●阪神は 1回一死 3塁で福留孝介外野手(42)の内野ゴロの間に 1点先制。広島は 2回に會澤翼捕手(31)の適時打で同点とし、 3回は鈴木誠也外野手(24)の適時打で勝ち越した。広島は 5回に松山竜平外野手(33)、會澤の連続適時打と守屋功輝投手(25)の暴投で 3点を追加。阪神は 6回、梅野隆太郎捕手(28)の適時打で 1点を返した。阪神は 8回に 4安打を集めて同点とし、野選で勝ち越して連勝。浜地真澄投手(21)が「2勝」目。広島は 2試合続けて救援陣が決勝点を献上した。広島ヘロニモ・フランスア投手(25)「5敗」目。阪神が 2試合続けて逆転勝ちした。 2- 5の 8回に大山悠輔内野手(24)が 2点 2塁打を放ち、糸原健斗内野手(26)が同点の 2塁打。陽川尚将内野手(28)の遊ゴロ野選で勝ち越した。浜地が「2勝」目。広島は 5回に3得点とリードを広げたが、フランスアらが打たれた 8回は拙守も絡んだ。新オーダーが生まれた10日の広島戦でも「新4番」ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス )が中前打、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32=前マーリンズ傘下3A)が四球を選んだ後、大山の「逆転3ラン」が生まれた。ソラーテの途中加入後、打順とポジションで試行錯誤する矢野燿大監督(50)は手応えを口にした。阪神藤原崇起オーナー(67=電鉄本社会長)は 2試合連続の逆転勝ちにご満悦だった。
●これが猛虎の、男の意地だ。大山悠輔内野手が 3点を追う 8回に「2点適時2塁打」を放ち、連夜の「ミラクル逆転勝ち」を呼び込んだ。今季初めて「6番」に下がった前日は「逆転サヨナラ3ラン」を放つなど、「4番」降格後は 5安打 5打点の大活躍。矢野燿大監督の“奪い返せ指令”に即答して「3位」広島を連倒し、ゲーム差を「4.5」に縮めた。思い切って振り抜いた。表情を変えることなく、大山は 2塁ベースに到達。京セラドーム大阪を歓喜で沸き立たせた男は、ふぅーっと息をついた。新打線が機能した。「4番」マルテ、「5番」ソラーテの助っ人コンビがチャンスを作ってくれた。執念の一打が糸原の同点打を呼び、陽川の野選で一挙 4点の逆転劇を完結させた。重圧を背負い、ゲームに臨んでいる。開幕から 105試合「4番大山」として生きてきた。打てば天国、打てなければ地獄…。ポップフライを打ち上げ、ため息に包まれても、決して全力疾走を怠らなかった。「4番」を外れてから、 2戦連続で「ミラクル逆転勝ち」のヒーローになった。「勝利打点9個」は「セ・リーグ2位」。大山が打てば、勝利がグッと近づく。そのバットで「3位」広島を連倒して「4.5ゲーム」差。覚悟を決めて、力の限り振るだけだ。
●近本光司外野手(24=大阪ガス)が、また球団史を塗り替えた。初回、フルカウントから九里亜蓮投手(27=亜細亜大學OB)の 143キロ直球を左翼線へ打ち返した。悠々 2塁へ到達すると、クールにガッツポーズ。いきなり先制のチャンスをつくった。これで今季安打数は「120」に到達。1953年(昭28)に吉田義男氏(86=元阪神監督)がマークした「119安打」を抜き、球団新人の「歴代単独6位」となった。前日10日にレジェンドの安打数に並ぶと、翌日、新たな 1ページを記した。守備でも光った。 3点ビハインドの 8回一死 1塁、中堅へ大きく伸びた小園の打球を、背走しながらキャッチ。抜けていればリードを広げられるピンチを、好守備で救った。直後に大山らが連打して大逆転。ビックプレーを矢野監督も絶賛した。近本は58年長嶋茂雄氏(83=元巨人監督。巨人軍終身名誉監督。日本プロ野球名球会顧問)の「セ・リーグ新人最多安打153本」を視野に入れるだけでなく、多くの新人記録を更新する可能性がある。「23盗塁」もトップの中日大島洋平外野手(32)、ヤクルト山田哲人内野手(27)に 2差の「リーグ3位」。「盗塁王」、そして「新人王」も射程圏内だ。さらには「ゴールデングラブ賞」の可能性も。打って走って守って、猛虎の大逆襲を引っ張る。
