● 7日広島戦でスイングした際に左手首を痛めた梅野隆太郎捕手(27)が先発メンバーを外れた。試合前練習ではノックや走塁練習は行ったが、打撃練習を行わなかった。清水雅治ヘッドコーチ(55)は梅野のベンチスタートについて説明した。代わって坂本誠志郎捕手(25)が「8番捕手」で先発マスクをかぶった。
●巨人が初回、大城卓三内野手(26)の適時打で 1点を先制。阪神は 2回に坂本誠志郎捕手(25)の「2号ソロ」で追いつき、 3回に坂本の適時打で 2- 1と勝ち越した。巨人は 4回二死 2塁から菅野智之投手(29)の中越え適時 2塁打で同点。 6回には大城が「4号ソロ」を放ち、 3- 2と勝ち越した。巨人は 8回、阪神ピアース・ジョンソン投手(28=サンフランシスコ・ジャイアンツ )の 1塁けん制悪送球から好機をつくり、陽岱鋼外野手(32)の適時打で勝ち越し。阪神の連勝は「3」で止まった。巨人大竹寛投手(36)は「2勝」目。阪神ジョンソンは「来日初黒星」。師弟”対決は、ともにピリッとしない展開となった。今季、FAで阪神に移籍した西勇輝投手(28=オリックス)にとっては、 8日の巨人戦(甲子園)は 4年前から自主トレをともにしている先発・菅野とは初の投げ合い。背番号「16」は相手エースが打席に立つと、笑みを浮かべながら真っ向勝負を挑んだ。試合前日にそう話していたように、首位を走るG打線を警戒していたが…。 1回からいきなりピンチを招いた。二死から「3番・丸佳浩外野手(30=広島)」、「4番・岡本和真外野手(23)」に対し、連続四球。自ら得点圏に走者を置くと、大城に初球の外角への直球を中前に運ばれて、あっさりと先制点を許した。これで登板10試合連続で先制点を献上。今季は15試合のうち12試合で先制を許しており、またも先手を打たれる形となった。ゲームは作ったが、白星には結びつかなかった。
●代役捕手に、 2年ぶりのビックリ弾が飛び出した。 1点を追う 2回二死。坂本誠志郎捕手(25)が会心のフルスイングを見せた。巨人菅野が投じた内角への 146キロ直球を捉えた。打球は左翼席へ一直線。スタンドに歓喜と驚きの声が交錯した。甲子園では17年 9月 8日DeNA戦以来、 668日ぶりの 1発となる「今季2号ソロ」。大胆にバットを振った。ベンチ前では矢野監督が「矢野ガッツ」ではなく、首をすくめた驚きのポーズで出迎えた。巡ってきたチャンスで結果を残した。 7日の広島戦で梅野が左手首を負傷し、この日は先発メンバーから外れた。同点の 3回二死 1、 3塁では内角シュートを中前へ運んで一時勝ち越しの適時打。 7回にも「3番手」大竹から右前打で甲子園弾と同じ 668日ぶりでプロ 3度目の「猛打賞」。バットで存分にアピールした。本塁打後、ベンチ前で驚いたように両手を広げて出迎えた矢野監督は、捕手出身らしくリードに注文をつけながらもうなずいた。敗戦に笑顔はない。打って守って勝利へ導く。「捕手・坂本」の存在感をまだまだ高めていく。
●ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス )が 2本の 2塁打で好機をつくった。 1回二死 1、 2塁の第 1打席は見逃し三振に倒れたが、 3回一死走者なしの第2打席に左中間 2塁打。その後、一時勝ち越しとなるホームを踏んだ。 1点を追う 7回の先頭打者としても右中間 2塁打。バットで勝利を呼ぶことを誓っていた。
