●序盤は両チームともに無得点。オリックスは 3回まで毎回走者を出すも、あとが続かず。阪神はオリックス 田嶋の前に無安打。オリックスが 4回、大城滉二内野手(25)の適時 2塁打で先制。 5回にも吉田正尚外野手 (25)、中川圭太内野手(23=東洋大学OB)、大城の適時打で 4点を追加。田嶋大樹投手(22=JR東日本)は 6回 まで被安打なし。阪神は 7回、先頭糸原健斗内野手(26)のチーム初安打から好機をつくり 3点。 9回に代打福 留孝介外野手(42)が同点の 2点 2塁打を放ち、延長戦に突入。オリックスは延長11回二死 3塁のサヨナラ機を 逃すなど、両軍決め手を欠いて引き分けた。阪神は 3安打だった。阪神が執念継投で引き分けに持ち込んだ。 チームは前夜まで 2試合連続で終盤の逆転劇を食らっていたが、ラファエル・ドリス投手(31)が好救援するな ど悔しさを晴らした。 5- 5の10回。回またぎした能見が先頭の佐野皓大佐野皓大(22)に 2塁打を許した直後 だ。前夜黒星を喫していたドリスが火消しの期待を背負い、マウンドに上がった。一死 1、 2塁で迎えた大城 に対し、フォークでカウントを整え、最後は 2ゴロに仕留めた。続く後藤駿太外野手(26)は 140キロフォーク で 1ゴロに打ち取った。自らの悪送球も絡んで暗転した前日から一転。狙い通りの投球で、バトンをつないだ 。11回は藤川球児投手(38)がしのぎ、最終回を締めたのはリリーフ陣最年少、20歳の浜地真澄投手だった。最 後の投手だったため、初ホールドはつかなかったが、チーム今季 2度目の 8人継投で、救援 7投手オール無失 点を完結させた。矢野燿大監督(50)も 8回の男ピアース・ジョンソン投手(28)を欠く中で、藤川が 3日連続登 板するなど、まさに総力戦でもぎ取ったドローだった。
●オネルキ・ガルシア投手(29)が 5回に一挙 4点を失った。毎回走者を出しながら 1失点で踏ん張っていた。 しかし、 5回に先頭の若月健矢捕手(23)に内野安打を許し、犠打と福田周平内野手(26)の右前打で一死 1、 塁のピンチ。二死まで追い込むも、吉田に 2点目の左前適時打を許すと、味方失策と連打でこの回 4点を失っ た。一方の打線はオリックス田嶋大樹投手(22)を前に、 5回まで無安打。出塁したのは初回の糸原の四球のみ と、苦戦していた。それでも意に介さず、最後は笑顔だった。
●梅野隆太郎捕手(27)は渾身(こんしん)のハンドリングで危機を防いだ。同点の10回裏二死 2、 3塁で後藤 を迎えた場面。ドリスがボールを引っかけ逆球が足もとを襲ったが、ミットの先端で捕球。この回無失点で切 り抜けた。 5点ビハインドから引き分けに持ち込み充実感を漂わせた。 6月の第 3日曜日は「父の日」。幼き 頃に追いかけた父の背中、遠く離れて暮らす父への思い、そして感謝の気持ち。野球人たちが父親との濃厚な 思い出を語った。梅野隆太郎捕手は、男手一つで育ててくれた、父義隆さんに感謝した。母啓子さんは、梅野 が小学4年生時に、34歳の若さで他界。ご飯、みそ汁、納豆、サラダに、焼いた鶏もも肉。白米をたくさん食 べられるようにと、父が考えてくれた料理だ。家では炭酸飲料も禁止。冷蔵庫にあったのは、野菜ジュースと 青汁だけだった。仕事をしながら見守り続けてくれた。梅野は弟との 2人きょうだい。しみじみと語った。義 隆さんは今、試合の日は必ず、開始時間に合わせて仕事を終わらせ、風呂に入り、テレビの前で準備している という。梅野は、地元福岡で行われた12日のソフトバンク戦で 4打点と快勝に貢献。試合後、義隆さんから電 話があった。グラウンドで躍動する姿が、テレビの前の父を喜ばせている。