●糸原健斗内野手は意地の同点打を決めた。 3試合ぶりにスタメンを外れた主将・糸原が 8回に執念の同点打。力強くガッツポーズだ。途中出場後、 1点差に迫った 8回一死 3塁、フランスアから中前に落とす適時 2塁打。 6回一死満塁では三振を奪われていた。ソラーテ加入後はスタメン機会を減らしているが、主将らしく値千金の一打を放った。大山の一打で 4- 5とし、なお一死 3塁で打席へ。カウント 2- 1から左腕・フランスアの高めのスライダーを振り抜いた。高く上がった打球は中堅・野間峻祥外野手(26)の前で跳ね、適時 2塁打に。カバーした左翼・西川龍馬外野手(24)が処理をもたつく間に 3進し、勝ち越し点も演出した。 2歳下の大山とは同期入団。お立ち台では力強く宣言した。
●植田海内野手(23)が好走塁で 6点目をもぎとった。同点に追いついた 8回一死 3塁で糸原の代走として出場。陽川が遊撃正面へ打球を飛ばした間に本塁に滑り込んだ。 6月 5日のロッテ戦では、 1点を追う 9回一死 3塁で、高山の左翼ライナーに走者の植田が飛び出し、併殺でゲームセット。この日は、クリアな思考で走りきった。今季最大級の“矢野ガッツ”で迎えた。総帥の異例ゲキに応えた!阪神は 8回に一挙 4点を奪い、 6- 5で広島に連夜の逆転勝ち。夏の長期ロード初のカード勝ち越しを決めた。矢野燿大監督は試合前、藤原崇起オーナーから直接エールを受け、攻めの采配で勝利をもぎ取った。「3位」カープとは「4.5」差。虎の夏は、ここからだ!!攻めて攻めて、勝利をつかみとった。 8回に追いつき、なお一死 3塁。矢野監督が勝負に出た。同点打の糸原に代え、植田をコール。そして采配ズバリの決勝ホームイン! 最大 4点差をはね返し、連夜のコイ倒だ。夏のロード初、 3カードぶりの勝ち越しで「3位」広島と「4.5ゲーム」差。12日から中日戦に挑む。大山の「4番」変更に続く、執念タクト。指揮官の決断がチームに大きなうねりを生んでいる。
●望月惇志投手(22)は 4回 2/3を 8安打 5失点で降板し、「プロ初勝利」を逃した。プロ 2度目の先発マウンド。 1回に 1点リードをもらったが、 2回「6番」會澤に同点打を許す。 3回は「4番」鈴木に勝ち越し打を浴び、 5回は不運な 2塁打から崩れた。 7月17日中日戦(豊橋)でプロ初先発し、 5回 4失点で勝ち負けつかず。 1カ月ぶりの 1軍先発マウンドで記念星を狙ったが、強力カープ打線に打ち崩された。
●浜地真澄投手は2日前の悪夢を払拭(ふっしょく)し、今季「2勝」目を手にした。 3点ビハインドの 8回に登板し、 1イニングを 1安打無失点。直後の逆転劇を呼び込んだ。 9日広島戦では 1点ビハインドの 9回に登板して 1回 5失点。反省をマウンドで体現した。「2番手」で 4者連続三振と好救援した25歳の守屋功輝投手と合わせた若手投手の踏ん張りが、逆転勝利につながった。
●藤川球児投手は貫禄の 6試合連続セーブを決めた。大逆転で 1点リードした 9回に登板。「1番」西川は直球で詰まらせ右飛、「2番」菊池涼介内野手(29)も 1邪飛。最後は三好匠内野手(26)に慎重な制球を続け、フルカウントから直球で右飛に仕留めた。
