●阪神先発の青柳晃洋投手(25)は 2回一死満塁のピンチを招くも連続三振で切り抜けた。DeNA先発の濱口遥大投手(24)は 3回まで 1安打無失点。阪神は 5回二死満塁から押し出し四球で先制し、続く福留孝介外野手(42)が走者一掃の適時 2塁打。DeNA濱口は 5回途中 4失点で降板した。阪神は「3本塁打」を含む 8得点。投手陣も無失点リレーを続け連敗を3で止めた。DeNAは好機で 1本が出ず、濱口が「5敗」目。
●福留孝介外野手が20日、DeNA戦(京セラ)に「3番・左翼」で出場し、 5回に 3点打を放ち、 4点差に広げた。 5回、押し出し四球で 1点を先制すると、なおも二死満塁で福留が打席へ。先発・濱口の 4球目、外角低めの 116キロ変化球を右中間へはじき返して、走者一掃の 3点 2塁打にした。これで18日の巨人戦(東京ドーム)から 2試合連続となる適時打。 3打点を記録したのは、 4月30日の広島戦(甲子園)以来だ。福留孝介外野手が、連敗を「3」で止める走者一掃 2塁打を放った。 1点を先制した 5回、なお二死満塁。 3点打を右中間へ運んでリードを 4点に広げ、完全にゲームを支配した。これが「歴代14位の日米通算2372安打」で、中日時代の監督、落合博満(65)を超える節目の 1本。19日に球界最年長となる来季の契約更新が判明したベテランが、逆転CSへネバーギブアップで引っ張る。
●大山悠輔内野手(24)が途中交代した。 6回二死 1、 2塁で先発青柳が降板。マウンドに内野手らが集まると、大山は 1一塁側ベンチにダッシュ。青柳から岩崎優投手(28)への投手交代と同時に、 3塁手も交代。代わって北條史也内野手(25)が 3塁を守った。大山はこの日、初回の先制機に空振り三振。 5回に回ってきた追加点の好機でも空振り三振に倒れていた。波に乗りきれなかった若き主砲に、荒療治が施された。「5番・3塁」で先発した大山がわずか 3打席で 6回の守備の途中からベンチへ。これまで大事に育ててきた矢野燿大監督(50)が、ついに“非情采配”を振るった。残り29試合で「3位」広島とは「5ゲーム」差。同じ轍を踏んでいては差が縮まらないことは、将自身がわかっている。
● 2カ月半ぶりに 1軍に昇格した中谷将大外野手(26)が、 5回に「左翼線2塁打」を放ってチャンス拡大に貢献した。「7右翼」で昇格即スタメン起用され、首脳陣の期待に応えた。
●虎のキャプテンが、本塁打攻勢の口火を切った。糸原健斗内野手(26)がダメ押しの「2号ソロ」。 4点リードの 6回無死、 141キロ直球を右翼席へと運び去った。本塁打は 7月 6日広島戦(甲子園)以来。次戦へ表情を引き締めた。
●阪神の「2番」木浪聖也内野手が 2試合連続の「マルチ安打」で気を吐いた。 4回に先制となる押し出し四球を選ぶと、 7回、 8回と立て続けに中前打を放った。この日も 2度の生還で勝利に貢献するなど、 6日の再昇格から存在感を発揮している。
●ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が20日のDeNA戦(京セラ)でダメ押しの「11号2ラン」。特大の一発で、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。 5点リードの 7回二死 1塁。笠井崇正投手(25)の 138キロをすくい上げると、打球は大きな放物線を描いて左翼席に着弾。 7日のヤクルト戦(神宮)以来のアーチでさらにリードを広げてみせた。この日、ヤンガービス・ソラーテ 内野手(32=サンフランシスコ・ジャイアンツ)が登録抹消となり助っ人野手は再びマルテひとりとなったが、持ち前の長打力で崖っぷちの虎を救った。