●矢野阪神が11日、初の紅白戦を行い、紅組の「5番・捕手」で出場した原口文仁捕手(26)が、左翼防球ネットを揺らす特大アーチ。守備でも俊足植田の 2盗を阻止するなど攻守で魅せた。原口が攻守で猛アピールする中、梅野も譲らなかった。打撃では 3打数無安打に終わったが、守備では 3回一死 1塁、 2盗を狙った 1走・江越を好送球で阻止。「ゴールデングラブ賞」も矢野燿大監督(49)が競争を促しており、汗をぬぐった。
●矢野燿大監督が、紅白戦でカウント 3- 0から犠飛を放った中谷将大外野手(25)を絶賛。和製大砲の完全覚醒に期待した。矢野燿大監督の就任後初実戦となった紅白戦で、若虎らの「超積極的」なプレーが何度も繰り返された。中谷将大外野手は“矢野虎初打点”となる先制犠飛をはじめ、 3打席のうち 2打席でカウント 3- 0からスイング。うまくなろう、何かやってやろうというギラついたプレーが、随所にあふれ出た。“指揮しない初指揮”だったにも関わらず、意図は伝わっていた。イキイキと打って走って、投げる選手ばかりだった。 1回には、白組・中谷がカウント 3- 0から果敢にスイングし先制犠飛。四球なんて要らないとばかりに振った。矢野監督も思わず目を細めた。中谷は、飯田優也投手(27)と向かい合った 6回一死 1塁でも 3ボールから 3飛。この日の全48打者のうち、半数以上の28人がファーストストライクを振っていった。走塁面では、 5回二死 1塁で 1走の紅組・江越が、竹安のけん制で逆を突かれ 1、 2塁間に挟まれた。だがこのキャンプは、スタートを切ろうと探っていたその心意気こそ買いたい時期だ。「超積極的」という野球の種がまかれた今秋。まだ収穫とはいかないが、確実に芽を出しつつある。
●小野泰己投手(24)が矢野監督から来季「15勝指令」を受けた。10日、ブルペンでの投球練習後、指揮官と話し込む場面があった。小野は指令内容を明かした。今季は開幕ローテに入り、チームトップ「11勝」のメッセンジャーに次ぐ「7勝」を挙げた。“新球”の「縦スライダー」も習得中だ。高校時代に投げていた球を復活させた。大学からは横の小さい変化のスライダーを取り入れ、これまで投じていた。来季は 2種類のスライダーを駆使し、「15勝」を目指す。
●原口文仁捕手(26)が11日、秋季キャンプ地の安芸市営球場で行われている紅白戦で「矢野阪神1号」を放った。紅組の「5番捕手」で先発。 1点を追う 2回一死、小野の高め 142キロ直球を完璧にとらえ、左翼席後方の防球ネットまで届かせた。この日は第 3打席でも左前打を放ち、 2安打 1打点と奮闘した。守備でも強肩を披露した。 3回一死から 1塁走者の俊足植田が 2盗を試みるも、原口の完璧なストライク送球で盗塁を阻止した。矢野新監督の“初戦”で来季正捕手を狙う原口が攻守でいきなりの猛アピールだ。矢野燿大監督も絶賛。「ゴールデングラブ賞」を獲得した梅野らとの、正捕手争いが始まった。力強く秋晴れした球場を、覚悟を乗せた打球が切り裂いた。美しい放物線が、キラキラ光る土佐湾に映える。原口が指揮官の眼前で特大弾を放ち、ライバル梅野の目の前で“宣戦布告”だ。一つしかない正捕手の座を争うゴングが、豪快に鳴った。阪神に限らず、捕手の育成はどのチームも至上命題。その第一歩として、藤井彰人バッテリーコーチ(42)が秋季キャンプ前に捕手陣と面談した。選手に課題や意見を箇条書きにさせ、それを元に練習を行っている。原口は今季、「盗塁企図数16」に対し、阻止は「3」。「盗塁阻止率0.188」で、「リーグ2位」の梅野(0.320)とは大きく水を開けられた。笑顔はない。道のりが険しいことはわかっている。決意と覚悟を握りしめ、正捕手の座へ一歩ずつ歩む。
●国内FA権を保有する上本博紀内野手(32)は熟考モードを継続した。10日に兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で練習した。権利行使の動向に注目が集まっている。FA申請期間は13日まで。
記事をまとめてみました。
阪神安芸秋季キャンプ (11日、安芸)
矢野阪神が11日、初の紅白戦を行い、紅組の「5番・捕手」で出場した原口文仁捕手が、左翼防球ネットを揺らす特大アーチ。守備でも俊足植田の 2盗を阻止するなど攻守で魅せた。
原口が攻守で猛アピールする中、梅野も譲らなかった。打撃では 3打数無安打に終わったが、守備では 3回一死 1塁、 2盗を狙った 1走・江越を好送球で阻止。「しっかり捕るということをメインにやっている。だからしっかりスローイングができた」と手応え。「ゴールデングラブ賞」も矢野監督が競争を促しており、「自分のやるべきことを心がけたい。期待に応えていけるように」と汗をぬぐった。
