●阪神打線が序盤から猛攻。大山悠輔内野手(24)が初回と 3回に「3号3ラン、4号ソロ」と連発するなど、ヤクルト大下佑馬投手(26)を 3回途中 6失点でKOした。阪神は 4回に中谷将大外野手(26)の「2ラン」、 6回にも 2打席連発の「2ラン」などで 6回までに12得点。ヤクルトは 5回に青木宣親外野手(37)ら主力を交代させた。阪神打線が 5発13得点で快勝。先発岩田稔投手(35)は完投で17年10月以来となる勝利を挙げた。ヤクルトは序盤の失点が響いた。大下が初黒星。史上最速のリクエスト? 阪神がプレーボールから 5球目で審判団にリクエストを要求した。「1番」近本光司外野手(24=大阪ガス)が5球目を打って全力疾走。 2塁へのゴロは微妙なタイミングとなったが、判定はアウト。矢野燿大監督(50)がベンチを出て、すかさずリクエストを要求。リプレー検証の結果、判定は覆ることなくアウトとなった。矢野燿大監督が激しく攻める采配で今季最多16安打13得点のワンサイドゲームを演出した。 3回に 4点リードでも動いた。一死 1、 3塁でヤクルトは左腕中澤雅人投手(34)に継投。指揮官はベンチを出て木浪聖也内野手(24=ホンダ=亜細亜大學OB)に代打上本博紀内野手(32)を告げた。用兵は的中し、左犠飛で得点差をさらに広げた。まだ序盤だ。早々に動いた理由を明かす。 1回、木浪はワンバウンドのフォークに空振り三振した際、捕手は捕り損ねたが、 1塁に走らなかった。振り逃げを試みず、前に向かわない。鬼采配で厳しさを突きつけた。この日は開幕から先発出場を続けていたベテラン福留孝介外野手(41)が休養で欠場。若手が躍動した。19日からは甲子園で巨人戦。 4月初旬に 3連敗した屈辱がある。大山悠輔内野手が初回に 2戦連続の「先制3ラン」を放つと、 3回には 2打席連発の「4号ソロ」。開幕から打撃不振に苦しんだ男が引っ張り、チームは合計 5発で今季最多の13得点。
●糸原健斗内野手(26)が自身初のクリーンアップとなる「5番」に起用され、初回の 2塁打から 3打席連続ヒットを放った。矢野監督は福留の「代役5番」を果たし、打線爆発を演出した糸原の打撃向上を期待。本人はキャプテンらしく勝利を何より喜んだ。“代役”とはいわせない。糸原が大車輪の活躍で存在感を発揮。休養で今季初めて欠場した福留に代わってプロ初の「5番」に座り、 3安打 1打点。 7日の広島戦(マツダ)以来、今季 2度目となる「猛打賞」をマークしてみせた。背番号「33」がこれからチームを上へと押し上げていく。
●阪神の「4番」大山悠輔内野手が「先制3号3ラン」を放った。初回一死 1、 2塁のチャンスで、ヤクルト先発大下の 4球目 138キロカットボールをバットに乗せた。高い弾道を描いた打球は左翼席に着弾。先制点を奪った。17日に続いての 2戦連続アーチで左翼席に集った虎党を喜ばせた。捉えた瞬間、 3塁側ベンチも左翼スタンドの虎党も両手を突き上げた。バットを振り切った大山が、ゆったりと走りだす。目で追いかけた白球は左翼席に着弾。2戦連続の「3号3ラン」に、ニヤリと笑みを浮かべ、ダイヤモンドをまわった。「4番」のバットが虎に勢いをもたらしている。開幕から打撃不振に苦しんだ男が引っ張り、チームは合計5発で今季最多の13得点。19日から始まる平成最後の巨人戦(甲子園)に向け、はずみをつけた。口にしたことを実現するために、バットを持つ。17日に宣言した通りの活躍。19日からの「平成最後の伝統の一戦」はずみをつけた。指揮官の評価の意味も、本人が一番理解している。主砲のバットにも心にも火がついたのなら、虎はまだまだいける。