●「4番」の力、今こそ見せれくれ-。阪神は12安打を放ちながら今季ワーストの16残塁で首位巨人に 3- 4で敗れ、連勝は「3」でストップ。「4番」の大山悠輔内野手(24)は走者を置いて 3打席連続三振など 4打数無安打に終わった。貯金はなくなり、ゲーム差は再び「7.5」に。「4番」のバットで踏ん張れ! ここで壁を、ブチ破れ!!巨人の 9安打を上回る12安打も放った。菅野を苦しめ、塁上もにぎわせた。それでも負けた-。首位G猛追を誓った勝負の「伝統の一戦」第 1ラウンドは、「今季ワースト16残塁」の大拙攻。勝ち切らなければいけない試合だった。「4番」が、決めなければいけなかった。開幕から「82試合連続4番」で先発した大山は、問いかけに口を開くことなく引き揚げた。連勝は「3」で止まり、ゲーム差も「7.5」に広がった。責任を背負い、悔しさが全身からにじんでいた。勝負をかけたスイングが、ことごとく空を切った。 2- 2と追いつかれた 4回は、二死 2塁で菅野の外角スライダーに空振り三振。 2- 3と勝ち越された 6回は、二死 1塁で真ん中に入ってきた 141キロ直球を空振り。三球三振に倒れた。大山の「10本塁打&50打点」はチームトップ。打点は堂々の「リーグ5位」だ。前日 7日にはバントの指示を出され、失敗直後に意地のタイムリーで勝利へ導いた。恥ずかしくない数字は、残してきている。ただ、それ以上のものを求められ、背負うのが「4番」。巨人との「7.5」差は簡単ではない。まずは前半戦残り 2つ、必勝-。「4番・大山」のここぞの一打が、矢野虎の最大の力となる。
●原口文仁捕手(27)の同点打も勝利には届かなかった。 1点を追う 7回一死 3塁で代打として登場。巨人投手が田口麗斗投手(23)から大竹にスイッチされたが、しっかりと中犠飛を打ち上げた。代打では 6月 9日の北海道日本ハム戦(甲子園)での「サヨナラ打」以来、 5打席ぶりの打点。変わらぬ頼もしさを示した。 6月16日以来の打点となったが勝負強さは相変わらず。
●近本光司外野手が最後の打者になった。「D1位」・近本光司外野手(24=大阪ガス)は 6試合連続安打。 2回二死 1塁で菅野から左前打を放ち、好機を広げ、 8回先頭では 6月19日の西武戦(甲子園)以来の四球を選んだ。 1点を追う 9回二死 1、 2塁でチームの期待を背負って打席に立つも、巨人スコット・マシソン投手(35)の前に 2ゴロに倒れた。 9回二死 1、 2塁で 2ゴロに倒れ最後の打者となったことに悔しさをにじませた。 2回の左前打で6試合連続安打をマークするも表情を引き締めた。
●西勇輝投手が 6回 6安打 3失点と試合を作ったが、約 2カ月ぶりの白星はならなかった。親交のある巨人菅野と初対戦。粘り強い投球で宿敵のエースに対抗した。菅野が力強い直球を投げ込むたびに、西は緻密なコントロールを見せた。初回二死 1、 2塁で 1点を失ったが、 2回は下位打線を 3者凡退。直後の女房役坂本の「同点本塁打」を呼び込んだ。「防御率2.87」ながら、 5月10日の中日戦(甲子園)以来勝ち星が遠ざかる。それでも下は向かない。最後まで仲間の好プレーをねぎらった。西は 4年前から自主トレをともにする巨人・菅野と初の投げ合いだったが、 6回を 6安打 3失点で勝ち負けつかず、自身「G戦初勝利」はお預け。オリックス時代の2016年以来、自己ワーストタイの 8試合連続勝ち星なしとなった。 1回に大城に適時打を許し、10試合連続で先制点を献上。 4回に菅野に同点 2塁打され、 2- 2の 6回には大城にソロを被弾。気持ちを切り替えた。
●阪神が痛恨の 1敗を喫した。同点で迎えた 8回にピアース・ジョンソン投手(28)がけん制悪送球や 3盗でピンチを招き、決勝点を失った。巨人の足技にペースを乱され、信頼のセットアッパーが来日初黒星。首位巨人とのゲーム差は再び「7.5」に広がった。前半戦は残り 2試合。宿敵にこれ以上、離されるわけにはいかない。命綱が切れた。阪神が足攻めに屈して、悔しい敗戦を喫した。開幕から33試合目。ついに鉄壁のセットアッパー、ジョンソンが来日初黒星となった。矢野監督は8回に勝ち越し点を許した助っ人右腕をかばった。暗転したのは同点に追いついた直後の8回1死一塁。