紅白戦終了後、ナインにアドバイスを送る矢野燿大監督=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
矢野燿大監督が、紅白戦でカウント 3- 0から犠飛を放った中谷を絶賛。
「今はうまくなるためにここに来てんのにさ、見逃しても何も魅力を感じひんやん。ガンガン打ちにいって自己アピールをどんどんして、自分がどれだけうまくなるんやってことをやってほしい。真っすぐやろっていうところで、あれは犠飛でもまあまあ価値もあったと思う。いつも言っているように、そういうところにチャレンジして自分がどううまくなるかというところの打撃やと思うから」と和製大砲の完全覚醒に期待した。
その他一問一答は以下の通り。
-熊谷が良かった
目立ったっけ?(笑い)。タイムリー ? 顔がええのは覚えているんやけど(笑い)。荒木とかの方が目立っていたから、荒木の印象が強いけど。
打撃指導する矢野燿大監督=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
-投げる方では福永と竹安が目についたか
福永もカーブが持ち味ではあるし、今日はカーブを意識して投げて、ある程度は打者のタイミングを外すとかカウントを取れたとか、そういう部分はプラスのところやったと思う。まあ、でも真っすぐ、スピードガンとかは知らんけど、もうちょっとやっぱりそこにプラスアルファはほしいな、というね。真っすぐが走ってカーブがキレる、とかさ。カーブでカウントを取れたけど、真っすぐでもうちょい刺し込む、とかさ。 1個だけでは、やっぱり 1軍で勝つというところになかなか行きにくいと思うから。
-竹安はワインドアップで強さが出てきたか
うーん、まあでも「真っすぐ頑張ろな」っていう話はずっとファームでもしていて。アイツもどちらかと言うとオーソドックスだから。打者からしたらあまり威圧感とか嫌さがないのよ。ツーシームっていうボールを投げられるから、それは1つ武器にはなるんだけど。
1回に犠飛を放った中谷将大外野手。カウント 3- 0から積極的に打って結果を残した=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
矢野燿大監督の就任後初実戦となった紅白戦で、若虎らの「超積極的」なプレーが何度も繰り返された。中谷将大外野手は“矢野虎初打点”となる先制犠飛をはじめ、 3打席のうち 2打席でカウント 3- 0からスイング。うまくなろう、何かやってやろうというギラついたプレーが、随所にあふれ出た。
“指揮しない初指揮”だったにも関わらず、意図は伝わっていた。イキイキと打って走って、投げる選手ばかりだった。 1回には、白組・中谷がカウント 3- 0から果敢にスイングし先制犠飛。四球なんて要らないとばかりに振った。矢野監督も思わず目を細めた。
「 3ボールで見逃してもうまくならないんだからさ。試合やったら状況や流れや場面があるから『待て』ということももちろんあり得るけど、今はみんなうまくなるためにここに来てんのにさ、 3ボールで見逃しても何も魅力感じひんやん」
紅白戦の1回、犠飛を放つ阪神・中谷将大外野手=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
ノーサイン、ノー指示だった。ベースコーチすら置かず、「待て」などというワケがなかった。だれもが期待通りにやってくれた。 1回表の二死走者なしでは、白組・小野がカウント 3- 0としたところで、紅組・高山が 4球目を強振し中飛。凡退こそしたが「超積極的」だった。そして、 1回裏。一死 3塁では青柳がカウント 3- 0としたところで、中谷がガツンと先制の中犠飛。“矢野虎初打点”をたたき出して、「ファーストストライクを打とうと思った。打たなきゃ課題が見えてこない」と振り返った。
この考えこそが、指揮官の求めていたモノだ。「もうガンガン打ちにいって、自己アピールどんどんして、自分がどんだけうまなるんや、ってことをやってほしいの」と言葉も熱を帯びる。さらに続けて「 3ボールになっても『四球で一塁出てくれ』なんて俺、全然思ってないからさ。『 3ボールからでもヒット打て!』と思ってるから。打ちにいけと思ってるから」とまで言い切った。
