●阪神掛布雅之オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー(63)が始球式を行った。大歓声を浴びながら、巨人坂本勇のインコース高めにノーバウンドで投げ込んだ。甲子園での巨人戦という「伝統の一戦」について自身の思いを交えながら振り返った。阪神は開幕から巨人に「5連敗」中。 5月 1日から新元号「令和」になるため、この日が平成最後の「伝統の一戦」となる。エールを送った。
●阪神西勇輝投手(28=オリックス)、巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス(C.C.メルセデス)投手(25)の両先発が安定した立ち上がり。西は 3回まで 1安打、メルセデスは 2安打無失点で滑り出した。巨人は 4回、無死 1塁から阪神の守備の乱れで 1点を先制した。阪神は 4回から 3イニング連続で得点圏に走者を置いたが無得点。巨人は 7回にアレックス・ゲレーロ外野手(32)の 2塁打、山本泰寛内野手(25)の適時 3塁打で 1点を追加。 8回から継投に出て逃げ切った。メルセデス投手「2勝」目、ライアン・クック投手(31)が「6セーブ」目。阪神は「巨人戦6戦全敗」。西が「2敗」目。阪神が巨人に屈辱の「開幕6連敗」を喫した。借金は今季最多の「6」までふくらみ「単独最下位」に転落。甲子園がため息に包まれた。平成最後となる「伝統の一戦」は、本拠地甲子園で悪夢の「3連敗」…。矢野燿大監督(50)は「監督としての俺の責任というのは大きいと思う」と話した。阪神は21日、巨人 6回戦(甲子園)の 4回守備でボールデッドとなり、 1塁走者クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)が生還となったプレーに関して日本野球機構(NPB)への意見書提出を検討することを決めた。 4回に遊撃併殺を狙った際、 2塁に滑り込んだビヤヌエバはベース上に立ちはだかる格好で、両腕を広げてセーフの動作を見せた。 2塁糸原健斗内野手(26)は重なり合う形になって 1塁悪送球し、 1塁側ベンチに飛び込んだ。審判団は協議した上でボールデッドでビヤヌエバの生還を認めた。
●阪神は平成最後の「伝統の一戦」だった巨人戦を 0- 3で敗戦。「2戦連続完封負け」で「単独最下位」に転落した。打てるどころか、守れない。「1試合3失策」の惨劇に、バックネット裏から観戦した阪神ファンのハリウッド俳優・渡辺謙(59)が虎党の思いを代弁した。バックネット裏から心を痛めっぱなしだった。どうして、打てない。いや、ならば、なぜ守れない。巨人相手に「開幕6連敗」を喫するのは、ある意味、必然。早くも 4月に「単独最下位」に沈んだ阪神へ、渡辺謙が、愛するがゆえ、憤った。 0- 3で「2試合連続完封負け」。スコアを見ると食い下がったように見えるが、中身は大差だ。ハイライトは 0- 0の 4回。先頭のビヤヌエバが中前打で出塁。岡本のイレギュラーしたゴロを遊撃を守る「ドラフト3位」・木浪聖也内野手(24=ホンダ)が捕球し、 2塁へトスもセーフ(野選)。さらに体をひねって 1塁へ転送した糸原の送球が大きくそれ、 1塁ベンチ内へと白球が飛び込んだ。ボールデッドとなり、一度は巨人走者が 2、 3塁で止まったが、審判団が「テイク2」と判定し、ビヤヌエバが生還。先制点を献上してしまった。渡辺謙は17年ぶり「最下位」に沈んだ昨季も10月に自身のツイッターでつぶやくなど、虎党の思いを代弁してきた。今夏には東京・渋谷の東急シアターオーブで「王様と私」の公演が実現。15年に同作で「トニー賞主演女優賞」を受賞した米女優、ケリー・オハラ(43)との「ゴールデンコンビ」が日本で誕生する。また、 5月31日には出演している米映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が世界同時公開。多忙な中、前日に続いて、甲子園にまで足を運んだ。「開幕7連敗」をした1987年以来の「対G6連敗」。昨季から引き分けをはさんでの「9連敗」という負の連鎖が、ただただ、情けなかった。今季最多 4万6516人の観衆の中、平成の巨人戦は「318勝435敗17分け」でフィニッシュした。大声援を裏切ってはいけない。猛虎復活を心から信じている。矢野阪神に届け-。世界のスターが、令和からの反発力を楽しみにしている。
