日本一」を目指す広島を下し今シリーズ連勝を挙げ「2勝1敗1分け」とした。試合は一発攻勢で動いた。ソフトバンクは 3回二死 1塁、この打席まで打率が 1割を切っていた「1番」上林誠知外野手(23)が「右翼席へ先制2ラン」を放った。広島は 4回に「4番」鈴木誠也外野手(24)の「3号ソロ」で反撃。 1点差に追い上げられたソフトバンクは 4回にアルフレド・デスパイネ外野手(32)が「2試合連発の2号ソロ」が飛び出て、再びリードを 2点にした。ソフトバンク先発の東浜巨投手(28)は 5回 1失点で降板。 6回から「2番手」リバン・モイネロ投手(22)が投入された。ソフトバンクは 6回一死 1、 3塁で代打長谷川勇也外野手(33)が中前へしぶとく適時打を放ち、 4- 1とした。 7回から武田翔太投手(25)、嘉弥真新也投手(28)でつなぎ、最後は守護神・森唯斗投手(26)が締めくくった。得意の継投が決まった。第 5戦もソフトバンクが部類の強さを発揮するヤフオクドームで行われ、移動日を挟んで第 6戦(11月 3日)から広島ホームのマツダスタジアムに移る。また第 5戦の先発予定はソフトバンク千賀滉大投手(25)、広島大瀬良大地投手(27)。ヤフオクを訪れた孫正義オーナー(61)が快勝にご満悦だった。試合後は報道陣に囲まれてニッコリ。このままなら、「日本一」になるとしても、舞台は本拠地ではなくマツダ。連覇の瞬間を直接見ることはできないことには残念そうだった。
●ソフトバンク上林誠知外野手が 3回に「日本シリーズ初となる先制2ラン」を放ち、「シリーズ2勝目」に大きく貢献した。 0- 0の 3回二死 1塁、広島先発の野村祐輔投手(29)の変化球をとらえ、右翼中段席まで運んだ。第 3戦でようやく初ヒットが出たが、この打席の前まで「打率1割」を切っていただけに復調の気配をうかがわせる一発となった。気持ちを切り替え「3連勝」に向け意気込んだ。「2年連続日本一」を狙うソフトバンクが 4- 1でセ・リーグ優勝の広島に「2連勝」して対戦成績を「2勝1敗1分け」とした。 3回に上林誠知外野手が「日本シリーズ球団最年少決勝弾となる先制2ラン」。チームは「V9」に輝いた1970年代の巨人を上回る日本シリーズ新記録の「本拠地11連勝」となった。広島は打線が 4安打と沈黙した。歴史の扉を開けた主役は目をかけ、助言を送ってきた23歳だ。若鷹は 7回にも右翼ポール際へ。リプレー検証でファウルも、上段まで運んで場内の度肝を抜いた。ホームの“不敗神話”継続で、今季「22発」と成長した若鷹の一発も2018年の象徴。「2年連続日本一」を狙う鷹が、一気に前に出た。
●ソフトバンク内川聖一内野手が弟子たちの本塁打合戦を複雑な心境で見つめた。自主トレをともにする上林が「決勝2ラン」。同じく内川に師事する広島鈴木は「2戦連発の3本目」を打った。まだ今シリーズ本塁打のない内川は刺激を受けていた。
●ソフトバンク長谷川勇也外野手が代打で大きなダメ押し打を打った。 2点リードの 6回一死 1、 3塁。松田宣に代わっての打席だった。重圧のかかる場面でも、落ち着いていた。広島今村猛投手(27)の初球をたたき、 2遊間を破る適時打。 3点差に広げる一打が今シリーズ初安打となった。塁上では何度もガッツポーズ。
●ソフトバンク柳田悠岐外野手(30)が守備で流れを引き寄せた。初回一死 塁。丸の打球が右中間を破り、 1塁走者の菊池が一気にホームを狙った。柳田はフェンスの跳ね返りを落ち着いて処理し、カットの明石健志内野手(32)まで正確に送球。明石も本塁に鋭く返し、タッチアウトにした。先制を許さず、先発東浜を援護。
●ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(33)が右手指を痛め欠場した。前日30日の第 3戦で、帰塁時に負傷。 1日以降の出場は状態を見て判断される。