中谷は、飯田と向かい合った 6回一死 1塁でも 3ボールから 3飛。この日の全48打者のうち、半数以上の28人がファーストストライクを振っていった。走塁面では、 5回二死 1塁で 1走の紅組・江越が、竹安のけん制で逆を突かれ 1、 2塁間に挟まれた。だがこのキャンプは、スタートを切ろうと探っていたその心意気こそ買いたい時期だ。
笑顔の矢野燿大監督。ノーサインも初の紅白戦に手応えをにじませた=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
「残りどれだけ実戦で打席立てるか分からんけど、みんなそういう気持ちで。うまくなるためにここに来てんだから」 「超積極的」という野球の種がまかれた今秋。まだ収穫とはいかないが、確実に芽を出しつつある。
★矢野監督の超積極的あらかると
◆フリー打撃の初球から勝負:今季の 2軍ではフリー打撃での初球バントを禁止。「目慣らしより、初球から打席に入って打つんだっていう気持ちを作るため」。
◆ 3盗塁死もOK:今季、 2軍の練習試合で荒木が 1試合で 3度盗塁を刺されたことがあったが、「あの姿勢でいい。 2つアウトになって 3つ目は行きにくい。逆に行ったことがすごい」とたたえた。
◆打たれても攻めろ:コーナーを攻め過ぎた結果カウントを悪くし、ストライクを取りにいって打たれる悪循環を疑問視。「どんどん攻めろ」と 2軍投手陣に厳命。
◆けん制死もOK:今キャンプでも限界値を広げることを求め続けた。「リードもギリギリまで出てみるとか。それで逆突かれて戻れたら『あっこれくらいのけん制やったら戻れるんや』と自分の幅が広がる」。
小野が矢野監督から来季「15勝指令」を受けた。10日、ブルペンでの投球練習後、指揮官と話し込む場面があった。小野は「(矢野監督から)勝ち星だったら『10勝』とかじゃなくて『15勝』と、もうひとつ思ってるよりも上の目標を持ってやっていけと言われました」と指令内容を明かした。
今季は開幕ローテに入り、チームトップ「11勝」のメッセンジャーに次ぐ「7勝」を挙げた。この日小野の投球を打席から見守った矢野監督は「能力が高いというのは、分かっているから。だから自分でどれくらいのレベルを目指していくのかが、オレはすごい大事と思っているからね」と話した。
ブルペンで投げ込む小野泰己投手(右)を見守る矢野監督=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
この日はブルペンで63球。小野は指揮官から「ゾーンで勝負していっていいんじゃないか」とアドバイスを受けたという。今日11日に行われる紅白戦に先発する小野は「ど真ん中真っすぐでもいいくらいの気持ちで、どんどんゾーンで力強い球を投げていけたら」と意気込んだ。
“新球”の「縦スライダー」も習得中だ。高校時代に投げていた球を復活させた。大学からは横の小さい変化のスライダーを取り入れ、これまで投じていたが「横だとカウントをとりづらいところがあったので」。来季は 2種類のスライダーを駆使し、「15勝」を目指す。
2塁へ送球する原口文仁捕手(右)=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
原口文仁捕手が11日、秋季キャンプ地の安芸市営球場で行われている紅白戦で「矢野阪神1号」を放った。
紅組の「5番捕手」で先発。 1点を追う 2回一死、小野の高め 142キロ直球を完璧にとらえ、左翼席後方の防球ネットまで届かせた。「練習してることが今日は出せたかなって感じですね」。この日は第 3打席でも左前打を放ち、 2安打 1打点と奮闘した。
守備でも強肩を披露した。 3回一死から 1塁走者の俊足植田が 2盗を試みるも、原口の完璧なストライク送球で盗塁を阻止した。矢野新監督の“初戦”で来季正捕手を狙う原口が攻守でいきなりの猛アピールだ。
植田海内野手(左)の 2盗を阻止してみせた=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
特大弾&復肩でアピールや!! 矢野阪神が11日、初の紅白戦を行い、紅組の「5番・捕手」で出場した原口文仁捕手が、左翼防球ネットを揺らす特大アーチ。守備でも俊足植田の 2盗を阻止するなど攻守で魅せた。矢野燿大監督も「競争には間違いなく入ってくる」と絶賛。「ゴールデングラブ賞」を獲得した梅野らとの、正捕手争いが始まった。