●中谷将大外野手が、プロ入り初めての「2打席連続アーチ」を放った。 4回に「3号2ラン」を放った。 6回にも、豪快に「4号2ラン」を左翼席に運んだ。長打力が持ち味の男が、存在感を示した。豪快な「2発」で試合を決定づけた。 5試合ぶりにスタメン出場した中谷が、プロ入り初の「1試合2本塁打」を記録し、 3安打 5打点と大暴れ。 2桁得点での大勝に充実感を漂わせた。中谷劇場はまだ終わらない。 6回二死 1塁から真ん中に甘く入ったフォークを見逃さず、左中間へ運んだ。これで大山に並んでチームトップとなる「第4号」。第 1打席にも左前適時打を放っており、今季初の「猛打賞」を記録した。「5番」に座っていた福留が休養のため、今季初めて欠場。これまで虎を支えてきた大黒柱抜きでの勝利に手応えを口にした。目覚め始めた大砲が、次も勝利へ導く一本を放つ。
●チーム 8年ぶりとなる 1試合 5発目を放ったのは阪神「ドラフト1位」近本光司外野手だった。 7回一死からバックスクリーン左へたたき込んだ。これでアーチは早くも 3本目。走力だけではなくパンチ力もあるところを神宮のファンに見せつけた。 4回先頭でも左翼線を破る 2塁打を放ち、「打率0.267」。 4試合ぶりのマルチ安打で、猛虎祭りに貢献した。
● 564日ぶりの歓喜に声が震えた。岩田稔投手(35)が今季初先発で17年10月 1日、巨人戦(東京ドーム)以来の白星。完投勝利は15年 6月16日北海道日本ハム戦(甲子園)以来、実に1402日ぶりだった。普段は冷静な男が、両手を突き上げてガッツポーズを連発。我を忘れて喜んだ。必死に腕を振った。序盤こそボールが高めに浮く場面もあったが、27アウトのうち16個がゴロアウト。持ち味を存分に発揮した。中継ぎ 6人を注ぎ込んだ延長12回引き分けから一夜。お疲れのリリーフ陣も助ける“救い投げ”に、矢野監督も最敬礼だ。魂の 118球を投げた岩田は自ら切り出した。あらためて自身と同じ「1型糖尿病患者」を投球で勇気づける覚悟を宣言。がむしゃらに、最後の最後まで戦い続ける。35歳ベテランの復活ショーが、矢野阪神にはずみをつけた。
記事をまとめてみました。
<ヤクルト 5-13阪神>◇第 6回戦◇阪神 3勝 2敗 1分◇18日◇明治神宮野球場
阪神打線が序盤から猛攻。大山が初回と 3回に「3号3ラン、4号ソロ」と連発するなど、ヤクルト大下を 3回途中 6失点でKOした。
阪神は 4回に中谷の「2ラン」、 6回にも 2打席連発の「2ラン」などで 6回までに12得点。ヤクルトは 5回に青木ら主力を交代させた。
阪神打線が 5発13得点で快勝。先発岩田は完投で17年10月以来となる勝利を挙げた。ヤクルトは序盤の失点が響いた。大下が初黒星。
2019年 4月18日 8回裏ヤクルト一死 1塁、岩田稔投手は上田剛史外野手を 2ゴロ併殺に仕留め笑顔でベンチに戻る=明治神宮野球場
史上最速のリクエスト? 阪神がプレーボールから 5球目で審判団にリクエストを要求した。
「1番」近本が5球目を打って全力疾走。 2塁へのゴロは微妙なタイミングとなったが、判定はアウト。矢野燿大監督がベンチを出て、すかさずリクエストを要求。リプレー検証の結果、判定は覆ることなくアウトとなった。
1回表阪神一死 2、 3塁、木浪聖也内野手は空振り三振に倒れる=明治神宮野球場
矢野燿大監督が激しく攻める采配で今季最多16安打13得点のワンサイドゲームを演出した。
3回に 4点リードでも動いた。一死 1、 3塁でヤクルトは左腕中沢に継投。指揮官はベンチを出て木浪に代打上本を告げた。用兵は的中し、左犠飛で得点差をさらに広げた。
まだ序盤だ。早々に動いた理由を明かす。「俺、やることやらん選手とか、あきらめるような選手を使いたくない。あそこで(木浪が)前の打席に三振しても走らない。俺としては、あのチャンスで『それやったら上本』と。というところで代えた」。 1回、木浪はワンバウンドのフォークに空振り三振した際、捕手は捕り損ねたが、 1塁に走らなかった。振り逃げを試みず、前に向かわない。鬼采配で厳しさを突きつけた。
