●両先発が順調な立ち上がりをみせた。日本の多和田真三郎投手(25=埼玉西武)は 3回まで 1安打無失点、MLB選抜スコット・バーロー投手(25=ロイヤルズ)は 3回を 2安打無失点に抑えた。MLB選抜は 4回にJ・T・リアルミュート(27=マーリンズ)の「ソロ」で先制。同点とされた直後の 5回にはヤディアー・モリーナ捕手(36=カージナルス)の「3ラン」などで 4点を挙げて勝ち越した。MLB選抜は 7回にエイウヘニオ・スアレス内野手 (27=レッズ)、ミッチ・ハニガー外野手(27=マリナーズ)の適時打で 2点を追加し快勝。日本は 9回、山川穂高内野手(26=西武)の適時打などで反撃も届かず、敗れた。日米野球第3戦で日本代表はMLBオールスターチームに 3- 7で初黒星を喫し、対戦成績は「2勝1敗」となった。打線は 9回に山川(西武)の「適時2塁打」などで 2点を奪って追い上げたが反撃が遅かった。東京ドームにどよめきが広がる。バットで守備でモリーナが躍動した。打っては「本塁打を含む3安打3打点」。守っては持ち前の強肩で日本の勢いを止めた。米大リーグ選抜に初勝利をもたらしたチーム最年長の36歳は、お立ち台で破顔一笑だ。 1点リードの 5回一死 2、 3塁では、多和田(西武)の外角低めのスライダーを捉え、逆方向の右翼席に運んだ。試合の主導権を握る「3ラン」。 1回には中前打、 4回にも遊撃内野安打を放ち、この 3試合で「打率0.636(11打数7安打)」の猛爆だ。守備では 4回に、ロケットランチャーと称される強肩を披露。同点に追いつかれ、なおも二死 1、 2塁の場面で、 1塁へ矢のような牽制(けんせい)球。虚をつかれた上林(ソフトバンク)を刺した。上林誠知外野手(23=ソフトバンク)は感心するしかなかった。甲斐拓也捕手(26)は大興奮で振り返った。ファンも日本ベンチも魅了したモリーナ。「残りのシリーズも全力を尽くして戦っていきたい」と力を込めた。13日に行われる第 4戦の先発は、日本代表が大瀬良大地投手(27=広島)、MLBオールスターは2015年まで広島に在籍した前田健太投手(30=ロサンゼルス・ドジャース)と発表された。
●侍ジャパンの甲斐拓也捕手は野球少年に戻っていた。侍ジャパンの練習が終わり、MLBの打撃が始まっても、甲斐だけはなぜかベンチに残った。お目当てはメジャーを代表する名捕手ヤディエル・モリーナ。大会前から機会をうかがっていた。ソワソワとタイミングを計った。無事に対面を果たし、握手を交わした。話の内容は明かさなかったが、ミットをはめさせてもらうなど、技術面でも濃い話ができた様子。日本シリーズで見せた強肩ぶりで一躍、注目を浴びた「甲斐キャノン」にさらに磨きがかかりそうだ。
●柳田悠岐外野手(30=ソフトバンク)の連続ヒットが 5打席でストップした。前日に続いて「4番」で先発。初回一死 1、 2塁のチャンスで最初の打席が回ってきたが、流し打った左翼線への飛球を左翼フアン・ソト外野手(20=ナショナルズ)に好捕された。
●山川穂高内野手が復調のタイムリーを放った。 6点を追う 9回二死 2塁で代打で登場。フルカウントからの 7球目、ブレビアの 152キロ直球を右中間フェンスまではじき返した。第 4戦以降の巻き返しを期した。今季「47発」の本塁打王もどん底にいた。 7日の台湾戦から 2戦連続で「4番」を任されたが、計「8打数無安打6三振。17安打12得点」と大勝した第 2戦は「5番」に回って 6打数 1安打で、この日はついにスタメンから外れていた。巻き返しへ、金子誠ヘッドコーチ(43=北海道日本ハム)とともに早出で打ち込んだ。スローボールを引きつけて打ち、早い体の開きを修正。もともとは陽気で明るい性格。目には光が戻り、反撃の準備は整った。
●MLB選抜は 3点を損した? 打球が天井に当たって、失速する不運があった。 4回一死 1、 2塁で左打席から強打者ソトが放った打球は高々と舞い上がり、本塁打は確実かと思われた。だが、右翼定位置付近の天井に当たり、勢いが失速。右翼秋山翔吾外野手(30=西武)が戸惑いながらもフェンス手前でノーバウンド捕球した。多和田の 141キロを強振した本塁打性の打球は、天井に当たって角度が変わり、右翼フェンス手前で秋山が捕球。球場ルールで右飛となり、ドン・マッティングリー監督(57=マーリンズ)が抗議に出るも判定は変わらず。“幻の本塁打”に本人は苦笑いを浮かべた。