「TORACO DAY」と銘打たれたこの日、マルテもピンク色のテーピングを左手首に巻いて試合に出場した。黄色い声援に応える、頼もしく大きなホームランだった。「3連敗」した巨人戦で合計 6得点に終わった打線は、福留やマルテに乗せられるように 1試合で 8得点と元気になった。 6回には糸原が「2号ソロ」、 8回には梅野隆太郎捕手(28)が「8号ソロ」を放って今季 5度目の 1試合 3発だ。矢野監督はたたえた。ソラーテもエフレン・ナバーロ内野手(33)も 2軍で、助っ人野手は 1人になり、しかも「4番」だ。「逆転CS」へ責任感を増す助っ人砲が、バットでチームを引っ張っ張る。
●先発の青柳が 5回 2/3を無失点。 8三振を奪う力投だった。巨人に「3連敗」を喫して迎えた一戦。意気込んでいた通り、ピンチを招いても粘りを発揮し、役目を果たした。 2回は先頭から連打を浴びたが、戸柱恭孝捕手(29)を投ゴロ。その後の一死満塁から濱口、神里和毅外野手(25)を連続三振に仕留めた。 4回は柴田竜拓内野手(25)を併殺打にするなどして切り抜け、 5回の打線の援護を呼んだ。 8回途中まで投げた13日の中日戦に続く無失点投球。制球難から崩れる不調を脱したことを印象づけた。マウンドの外でも“舌好調”だった。この日は女性ファンが楽しめるイベントが行われた「TORACO DAY」。これにちなんで、ともにお立ち台に上がった糸原から話を振られると、青柳は絶妙な返しで“黄色い”笑いを誘った。シーズン終盤戦は、チームトップ「6勝」の右腕を中心に加速していく。
●岩崎優投手(28)がナイス救援で連続無失点を11試合に伸ばした。 4点リードの 6回二死 1、 2塁で青柳を救援。代打細川成也外野手(21)を 138キロの真っすぐで見逃し三振に斬った。登板30試合で防御率は驚異の「0.78」。連日の大仕事にもクールで謙虚だ。
●金村曉投手コーチ(43)は、抑えを藤川球児投手(39)に任せることを明言した。この日ラファエル・ドリス投手(31)が再昇格したが「 8回ピアース・ジョンソン(28=サンフランシスコ・ジャイアンツ)、 9回藤川が基本線。この日は点差も開き、ドリスが 8回に登板したが、今後は 6、 7回での起用になる方針。盤石のブルペンを全員で支えていく。
記事をまとめてみました。
<阪神 8- 0DeNA>◇第19回戦◇阪神11勝 7敗 1分◇20日◇京セラドーム大阪
阪神先発の青柳は 2回一死満塁のピンチを招くも連続三振で切り抜けた。DeNA先発の濱口は 3回まで 1安打無失点。
阪神は 5回二死満塁から押し出し四球で先制し、続く福留が走者一掃の適時 2塁打。DeNA濱口は 5回途中 4失点で降板した。
阪神は「3本塁打」を含む 8得点。投手陣も無失点リレーを続け連敗を3で止めた。DeNAは好機で 1本が出ず、濱口が「5敗」目。
6回裏阪神無死、糸原は「右越え本塁打」を放ち、ナインに迎えられ笑顔で「Vサイン」=京セラドーム大阪
阪神が20日のDeNA戦(京セラ)で 8- 0で快勝。連敗を「3」でストップした矢野燿大監督は「福留の 3点タイムリーで一気に流れを持ってこられた」と、 5回に福留が放った「3点2塁打」をポイントに挙げた。
--連敗ストップの快勝
「うれしいです」
--福留の一打が大きかった
「本当に、あの 1点だけでは流れがこっちにこないところだったので、本当に孝介(福留)のタイムリーで一気に流れを持ってこれましたね」
--その後の「3本塁打」で追加点も大きい
「チームが乗っていくためにはね。孝介のタイムリーはすごく大きかったですけど、やっぱりみんなが打っていくというところでムードも上がってくるんでね。そういうところではホームランも出たり、ヒットも出たりという形で勝てたので大きいと思います」
--大山途中交代の意図は?