ヤクルトに勝利しスタンドの声援に応える矢野燿大監督=明治神宮野球場
真綿で首を絞めるタクトを振り、敵を追い込んでいった。 5点差をつけた 4回は無死 2塁で北條にバントのサインを出す。手堅く 3塁に進め、糸井の中犠飛で追加点。指揮官は「チームとしてはしっかりとした形で点を取ることの方が大事。走者が 3塁にいけば内野も前に来る。得点をどんどんできる状況になっていく。まだ序盤やし、しっかりした野球をやりたい」と説明。救援陣を温存したい思惑もあり、必死に得点を重ねた。
この日は開幕から先発出場を続けていたベテラン福留が休養で欠場。若手が躍動した。19日からは甲子園で巨人戦。 4月初旬に 3連敗した屈辱がある。指揮官は「チャレンジしていくしかない。(菅野は)いい投手。どんどん向かっていって、バットを振っていって、しっかり走って」と語気を強めた。
1回表阪神一死 1、 2塁、「左越え3点本塁打」を放った大山悠輔内野手(左)と笑顔でタッチをかわす矢野燿大監督=明治神宮野球場
大山悠輔内野手が初回に 2戦連続の「先制3ラン」を放つと、 3回には 2打席連発の「4号ソロ」。開幕から打撃不振に苦しんだ男が引っ張り、チームは合計 5発で今季最多の13得点。
◇ ◇ ◇
▼阪神の「1試合5本塁打」以上は11年 7月17日横浜戦(横浜)の「5本(金本、藤井彰、新井貴2、関本)以来、チーム 8年ぶり。大山、中谷はそろって「2本」放った。阪神の 2人が「1試合2発」は10年 8月18日横浜戦(横浜)のブラゼル、林威助以来で、日本人打者のコンビでは97年 6月 7日横浜戦(旭川)の久慈、桧山以来。ともに「2打席連発」は03年 8月28日巨人戦(甲子園)の広沢、アリアス以来で、日本人コンビでは48年10月16日中日戦(大須)の別当、藤村以来、球団史上71年ぶり「2度目」。
阪神のスタメンは以下の通り。
1 (中) 近本光司外野手(24=大阪ガス)
2 (遊) 北條史也内野手(24)
3 (右) 糸井嘉男外野手(37)
4 (三) 大山悠輔内野手(24)
5 (二) 糸原健斗内野手(26)
6 (左) 中谷将大外野手(26)
7 (捕) 梅野隆太郎捕手(27)
8 (一) 木浪聖也内野手(24=ホンダ=亜細亜大學OB)
9 (投) 岩田 稔投手(35)
1回表阪神一回死、左中間へ 2塁打を放った糸原健斗内野手=明治神宮野球場
糸原健斗内野手が自身初のクリーンアップとなる「5番」に起用され、初回の 2塁打から 3打席連続ヒットを放った。
矢野監督は「期待通りの打撃をしてくれた。こういうので乗っていって欲しい」福留の「代役5番」を果たし、打線爆発を演出した糸原の打撃向上を期待。本人は「打順は関係ありません。チームの勝利につながったことが 1番」とキャプテンらしく勝利を何より喜んだ。
3回には右前打=明治神宮野球場
“代役”とはいわせない。糸原が大車輪の活躍で存在感を発揮。休養で今季初めて欠場した福留に代わってプロ初の「5番」に座り、 3安打 1打点。 7日の広島戦(マツダ)以来、今季 2度目となる「猛打賞」をマークしてみせた。
「打順は意識していない。チームが勝てたこと、貢献できたことがよかった」
まずは 1回だ。大山の「3ラン」の直後、先発・大下の外角カーブを流し打ち。左中間 2塁打にして好機を演出し、中谷の適時打につなげた。 3回にも右前打を放ち、トドメは 7- 0の 4回の第 3打席。二死 2塁から「2番手」・中沢の高めの 139キロの変化球をとらえ、中前適時打で追加点を奪った。
4回、適時 2塁打を放ちガッツポーズの糸原健斗内野手。「代役5番」とは言わせない活躍だった=明治神宮野球場