●米大リーグ選抜の前田健太投手(30=ドジャース)が11日、チームに合流。13日の第 4戦(マツダ)に先発することが決まった。古巣・広島の本拠地で、後輩の大瀬良大地投手と投げ合う。東京ドームでの第 3戦開始前に会見した前田は力を込めた。米大リーグ 3年目の今季は39試合に登板して「8勝10敗2セーブ」。シーズン途中に救援に回り、 2年連続でワールドシリーズに登板した。右腕は、大瀬良との広島新旧エース対決について必勝態勢。日本は柳田を中心に打撃陣が好調だが、好投を誓っていた。米大リーグ、ドジャースの前田健太投手が11日、自身のインスタグラムを更新。米大リーグ選抜に合流することを明かした。
●ゴジラ人気は、健在だった。松井秀喜氏(44=ヤンキース・ゼネラルマネジャー付特別補佐)が、米大リーグ選抜の 1塁コーチとして参加することが決まり、緊急発売されたのが“松井グッズ”。巨人-米大リーグ選抜の親善試合が東京ドームで行われた 8日に売り出された。発売からわずか 3日で売り切れ。在庫をかき集めて再販売したこの日も、試合前に完売した。
記事をまとめてみました。
2018日米野球<日本 3- 7MLB選抜>◇第 3戦◇日本 2勝 1敗 0分◇11日◇東京ドーム
両先発が順調な立ち上がりをみせた。日本の多和田は 3回まで 1安打無失点、MLB選抜バーローは 3回を 2安打無失点に抑えた。
MLB選抜は 4回にリアルミュートの「ソロ」で先制。同点とされた直後の 5回にはモリーナの「3ラン」などで 4点を挙げて勝ち越した。
MLB選抜は 7回にスアレス、ハニガーの適時打で 2点を追加し快勝。日本は 9回、山川の適時打などで反撃も届かず、敗れた。
5回、「1号3ラン」を放ったモリーナ捕手。打撃でもファンを魅了した=東京ドーム
日米野球第3戦で日本代表はMLBオールスターチームに 3- 7で初黒星を喫し、対戦成績は「2勝1敗」となった。
1- 1の 5回に多和田(西武)がモリーナ(カージナルス)に「3ラン」を浴びるなど 4点を勝ち越され、 7回には成田(ロッテ)が二死から 3長短打を許し 2点を失った。打線は 9回に山川(西武)の「適時2塁打」などで 2点を奪って追い上げたが反撃が遅かった。
13日に行われる第 4戦の先発は、日本代表が大瀬良(広島)、MLBオールスターは2015年まで広島に在籍した前田(ドジャース)と発表された。
5回表MLB一死二、三塁、右越え3点本塁打を放ったヤディエル・モリーナ捕手=東京ドーム
米大リーグ選抜が 7- 3で日本代表「侍ジャパン」を退け、連敗を「2」で止めて「初勝利」を挙げた。「2番・捕手」で先発したヤディエル・モリーナ捕手(カージナルス)が 5回に「1号3ラン」を放つなど、「3安打3打点」の活躍。守っても、メジャー屈指の強肩を披露した。一方、日本は不振だった山川穂高内野手(西武)が代打で「適時2塁打」を放ち、復調の兆しをみせた。
東京ドームにどよめきが広がる。バットで守備でモリーナが躍動した。打っては「本塁打を含む3安打3打点」。守っては持ち前の強肩で日本の勢いを止めた。米大リーグ選抜に初勝利をもたらしたチーム最年長の36歳は、お立ち台で破顔一笑だ。
「日本に勝ててうれしい。それが一番だよ」
4回のピンチでは、 1走・上林を牽制(けんせい)で刺したヤディエル・モリーナ捕手。メジャー屈指の捕手が本領を発揮した=東京ドーム
1点リードの 5回一死 2、 3塁では、多和田(西武)の外角低めのスライダーを捉え、逆方向の右翼席に運んだ。試合の主導権を握る「3ラン」。「いい感触だった。素晴らしい投手から打てて気分がいい。とにかく勝利が必要だったからね」とうなずいた。 1回には中前打、 4回にも遊撃内野安打を放ち、この 3試合で「打率0.636(11打数7安打)」の猛爆だ。
守備では 4回に、ロケットランチャーと称される強肩を披露。同点に追いつかれ、なおも二死 1、 2塁の場面で、 1塁へ矢のような牽制(けんせい)球。虚をつかれた上林(ソフトバンク)を刺した。上林は「顔は 2塁を向いていたのに 1塁に投げてきた。あれはすごい」と感心するしかなかった。