●ソフトバンク・東浜巨投手が 5回 4安打 1失点で勝利投手の権利を持って降板した。東浜は 1回、二死 1塁から丸に右中間 2塁打を打たれたが、中堅・柳田から中継した 2塁・明石が好送球し、生還を狙った菊池涼介内野手(28)を本塁で刺し守備に助けられた。 2回、 3回は 3人で終わらせたが、 2点リードの 4回、二死から鈴木誠也外野手(24)に本塁打を浴び失点。 5回を投げきりマウンドを降りた。
●ソフトバンクの甲斐拓也捕手(25)の強肩が光っている。 5回二死 1塁で盗塁を試みた安部を 2塁で刺した。 4試合連続で盗塁を封じ、一度も盗塁を許していない。レギュラーシーズンの盗塁阻止率は、12球団トップの「4割4分7厘」をマークした。「日本シリーズ」でも、セ・リーグトップの「95盗塁」をマークした広島の機動力を完全に封じている。シリーズでの「4者連続盗塁阻止」は、1958年の藤尾茂元捕手(巨人=84)以来50年ぶりの快挙だ。大分・私立楊志館高校から2011年「育成6位指名」で入団。育成からはい上がって、誰もが驚く強肩でブレークしたのが昨年。 2年目の今季、「盗塁阻止率0.447」は両リーグ通じて圧倒的「1位(2位はチームメート高谷の0.385)」だった。前夜は絶賛していた工藤公康監督(55)。この夜は全幅の信頼だ。
記事をまとめてみました。
SMBC日本シリーズ2018<ソフトバンク 4- 1広島>◇第 4戦◇ソフトバンク 2勝 1敗 1分◇ 31日◇ヤフオクドーム
連覇を狙うソフトバンクが 2夜連続で「地の利」を生かして、34年ぶり「4度目の日本一」を目指す広島を下し今シリーズ連勝を挙げ「2勝1敗1分け」とした。
試合は一発攻勢で動いた。ソフトバンクは 3回二死 1塁、この打席まで打率が 1割を切っていた「1番」上林が「右翼席へ先制2ラン」を放った。広島は 4回に「4番」鈴木誠也の「3号ソロ」で反撃。 1点差に追い上げられたソフトバンクは 4回にデスパイネが「2試合連発の2号ソロ」が飛び出て、再びリードを 2点にした。
ソフトバンク先発の東浜は 5回 1失点で降板。 6回から「2番手」モイネロが投入された。ソフトバンクは 6回一死 1、 3塁で代打長谷川が中前へしぶとく適時打を放ち、 4- 1とした。 7回から武田、嘉弥真でつなぎ、最後は守護神・森が締めくくった。
3回裏ソフトバンク二死 1塁、上林誠知外野手は右越えに2点先制本塁打を放ちガッツポーズ=ヤフオクドーム
「先制2ラン」を放つ活躍でお立ち台に立った上林は「(本塁打は)最高の結果になったので最高です。(状態は)ヒットは少ないですけど、状態は悪くないと思うので明日以降頑張りたいです。明日まず勝って、王手をかけて広島にプレッシャーをかけたい」と「シリーズ3勝目」に向けて意気込んだ。
広島は第 3戦に16安打 8得点の猛攻を見せたが、この日は対照的に「4番」鈴木の「ソロ本塁打」の 1点のみ。 5回以降は無安打無得点に抑えられ、 4試合連続で“甲斐キャノン” 2盗を阻止されるなど好機を作れなかった。
ソフトバンクは本拠地で11年に中日との第 6戦で敗れたのを最後に、「日本シリーズプロ野球最多連勝記録」を更新する「11連勝」となった。これまでの最多は巨人で、70年第 1戦から73年第 5戦の「10連勝」。45年ぶりに記録更新となった。工藤監督は「11連勝」に「ファンのみなさんのおかげです」と感謝した。
第 5戦もソフトバンクが部類の強さを発揮するヤフオクドームで行われ、移動日を挟んで第 6戦(11月 3日)から広島ホームのマツダスタジアムに移る。また第 5戦の先発予定はソフトバンク千賀、広島大瀬良。
広島・サビエル・バティスタ内野手を中飛に打ち取りガッツポーズをするソフトバンク・森唯斗投手=ヤフオクドーム
得意の継投が決まった。 6回はモイネロ、 7回は武田がつなぎ、 8回の嘉弥真と 9回の森は三者凡退。全員が無安打無失点で、工藤監督は「無安打はよくやってくれた。強力な広島打線に向かっていってくれた」と称えた。石川が右肘痛で緊急離脱し、前夜は 8回に加治屋が 5失点。指揮官は試合前は「加治屋は同じところで使う」と話したが「ブルペンからの報告もあって」と調子を見極め、方針を変えた。