「意図はいろいろありますけどね」
--青柳の投球をどう見た?
「調子はそんなに悪くはなかったと思いますしね。序盤は苦しい場面もありましたけど。そこを粘れたというのが良かったと思いますし、リュウ(梅野)もしっかり引っ張っていってくれたかなと思います」
5回、「3点適時2塁打」を放った福留孝介外野に向けガッツポーズする矢野燿大監督(左)と清水雅治ヘッドコーチ=京セラドーム大阪
--交代のタイミングは?
「点取った後だったんで、あそこはどうしても0でいきたかったんで。続投でもどうかなというところだったと思うんですけど、しっかりゼロで抑えて流れを留めておきたいということで代えました」
--久しぶりの1軍復帰のドリスが三者凡退
「元気でしたね。いいボールいってましたし。(外国人)枠の関係でちょっと下に行ってという形になりましたけど、またチームの戦力になってくれるなっていうピッチングを見せてくれた」
--今後の起用法は?
「現状はそのまま。球児(藤川)を抑えにいきますし。ドリスをどこで使うかっていうのはその場面、試合によってかわってくるかなと思います」
--明日は秋山が先発。明日に向けて
「チームの流れをね、今日の青柳みたいに粘って何とかこっちに流れが来る形で、打線が今日みたいに援護していけるように。そういう試合をしたいと思います」
5回裏阪神二死満塁、右中間へ走者一掃の「3点適時2塁打」を放った福留孝介外野手=京セラドーム大阪
福留孝介外野手が20日、DeNA戦(京セラ)に「3番・左翼」で出場し、 5回に 3点打を放ち、 4点差に広げた。
5回、押し出し四球で 1点を先制すると、なおも二死満塁で福留が打席へ。先発・濱口の 4球目、外角低めの 116キロ変化球を右中間へはじき返して、走者一掃の 3点 2塁打にした。
これで18日の巨人戦(東京ドーム)から 2試合連続となる適時打。 3打点を記録したのは、 4月30日の広島戦(甲子園)以来だ。
5回裏阪神二死満塁、右中間へ走者一掃の「3点適時2塁打」を放った福留孝介外野手=京セラドーム大阪
福留孝介外野手が、連敗を「3」で止める走者一掃 2塁打を放った。 1点を先制した 5回、なお二死満塁。 3点打を右中間へ運んでリードを 4点に広げ、完全にゲームを支配した。これが「歴代14位の日米通算2372安打」で、中日時代の監督、落合博満を超える節目の 1本。19日に球界最年長となる来季の契約更新が判明したベテランが、逆転CSへネバーギブアップで引っ張る。
◇ ◇ ◇
福留が貫禄の一撃で試合の流れを引き寄せた。 5回二死満塁。木浪が押し出し四球を選び、先制に成功した直後だった。
「“青柳さん”が一生懸命に頑張っていたので、何とか追加点をと。1点だけじゃなく、どんな当たりでもヒットをと思いました」
5回、「3点二塁打」を放った福留孝介外野手。チームにとって苦手な満塁で結果を出した=京セラドーム大阪
濱口の 116キロチェンジアップを捉えた打球は右中間へ。一走木浪までもが決死のヘッドスライディングで本塁にかえると、 2塁ベースで両拳を強く握った。
プロ入りした中日で星野、山田、落合の3監督と出会い、常勝軍団の礎をたたき込まれた。このヒットで「日米通算歴代14位の2372安打」目。通算安打で選手落合を越えた。その監督のもとで4年間学んだ落合野球について、こう語ったことがある。「派手さはない、魅せる野球ではないけど、勝つことにトコトンこだわった。チームが勝つなら、(走者 3塁では)ゴロを打って 3塁走者がかえってくればそれでいい。それで点が入る。チームも勝てる。そういう野球だった」。ストイックなまでに勝利一徹。教わった野球道は今もブレることなく、勝利を追求する姿は変わらない。