●大山悠輔内野手(24)が15日の走塁ミスを取り返すように、攻守に意地を見せた。まずはバットだ。 5点を追 う 7回。無死 1、 2塁で「2番手」ディクソンの代わりっぱなをたたいた。初球、甘く入った 148キロ直球を右 翼線へ適時 2塁打。「打率5割」を越える得意の初球打ちで、執念ドローへの最初の得点を刻んだ。守備では延 長10回だ。無死 1、 2塁でマウンド上は「6番手」ドリス。小田が投手前に試みた送りバントを 1塁大山が猛 チャージ。素早く打球を処理してランニングスローで 3塁封殺し、サヨナラ機の芽を摘んだ。この日は打線の 関係で、普段の 3塁ではなく今季 6試合目の 1塁先発。慣れないポジションでも、積極的な守備でチームに 貢献した。指揮官は攻守に気持ちを見せた大山のプレーに気概を受け止めた。それでも若き「4番」に笑顔はな かった。延長12回二死 3塁でオリックスベンチは「3番」糸井を申告敬遠し、「4番」大山との勝負を選択。結果 は「7番手」比嘉幹貴投手(36)の前に空振り三振に倒れた。試合後、大山は悔しさをにじませ、無言で球場を後 にした。悔しさは糧となり、さらなる活躍への源となるはずだ。
●福留孝介外野手(42)が史上 3人目の「日米通算500 2塁打」を達成した。オリックス戦の 2点を追う 9回 二死 1、 2塁で代打出場。中堅フェンス直撃の同点 2点 2塁打を放った。起死回生の同点打を放ち、自身の「 日米通算500 2塁打」達成に花を添えた。最大 5点差を追いつき、矢野燿大監督も評価。「3連敗」中の苦し いチーム事情のなかで、驚異の粘りを見せた。快挙達成への道には、恩師の言葉があった。PL学園時代の監督 である中村順司氏(72)が明かす。 2塁打ランキングには、「NPB通算最多」を誇る立浪和義氏(49=野球評論 家)に、同 9位の松井稼頭央氏(43=西武 2軍監督)と同校出身者の名前が目立つ。同ランキングでNPB現役 トップの福留は今でも、試合前の入念なキャッチボールを欠かさない。それは恩師の教えが身体に染みついて いるから。中村氏は、この日の試合を川崎市内の自宅でテレビ観戦。セ・リーグ最年長の教え子に期待した。 交流戦は残り 2カード。再び上昇気流に乗るで! 2月の沖縄・宜野座キャンプ序盤。新人の近本光司外野手 (24=大阪ガス)、木浪聖也内野手(24=ホンダ=亜細亜大学OB)や高山俊外野手(24)、大山悠輔内野手(24)ら を食事に連れ出した。豚しゃぶ店で同じ鍋を囲んだなかに打撃投手らの顔ぶれもそろう。人知れず、一丸にな るため心を砕いた。シーズン中盤に入っても存在感は強烈だ。この一打で「日米通算500 2塁打」。イチロ ー外野手(45)、松井稼に次ぐ史上 3人目の好記録に花を添えた。さらりと受け流す姿が頼もしい。チームを支 える男の真骨頂が光った。
●阪神「ドラフト1位」近本光司外野手は 5打数無安打で 21打席連続ノーヒットとなった。同点の12回無死 1 塁で犠打を決めた。矢野監督はルーキーを気遣った。
●藤川球児投手はおとこ気の 3連戦 3連投を無失点で決めた。同点の11回裏に登板。一死から「9番」安達了一 内野手(31)に 2塁打を浴びたが、後続 2人を凡退させた。金村曉投手コーチ(43)は 3連投について感謝。藤川 は力を込めた。
記事をまとめてみました。
日本生命セ・パ交流戦<オリックス 5- 5阪神=延長12回規定により引き分け>◇第 3回戦◇阪神 0勝 2敗 1分◇16日◇京セラドーム大阪
序盤は両チームともに無得点。オリックスは 3回まで毎回走者を出すも、あとが続かず。阪神はオリックス 田嶋の前に無安打。
オリックスが 4回、大城の適時 2塁打で先制。 5回にも吉田正、中川、大城の適時打で 4点を追加。田嶋は 6回まで被安打なし。