巨人原辰徳監督(60)が送り込んだ刺客にジョンソンがしてやられた。中前打の岡本に代走増田大輝(25)。快足のスペシャリストに翻弄(ほんろう)される。 1塁にけん制球。立て続けの 2球目だった。 1塁陽川尚将内野手(27)のグラブをかすめて、白球はファウルゾーンを転々とする悪送球。その直後、初球を投じると 2塁に立つ増田大に完全にモーションを盗まれた。走者を警戒しきれず、痛恨の 3盗を許してしまった。瞬く間に一死 3塁と絶体絶命のピンチを招く。内野は前進守備。陽岱鋼のボテボテのゴロは遊撃植田海内野手(23)の正面へ。だが、 3塁走者増田大はゴロゴーの猛スタートを切る。ギリギリのタイミングで植田が逆シングル捕球を試みたが後逸。適時内野安打で、勝ち越されてしまった。実に 5月15日巨人戦(東京ドーム)以来、13試合ぶりの失点となったがジョンソンは前を向いた。令和初のG戦黒星でゲーム差は再び「7.5」に開いた。前半戦の勝ち越しもお預けとなった。もう離されるわけにはいかない。球宴まで残り 2試合に死力を尽くす。矢野監督が揺るがぬ信頼を示せば、右腕も語気を強めた。失点は甲子園では来日初、 5月15日の巨人戦(東京ドーム)以来、13試合ぶり。くしくも同じ相手に、またもやられてしまった。もう同じ失敗は繰り返さない。G追撃に、最強セットアッパーの力は不可欠だ。
記事をまとめてみました。
<阪神 3- 4巨人>◇第11回戦◇阪神 4勝 7敗 0分◇ 8日◇阪神甲子園球場
7日広島戦でスイングした際に左手首を痛めた梅野隆太郎捕手が先発メンバーを外れた。
試合前練習ではノックや走塁練習は行ったが、打撃練習を行わなかった。清水ヘッドコーチは梅野のベンチスタートについて「(これ以上)悪くならないための処置」と説明した。代わって坂本誠志郎捕手が「8番捕手」で先発マスクをかぶった。
守備練習で汗を流す梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
梅野隆太郎捕手が 8日の巨人戦(甲子園)でスタメンから外れ、そのまま欠場した。前日 7日の広島戦(同)の 7回の打席で、ファウルを放った際に痛めた左手首の痛みが引かず、試合前の打撃練習も行っていなかった。
「 1日じゃ(回復は)きつかった。ちょっと安静にしておきます」
ここまで78試合に出場し、「打率0.270、7本塁打、35打点」と攻守にチームを引っ張ってきた。 5日の広島戦に続き、今季 4度目の先発落ち。清水ヘッドコーチは「あまりよくないみたい。悪くならないようにするための処置」と説明した。
試合前の円陣を終え、ベンチに戻る梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
巨人が初回、大城の適時打で 1点を先制。阪神は 2回に坂本の「2号ソロ」で追いつき、 3回に坂本の適時打で 2- 1と勝ち越した。
巨人は 4回二死 2塁から菅野の中越え適時 2塁打で同点。 6回には大城が「4号ソロ」を放ち、 3- 2と勝ち越した。
巨人は 8回、阪神ジョンソンの 1塁けん制悪送球から好機をつくり、陽の適時打で勝ち越し。阪神の連勝は「3」で止まった。巨人大竹は「2勝」目。阪神ジョンソンは「来日初黒星」。
5回、巨人・岡本和真外野手を空振り三振に仕留めベンチに戻る西勇輝投手=阪神甲子園球場
“師弟”対決は、ともにピリッとしない展開となった。今季、FAで阪神に移籍した西にとっては、 8日の巨人戦(甲子園)は 4年前から自主トレをともにしている先発・菅野とは初の投げ合い。背番号「16」は相手エースが打席に立つと、笑みを浮かべながら真っ向勝負を挑んだ。
「先頭打者とかヒットを打たれた後の連打とか、そういうところに気をつけたい」