●今季初めて「5番」で起用された梅野隆太郎捕手(27)が併殺打 2本に唇をかんだ。 4回一死 1、 2塁の好機で投ゴロ併殺に倒れ、 9回一死 1塁でも投ゴロ併殺となり最後の打者となった。選手会長が逆襲を誓った。阪神が「2試合連続完封負け」を喫し、「単独最下位」に転落した。平成最後の「伝統の一戦」となった巨人 6回戦(甲子園)は、好機をつかみながらあと 1本が出ず「0行進」。西勇輝投手の力投に応えられず、今季 2度目の「3連戦3連敗」を食らった。「同一カード3連敗」はともに巨人戦で、巨人には昨年から「1分け」を挟んで「9連敗」。宿敵の奪首に一役買う形となってしまった。指揮官発案のメルセデス対策オーダーは不発に終わってしまった。この日は、試合前時点で「打率3割8分1厘」の首位打者・梅野を「5番」に抜てきした。昨年10月に 2度、経験した打順だが、シーズンまっただ中の「5番」起用は実質的にプロ入り初めて。だが、気合は空回りしてしまった。 1点を追う 4回一死 1、 2塁の同点機で打席が巡ったが外角球に力負けし、投ゴロ併殺。 6回も二死 1、 2塁で 2ゴロに倒れるなど、 4打数無安打に終わった。昨季、 4戦で白星なしの「2勝」を献上して「防御率0.61」と抑えられた天敵メルセデスに今季も 2戦 2敗。今年は左腕先発に 7戦で「6連敗」とアレルギーは深刻だ。平成最後の巨人 3連戦を「3連敗」。平成時代は 770度対戦で、「318勝435敗17分け」と大きく負け越した。チーム再建の道は険しいが矢野監督は自らに言い聞かせるように言う。借金は今季最多の「6」に増えた。投打ともに不安定な阪神が今年も試練にさらされている。
●大山悠輔内野手(24)は 4回一死 1塁でメルセデスから右膝内側付近に死球を受けたが、大事には至らず。当たった直後は打席でうずくまり立ち上がれなかったが、数秒後に何とか起き上がり、 1塁へ。試合後も歩いてクラブハウスへと引きあげた。 6回二死 1塁でも四球を選んで好機を拡大したが険しい表情だった。
●西勇輝投手は 7回 4安打 2失点(自責 1)と力投したが、「3勝」目はならなかった。 4回の先制点は味方の失策が絡んだ。ビヤヌエバに中前打を許し、無死 1塁から木浪の野選と糸原の悪送球が重なり 1点を失った。「3者凡退」で後続を断った。 7回は二死 2塁から山本に適時 3塁打を許し、 2失点目。打線の援護が遠い中で我慢の投球を続けた。最後まで西は下を向かなかった。 3回一死の打席では 1、 2塁間を破る打球で懸命に走るも亀井善行(36)の好送球で右ゴロ。リプレー検証でも覆らなかったが、連敗阻止にかける気持ちをにじませた。 2回の木浪の好守には拍手とハイタッチでたたえ、降板後も声でチームを鼓舞した。「2敗」目がついても、西の前向きな姿勢に変わりはない。
記事をまとめてみました。
<阪神 0- 3巨人>◇第 6回戦◇阪神 0勝 6敗 0分◇21日◇阪神甲子園球場
阪神掛布雅之オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー(SEA)が始球式を行った。大歓声を浴びながら、巨人坂本勇のインコース高めにノーバウンドで投げ込んだ。
「行っちゃったよな。開きが早かったかな」と笑って振り返りながら「マウンドから見る景色はあまり経験したことがない。ピッチャーの難しさを感じるよね。ホームベースが小さく見える」と堪能した。
始球式を行う掛布雅之SEA=阪神甲子園球場
甲子園での巨人戦という「伝統の一戦」について「昭和の時代は 5万8000人くらい入って、アルプス席を開けるのは巨人戦くらい。甲子園の舞台はファンが作る舞台だった。僕が 1年目の時は、ON(王貞治氏、長嶋茂雄氏)がいましたから。あこがれでしたし、野球を始めるきっかけだった。いかに 2人に自分を認めさせるかと、そういうのはありました」と自身の思いを交えながら振り返った。