阪神は 7回、先頭糸原のチーム初安打から好機をつくり 3点。 9回に代打福留が同点の 2点 2塁打を放ち、 延長戦に突入。
オリックスは延長11回二死 3塁のサヨナラ機を逃すなど、両軍決め手を欠いて引き分けた。阪神は 3安打だ った。
12回表阪神2死二、三塁、最後のチャンスも空振り三振に終わる大山悠輔内野手=京セラドーム大阪
オリックス田嶋大樹投手(22)の無安打投球が 7回に途切れた。先頭の糸原に90球目の 143キロ直球を捉えら れ、中前に運ばれた。
続く糸井に四球を出し、無死 1、 2塁でディクソンと交代した。
延長12回引き分けで選手を出迎える矢野耀大監督=京セラドーム大阪
阪神が執念継投で引き分けに持ち込んだ。チームは前夜まで2試合連続で終盤の逆転劇を食らっていたが、 ラファエル・ドリス投手が好救援するなど悔しさを晴らした。
5- 5の10回。回またぎした能見が先頭の佐野に 2塁打を許した直後だ。前夜黒星を喫していたドリスが火 消しの期待を背負い、マウンドに上がった。「今日はフォークをよく使った。内野フライや内野ゴロに抑えた かったので、そういう選択になりました」。一死 1、 2塁で迎えた大城に対し、フォークでカウントを整え、 最後は 2ゴロに仕留めた。続く後藤は 140キロフォークで 1ゴロに打ち取った。自らの悪送球も絡んで暗転し た前日から一転。狙い通りの投球で、バトンをつないだ。
オリックスと引き分けマウンドでハイタッチする阪神ナイン=京セラドーム大阪
11回は藤川がしのぎ、最終回を締めたのはリリーフ陣最年少、20歳の浜地だった「ずっとピッチャーの先輩 がつないできてくださって、なんとか抑えたいと思っていました。そういう場面を任せていただいて、意気に 感じました」。「3番」佐野を遊ゴロに打ち取ると、「4番」ロメロには 146キロ直球で空振り三振。中軸を相手 にわずか10球で 3者凡退に抑えた。「監督にいくぞ、と言われた時は少し緊張しましたが、 1球投げていつも 通り投げられたかなと思います。いいバッターでなおさら気合が入って良かったかなと思います」。最後の投 手だったため、初ホールドはつかなかったが、チーム今季 2度目の 8人継投で、救援 7投手オール無失点を完 結させた。
矢野監督も「中継ぎもみんな疲れている中、球児もみんな、なんとかゼロで帰ってこようというのでやって きた。みんなに感謝だね」。8回の男ジョンソンを欠く中で、藤川が3日連続登板するなど、まさに総力戦でも ぎ取ったドローだった。
4回を終えるもオリックスに先制を許し悔しげな顔をみせるオネルキ・ガルシア投手=京セラドーム大阪
オネルキ・ガルシア投手が 5回に一挙 4点を失った。
毎回走者を出しながら 1失点で踏ん張っていた。しかし、 5回に先頭の若月に内野安打を許し、犠打と福田 の右前打で一死 1、 塁のピンチ。二死まで追い込むも、吉田に 2点目の左前適時打を許すと、味方失策と連 打でこの回 4点を失った。
一方の打線はオリックス田嶋を前に、 5回まで無安打。出塁したのは初回の糸原の四球のみと、苦戦してい る。
4回裏オリックス二死 2塁、大城滉二内野手の右中間へ先制適時 2塁打を打たれ悔しがるオネルキ・ガルシ ア投手=京セラドーム大阪
オネルキ・ガルシア投手が 5回 9安打 5失点(自責 2)で降板した。前回 9日の日本ハム戦(甲子園)に続き、 5回での降板となった。
「状態自体は悪くなかっただけに、 5回は最少失点で抑えたかったし、いつも野手のみなさんが助けてくれ ているので、ミスが出た後にカバーしたかったですが、それが出来なくて残念です」。毎回走者を出しながら 1失点で踏ん張っていた。しかし、 5回に先頭の若月に内野安打を許し、犠打と福田の右前打で一死 1、 3塁 のピンチ。二死までこぎつけたが、吉田に 2点目の左前適時打を許すと、味方失策と連打でこの回 4点を失っ た。