記事をまとめてみました。
<阪神 6- 5広島>◇第21回戦◇阪神11勝10敗 0分◇11日◇京セラドーム大阪
阪神は 1回一死 3塁で福留の内野ゴロの間に 1点先制。広島は 2回に會澤の適時打で同点とし、 3回は鈴木の適時打で勝ち越した。
広島は 5回に松山、會澤の連続適時打と守屋の暴投で 3点を追加。阪神は 6回、梅野の適時打で 1点を返した。阪神は 8回に 4安打を集めて同点とし、野選で勝ち越して連勝。浜地が「2勝」目。広島は 2試合続けて救援陣が決勝点を献上した。広島フランスア「5敗」目。
8回裏阪神一死 3塁、陽川尚将内野手は遊野選を誘い勝ち越しに成功する=京セラドーム大阪
阪神が 2試合続けて逆転勝ちした。 2- 5の 8回に大山が 2点 2塁打を放ち、糸原が同点の 2塁打。陽川の遊ゴロ野選で勝ち越した。浜地が「2勝」目。広島は 5回に3得点とリードを広げたが、フランスアらが打たれた 8回は拙守も絡んだ。
8回裏阪神一死 3塁、陽川尚将内野手の遊ゴロで植田海内野手が生還ナインとタッチを交わす=京セラドーム大阪
阪神は 2試合連続で「マルソラ」の「4、5番コンビ」が勝利に貢献した。 8回に先頭のジェフリー・マルテ内野手、ヤンハービス・ソラーテ内野手がともに左前打で出塁してチャンスメーク。大山悠輔内野手の「2点適時2塁打」などこの回一挙 4点の逆転劇につながった。
新オーダーが生まれた10日の広島戦でも「新4番」マルテが中前打、ソラーテが四球を選んだ後、大山の「逆転3ラン」が生まれた。ソラーテの途中加入後、打順とポジションで試行錯誤する矢野監督は「こういういい結果が出ればね、こっちとしては固まりやすくはなってくるし。またバリエーションも増えると思うので。そういう効果は期待したい」と手応えを口にした。
8回裏阪神無死 1、 2塁、 1走ソラーテ内野手は大山悠輔内野手の中越え適時 2塁打で生還する、右は藤本敦士コーチ=京セラドーム大阪
▽ジェフリー・マルテ内野手( 8回先頭で左前打を放ちチャンスメーク)
最後のアウトを取られるまでわからない。昨日(10日)と同じで最後まで粘れた。( 2安打に)いつも 100%全力で。(4番でも)いい意味で変わらないです。
▽ヤンハービス・ソラーテ内野手( 8回に左前打で出塁し、大山の適時打で 1塁から激走しヘッドスライディング生還)
得点につなげたかったので一生懸命に走った。その前の打席で四球を選べていい形で打席に入れた。
8回裏阪神無死 1、 2塁、大山の「中越え2点適時2塁打」で生還したソラーテ内野手(左)とマルテ内野手はベンチ前でダンスを踊る=京セラドーム大阪
阪神藤原崇起オーナー(電鉄本社会長)は 2試合連続の逆転勝ちに「攻撃が一番の防御だというのがよく分かりました。粘って粘って、時期を待つ。そして果敢に攻めた。みんな素晴らしかった」とご満悦だった。
試合前に矢野監督と20~30分間会談したと明かし「みんなで攻撃していこう」と確認し合ったという。言葉通り執念の攻撃力だった。すでに続投を明言している同オーナーは、信頼は変わらないかと聞かれ「もちろん、そうです」と即答した。
ヒーローインタビュー後、写真撮影をする左から、大山悠輔内野手、植田海内野手、糸原健斗内野手=京セラドーム大阪
これが猛虎の、男の意地だ。大山悠輔内野手が 3点を追う 8回に「2点適時2塁打」を放ち、連夜の「ミラクル逆転勝ち」を呼び込んだ。今季初めて「6番」に下がった前日は「逆転サヨナラ3ラン」を放つなど、「4番」降格後は 5安打 5打点の大活躍。矢野燿大監督(50)の“奪い返せ指令”に即答して「3位」広島を連倒し、ゲーム差を「4.5」に縮めた。