5回裏阪神二死満塁、右中間へ走者一掃の 2塁打を放ち小さくガッツポーズする福留孝介外野手=京セラドーム
リーグ最年長野手の42歳。ベンチでは若手の横に座って「カウンセリング」を行うことも少なくない。チーム力を底上げするために、悩める若手を徹底サポート。先発した青柳にも、左打者目線で日ごろから的確なアドバイスを送り、課題克服をアシストしてきた。
この日は試合開始 7時間前の午前11時にグラウンド入り。黙々とポール間を走った。途中からは近本も参加。言葉以上に、背中でも若手を引っ張る。試合後は「負けが続いていたので、大阪に帰ってきて頭が取れたのはよかった」とサラリ。矢野監督は「やっぱり孝介だよね。あれが1番大きい。追い込まれてのあの 1本は、今日のポイント」と絶賛した。「3位」広島とのゲーム差は「5」のままだが、「逆転CS」へ最後まで諦めない姿は心強いシンボルだ。
5回裏阪神二死満塁、福留孝介外野手の走者一掃の 2塁打に歓喜する阪神ベンチ=京セラドーム大阪
球団は球界最年長となる43歳の来季も、コーチ兼任でなく選手として契約する方針を固めている。強さの秘訣(ひけつ)を伝達して、勝利の喜びを分かちあう-。虎にはまだまだ、福留の力が必要だ。
「逆転CS」あきらめん!! 福留孝介外野手が 1- 0の 5回二死満塁から走者一掃の「3点2塁打」。今季自己最長「7戦連続安打」となる貴重なタイムリーで打線を勢いづけた。チームはDeNAに快勝し、連敗を「3」でストップ。「3位」広島とは「5ゲーム」差のままだが、必死に食らいついていく。
口を真一文字に結び、両手で小さくも力強いガッツポーズを 2塁上で握った。打球は大歓声でビリビリと震える空気を切り裂くように、低い弾道で右中間へ。こんな痛快な一撃がみたかった。福留が満塁で勝利を呼び込む 3点打。先発の青柳、糸原とともに上がったお立ち台で胸を張った。
福留孝介外野手の「3点2塁打」で生還した(左から)木浪聖也内野手、中谷将大外野手、近本光司外野手。打線が勢いづいた=京セラドーム大阪
「青柳“さん”が一生懸命がんばっていたので。なかなか勝ちをつけてやれなくて、野手が迷惑をかけていたので。大阪に帰ってきて、(カード)頭をとれたのは大きいと思います」
女性ファンが多く詰めかけた「TORACO DAY」で「3連敗」中の嫌な流れを振り払った。 0- 0の 5回無死 2、 3塁から梅野、青柳が続けてスクイズ失敗…。近本が申告敬遠で塁が埋まり、木浪が押し出し四球を選んで先制点をもぎとると、なおも満塁で背番号「8」の出番だ。カウント 1- 2から浜口のチェンジアップをとらえ、 3戦連続打点となる走者一掃の「右中間3点2塁打」で一気に突き放した。
8回、本塁打を放った梅野隆太郎捕手=京セラドーム大阪
「(スクイズ失敗は)ミスしたことは終わっている。自分は自分のことを、と思って打席には入っているので」とサラリと振り返ったが、チームとして満塁でのタイムリーは11日の広島戦(京セラ)で 6回に梅野が右前へ放って以来、 7試合ぶり。その後は 8度の満塁機で一度も安打が出ていなかった(犠打 1)。この試合まで今季満塁での「チーム打率は0.158」。勝負を決めきれない打線のモヤモヤも吹き飛ばした。