4回裏オリックス二死 1塁、ガルシア投手は武田健吾外野手を 3塁ゴロに打ち取り、悔しさからマウンドを 蹴り上げてベンチへ引き揚げる=京セラドーム大阪
阪神先発ガルシア投手は 5回 9安打 5失点(自責 2)にも前向きだった。 4回に「6番」大城の適時 2塁打で先 制を許すと、 5回は味方失策も絡んで 4点を追加された。
それでも「エラーも野球の一部。試合の中であることだから」と意に介さず、最後は「今日は全然調子は悪く なかった。引き分けまで持っていけて良かった」と笑顔だった。
梅野隆太郎捕手は渾身(こんしん)のハンドリングで危機を防いだ。
同点の10回裏二死 2、 3塁で後藤を迎えた場面。ドリスがボールを引っかけ逆球が足もとを襲ったが、ミッ トの先端で捕球。この回無失点で切り抜けた。「それが自分の仕事。ドリスも(前日サヨナラ打を浴びた)悔し さがある中で投げてくれていたので」とサラリ。 5点ビハインドから引き分けに持ち込み「めちゃくちゃ大きか った」と充実感を漂わせた。
7回裏オリックス二死 1塁、梅野隆太郎捕手は打者大城滉二内野手のとき、 1走小田裕也外野手の 2塁盗塁 を刺す=京セラドーム大阪
6月の第 3日曜日は「父の日」。幼き頃に追いかけた父の背中、遠く離れて暮らす父への思い、そして感謝 の気持ち。野球人たちが父親との濃厚な思い出を語った。
◇ ◇ ◇
梅野隆太郎捕手は、男手一つで育ててくれた、父義隆さんに感謝した。母啓子さんは、梅野が小学4年生時 に、34歳の若さで他界。「中学生の時は練習量が多くて帰りが夜11時半になっても、ご飯を用意して待ってい てくれた」。ご飯、みそ汁、納豆、サラダに、焼いた鶏もも肉。白米をたくさん食べられるようにと、父が考 えてくれた料理だ。家では炭酸飲料も禁止。冷蔵庫にあったのは、野菜ジュースと青汁だけだった。
仕事をしながら見守り続けてくれた。「スライディングした後のユニホームとか、泥落として(洗濯機に)入 れとけって言われて、自分たちが先に寝た後に洗って干して置いてくれた」。梅野は弟との 2人きょうだい。「 大人になって、ようやってくれたなって思う」としみじみと語った。
地元の声援を受け、「明日も勝つバイ!」と笑顔を見せる梅野隆太郎捕手=福岡 ヤフオク!ドーム(2019年6 月12日撮影)
少年野球のコーチも務めていた義隆さんを「厳しかったかな」と振り返る。反抗期には話を素直に聞けないこ ともあったが、そんな時も真正面からぶつかってくれた。「そういうことがあったからこそ、変な道にいかな かった」。感謝の思いは尽きない。
義隆さんは今、試合の日は必ず、開始時間に合わせて仕事を終わらせ、風呂に入り、テレビの前で準備して いるという。梅野は、地元福岡で行われた12日のソフトバンク戦で 4打点と快勝に貢献。試合後、義隆さんか ら「みんな見に来てるときに活躍できて、本当に良かったな」と電話があった。グラウンドで躍動する姿が、テ レビの前の父を喜ばせている。
7回表阪神無死 1、 2塁、右翼線へ適時 2塁打を放った大山悠輔内野手=京セラドーム大阪
大山悠輔内野手が15日の走塁ミスを取り返すように、攻守に意地を見せた。まずはバットだ。 5点を追う 7 回。無死 1、 2塁で「2番手」ディクソンの代わりっぱなをたたいた。初球、甘く入った 148キロ直球を右翼線 へ適時 2塁打。「打率5割」を越える得意の初球打ちで、執念ドローへの最初の得点を刻んだ。