◇ ◇ ◇
思い切って振り抜いた。表情を変えることなく、大山は 2塁ベースに到達。京セラドーム大阪を歓喜で沸き立たせた男は、ふぅーっと息をついた。
「狙い球はありました。でも、どっちもいける準備もしていた。甘いところに来たので、それをミスショットせずに打ち返せた」
8回裏阪神無死 1、 2塁、大山悠輔内野手は「中越え2点適時2塁打」を放った=京セラドーム大阪
3点を追う 8回無死 1、 2塁。ここぞの場面で期待に応えた。今村の 2球目、高めのスライダーを捉えると打球はグンと加速した。「手応えがあったので、抜けるとは思いました」。 1点差に迫るフェンス直撃の適時 2塁打。「甘いボールは(打席で) 1球来るか来ないか。ファウルにしてしまったら結果も変わってくる」。一振りで仕留めた。
新打線が機能した。「4番」マルテ、「5番」ソラーテの助っ人コンビがチャンスを作ってくれた。「送りバントの作戦も頭にあった。そこで(ベンチは)『打て』を出してくれた。結果で応えないと、と思った」。執念の一打が糸原の同点打を呼び、陽川の野選で一挙 4点の逆転劇を完結させた。
重圧を背負い、ゲームに臨んでいる。開幕から 105試合「4番大山」として生きてきた。打てば天国、打てなければ地獄…。ポップフライを打ち上げ、ため息に包まれても、決して全力疾走を怠らなかった。
8回裏阪神無死 1、 2塁、大山悠輔内野手は「中越え2点適時2塁打」を放った=京セラドーム大阪
だから幸運も訪れる。10日に「逆転サヨナラ弾」を放った直前の 7回。右前打を打った際、ユニホームにトンボが止まった。気付いたのは本人ではなく広島ベンチだった。突然京セラドーム大阪に出現した「幸せのシンボル」。ぴったりくっつき、「サヨナラ弾」のパワーを与えたのかもしれない。
「4番」を外れてから、 2戦連続で「ミラクル逆転勝ち」のヒーローになった。この 2日間で 5安打 5打点。これが男の意地だ。だが「(4番を)奪い取るべき立場」と、再奪取指令を出している矢野監督は手放しで喜ばず、「やることは何も変わらない。悠輔自身のバッティングのレベルを上げていくところ」とさらなる奮起を期待した。
「勝利打点9個」は「セ・リーグ2位」。大山が打てば、勝利がグッと近づく。そのバットで「3位」広島を連倒して「4.5ゲーム」差。「落としていい試合は 1試合もない」。覚悟を決めて、力の限り振るだけだ。
1回裏阪神無死、近本光司外野手は「左越え2塁打」を放った=京セラドーム大阪
近本光司外野手が、また球団史を塗り替えた。初回、フルカウントから九里の 143キロ直球を左翼線へ打ち返した。「追い込まれてから自分の打撃がいかに出来るか、どういうふうにされたら嫌かを考えて打席に入ったので、自分の中でもいいポイントで打てたかなと思います」。悠々 2塁へ到達すると、クールにガッツポーズ。いきなり先制のチャンスをつくった。
これで今季安打数は「120」に到達。1953年(昭28)に吉田義男がマークした「119安打」を抜き、球団新人の「歴代単独6位」となった。前日10日にレジェンドの安打数に並ぶと、翌日、新たな 1ページを記した。
1回裏阪神無死、近本光司外野手は「左越え2塁打」を放った=京セラドーム大阪