どこにいても、いつ何時でも役者が違った。両ふくらはぎ痛の影響で 2度目の抹消中、甲子園で行われたウエスタンの試合前練習で、阪神園芸関係者をビックリさせる一言を放った。「エアレーションやってるんですね」。芝生に穴を開け、通気性を増す専門的な手入れ法だが「他の選手からいわれたことはない。みる場所が違う」と“神整備”で支える同関係者もうなるしかない。日米通算21年目。周囲の環境の変化を敏感に感じ取る百戦錬磨の経験値が、今季「満塁打率0.333(9打数3安打8打点)にもあらわれる。
「TORACO DAY」で女性ファンとタッチを交わす福留孝介外野手=京セラドーム大阪
矢野監督は「やっぱり(福留)孝介だよね。あれが一番大きいよね。あれがあるからピッチャーも代わって、むこうも勝ちパターンを出せないわけだから」と最敬礼。ベテランの一打で「3位」広島に「5ゲーム」差で食らいつき、まだまだCSへの夢はあきらめない。
「(つなぐ意識が)きょうできた、それでいいやじゃなくて、きょうはこれで終わった。またあした、 1人 1人がそういう気持ちでグラウンドでプレーできればいい」と福留。もう次の「1勝」しか見えていない。夏の終わりから始まる大反攻を引っ張っていく。
ナインとハイタッチするラファエル・ドリス投手、福留孝介外野手、青柳晃洋投手(左から)=京セラドーム大阪
■福留孝介外野手について濱中治打撃コーチ
「最高の形で打ってくれました。あの一打で勝てたようなもの。チェンジアップを空振りして、次(同じ球)を仕留めるのはさすが。悠輔(大山)とかも見習ってほしいし、勉強になる一本でした」
◇データBOX◇
◎…福留が今月12日の中日戦(ナゴヤドーム)から 7試合連続安打。昨年 6月24日の広島戦(甲子園)から 7月16日の巨人戦(甲子園)に「10試合連続安打」をマークして以来、今季最長。
◎…福留の 1試合 3打点は 4月30日の広島戦(甲子園)以来。 3打点以上は今季 4度目。
6回途中に大山悠輔内野手を交代させた矢野燿大監督=京セラドーム大阪
大山悠輔内野手が途中交代した。 6回二死 1、 2塁で先発青柳が降板。 マウンドに内野手らが集まると、大山は 1一塁側ベンチにダッシュ。青柳から岩崎への投手交代と同時に、 3塁手も交代。代わって北條が 3塁を守った。 大山はこの日、初回の先制機に空振り三振。 5回に回ってきた追加点の好機でも空振り三振に倒れていた。
1回裏阪神二死 2、 3塁、三振に倒れた大山悠輔内野手=京セラドーム大阪
波に乗りきれなかった若き主砲に、荒療治が施された。「5番・3塁」で先発した大山がわずか 3打席で 6回の守備の途中からベンチへ。これまで大事に育ててきた矢野監督が、ついに“非情采配”を振るった。
「内容もよくなかったのもあるし、優(岩崎)も次の回もいく予定というか、可能性もあったところやから。そういう意味で代えました」
1回からブレーキになった。 1回二死から福留の四球とマルテの「左翼線2塁打」で先制のチャンスを迎えたが、大山は外角のワンバウンドした変化球に手を出して空振り三振。さらに虎党を落胆させたのは 5回だ。福留の「3点2塁打」に続いてマルテが四球を選んでつなぐも、またしてもバットは外角の同じようなスライダーに続けて空を切り三振。大歓声が一気にため息に変わった。
6回途中に大山悠輔内野手(左)を途中交代させた矢野燿大監督(右)。わずか 3打席で見切った=京セラドーム大阪