ヒーローインタビューを受けるMLB・モリーナ捕手=東京ドーム
試合前の打撃練習中には、甲斐(ソフトバンク)からあいさつを受けたモリーナ。通訳を介して約 3分間の会話。“甲斐キャノン”に興味津々のようで、真剣な表情で自ら質問をぶつけ、甲斐の話にも相づちを打ちながら談笑した。自分を慕ってくれる日本の若武者の前で、恥ずかしいプレーは見せられなかった。
甲斐は「捕手として『世界一』ですし、尊敬していますということを伝えました」。上林を刺した場面には「鳥肌が立ちました。(送球が)速いですし、さすがだと思いました」と大興奮で振り返った。 ファンも日本ベンチも魅了したモリーナ。「残りのシリーズも全力を尽くして戦っていきたい」と力を込めた。
■ヤディエル・モリーナ捕手について米大リーグ選抜・松井秀喜コーチ
「大活躍でしたね。実績あるプレーヤーが、その通りのプレーを全力でやってくれて、日本のファンもうれしいと思う」
試合前、ヤディエル・モリーナ捕手(左)と記念撮影を行う甲斐拓也捕手=東京ドーム
侍ジャパンの甲斐拓也捕手は野球少年に戻っていた。
侍ジャパンの練習が終わり、MLBの打撃が始まっても、甲斐だけはなぜかベンチに残った。お目当てはメジャーを代表する名捕手ヤディエル・モリーナ。大会前から「スーパーな選手。しゃべりたい」と機会をうかがっていた。通訳をスタンバイさせて、モリーナの打撃練習を凝視しながら、ソワソワとタイミングを計った。
無事に対面を果たし、握手を交わした。話の内容は明かさなかったが、ミットをはめさせてもらうなど、技術面でも濃い話ができた様子。「もう今日はこれで満足です」とニコニコ。日本シリーズで見せた強肩ぶりで一躍、注目を浴びた「甲斐キャノン」にさらに磨きがかかりそうだ。
1回裏日本一死 1、 2塁、鋭い当たりも左飛に倒れた柳田悠岐外野手=東京ドーム
柳田悠岐外野手の連続ヒットが 5打席でストップした。前日に続いて「4番」で先発。初回一死 1、 2塁のチャンスで最初の打席が回ってきたが、流し打った左翼線への飛球を左翼ソトに好捕された。
柳田は第 1戦の 9回に「逆転サヨナラ2ラン」を放ち、第 2戦は 4打席すべて安打を記録。 2戦合計で「2本塁打、6打点」の爆発ぶりだった。
9回裏日本2死二塁、山川穂高内野手は「右越え適時2塁打」を放った=東京ドーム
山川穂高内野手が復調のタイムリーを放った。
6点を追う 9回二死 2塁で代打で登場。フルカウントからの 7球目、ブレビアの 152キロ直球を右中間フェンスまではじき返した。
日米野球での初打点に「勝つためには何でもやる。今日は負けてますし、何とかやり返したい」と第 4戦以降の巻き返しを期した。
9回、適時2塁打を放った山川穂高内野手=東京ドーム
侍の「4番候補」が復活の一打だ。 1- 7の 9回二死 2塁。代打で登場した山川はフルカウントからの 7球目、 152キロの直球を弾き返し、「フェンス直撃の右中間適時2塁打」。一矢報いる一撃に超満員の観衆も拍手を送った。
「ボールの見え方が全然違った。(復調の)きっかけになると思う」
今季「47発」の本塁打王もどん底にいた。 7日の台湾戦から 2戦連続で「4番」を任されたが、計「8打数無安打6三振。17安打12得点」と大勝した第 2戦は「5番」に回って 6打数 1安打で、この日はついにスタメンから外れていた。
9回裏、山川穂高内野手が「タイムリー2塁打」=東京ドーム
無意識のうちに力が入り、空回りしていた。手元で動くボールや、初対戦の投手にも手を焼き、「辛いですね。みんなが声をかけてくれるけど、申し訳ない」とこぼした。年齢制限のないトップチームは初招集。「4番」の重圧もあった。
巻き返しへ、金子ヘッドコーチとともに早出で打ち込んだ。スローボールを引きつけて打ち、早い体の開きを修正。「動く球をミートする一番の方法」と手応えがあった。シーズンでは今季 1度もなかった代打で結果を残し、「『4番』を打ちたい気持ちはある。競争したい」。もともとは陽気で明るい性格。目には光が戻り、反撃の準備は整った。
■初黒星に日本・稲葉篤紀監督
「野球の流れを、悪い方に感じてしまった。( 3戦を終え)相手捕手のモリーナ選手がうまくリードしている。勝負していかないといけない」