今季から福留の後を継いで、新主将に就任。フルイニング出場を目標に、オフは年末まで広島のトレーニングジムで汗を流し、体を鍛え続けた。春季キャンプでも一人グラウンドに顔を出し、早出で特守を行い、全体での練習中も誰よりも大きな声を出して盛り上げるなど、左胸についた「C」のマークに重みを感じながらも、その姿勢で主将として引っ張ってきた。
3回から就いた 3塁の守備でも難しいバウンドのゴロをきっちりと処理して、堅実な守備も披露。近本に並ぶチームトップとなる 2つめの盗塁も成功させ、走攻守すべてのプレーで神宮に駆けつけた虎党をとりこにした。「5番」に抜てきした矢野監督も「期待通りのバッティングしてくれたんで。こういうので乗っていってほしい」とうなずいた。
「(盗塁や守備は)監督からチャレンジしろといわれているので。明日からまた頑張ります」 背番号「33」がこれからチームを上へと押し上げていく。
1回、「3点本塁打」を放った大山悠輔内野手=明治神宮野球場
阪神の「4番」大山悠輔内野手が「先制3号3ラン」を放った。
「ファーストストライクからしっかり強く振ることができたことで、次の甘い球を仕留めることができたと思います。先制のチャンスで打つことができて良かったです」
初回一死 1、 2塁のチャンスで、ヤクルト先発大下の 4球目 138キロカットボールをバットに乗せた。高い弾道を描いた打球は左翼席に着弾。先制点を奪った。
3回表阪神無死、「左越え本塁打」を放った大山悠輔内野手=明治神宮野球場
17日の試合後には「勝たないと意味がないので。明日、勝てるように頑張ります」と話していたように、17日に続いての 2戦連続アーチで左翼席に集った虎党を喜ばせた。
大山のバットは止まらない。 3回には 2打席連発となる「4号ソロ」を放った。先頭で打席に入ると大下の 4球目、真ん中高め 142キロカットボールをフルスイング。打球を左翼席に突き刺した。
「前の打席と同じように思い切り振っていきました。先制後に取られた1点を早く取り返したかったので、ホームランですぐに取り返すことができて良かったです」
「4番」のバットが虎に勢いをもたらしている。
3回表阪神無死、大山悠輔内野手は左越えに 2打席連続の「ソロ本塁打」を放った=明治神宮野球場
これぞ「4番」の活躍や! 阪神が若き主砲の覚醒で首位ヤクルトを圧倒した。大山悠輔内野手が初回に 2戦連続の「先制3ラン」を放つと、 3回には 2打席連発の「4号ソロ」。開幕から打撃不振に苦しんだ男が引っ張り、チームは合計5発で今季最多の13得点。19日から始まる平成最後の巨人戦(甲子園)に向け、はずみをつけた。
◇ ◇ ◇
捉えた瞬間、 3塁側ベンチも左翼スタンドの虎党も両手を突き上げた。バットを振り切った大山が、ゆったりと走りだす。目で追いかけた白球は左翼席に着弾。2戦連続の「3号3ラン」に、ニヤリと笑みを浮かべ、ダイヤモンドをまわった。
「ファーストストライクからしっかり強く振ることができたことで、甘い球を仕留めることができた」
大阪タイガースの別当薫外野手 (1948年11月20日撮影)
先制パンチだった。初回一死 1、 2塁の好機で、ヤクルト先発大下の 4球目をバットに乗せた。左翼席の虎党へ、先発岩田へ白星をプレゼントだ。
勢いは止まらない。 3回には 2打席連発となる「4号ソロ」を左翼席へ突き刺した。「前の打席と同じように思い切りました」。持ち味は思い切りのよさ。ただ、「4番」に座ってからはマークが厳しくなり、思うようにバットを振らせてもらえなかった。影を潜めたフルスイング。「試合の中でイメージと違っている部分もある」と、苦悩の日々を過ごした。スイングのこだわりは「形ですね」と撮影動画をチェック。「癖を細かく分析していかないと」。ある時は首脳陣に教えを請い、ある時は裏方スタッフの言葉に耳を傾けた。熱心に自らの現在地を確認したからこそ、今がある。