■ 5回 1失点でポストシーズンでは12度目の登板で「初勝利」を挙げたソフトバンク・東浜巨投手
「チームが勝ったのが一番だが、個人的にもうれしい。ウイニングボールは大事にしたい」
観戦するソフトバンク・孫正義オーナー(右)=ヤフオクドーム
ヤフオクを訪れた孫正義オーナーが快勝にご満悦だった。試合後は報道陣に囲まれて「いい試合でしたね。連勝してくれて。声援も素晴らしかったですね。お客さんも喜んでもらえたでしょうか」とニッコリ。このままなら、「日本一」になるとしても、舞台は本拠地ではなくマツダ。「仕事で広島には行けないんですよ」。連覇の瞬間を直接見ることはできないことには残念そうだった。
3回に「先制2ラン」を放った上林誠知外野手。会心の一打でチームを勢いづけた=ヤフオクドーム
ソフトバンク上林誠知外野手が 3回に「日本シリーズ初となる先制2ラン」を放ち、「シリーズ2勝目」に大きく貢献した。
0- 0の 3回二死 1塁、広島先発の野村の変化球をとらえ、右翼中段席まで運んだ。
「最低限、 1、 3塁にできることを目標に打席に立ったんですけど、最高の結果になったので最高です。(打った瞬間は)楽勝で行くと思いました」と笑顔で振り返った。
第 3戦でようやく初ヒットが出たが、この打席の前まで「打率1割」を切っていただけに復調の気配をうかがわせる一発となった。
「(状態は)ヒットは少ないですけど、状態は悪くないと思うので明日以降頑張りたいです。明日まず勝って、王手をかけて広島にプレッシャーをかけたい」とファンに向けて約束した。
3回裏ソフトバンク二死 1塁、上林誠知外野手は右越えに先制となる2点本塁打を放った=ヤフオクドーム
ソフトバンク上林誠知外野手が「日本シリーズ自身初の本塁打」を打った。
3回二死 1塁で広島野村から、右翼席上段への特大弾。「先制2ラン」が決勝点となり「最低でも 1、 3塁を目標に打席に入って、最高の結果になった。楽勝で(スタンドに)いくと思いました」と喜んだ。
7回にも右翼ポールのはるか上に大飛球を打った。手応えはあったが、ファウル判定はリプレー検証でも変わらなかった。「いったと思ったけど、審判が絶対なので。また明日頑張ります」。気持ちを切り替え「明日勝って王手をかければ相手にもプレッシャーになる」と「3連勝」に向け意気込んだ。
3回裏ソフトバンク二死 1塁、「先制2点本塁打」を放ち手を上げる上林誠知外野手=ヤフオクドーム
ソフトバンク上林誠知外野手が、 3回に先制となる「決勝2ラン」を放った。今シリーズは体調不良もあって出遅れたが、タカのリードオフマンが復調の兆しだ。ヒーローインタビューは次の通り。
- 3回の第 2打席に「先制2ラン」
上林 最低限、 1、 3塁にできることを目標に打席立ったんですけど、それが最高の結果になったので、最高です。
-低めの球をうまく運んだ
上林 それが長所でもあるので。そこに来たら、確実にとらえていきたいと思います。
-打った瞬間はいくと思ったか
上林 楽勝でいくと思いました。
-もう 1本、もうちょっとでホームランというのもあった
上林 ありましたねー(場内笑い)。自分ではいったと思ったんですけどね、審判が絶対なので、まあまた明日以降、打てるように頑張ります。
-バッティングは上昇気流に乗ってる
上林 はい、ヒットは少ないですけど、状態は悪くないと思うので、明日以降頑張りたいと思います。
-明日、王手を期待しているファンにひとこと
上林 明日まず勝って、王手をかけて、広島にプレッシャーをかけられるように、頑張りたいと思います。熱い応援よろしくお願いします。
3回裏ソフトバンク二死 1塁、「先制2点本塁打」を放ちナインとタッチをかわす上林誠知外野手(右端)=ヤフオクドーム