4回表、フアン・ソト外野手が天井に当たる大飛球で右飛=東京ドーム
MLB選抜は 3点を損した? 打球が天井に当たって、失速する不運があった。
4回一死 1、 2塁で左打席から強打者ソトが放った打球は高々と舞い上がり、本塁打は確実かと思われた。だが、右翼定位置付近の天井に当たり、勢いが失速。右翼秋山が戸惑いながらもフェンス手前でノーバウンド捕球した。
東京ドームのグラウンドルールでは「打球がフェア地域とファウル地域の区別なく、プレイングフィールド上の天井に当たった場合はボールインプレーで、落下した地点または野手が触れた地点で、フェアかファウルかの判定をする。地上に落ちる前に捕球すれば、打者アウト」とある。
4回表MLB一死 1、 2塁、フアン・ソト外野手は天井直撃の打球を放った。記録は右飛=東京ドーム
8日に巨人との親善試合で天井直撃の 2塁打を放った米大リーグ選抜・ソト(ナショナルズ)が 4回に再び天井直撃の大飛球を放った。多和田の 141キロを強振した本塁打性の打球は、天井に当たって角度が変わり、右翼フェンス手前で秋山が捕球。球場ルールで右飛となり、マッティングリー監督が抗議に出るも判定は変わらず。“幻の本塁打”に本人は「打った瞬間に入ると思った。残念だった」と苦笑いを浮かべた。
■ 4回の「右越え本塁打」で「2試合連発」の米大リーグ選抜・J・T・リアルミュート捕手(マーリンズ)
「タイミングよく打てて、運よく右方向へ、強く飛んでくれた」
侍ジャパン・稲葉篤紀監督(左)とMLB選抜・前田健太投手(右)=東京ドーム
米大リーグ選抜の前田健太投手(ドジャース)が11日、チームに合流。13日の第 4戦(マツダ)に先発することが決まった。古巣・広島の本拠地で、後輩の大瀬良大地投手と投げ合う。
東京ドームでの第 3戦開始前に会見した前田は「広島で(日米野球が)あるのが、(出場を)決断した理由の一つ。米国での 3年間で成長した姿をファンの方々にみせたい」と力を込めた。米大リーグ 3年目の今季は39試合に登板して「8勝10敗2セーブ」。シーズン途中に救援に回り、 2年連続でワールドシリーズに登板した。
右腕は、大瀬良との広島新旧エース対決について「こういう日が来るとは思っていなかった。負けないように投げたい」と必勝態勢。日本は柳田(ソフトバンク)を中心に打撃陣が好調だが、「抑えるのは大変だと思うけど、投げる日までに弱点を見つけたい」と好投を誓っていた。
米大リーグ選抜に合流し会見する前田健太投手=東京ドーム
米大リーグ選抜の前田健太投手が11日、チームに合流。13日の日米野球第 4戦(マツダ)に先発することが決まった。古巣・広島の本拠地で後輩の大瀬良大地投手と投げ合う。
東京ドームでの第 3戦開始前に会見した前田は「(大瀬良と)さっき会いましたが、『ボクを追い抜いた』と言っていた。胸を借りるつもりで頑張りたい」ジョーク交じりに意気込みを表した。
ドジャース・前田健太投手
米大リーグ、ドジャースの前田健太投手が11日、自身のインスタグラムを更新。「今日から日米野球に合流させて頂きます」と、米大リーグ選抜に合流することを明かした。
前田は侍ジャパンと対戦するMLB選抜の一員として参加。13日、古巣・広島の本拠地・マツダスタジアムで行われる第 4戦での先発が濃厚になっている。「東京ドームに来られる方今日は投げませんがご声援よろしくお願いします。笑」と呼びかけた。
東京ドーム前の物販では松井さんのTシャツの売り切れが伝えられた=東京ドーム
ゴジラ人気は、健在だった。松井秀喜氏(ヤンキース・ゼネラルマネジャー付特別補佐)が、米大リーグ選抜の 1塁コーチとして参加することが決まり、緊急発売されたのが“松井グッズ”。巨人-米大リーグ選抜の親善試合が東京ドームで行われた 8日に売り出された「松井秀喜ネームアンドナンバーTシャツ」は、前日10日に発売からわずか 3日で売り切れ。在庫をかき集めて再販売したこの日も、試合前に完売した。巨人時代の本拠地での戦いは、この日が最後。改めて人気の高さを印象づけた。
※11月12日の予告先発は、日本・大瀬良大地投手(27=広島)ーMLB・前田健太投手(30=ロサンゼルス・ドジャース)です。
日米野球 日程