試合前日にそう話していたように、首位を走るG打線を警戒していたが…。 1回からいきなりピンチを招いた。二死から「3番・丸」、「4番・岡本」に対し、連続四球。自ら得点圏に走者を置くと、大城に初球の外角への直球を中前に運ばれて、あっさりと先制点を許した。
2回裏阪神二死、左前打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
これで登板10試合連続で先制点を献上。今季は15試合のうち12試合で先制を許しており、またも先手を打たれる形となった。
それでもバットでは、師匠から「H」のランプを灯し、意地を見せた。同点に追いついた直後の 2回二死で打席に立つと、 2- 1からの 4球目、甘く入った 137キロの変化球を中前へ。その後、満塁へと好機が拡大したが、得点にはつながらなかった。
巨人戦は今季 2度目で、 4月21日(甲子園)では 7回 4安打 2失点で敗戦。オリックス時代を含め、ここまで通算 5試合登板し、「0勝3敗、防御率5.34」。 5月10日の中日戦(甲子園)で今季「3勝」目を挙げて以来、 7試合白星から遠ざかっている。
7回裏阪神 1死 3塁、同点中犠飛を放った原口文仁捕手=阪神甲子園球場
リードした直後の 4回には、二死 2塁で菅野に中越えの適時 2塁打を許し、同点とされた。さらに 6回には大城にこの日 2打点目となる右越えの「ソロ本塁打」を被弾。結局 6回 3失点で降板し、自己ワーストに並ぶ 8試合連続勝ち星なしとなった。
西は「坂本と公式戦で初めてバッテリーを組みましたが、良いリードに引っ張ってもらい、野手の方々にも助けてもらったおかげで何とか最低限粘ることはできました」とコメント。ゲームは作ったが、白星には結びつかなかった。
2回裏阪神二死、左越え同点本塁打を放った坂本誠志郎捕手=阪神甲子園球場
代役捕手に、 2年ぶりのビックリ弾が飛び出した。 1点を追う 2回二死。阪神坂本誠志郎捕手が会心のフルスイングを見せた。巨人菅野が投じた内角への 146キロ直球を捉えた。打球は左翼席へ一直線。スタンドに歓喜と驚きの声が交錯した。甲子園では17年 9月 8日DeNA戦以来、 668日ぶりの 1発となる「今季2号ソロ」。「球界を代表するピッチャーなので、受けるのではなくて早めに振っていこうと」。大胆にバットを振った。ベンチ前では矢野監督が「矢野ガッツ」ではなく、首をすくめた驚きのポーズで出迎えた。
巡ってきたチャンスで結果を残した。 7日の広島戦で梅野が左手首を負傷し、この日は先発メンバーから外れた。下位打線の起用にも、菅野の隙を突くように「『8番』を打ってて(代役の自分は)なかなか対戦することのないバッター。何かを起こしてやりたいなという気持ちはあった」。同点の 3回二死 1、 3塁では内角シュートを中前へ運んで一時勝ち越しの適時打。 7回にも「3番手」大竹から右前打で甲子園弾と同じ 668日ぶりでプロ 3度目の「猛打賞」。バットで存分にアピールした。
2回、菅野智之投手から豪快な同点弾を放った坂本誠志郎捕手。 2年ぶりの「猛打賞」だ=阪神甲子園球場
この日は坂本にとって、今季 4度目のスタメンマスク。公式戦で初めてバッテリーを組む先発西とグラウンド入りから寄り添い、話し合う姿があった。救援陣までをリードしたが 1点差の惜敗。「粘っていきましたけど、勝ちたかった。勝つという結果が一番で、そこに求められていることをやるのが仕事だと思う。何とか次、勝てるように。もう 1回準備したいと思います」。自らの活躍よりもチームの負けに悔しさをにじませた。
矢野監督は坂本のバットに「びっくりするような打撃を見せてくれた」と評価するも、リード面には「西の点の取られ方はちょっと悔いが残る」と課題も挙げた。代役での活躍に「もちろんチャンスは増える。チームとしても層は厚くなる。そういう存在はしっかり見せてくれたと思う」と今後に期待をかけた。
2回、本塁打を放った坂本誠志郎捕手=阪神甲子園球場