守備では延長10回だ。無死 1、 2塁でマウンド上は「6番手」ドリス。小田が投手前に試みた送りバントを 1塁大山が猛チャージ。素早く打球を処理してランニングスローで 3塁封殺し、サヨナラ機の芽を摘んだ。こ の日は打線の関係で、普段の 3塁ではなく今季 6試合目の 1塁先発。慣れないポジションでも、積極的な守 備でチームに貢献した。
10回裏オリックス無死 1、 2塁、小田のバントを 3塁へ送球し、 2塁走者の佐野を封殺する大山悠輔内野手 (左)=京セラドーム大阪
ミスを取り返すために-。15日の一戦では 6回に一時勝ち越しとなる適時打を放ったが、 1塁走者として続 く福留の 2ゴロで 2塁へのスライディングを怠り、封殺を許した。ボーンヘッドに矢野監督は試合後「残念」「 論外」と切り捨て、大山自身も「チームの流れを止めてしまった」と反省し、この日を迎えていた。
指揮官は攻守に気持ちを見せた大山のプレーに「悠輔自身、選手としても『4番』としても成長していかな あかんところ。昨日みたいなことをマイナスにするのか、プラスにするのかは悠輔自身。そういう気持ちの部 分では『何とかしたい』というのは、俺にはしっかり伝わっていた」と、気概を受け止めた。
それでも若き「4番」に笑顔はなかった。延長12回二死 3塁でオリックスベンチは「3番」糸井を申告敬遠し、 「4番」大山との勝負を選択。結果は「7番手」比嘉の前に空振り三振に倒れた。試合後、大山は悔しさをにじま せ、無言で球場を後にした。悔しさは糧となり、さらなる活躍への源となるはずだ。
9回表阪神二死 1、 2塁、代打の阪神・福留孝介は同点適時二塁打を放った=京セラドーム大阪
阪神が土壇場で同点に追いついた。
9回、二死 1、 2塁。この日、休養でスタメンを外れていた福留が代打で登場。守護神・増井から中堅フェ ンス直撃の適時二塁打を放った。
この日、打線はわずか 2安打。沈黙の野手陣に渇を入れるように、ベテランがさすがの勝負強さを見せつけ た。
「日米通算500本目」の 2塁打となった。
9回表阪神二死 1、 2塁、同点となる「中越え2点適時2塁打」を放った福留孝介外野手=京セラドーム大阪
福留孝介外野手が史上 3人目の「日米通算500 2塁打」を達成した。オリックス戦の 2点を追う 9回 二死 1、 2塁で代打出場。中堅フェンス直撃の同点 2点 2塁打を放った。快挙達成への道には、恩師の言葉があっ た。
◇ ◇ ◇
積み重ねた「500 2塁打」の裏には、恩師の教えがある。PL学園時代の監督である中村順司氏が明かす。「 2塁打は打って、走って、守っての 3拍子そろわないと増えない。まずは試合に出ないとね。口酸っぱく言っ た。守れないと試合には出られない。キャッチボールをしっかりやれと」。
2塁打ランキングには、「NPB通算最多」を誇る立浪和義氏(野球評論家)に、同 9位の松井稼頭央氏(西武 2軍監督)と同校出身者の名前が目立つ。同ランキングでNPB現役トップの福留は今でも、試合前の入念なキ ャッチボールを欠かさない。それは恩師の教えが身体に染みついているから。中村氏は、この日の試合を川崎 市内の自宅でテレビ観戦。「孝介は最後の現役教え子。 1試合でも多く頑張って欲しい」と、セ・リーグ最年長 の教え子に期待した。
9回表阪神二死 1、 2塁、中越えのフェンス直撃 2点適時 2塁打を放った福留孝介外野手=京セラドーム大 阪
執念ドロー!! 阪神が「日本生命セ・パ交流戦」オリックス「3連戦3連敗」をまぬがれた。
2点を追う 9回二死 1、 2塁で代打起用された福留孝介外野手が中堅フェンス直撃の 2点 2塁打をマーク。 起死回生の同点打を放ち、自身の「日米通算500 2塁打」達成に花を添えた。
最大 5点差を追いつき、矢野燿大監督も「勝ちに等しい」と評価。「3連敗」中の苦しいチーム事情のなかで、 驚異の粘りを見せた。交流戦は残り 2カード。再び上昇気流に乗るで!