力強く秋晴れした球場を、覚悟を乗せた打球が切り裂いた。美しい放物線が、キラキラ光る土佐湾に映える。原口が指揮官の眼前で特大弾を放ち、ライバル梅野の目の前で“宣戦布告”だ。一つしかない正捕手の座を争うゴングが、豪快に鳴った。
「練習していることがきょうは出せたかなという感じです。自分の中でしっかり打てたのはすごくよかったので。またしっかり練習したいです」
紅白で特大弾を放った原口文仁捕手。梅野隆太郎捕手(左)の目の前で正捕手へアピールだ=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
紅組の「5番・捕手」として出場すると、 0- 1で迎えた 2回一死。先発・小野の高め 142キロ直球を振り切ると、打球は左翼防球ネット最上部へ。虎党のどよめきと拍手が球場に響く中、足早にダイヤモンドを一周した。 6回一死 1塁でも左腕・島本から左翼線に安打。貫禄のマルチ安打で結果を残した。
自慢の打撃に劣らない印象を残したのが 3回一死 1塁での守備。 1走・植田がスタートを切ると、これを原口がドンピシャ送球でアウトに仕留めた。植田は今季「19盗塁」を記録したが、失敗はわずかに「2」。快足が売りの若虎をシャットアウトし「練習でやっていることが少しずつゲームの中でも出てきた」。攻守でこれ以上ないアピールに成功し、胸を張った。
矢野監督は「原口らしいどっちも価値のあるヒット。肩もね、良くなっているように見えるし」と絶賛。今季、球団タイ記録となるシーズン代打安打「23」を記録した打棒は当然、原口の最大の魅力だ。 132試合に出場し「ゴールデングラブ賞」を受賞するなど、守備を持ち味とする梅野ら個性派ぞろいの捕手陣。その中で指揮官が強調するのは「競争の2文字」だ。原口のアピールには「競争には間違いなく入ってくるんじゃない」とうなるしかなかった。
紅白戦の 2回、本塁打を放った原口文仁捕手=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
阪神に限らず、捕手の育成はどのチームも至上命題。その第一歩として、藤井バッテリーコーチが秋季キャンプ前に捕手陣と面談した。選手に課題や意見を箇条書きにさせ、それを元に練習を行っている。原口は今季、「盗塁企図数16」に対し、阻止は「3」。「盗塁阻止率0.188」で、「リーグ2位」の梅野(0.320)とは大きく水を開けられた。
この日も全体メニューが終了するとサブグラウンドへ。捕手の個別メニューを消化すると、さらにスローイング練習。「(体の)パーツが大きいから、しっかりと足が動くように」と藤井コーチ。地肩は強化しにくいが、素早い足の運びでカバーできる。 1メートル82、92キロの体格を使いこなせるように、試行錯誤を続けている。
「今年もなかなかゲームに出られなかったので。来年につながるように、練習も実戦形式もやっていきたいと思います」
笑顔はない。道のりが険しいことはわかっている。決意と覚悟を握りしめ、正捕手の座へ一歩ずつ歩む。
紅白戦 2回表紅組一死、原口文仁捕手は左越え同点本塁打を放った=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
■特大弾を放った原口文仁捕手について阪神・濱中治打撃コーチ
「小野の高めの真っすぐをとらえて、見事だった。凡退しても何とかしようというのが見えてくるし、しぶとさが持ち味。若い選手はまねしてほしい」
★今季の原口文仁捕手
82試合に出場し「打率0.315、2本塁打、19打点」。特に代打として存在感を発揮し、桧山進次郎が持つシーズン代打安打の球団記録「23」に並んでみせた。「代打打率0.404(57打数23安打)」を記録した。一方で、先発マスクを被ったのは 9試合。 9月14日のヤクルト戦(甲子園)で内角球がグリップエンド付近に当たり「左手第 5中手骨」を骨折した。
2018年11月1日 グラウンド脇で軽めにノックを受ける上本博紀内野手=阪神鳴尾浜球場
国内FA権を保有する上本博紀内野手(32)は熟考モードを継続した。
10日に兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で練習した。権利行使の動向に注目が集まっているが、「何もないです。まだ分からないです」と話すにとどめた。FA申請期間は13日まで。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
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