1塁へ走りながら、右手で力強くベンチを指さした。坂本がGのエース・菅野から豪快弾&適時打。正捕手のアクシデントを十分過ぎる活躍で補い、爪跡を残した。
「球界を代表するピッチャーで。『なんかしたいな』『なんか起こしてやりたいな』という気持ちはあったので。積極的にいったのが結果につながってよかったです」
梅野が前日 7日に左手首を負傷し、巡ってきた今季 4試合目のスタメンマスク。まずは 1点を追う 2回二死だ。 1ストライクからの 2球目、内角 146キロを鋭く振り抜いた。左中間への同点の「2号ソロ」。 4月 4日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発を放つと、 1- 1の 3回二死 1、 3塁では一時勝ち越しの中前打で粘投の西を援護。 7回には大竹から右前打を放ち、2017年 9月 8日のDeNA戦(甲子園)以来の「猛打賞」を達成した。
2回裏阪神2死、左越えに「同点ソロ本塁打」を放ちガッツポーズする坂本誠志郎捕手=阪神甲子園球場
本塁打後、ベンチ前で驚いたように両手を広げて出迎えた矢野監督は「西の点の取られ方っていうのは悔い残るけど」と、捕手出身らしくリードに注文をつけながらも「びっくりするようなバッティング見せてくれた。リュウ(梅野)に代わって出たところでこういうことをしていけば、アイツ自身もチャンスは増える」とうなずいた。
肌で感じたレジェンドの勇姿が、プロとしての自覚をさらに強くした。東京への移動日だった 3月中旬。後輩の大山と東京ドームへ足を運び、巨人-マリナーズを観戦。当時マリナーズの現役だったイチロー氏の一挙手一投足に、球場全体から割れんばかりの歓声が沸き「鳥肌がたちました」と目を輝かせた。
「何もしていなくても、いるだけで大歓声が起こるというか。『スターってこういうことなんだ』と。雲の上の方なのはもちろんわかっていますが、自分もプロ野球選手としてやっている以上、ああいう選手を目指してやっていかないと」
3回 適時打を放った坂本誠志郎捕手=阪神甲子園球場
同じアスリートとしてプレーでファンを喜ばせる姿に、刺激を受けないわけがなかった。
「勝つという結果が一番で、そこに求められていることをやるのが仕事。何とか次勝てるようにもう一回準備していきたいと思います」
敗戦に笑顔はない。打って守って勝利へ導く。「捕手・坂本」の存在感をまだまだ高めていく。
◇データBOX◇
◎…坂本のスタメン出場は、梅野が左足薬指骨折で欠場した 4月 3、 4日の巨人戦(東京ドーム)と、休養した 7月 5日の広島戦(甲子園)に続き、今季 4度目。
◎…複数安打は2017年 9月10日のDeNA戦(甲子園)以来で、「猛打賞( 3安打以上)」は同年 9月 8日の同戦での 3打数 3安打( 1本塁打、 4打点)以来。
7回裏阪神無死、ジェフリー・マルテ内野手は中越え 2塁打を放った=阪神甲子園球場
ジェフリー・マルテ内野手が 2本の 2塁打で好機をつくった。
1回二死 1、 2塁の第 1打席は見逃し三振に倒れたが、 3回一死走者なしの第2打席に左中間 2塁打。その後、一時勝ち越しとなるホームを踏んだ。
1点を追う 7回の先頭打者としても右中間 2塁打。「チームが勝てるように仕事をしていきたい」とバットで勝利を呼ぶことを誓っていた。
8回の好機で中川皓太投手(手前)から空振り三振の大山悠輔内野手。チャンスで回るのが「4番」の宿命-=阪神甲子園球場
「4番」の力、今こそ見せれくれ-。阪神は12安打を放ちながら今季ワーストの16残塁で首位巨人に 3- 4で敗れ、連勝は「3」でストップ。「4番」の大山悠輔内野手は走者を置いて 3打席連続三振など 4打数無安打に終わった。貯金はなくなり、ゲーム差は再び「7.5」に。「4番」のバットで踏ん張れ! ここで壁を、ブチ破れ!!