守備でも光った。 3点ビハインドの 8回一死 1塁、中堅へ大きく伸びた小園の打球を、背走しながらキャッチ。抜けていればリードを広げられるピンチを、好守備で救った。直後に大山らが連打して大逆転。ビックプレーを矢野監督も絶賛した。「フェンスの怖さというのもあるだろうし。そういうなかでああいうプレーをしてくれたのは、チームの士気というのが上がったというのはあるだろうし。近本はもちろん、打って走ってというのが魅力ではあるんだけど、もっともっと守備でもいいプレーが出来ると思う」。実力を知るからこそ、さらなる好プレーを期待した。
8回表広島一死 1塁、近本光司外野手は小園海斗内野手の飛球を背走で好捕した=京セラドーム大阪
近本は58年長嶋茂雄の「セ・リーグ新人最多安打153本」を視野に入れるだけでなく、多くの新人記録を更新する可能性がある。「23盗塁」もトップの中日大島、ヤクルト山田哲に 2差の「リーグ3位」。「盗塁王」、そして「新人王」も射程圏内だ。さらには「ゴールデングラブ賞」の可能性も。打って走って守って、猛虎の大逆襲を引っ張る。
8回、適時 2塁打を放った糸原健斗内野手=京セラドーム大阪
糸原健斗内野手は意地の同点打を決めた。
途中出場後、 1点差に迫った 8回一死 3塁、フランスアから中前に落とす適時 2塁打。 6回一死満塁では三振を奪われていただけに「三振もそうですし、最近悔しい思いをしていた。それはグラウンドでしかぶつけられないと思って全部ぶつけました」。ソラーテ加入後はスタメン機会を減らしているが、主将らしく値千金の一打を放った。
8回、中堅に同点 2塁打を放ち、処理がもたつく間に 3塁に滑り込む糸原健斗内野手=京セラドーム
3試合ぶりにスタメンを外れた主将・糸原が 8回に執念の同点打。力強くガッツポーズだ。
「同点になったのがすべて。タイムリーになったのでよかった」
大山の一打で 4- 5とし、なお一死 3塁で打席へ。カウント 2- 1から左腕・フランスアの高めのスライダーを振り抜いた。高く上がった打球は中堅・野間の前で跳ね、適時 2塁打に。カバーした左翼・西川が処理をもたつく間に 3進し、勝ち越し点も演出した。
8回裏阪神一死 3塁、糸原健斗内野手は「適時2塁打」を放ち敵失の間に 3塁へ進塁しガッツポーズを見せる=京セラドーム大阪
「最近、悔しい思いをしていたので。悔しい思いはグラウンドでしかぶつけられない。全部ぶつけたろと思っていた」。ソラーテ加入で慣れない遊撃を守ったり、スタメンを外れることも。 5回一死満塁では代打で空振り三振に倒れていた。
2歳下の大山とは同期入団。お立ち台では「悠輔(大山)もいろいろあると思いますが、 2人でチームを引っ張っていけたらいいかなと思う」と力強く宣言した。
植田海内野手が好走塁で 6点目をもぎとった。
同点に追いついた 8回一死 3塁で糸原の代走として出場。陽川が遊撃正面へ打球を飛ばした間に本塁に滑り込んだ。「打った瞬間少しはねたのだけ見て、セーフになれるやろと思って走りました」。お立ち台では「糸原さんの代走だったので、帰ってこないと怒られると思って走りました」とにやり。 6月 5日のロッテ戦では、 1点を追う 9回一死 3塁で、高山の左翼ライナーに走者の植田が飛び出し、併殺でゲームセット。この日は「『頭だけ整理して行けよ』と( 3塁ベースコーチの)藤本コーチから言われていたので」と、クリアな思考で走りきった。
8回裏阪神一死 3塁、 3走の代走植田海内野手が代打陽川尚将内野手の遊野選で生還し勝ち越す、捕手は會澤翼捕手=京セラドーム大阪
総帥の異例ゲキに応えた! 阪神は 8回に一挙 4点を奪い、 6- 5で広島に連夜の逆転勝ち。夏の長期ロード初のカード勝ち越しを決めた。矢野燿大監督は試合前、藤原崇起オーナーから「みんなで攻撃していこう」と直接エールを受け、攻めの采配で勝利をもぎ取った。「3位」カープとは「4.5」差。虎の夏は、ここからだ!!
