自治体や企業のキャラクター日本一を決める「ゆるキャラグランプリ2018」が18日、大阪府東大阪市の花園中央公園で行われ、埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」が88万9346票を獲得し、全国からエントリーした 909体の頂点に立った。事前のインターネット投票で暫定1位だった三重県四日市市の「こにゅうどうくん」は 3位に終わった。
ステージ後の取材で、こにゅうどうくん(左)に「お騒がせしちゃダメだよ」と優しく叱る京本政樹氏=大阪府東大阪市の花園中央公園
俳優京本政樹(59)が子分と認める、こにゅうどうくんの応援にサプライズで駆けつけた。 7月に四日市市のPR映像の監督、主演などを担当し、共演したことがきっかけで来場。PRタイムでステージに上がり「 2位になろうが、べた(最下位)になろうが良いじゃない。みんなで地方が活性化して日本が元気になるように」と熱い思いを伝えた。組織票騒動については「熱の問題」とし、ゆるキャラ自体には「全然、罪はない」と話した。
こにゅうどうくん(左)、森智広四日市市長と「1、2、3、四日市!」ポーズを決める京本政樹氏(中央)=大阪府東大阪市の花園中央公園
自治体や企業のキャラクター日本一を決める「ゆるキャラグランプリ2018」が18日、大阪府東大阪市の花園中央公園で行われ、埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」が88万9346票を獲得し、全国からエントリーした 909体の頂点に立った。「組織票」騒動に揺れた今大会において、同公社は職員わずか 5人の小所帯。会場での圧倒的な支持を受け、昨年11位から一気にジャンプアップした。事前のインターネット投票で暫定 1位だった三重県四日市市の「こにゅうどうくん」は 3位に終わった。
「組織票の『そ』の字も出せないような、小さな団体です」。カパルの相棒を務める職員の権田原花子さんは言い切った。公社の人員はアルバイトを含めても30人足らずだという。上位の自治体が、投票IDを大量に入手、配布し「組織票騒動」が巻き起こった今大会。それでも頂点に立ったのは、会場で圧倒的な“生”の声援を受けたカパルだった。現地で直接投票され、 3倍換算された決選投票数は断トツの7251票。そこで 3位の「こにゅうどうくん」に約5000票の差をつけた。
市内に古くから伝わるカッパの民話をモチーフに誕生も、すぐにお蔵入り。10年近くも放置されるという黒歴史を持つ。同グランプリが開始された11年から復活し 3次元化。権田原さんいわく「正統派のキャラとは違って、普段はゴロゴロ。サボり癖があり、戦隊ものが好きで“オタ活”をしている」という個性派だ。
右手を突き上げ喜ぶ「カパル」(右)と優勝スピーチをする権田原花子さん=大阪府東大阪市の花園中央公園
暫定 4位からの大逆転を後押しした秘密はツイッターの存在だった。「大好きで、そこでたくさんの方と会話をすることが日課」で、現在フォロワーは約3万5000人。自分の名前を検索し、知名度などを確認するエゴサーチで「カパル」を調べ、自ら会話を投げかける。返信などのし過ぎで、アカウントを 2度、凍結(使用停止)されたこともあるという。
結果発表会場には緑のカパルグッズが目立ち、歓声の多さも 1番。「今年が最後」と決意して臨んだラストイヤーで悲願をつかんだ。「たくさんの応援してくれている方の力があってこそ」と権田原さんは涙ながらに感謝した。
今月 1日時点で暫定 1位となり、市職員による「組織票」が指摘された「こにゅうどうくん」は福岡県大牟田市の「ジャー坊」に次ぐ 3位。ネット得票の最終発表は80万5207票で、暫定 1位時から約38万票が大会実行委員会に無効とみなされ、削除された。
この結果に森智広四日市市長(40)は「(実行委が)精査した結果、80万票を認めていただいた。素晴らしい結果」と納得し、約3000人の市職員を含む「ルールに従って取り組んだ。市民の思いが詰まった80万票。誇りを持って帰りたい」と胸を張った。来年以降は出場しないと明言し「もうノーサイド。次を向いて歩きましょう」と会場の花園に絡めて前を向き、「記録よりも記憶かな」と報道陣にも感謝していた。
自治体や企業のキャラクター日本一を決める「ゆるキャラグランプリ2018」が18日、大阪府東大阪市の花園中央公園で行われ、埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」が88万9346票を獲得し、全国からエントリーした 909体の頂点に立った。「組織票」騒動に揺れた今大会において、同公社は職員わずか 5人の小所帯。会場での圧倒的な支持を受け、昨年11位から一気にジャンプアップした。事前のインターネット投票で暫定 1位だった三重県四日市市の「こにゅうどうくん」は 3位に終わった。
【「ゆるキャラグランプリ2018」トップ10】
<1>カパル(埼玉県志木市・文化スポーツ振興公社)昨年11位
地元に伝わるカッパの民話をモチーフに2000年に職員の卓上メモ用紙で誕生。長年の放置にめげず、「振舞キュウリ」で市内飛び回る。
<2>ジャー坊(福岡県大牟田市)昨年 6位
大牟田の夏祭り、大蛇山の「蛇」から命名された大蛇の化身。炭鉱で栄えた町らしく、ヘルメットとつるはしを持って地元をアピール。
第 3位に入り、ポーズを決める「こにゅうどうくん」(左)と森智広四日市市長=大阪府東大阪市の花園中央公園
<3>こにゅうどうくん(三重県四日市市)昨年 4位
日本一大きいカラクリ人形「大入道」を父に持つ妖怪の男の子。伸ばしたい願い事をしながら、伸びる舌に触ると願いがかなうらしい。
<4>一生犬鳴!イヌナキン!(大阪府泉佐野市)昨年38位
「犬鳴山義犬伝説」の主人公の子孫で、犬鳴山で修業中。一般公募した作品をもとに漫画「キン肉マン」作者ゆでたまご氏がリライト。
<5>滝ノ道ゆずる(大阪府箕面市)昨年 9位
「ゆずともみじの里」箕面をPRするべくモミジーヌとともに誕生。顔はゆず、名字の「滝ノ道」は観光地の「箕面の滝道」から採用。
<6>おぶちゃん(愛知県大府市役所)昨年42位
体の形は大府市の地形で、明るい黄色は元気の印。チャームポイントは市の花「くちなし」。タスキをかけて未来への健康の橋渡し。
<7>大野ジョー(福岡県大野城市)昨年17位
大野城跡の石垣をモチーフにした「石垣リーゼント」と赤いスカーフがトレードマークの12歳。キレキレのダンスで地元をアピール。
<8>マッキー(大阪府松原市)昨年19位
市の木「マツ」と市の花「バラ」で松原を表現した妖精。バラだけにちょっぴりトゲもあるけど、回りのみんなを元気にする女の子。
<9>ばら菜(岐阜県神戸町)昨年20位
誕生日は「ごうど町」にちなむ 5月10日。特産のバラと小松菜から命名、ちゃめっ気たっぷりの女の子。合言葉は「がんばローズ!」。
<10>島原守護神しまばらん(長崎県島原市)昨年14位
漫画「妖怪ウォッチ」の作者小西紀行氏が生みの親。市をアピールしながら、ひょうたんの中の島原のおいしい水を飲むことが日課。
※順位に付いては、「ゆるキャラグランプリ2018」サイトをご覧下さい。