大阪タイガースの藤村富美男内野手 (1949年 2月15日撮影)
4回にも左翼フェンス直撃の 2塁打を放って、今季初の「猛打賞」。開幕から低調だったが、徐々に上げてきた。濱中打撃コーチは「自分にも経験があるけど」と前置きした上で「『4番』として初めて仕事ができたと思っているんじゃないかな。練習でもスイングの形がよくなってきた。自信が出てくると思う」と自らの体験も元にして、和製大砲候補のさらなる飛躍を願った。
大山は17年の新人時代から「4番」を任され、球団の期待を一身に背負う。だが、これまで試合を決める一撃は目立たず、「4番」での出場42試合目にして「V弾」は初めてだった。
口にしたことを実現するために、バットを持つ。「(打っても)勝たないと意味がない。勝てるように頑張ります」。17日に宣言した通りの活躍。19日からの「平成最後の伝統の一戦」はずみをつけた。
◆48年の阪神コンビ弾:10月16日、名古屋市の大須球場で行われた中日戦で、 3回に「3番」別当薫が先制の10号を放つと、続く「4番」藤村富美男も10号。 5回には別当、藤村がそろって「11号」。 1試合で同一コンビが「2者連続本塁打」を 2度記録したのはプロ野球初で、しかも 2打席連続だった。
1回に「先制3ラン」を放った大山悠輔内野手。「4番」の一撃から 1試合 5発と打線爆発だ。=明治神宮野球場
主砲が大覚醒や! 阪神・大山悠輔内野手がヤクルト相手に、先制の「3号3ラン&4号ソロ」と 2打席連発。 1試合 55発の火付け役となり、今季最多の16安打13得点の猛攻の主役を担った。19日からは甲子園で平成最後の巨人戦。この勢いでG撃ちもいくで~!
黄色い熱狂のど真ん中に 2本の放物線を架け、覚醒を告げた。待たせた分だけ、足取りも軽い。大熱狂。神宮の猛虎祭りの中心は大山だ。今季初の 1試合 2発で、チームの今季最多16安打13得点をけん引。うっぷんを晴らす確かな感触を握りしめ、つんざく大声援の中、「4番」も胸をなで下ろした。
「本当に、勝ててよかったと思います」
1回から牙をむいた。一死から北條が左翼線 2塁打、糸井が四球でつなぎ大山だ。カウント 2- 1から高めに浮いたカットボールを見逃さなかった。振り切った白球は高々に舞い、左中間スタンド最深部に着弾。前日17日に続く今季初の 2試合連発。試合の主導権を握った。
3回に 2打席連発の「4号ソロ」を放った大山悠輔内野手。左翼席中段に叩き込んでみせた=明治神宮野球場
3回先頭でも 142キロ直球をフルスイングすると、左翼席中段に突き刺さる「4号ソロ」。左翼・バレンティンが一歩も動かない完璧な当たりに「追加点が取れたので、それが一番よかった」と手応えだ。 1試合 2発は昨年 9月16日のDeNA戦で 3発を放って以来。 4回にもフェンス直撃の 2塁打を放ち、今季初の「猛打賞&4打点」。ベンチ前で笑顔が弾けた。
矢野監督は開口一番に「まだまだまだまだ、そんな…」。大きな期待をかけるからこそ「まだ」を連呼した。公式戦での「11試合5本塁打」は2011年 7月17日の横浜(現DeNA)戦(横浜)以来 8年ぶり。最高の勢いをつけたが、19日の巨人戦(甲子園)の先発は菅野だ。若き大砲に「そういう投手から打つというのが、力をつけたということになってくると思う。明日そういう投手から打ってくれたら」と言葉を送った。
3回にも 2打席連発の「4号ソロ」を放った大山悠輔内野手(背番3)を、矢野燿大監督(左)も笑顔で出迎えた=明治神宮野球場
「1号」こそ11日のDeNA戦(甲子園)でセ・リーグの「4番」としてはもっとも“遅咲き”だった。フリー打撃から変化球を投じてもらうなど、必死にきっかけを探してきた。桜が散り、緑の葉が広がると同時に虎の主砲もお目覚めだ。
「仲野さん、お願いします!」