◇ ◇ ◇
粘りに粘って 4時間48分の総力戦になった。引き分けに終わってもロッカーに向かう通路でハイタッチが飛 び交う。
矢野監督は「 5点差ありながら孝介が助けてくれた。『3連敗』のプレッシャーがかかって 5点を先に取ら れて追いつけたのは勝ちに等しい」と話した。
起死回生の一撃だった。 2点を追う 9回二死 1、2塁。代打福留は冷静だ。オリックス守護神増井は速球が に掛からない。カウント 3- 1でストライクを取りに来た外角高め速球。狙いすまして完璧に仕留めると中堅 フェンスを直撃。同点の 2点 2塁打になった。
9回表阪神2死一、二塁、福留孝介外野手の点適時二塁打で生還した糸井嘉男外野手(中央)を笑顔で迎える 阪神ナイン=京セラドーム大阪
右ふくらはぎ筋挫傷から 1軍復帰後、14打席目での初安打は、あと一死で敗戦の窮地での大仕事だった。「 たまたま俺が打ったかもしれないけど、みんなが踏ん張ってくれた。だから、こういう試合になった」。福留 は、チームのために我を捨てる。矢野監督もそんな姿勢を買う。この日の試合前練習でも、プロフェッショナ ルの信念に触れた。
「今日もね、外野で最後まで守っていたんじゃない? 孝介。スタメンで出ないのが分かっていても、そう いう姿も見えていた」。
2月の沖縄・宜野座キャンプ序盤。新人の近本、木浪や高山、大山らを食事に連れ出した。豚しゃぶ店で同 じ鍋を囲んだなかに打撃投手らの顔ぶれもそろう。福留は食事中に「裏方さんに感謝するのは大事だよ。投げ るのも打つのも 1人では練習できない」などと話したという。人知れず、一丸になるため心を砕いた。
シーズン中盤に入っても存在感は強烈だ。この一打で「日米通算500 2塁打」。イチロー、松井稼に次ぐ 史上 3人目の好記録に花を添えた。「そういうこともあるんじゃない? 長く続けていれば」。さらりと受け流 す姿が頼もしい。チームを支える男の真骨頂が光った。
6回表阪神2死、空振り三振に倒れた近本光司外野手=京セラドーム大阪
阪神「ドラフト1位」近本光司外野手は5打数無安打で 21打席連続ノーヒットとなった。同点の12回無死 1塁 で犠打を決めたが、「自分の役割は塁に出ること。自分の仕事ができていない」。 矢野監督は「それがプロのしんどいところ。プロは調子が悪かろうが、体調が悪かろうが、どんなことがあ ってもプロとしての姿や結果を出していかなあかん。ここをどう乗り越えるかが、自分の引き出しとか、しっ かりした技術になっていく」とルーキーを気遣った。
11回に登板しこの回を無失点に抑えた藤川球児投手=京セラドーム大阪
藤川球児投手はおとこ気の 3連戦 3連投を無失点で決めた。
同点の11回裏に登板。一死から「9番」安達に 2塁打を浴びたが、後続 2人を凡退させた。金村投手コーチは 3連投について「体が元気。球児が『行けます』と言ってくれたから」と感謝。藤川は「自分たちは自分たちの仕 事をする。それをモットーにしている。それが今の結果。それをずっと続けていかないといけない」と力を込 めた。
「マイナビオールスター ゲー ム2019」につきましては、日本野球機構(NPB)オフィシャルサイト/マイナビオールスター ゲーム 2019を参照して下さい。
ファン投票中間発表
http://npb.jp/r/mlmg/82/2/allstar/2019/ballot_interim.html
昨年の屈辱を跳ね返し て、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2018年の悔しい結果を 打ち破 るため、選手・監督・コーチ・スタッフ・フロント、そしてファンの皆さんも全員が、どんな状 況でも「オレ がやってやる」「オレが決めてやる」という強い闘志をもって 1年間戦っていこう。という思 いをスローガンと して表現しています。
※このスローガン・デザ インは 2019年のシーズンロゴとしても展開してまいります。
2019年 公式戦 順位表
2019年 交流戦順位表
2019年 公式戦 日程と 結果 (06月)
2019年 公式戦 日程と 結果 (07月)
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