始球式を務めた掛布雅之SEA=阪神甲子園球場
阪神は開幕から巨人に「5連敗」中。 5月 1日から新元号「令和」になるため、この日が平成最後の「伝統の一戦」となる。「やはり勝ってもらいたい。勝って初めて『伝統の一戦』になると思う。平成最後の巨人戦ですし、一矢報いて終わってほしい。『4番』の大山が打って、調子のいい西が勝つのが一番いいんじゃないですか。(大山には)打ってもらいたいですね、甲子園で」とエールを送った。
始球式に登場した掛布雅之SEA(左)は西勇輝投手と握手する=阪神甲子園球場
阪神西、巨人メルセデスの両先発が安定した立ち上がり。西は 3回まで 1安打、メルセデスは 2安打無失点で滑り出した。
巨人は 4回、無死 1塁から阪神の守備の乱れで 1点を先制した。阪神は 4回から 3イニング連続で得点圏に走者を置いたが無得点。
巨人は 7回にゲレーロの 2塁打、山本の適時 3塁打で 1点を追加。 8回から継投に出て逃げ切った。メルセデス「2勝」目、クックが「6セーブ」目。阪神は「巨人戦6戦全敗」。西が「2敗」目。
7回表巨人二死 3塁、西勇輝投手はクリストファー・クリソストモ・メルセデス(C.C.メルセデス)投手の打球を追って転倒し、ひざをついたままプレーを見つめる=阪神甲子園球場
阪神が巨人に屈辱の「開幕6連敗」を喫した。借金は今季最多の「6」までふくらみ「単独最下位」に転落。甲子園がため息に包まれた。
打線の組み替えも実らなかった。この日はベテラン福留がベンチスタート。打撃好調の梅野が5番に座ったが、その梅野が 4回、 6回と得点機で凡退。打線は苦手にしている巨人メルセデスを攻略できず 2試合連続の完封負けを食らった。
平成最後となる「伝統の一戦」は、本拠地甲子園で悪夢の「3連敗」…。矢野燿大監督(50)は「それはもう、(巨人戦への意識は)強く持って戦ってはいるし、そのなかで結果が出ないのは、監督としての俺の責任というのは大きいと思う」と話した。
4回表巨人無死 1塁、木浪聖也内野手からのトスを受け 1塁へ送球するもセーフをアピールするクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(左)と邪魔になり悪送球する糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
阪神は21日、巨人 6回戦(甲子園)の 4回守備でボールデッドとなり、 1塁走者ビヤヌエバが生還となったプレーに関して日本野球機構(NPB)への意見書提出を検討することを決めた。
4回に遊撃併殺を狙った際、 2塁に滑り込んだビヤヌエバはベース上に立ちはだかる格好で、両腕を広げてセーフの動作を見せた。 2塁糸原は重なり合う形になって 1塁悪送球し、 1塁側ベンチに飛び込んだ。審判団は協議した上でボールデッドでビヤヌエバの生還を認めた。谷本球団副社長兼球団本部長は「邪魔になったのは間違いない。流れのなかなのか、判定は微妙なところ。どういう判断だったのか、というところ」と説明した。
◆ 2個の塁が与えられる場合:公認野球規則によると、送球がスタンドまたはベンチに入った場合はボールデッドになり、 2個の塁が与えられる。打球処理直後の内野手の最初にプレーに基づく悪送球の場合は、投手の投球当時の位置、その他の場合は、悪送球がなされたときの各走者の位置を基準として定められる。今回、糸原が悪送球した際はビヤヌエバは 2塁セーフで、生還となった。
バックネット裏から目を光らせた渡辺謙。虎のご意見番だ=阪神甲子園球場
世界の謙さんも、ブチ切れ! 阪神は平成最後の「伝統の一戦」だった巨人戦を 0- 3で敗戦。「2戦連続完封負け」で「単独最下位」に転落した。打てるどころか、守れない。「1試合3失策」の惨劇に、バックネット裏から観戦した阪神ファンのハリウッド俳優・渡辺謙が「シャレならん」と虎党の思いを代弁した。