まだ肌寒さが残る 4月のナイター。試合前の恒例行事がある。練習後、ベンチ裏へ。アンダーシャツを脱ぎ上半身に発汗作用を促すクリームを塗って、体を温めることをルーティンとしている。それを塗る役を担っているのが仲野トレーナーだ。
試合前、通常なら選手がつとめる声出し。くしくも前日17日に続き、円陣の中心で声を張り上げたのが同トレーナーだった。試合後「きょうは特に力を込めて塗ったんだよ」と破顔一笑。心も体も熱くして“2人で”放った放物線は、何より虎党の胸を熱くした。
3回にも 2打席連発の「4号ソロ」を放った大山悠輔内野手=明治神宮野球場
「当たり前です」
指揮官の評価の意味も、本人が一番理解している。主砲のバットにも心にも火がついたのなら、虎はまだまだいける。
■大山悠輔内野手について濱中打撃コーチ
「きょうが一番、4番として仕事をしたと(大山)悠輔本人が思っていると思う。『4番』としてやっていけるという、そんなホームランになったと思う」
◇データBOX◇
◎…阪神の「1試合5発」は2011年 7月17日、横浜(現DeNA)戦(横浜)での新井貴( 2本)、金本、藤井彰、関本(各 1本)以来。
1回、 2塁打を放った北條史也内野手=明治神宮野球場
◎…阪神の「1人2本塁打」は昨年 9月16日のDeNA戦(横浜、○20- 4)で大山が 3発放って以来。大山の「2打席連続本塁打」も、このとき以来。
◎…阪神「4番」で「1試合2発」は、13年 8月21日のDeNA戦(横浜)のマートンの「2打席連発」以来。生え抜きの「1試合2発」は03年 6月21日の巨人戦(東京ドーム)での桧山以来、 2打席連発は同年 5月11日の横浜戦(現DeNA、横)での濱中以来。
◎…16安打13得点はいずれも今季最多。16安打は昨年 6月13日の北海道日本ハム戦(札幌ドーム、● 7- 8)以来。13得点以上は昨年 9月16日のDeNA戦(○20- 4)以来。
4回表阪神二死 2塁、中谷将大外野手は左中間に「2点本塁打」を放った=明治神宮野球場
中谷将大外野手が、プロ入り初めての「2打席連続アーチ」を放った。
4回に「3号2ラン」を放つと「ファーストストライクを積極的に振っていこうと心掛けて打席に入りました。バッター有利のカウントで、甘い球をしっかり捉えることができました」と話した。
6回にも、豪快に「4号2ラン」を左翼席に運んだ。長打力が持ち味の男が、存在感を示した。
4回表阪神二死 2塁、中谷将大外野手(左)は左越えに「2点本塁打」を放ちベンチのナインの祝福を受ける=明治神宮野球場
豪快な「2発」で試合を決定づけた。 5試合ぶりにスタメン出場した中谷が、プロ入り初の「1試合2本塁打」を記録し、 3安打 5打点と大暴れ。 2桁得点での大勝に充実感を漂わせた。
「 1本だけじゃなく、 3本打てたのはよかったです」
1発目は 4回の第 2打席だ。二死 2塁から「2番手」・中沢の 3球目、外角の変化球をたたき、虎党が待つ左中間へ「2ラン」を突き刺した。
4回に「3号2ラン」を放った中谷将大外野手=明治神宮野球場
中谷劇場はまだ終わらない。 6回二死 1塁から真ん中に甘く入ったフォークを見逃さず、左中間へ運んだ。これで大山に並んでチームトップとなる「第4号」。第 1打席にも左前適時打を放っており、今季初の「猛打賞」を記録した。
「5番」に座っていた福留が休養のため、今季初めて欠場。これまで虎を支えてきた大黒柱抜きでの勝利に「若い選手がそういう日に結果を出せたら(次に)つながっていくと思います」と手応えを口にした。目覚め始めた大砲が、次も勝利へ導く一本を放つ。
※大山先制含む2打席連発!4番大噴火で猛虎祭!中谷プロ入り初の2打席連発!岩田、完投星!-2に続く!
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