攻めて攻めて、勝利をつかみとった。 8回に追いつき、なお一死 3塁。矢野監督が勝負に出た。同点打の糸原に代え、植田をコール。そして采配ズバリの決勝ホームイン! 最大 4点差をはね返し、連夜のコイ倒だ。
「勝負に出た? もちろんもちろん。頭の中ではいろいろよぎりながらね。いつも(選手には)『積極的に』と言っているんで。俺自身も思いきって(植田)海を出した時点で、勝負というのは自分の中で持っていた」
ベンチで植田海内野手(右)を出迎える矢野燿大監督=京セラドーム大阪
ゲキに応えた。試合前練習後、藤原オーナーが監督の下を訪れていた。シーズン中では異例。総帥は「みんなで攻撃していこうと。そういうことです」と明かした。「4位」と苦しむチームへ直々の攻撃指令-。指揮官も攻めのタクトを貫いた。
1回に先制しながら逆転され、突き放された。 6回には 1点を返し、なお一死満塁から代打攻勢も、糸原&原口が連続三振。終始劣勢だったが、前を向き続けた。
迎えた 2- 5の 8回。大山&糸原の適時 2塁打で追いつくと、さらに勝負へ。延長の可能性もある中、 3塁走者に13人目の野手、植田を送った。カープ内野陣の前進守備に対して、指示は「阪神・矢野監督、総帥ゲキに応えた攻撃タクト!植田“当たりゴー”でVホームラン」。そして陽川の遊ゴロに迷わずスタートを切った植田が、間一髪、ホームを陥れた。
「あの打球で、あれだけ内野も前に来ている中で、あれをセーフになれるっていうのは海(植田)にしかできない」
ナインも大盛り上がりで好走塁を称えた=京セラドーム大阪
今季最大級の“矢野ガッツ”で迎えた。
「野球をやっている以上、失敗したことは頭のどっかに残っているし。でも、びびってやっても仕方ない」-。苦い思いがある。 6月 5日のロッテ戦(ZOZOマリン)。 4- 5の 9回一死 3塁で高山の左直に、当たりゴーでスタートを切っていた 3走・植田が戻れず。最悪の併殺で終了した。しかし迷いなし。失敗は恐れなかった。
「粘って粘って時期を待つ。そして果敢に攻めた。素晴らしかった。お盆を前にバンザイです」と藤原オーナー。矢野監督は総帥の激励に「『矢野さんの思うようにやってくれたら』と言ってもらえた」と感謝すると、語気を強めた。
「勢い、出しましょうよ。ね。この 2つ、いい形で勝ったのでね。明日名古屋に乗り込んで、勢いづいていってきます」
お立ち台でポーズをとる(左から)阪神・大山悠輔内野手、植田海内野手、糸原健斗内野手=京セラドーム大阪
夏のロード初、 3カードぶりの勝ち越しで「3位」広島と「4.5ゲーム」差。12日から中日戦に挑む。大山の「4番」変更に続く、執念タクト。指揮官の決断がチームに大きなうねりを生んでいる。
◎当たりゴー
無死または一死で 3塁走者が、打者のバットにボールが当たった瞬間、スタートを切ること。ギャンブルスタートともいう。対して「ゴロゴー」は、生還できる打球かどうかを判断してから、スタートを切る。
◇データBOX◇
◎…阪神が 2試合連続、今季28度目となる逆転勝ち(昨季は24度)。両リーグ最多で、セではヤクルト(23)、巨人、広島(21)、DeNA(19)、中日(17)と続く。パでは西武、楽天の25度が最多で、以下ソフトバンク(24)、ロッテ(23)、北海道日本ハム、オリックス(19)。
◎…阪神は 3カードぶりの勝ち越し。また広島には今季「11勝10敗」とし、 1つ勝ち越した。「3連覇」中のカープには昨季「10勝15敗」など、 4年連続で負け越し中。
※阪神2試合連続逆転勝ち!近本120安打到達!新人歴代6位!望月がプロ初勝利逃す…浜地2勝目!-2へ続く!