宿敵にまったく歯が立たない。バックネット裏から心を痛めっぱなしだった。どうして、打てない。いや、ならば、なぜ守れない。巨人相手に「開幕6連敗」を喫するのは、ある意味、必然。早くも 4月に「単独最下位」に沈んだ阪神へ、渡辺謙が、愛するがゆえ、憤った。
「言葉にならない。 1回、ミニキャンプをはったくらいのほうがいいんちゃう? こんだけ打てないチームがエラーしてたら、シャレならん」
4回、糸原健斗内野手が 1塁に悪送球し、先制を許す。ビヤヌエバ内野手が邪魔をしているようにも見える!?=阪神甲子園球場
球場通路を歩く表情はさばさばとしていた。でも、発するコメントは怒気に満ちていた。
0- 3で「2試合連続完封負け」。スコアを見ると食い下がったように見えるが、中身は大差だ。
ハイライトは 0- 0の 4回。先頭のビヤヌエバが中前打で出塁。岡本のイレギュラーしたゴロを遊撃を守る「ドラフト3位」・木浪聖也内野手(ホンダ)が捕球し、 2塁へトスもセーフ(野選)。さらに体をひねって 1塁へ転送した糸原の送球が大きくそれ、 1塁ベンチ内へと白球が飛び込んだ。
ボールデッドとなり、一度は巨人走者が 2、 3塁で止まったが、審判団が「テイク2」と判定し、ビヤヌエバが生還。先制点を献上してしまった。
9回、ラファエル・ドリス投手の暴投で失点=阪神甲子園球場
さらに 2点を追う 9回。先頭・亀井を 2塁手・上本の失策で出塁を許した。一死 1塁から重信の 2盗を刺そうとした梅野の送球が悪送球となり、重信は三塁へ。ドリスの暴投で痛恨の 3点目を献上した。スコアボードに浮かぶ「E」が失点に結びつく。19日の巨人戦に続く、今季 2度目の 1試合 3失策。謙さんの怒りが、沸点に達した。
渡辺謙は17年ぶり「最下位」に沈んだ昨季も10月に「残念ながら、今シーズンはもう終わっている気が」と自身のツイッターでつぶやくなど、虎党の思いを代弁してきた。今夏には東京・渋谷の東急シアターオーブで「王様と私」の公演が実現。15年に同作で「トニー賞主演女優賞」を受賞した米女優、ケリー・オハラとの「ゴールデンコンビ」が日本で誕生する。また、 5月31日には出演している米映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が世界同時公開。多忙な中、前日に続いて、甲子園にまで足を運んだ。「開幕7連敗」をした1987年以来の「対G6連敗」。昨季から引き分けをはさんでの「9連敗」という負の連鎖が、ただただ、情けなかった。
9回、巨人・重信慎之介外野手の 2盗で 2塁へ悪送球した梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
「またどっかで来ます。そのときまで復調していてほしいです」
今季最多 4万6516人の観衆の中、平成の巨人戦は「318勝435敗17分け」でフィニッシュした。大声援を裏切ってはいけない。猛虎復活を心から信じている。矢野阪神に届け-。世界のスターが、令和からの反発力を楽しみにしている。
■ 9回一死 3塁で暴投。 3点目を与えたラファエル・ドリス投手
「自分のせいで点を取られてしまった。切り替えて次、自分の投球ができるようにしたい」
4回裏阪神一死 1、 2塁、梅野隆太郎捕手は投ゴロ併殺打を放った=阪神甲子園球場
今季初めて「5番」で起用された梅野隆太郎捕手が併殺打 2本に唇をかんだ。 4回一死 1、 2塁の好機で投ゴロ併殺に倒れ、 9回一死 1塁でも投ゴロ併殺となり最後の打者となった。
「任された以上は打ちたい思いが強かった。今日は(結果が)悪かったので出直してきます」。選手会長が逆襲を誓った。
4回裏阪神一死 1、 2塁、投手併殺打に倒れ天をあおぐ梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
阪神が「2試合連続完封負け」を喫し、「単独最下位」に転落した。平成最後の「伝統の一戦」となった巨人 6回戦(甲子園)は、好機をつかみながらあと 1本が出ず「0行進」。西勇輝投手の力投に応えられず、今季 2度目の「3連戦3連敗」を食らった。「同一カード3連敗」はともに巨人戦で、巨人には昨年から「1分け」を挟んで「9連敗」。宿敵の奪首に一役買う形となってしまった。