「2年連続日本一」を狙うソフトバンクが 4- 1でセ・リーグ優勝の広島に「2連勝」して対戦成績を「2勝1敗1分け」とした。 3回に上林誠知外野手が「日本シリーズ球団最年少決勝弾となる先制2ラン」。チームは「V9」に輝いた1970年代の巨人を上回る日本シリーズ新記録の「本拠地11連勝」となった。広島は打線が 4安打と沈黙した。
超満員の右翼席の真ん中だ。白球が中段に届くと、鷹ファンの歓声が鯉党のため息を完全に飲み込んだ。「日本シリーズ新記録の本拠地11連勝」。“兄弟対決”で逆襲した上林が主役を奪った。
「打った瞬間にいったと思いました」
3回二死 1塁。甲斐の左前打でチーム初の走者が出た直後に、野村のスライダーをとらえた。前夜の第 3戦で日本シリーズの初安打を記録し、今度は初アーチ。23歳 2カ月での決勝弾は「日本シリーズ球団最年少」だ。
「本拠地にきたら打てる気がしました。やり慣れているし、いつも通りできる」
「本拠地11連勝」は1970-73年の「V9時代」の巨人の記録を超えた。当事者の王球団会長は「いい野球ができている証拠」とうなった。しかも、歴史の扉を開けた主役は目をかけ、助言を送ってきた23歳だ。「上林の(本塁打)が効いた。技術的にも向上しているね」。若鷹は 7回にも右翼ポール際へ。リプレー検証でファウルも、上段まで運んで場内の度肝を抜いた。
3回、上林誠知外野手(背番号51)の「先制2ラン」に盛り上がるソフトバンクベンチ。本拠地で驚異の「11連勝」だ=ヤフオクドーム
「あの人が打ちまくるから。負けていられないです」
「2戦3発」の広島・鈴木は内川の元で自主トレを行う 1歳年上の“兄弟子”だ。「同じ外野で同じ背番号『51』。まだ及ばないけどライバルです。一番気になる存在」。今年 1月はリハビリの鈴木が不参加も、シーズン中は連絡を取り合った。「たまに(助言を)聞いたりもします」と足の上げ方を参考にした。アーチ競演に「誠也さんはソロでよかった」。前夜は相手が 2発で「(大ファウルが)入っていたら、やり返せたのに」と苦笑いも、この日は「決勝2ラン」を放った自身の勝ちだ。 「あした勝てば相手はプレッシャーになる。勝ちたいですね」
ホームの“不敗神話”継続で、今季「22発」と成長した若鷹の一発も2018年の象徴。「2年連続日本一」を狙う鷹が、一気に前に出た。
■ 4回に「2試合連続本塁打」を放ったソフトバンク・アルフレド・デスパイネ外野手
「完璧だったよ。調子はずっといいからね。イメージした通りだった」
お立ち台でポーズを決めるソフトバンク・上林誠知外野手(右)、東浜巨投手=ヤフオクドーム
◇データBOX◇
◎…ソフトバンクが勝利し、対戦成績を「2勝1敗1分け」と勝ち越した。シリーズで「1勝1敗」から先に「2勝目」を挙げたケースは過去32度のうち「日本一」が25度、「優勝確率は78.1%」。ソフトバンクのように●○○のケース(●○△○を含む)は過去17度のうち「日本一」が13度、「優勝確率は76.5%」。
◎…ソフトバンクは2011年第 7戦から「本拠地11連勝」。巨人が1970年第 1戦-73年第 5戦に後楽園球場でマークした「10連勝」を抜く「シリーズ同一球場での最多連勝記録」となった。またパ・リーグ球団は2013年第 7戦(楽天・Kスタ宮城)から「本拠地14連勝」。
◎…上林がシリーズ初本塁打。シリーズで23歳 2カ月以下の本塁打は2008年第 7戦の巨人・坂本勇人(19歳10カ月)以来10年ぶり。決勝弾は1996年第 1戦のオリックス・イチロー(22歳10カ月)以来22年ぶりで、ソフトバンク(前身球団を含む)では1999年第 3戦の城島健司の23歳 4カ月を抜く最年少決勝弾。 ◎…球団で23歳 2カ月での本塁打は1952年第 6戦の森下正夫の19歳 1カ月、1966年第 1戦の国貞泰汎の22歳 9カ月に次ぐ「年少3番目」。
※ソフトバンク2勝!45年ぶり本拠地連勝記録を更新!ソフトバンク長谷川勇也代打で貴重なダメ押し打2に続く!