巨人の 9安打を上回る12安打も放った。菅野を苦しめ、塁上もにぎわせた。それでも負けた-。首位G猛追を誓った勝負の「伝統の一戦」第 1ラウンドは、「今季ワースト16残塁」の大拙攻。勝ち切らなければいけない試合だった。「4番」が、決めなければいけなかった。
「…」
開幕から「82試合連続4番」で先発した大山は、問いかけに口を開くことなく引き揚げた。連勝は「3」で止まり、ゲーム差も「7.5」に広がった。責任を背負い、悔しさが全身からにじんでいた。
勝負をかけたスイングが、ことごとく空を切った。 2- 2と追いつかれた 4回は、二死 2塁で菅野の外角スライダーに空振り三振。 2- 3と勝ち越された 6回は、二死 1塁で真ん中に入ってきた 141キロ直球を空振り。三球三振に倒れた。
4回、三振に倒れた大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
そして最大の期待を背負ったのは 8回だった。絶対的セットアッパーのジョンソンが 1点を失って、勝ち越された直後。一死 1、 2塁で打席が回り、 4万2556人のボルテージは最高潮に達したが…。左腕・中川の内角低め 143キロの直球にバットは空転。 3打席連続の空振り三振に倒れ、ため息を背に、うつむいてベンチに戻った。
巡ってきた場面は、すべて「直後」というターニングポイント。つまり打てば、勝った。単純明快。しかも、そんな巡りになるのが打線の中心、「4番」打者の宿命だ。
坂本が「1本塁打」を含む「猛打賞」。代打の切り札・原口も犠飛で仕事を果たした。しかし、」4番」のバットから生まれる得点なくしては、勝利をつかむことはできない。それを改めて証明するような、敗戦だった。
「たくさんヒットは打ったし、攻めていった中の結果。そういう気持ちをみんな持って戦ってくれていると思う。それは受け止めないと。(選手は)明日、やり返してくれるんじゃないかな」
矢野監督も悔しさを露わにした。 3者凡退はなし。 6回以外はすべて得点圏まで走者を進めながら、勝てなかった。令和に入って続いていた巨人戦連勝も「4」で止まり、再び貯金はなくなった。
6回、空振り三振に倒れた大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
「今日負けて、めちゃめちゃ悔しい。(カードの)頭も、うちとしては絶対取りたい試合やったから。こういうことをしたのは悔しいけど、明日、明後日、何とかリベンジをね」
大山の「10本塁打&50打点」はチームトップ。打点は堂々の「リーグ5位」だ。前日 7日にはバントの指示を出され、失敗直後に意地のタイムリーで勝利へ導いた。恥ずかしくない数字は、残してきている。ただ、それ以上のものを求められ、背負うのが「4番」。巨人との「7.5」差は簡単ではない。まずは前半戦残り 2つ、必勝-。「4番・大山」のここぞの一打が、矢野虎の最大の力となる。
◇データBOX◇
◎…阪神が今季ワーストの16残塁(これまでは14)。昨年 6月 2日の西武戦(○10- 5、メットライフ)以来。2017年には「17」が 2度あった。
◎…巨人に 9年ぶりの「5連勝」はならず、今季はこれで「4勝7敗」。2008年から11年連続シーズン勝ち越しがなく、 7年連続負け越し中。
◎…今季、甲子園ではこれで「19勝19敗(昨年は21勝39敗2分け)」。
7回、犠飛を放った原口文仁捕手=阪神甲子園球場
原口の同点打も勝利には届かなかった。
1点を追う 7回一死 3塁で代打として登場。巨人投手が田口から大竹にスイッチされたが、しっかりと中犠飛を打ち上げた。「 1点欲しい場面で、最低限の仕事はできた」。 6月16日以来の打点となったが勝負強さは相変わらず。
ただ、チームが敗れたとあって「勝ちにつなげていきたい」と話していた。
ECC広告広報部マネジャーの黒崎氏(左)から「エネルギッシュタイガース月間MVP賞」の表彰を受けた原口文仁捕手=阪神甲子園球場
絶対に 1点が欲しい場面で「代打・原口」がさすがの働きだ。マルテの 2塁打と高山の投前犠打の直後、 1点を追う 7回一死 3塁で登場。左腕の田口から右腕の大竹に交代されたが動じず、一時同点の中犠飛を放った。「なんとか 1点欲しい場面で、最低限の仕事はできたので。なんとか勝ちにつなげていきたいです」。代打では 6月 9日の日本ハム戦(甲子園)での「サヨナラ打」以来、 5打席ぶりの打点。変わらぬ頼もしさを示した。
9回裏阪神二死 1、 2塁、 2ゴロに倒れた近本光司外野手=阪神甲子園球場
近本光司外野手が最後の打者になった。
1点を追う 9回二死 1、 2塁でチームの期待を背負って打席に立つも、巨人マシソンの前に 2ゴロに倒れた。
2回の左前打で6試合連続安打をマークするも「 1本出たからいいとかではない。チャンスで打つ、チャンスメークするのが仕事ですから。そういうところで結果を残していきたいです」と表情を引き締めた。
2回、安打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
「D1位」・近本光司外野手(大阪ガス)は 6試合連続安打。 2回二死 1塁で菅野から左前打を放ち、好機を広げ、 8回先頭では 6月19日の西武戦(甲子園)以来の四球を選んだ。それでも 9回二死 1、 2塁で 2ゴロに倒れ最後の打者となったことに「チャンスで打つのと、チャンスメークが仕事なので。そういうところで結果を残したい」と悔しさをにじませた。
※梅野、先発外れ打撃練習もなし!坂本がマスク!近本9回好機に凡退…ジョンソンが来日初黒星!-2に続く!