◇ ◇ ◇
平成の「伝統の一戦」は阪神にとって悲しすぎるフィナーレを迎えた。巨人メルセデスと今年 2度目の対決。 6回まで毎回走者を出したが本塁は遠い。甲子園は無力感に包まれ、 2日連続完封負け。開幕から巨人に勝てず、「6戦全敗」の惨状だ。今季初の「単独最下位」に転落。苦悩の表情で引き揚げてきた矢野監督は言う。
「(打倒巨人の思いを)強く持って戦ってはいる。そのなかで結果が出ないのは、監督としての俺の責任は大きい。それをしっかり受け止めるしかできない」
巨人に「開幕6連敗」を喫し、悔しげにあいさつに向かう矢野燿大監督=阪神甲子園球場
指揮官発案のメルセデス対策オーダーは不発に終わってしまった。この日は、試合前時点で「打率3割8分1厘」の首位打者・梅野を「5番」に抜てきした。昨年10月に 2度、経験した打順だが、シーズンまっただ中の「5番」起用は実質的にプロ入り初めて。だが、気合は空回りしてしまった。 1点を追う 4回一死 1、 2塁の同点機で打席が巡ったが外角球に力負けし、投ゴロ併殺。 6回も二死 1、 2塁で 2ゴロに倒れるなど、 4打数無安打に終わった。
前日20日はヤングマンにひねられていた。矢野監督は試合後に「しっかり点を取らないと勝てない」と危機感を募らせていたが、この日もまるで同じ光景。5番梅野の用兵もハマらず好投する先発西を援護できず。指揮官は思案顔で言う。
「それはもう、俺の責任だよ。打順も俺が決めているんだから。打ちに行く気持ちを持って、リュウ自身も行ったと思う。まだ先は長いんでね。いろんなことを、最善策を考えながらのこと。それは仕方がない」
巨人に敗れファンに頭を下げる矢野燿大監督(左)ら=阪神甲子園球場
昨季、 4戦で白星なしの「2勝」を献上して「防御率0.61」と抑えられた天敵メルセデスに今季も 2戦 2敗。今年は左腕先発に 7戦で「6連敗」とアレルギーは深刻だ。
平成最後の巨人 3連戦を「3連敗」。平成時代は 770度対戦で、「318勝435敗17分け」と大きく負け越した。チーム再建の道は険しいが矢野監督は自らに言い聞かせるように言う。「戦う気持ちが一番大事。それをしっかり持って、まだ残りあるので、リベンジできる形をどんどん作っていけるようにしていくだけです」。借金は今季最多の「6」に増えた。投打ともに不安定な阪神が今年も試練にさらされている。
▽阪神清水雅治ヘッドコーチ(巨人に「開幕6連敗」)
「悔しいです。次に当たったときに何とかします。苦手を作ってはいけない」
▼阪神が巨人戦に敗れ、シーズン初戦からの平成ワースト記録を「6」に伸ばした。41年「6連敗」、67年「7連敗」、87年「7連敗」に続き、球団 4度目。これで最長記録の「7連敗」にあと「1」となった。
阪神のスタメンは以下の通り。
1 (中) 近本光司外野手(24=大阪ガス)
2 (二) 糸原健斗内野手(26)
3 (右) 糸井嘉男外野手(37)
4 (三) 大山悠輔内野手(24)
5 (捕) 梅野隆太郎捕手(27)
6 (左) 中谷将大外野手(26)
7 (一) 陽川尚将内野手(27)
8 (遊) 木浪聖也内野手(24=ホンダ=亜細亜大學OB)
9 (投) 西勇輝投手(28)
8回、巨人・岡本和真内野手の打球を捕る大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
大山は 4回一死 1塁でメルセデスから右膝内側付近に死球を受けたが、大事には至らず。当たった直後は打席でうずくまり立ち上がれなかったが、数秒後に何とか起き上がり、 1塁へ。試合後も「大丈夫です」と歩いてクラブハウスへと引きあげた。 6回二死 1塁でも四球を選んで好機を拡大したが「結果、負けているので。それがすべてです」と険しい表情だった。
阪神先発の西勇輝投手=阪神甲子園球場
西勇輝投手は 7回 4安打 2失点(自責 1)と力投したが、「3勝」目はならなかった。 4回の先制点は味方の失策が絡んだ。ビヤヌエバに中前打を許し、無死 1塁から木浪の野選と糸原の悪送球が重なり 1点を失った。「自分たちができることができなかっただけ。 1点取られてもなんとかできると思っていたので、引きずることもなかった」。その言葉通り「3者凡退」で後続を断った。
7回は二死 2塁から山本に適時 3塁打を許し、 2失点目。「見ての通り、自分の責任です」と話したが、打線の援護が遠い中で我慢の投球を続けた。そんな西の姿に矢野監督は「攻めていく気持ちも持ちながら、チームにそういうムードを見せながら投げてくれた。最後( 7回)も勝負という形を取ったのは僕なので、西を責めることは一切ない」と断言した。
最後まで西は下を向かなかった。 3回一死の打席では 1、 2塁間を破る打球で懸命に走るも亀井の好送球で右ゴロ。リプレー検証でも覆らなかったが、連敗阻止にかける気持ちをにじませた。 2回の木浪の好守には拍手とハイタッチでたたえ、降板後も声でチームを鼓舞した。「こういうゲームを続けていけば、ものにできる試合もあると思う。そこまで悲観することはないと思う」。「2敗」目がついても、西の前向きな姿勢に変わりはない。
7回、巨人・山本泰寛内野手(奥)に適時 3塁打を許した阪神先発の西勇輝投手=阪神甲子園球場
マウンドを降りた後も、ベンチの最前列から声を張った。西が 7回 4安打 2失点(自責 1)の力投も白星には恵まれず。味方のミスで失点を許す場面もあったが動じることなく腕を振った。
「(ミスからの失点も)全然、不運と思っていない。自分たちができることができなかっただけ。あの( 4)回に点を取られても、何とかできると思っていたので」
4回、先頭のビヤヌエバに中前打を許し、無死 1塁。続く岡本を遊ゴロに打ち取ったが、遊撃手・木浪の野選と、 2塁手・糸原の 1塁悪送球が重なり、 1点を失った。それでも「(点を)取られても最少失点で切り抜けていれば大丈夫と。何とか自分でリズムをつくりたいと思っていました」と前を向いた。
打っては相手の好守に阻まれた。 3回一死で粘って右前への安打性の当たりを放ったが、右翼・亀井の好返球により、右ゴロに。際どいタイミングだったため矢野監督はリクエストしたが、覆らなかった。
C.C.メルセデス投手の 2ゴロ打ちとるも 7回に追加点を許しマウンドにひざを付く西勇輝投手=阪神甲子園球場
味方の援護がもらえない中、 7回二死 2塁で山本に左中間を真っ二つに破られる適時 3塁打を許し、 2点目を献上。「自分の責任」。後続を断ち、チェンジとしても、マウンドにしゃがみこんで悔しさをにじませた。
今季はこれで「4戦2勝2敗、防御率1.50」。全試合でクオリティースタート( 6回以上を 3失点以内)を達成し抜群の安定感を発揮している。先発は不振のガルシア、負傷のメッセンジャーと離脱が相次ぐ中、間違いなく西が柱となっている。
「こういうゲームを続けていけば、いつか勝てると思うので。ロースコアで、何とかものにしていけるゲームが増えていけばいいと思います」
悲観することは、まったくない。役割を果たす投球を続けるだけ。次こそは勝利をたぐり寄せる。
■西勇輝投手について阪神・福原忍投手コーチ
「テンポもリズムもよかった」
■ 4回、無死 1塁で 1塁に悪送球した糸原健斗内野手
「西さんに迷惑をかけてしまったので、次からはしっかり頑張ります」
昨年の屈辱を跳ね返して、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2018年の悔しい結果を打ち破るため、選手・監督・コーチ・スタッフ・フロント、そしてファンの皆さんも全員が、どんな状況でも「オレがやってやる」「オレが決めてやる」という強い闘志をもって 1年間戦っていこう。という思いをスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは2019年のシーズンロゴとしても展開してまいります。
2019年 公式戦 順位表
2019年 公式戦 日程と結果(04月)
2019年 公式戦 日程と結果(05月)