続く 6回の守備で青柳が二死 1、 2塁のピンチを背負い、継投に入ったところで非情なアナウンス。「大山に代わりまして、ピッチャー岩崎」-。今季 3度目の途中交代。 3打席では最短。間違いなくもう 1打席まわってくる状況での交代は初めてだった。
直近の巨人 3連戦では11打数 1安打の大不振で3連敗の一因になったばかり。そして、この日も 3打数無安打 2三振。大山を見切った形だ。背番号「3」は試合後、室内で悔しさを振り払うようにバットを振り、約 1時間後に球場を後に。報道陣の問いかけに「お疲れさまでした」と力なく答えるだけだった。
定位置だった 3塁には今季初めて北條が送られ、矢野監督は「ジョー(北條)もそこ( 3塁)を奪いにいけばいいやろうし、もちろんショートでも競争してるし。あそこらへんみんな年齢も同じなんでね。そうやって切磋琢磨してやってくれたら」と話した。大山は21日にも今季初めてスタメンを外れる可能性がありそうだ。
「5番」でスタメン出場した大山だが…=京セラドーム大阪
「青柳みたいに粘って、何とかこっちに流れが来る形で、打線がきょうみたいに援護していけるように。そういう試合をしたいと思います」
残り29試合で「3位」広島とは「5ゲーム」差。同じ轍を踏んでいては差が縮まらないことは、将自身がわかっている。
■途中交代させた大山悠輔内野手について清水雅治ヘッドコーチ
「悔しい気持ちもあると思う。悔しさが出たら、新しい大山悠輔がみられると思う。(今後は)使うのは使うと思うし、ダメだとレッテルを貼ったわけではないので」
6回途中から名前が消えた=京セラドーム大阪
■大山悠輔内野手に代わって 3塁の守備に就き、 8回には右前打を放った北條史也内野手
「自分のいいパフォーマンスができるように」
★大山悠輔内野手の途中交代VTR
4月12日の中日戦(甲子園)に「4番・3塁」で先発出場。 0- 6から近本の適時打などで 2点差に迫った 7回二死満塁、谷元の 1、 2球目の外角低めの変化球を空振りすると、 3球目の内角直球に詰まって力負けの 3ゴロ。矢野監督は 8回の守備から 4打数無安打の大山を交代させた。試合は 4- 9で敗れた。
5回裏阪神無死一塁、「左翼線2塁打」を放った中谷将大外野手=京セラドーム大阪
2カ月半ぶりに 1軍に昇格した中谷将大外野手が、 5回に「左翼線2塁打」を放ってチャンス拡大に貢献した。
「自分の中でも 1本出たのは、次につながる。毎日、結果を出せるようにやっていきたい」。「7右翼」で昇格即スタメン起用され、首脳陣の期待に応えた。
6回、本塁打を放った糸原健斗内野手=京セラドーム大阪
虎のキャプテンが、本塁打攻勢の口火を切った。
糸原健斗内野手は 4点リードの 6回に、先頭打者で右翼へ「2号ソロ」。「自分が 1番ビックリした。出塁することだけ考えていたが、最高の結果になった」。
本塁打は 7月 6日広島戦(甲子園)以来。「残り試合、全員で前を向いて戦うだけ」と次戦へ表情を引き締めた。
六回裏、ナインにタッチで迎えられ笑顔を見せる糸原健斗内野手
6回裏阪神無死、「右越え本塁打」を放ち、ナインにタッチで迎えられ笑顔を見せる糸原健斗内野手=京セラドーム大阪
糸原がダメ押しの「2号ソロ」。 4点リードの 6回無死、 141キロ直球を右翼席へと運び去った。「先頭だったので、出塁することだけを考えていました。それが最高の結果になりました」。これまで通算「3本塁打」はすべて甲子園で放っていた。 5回先頭でも四球を選び、一挙 4得点を演出。「残り試合、全員で前を向いて戦いながらチーム一丸となって頑張ります」と意気込んだ。
7回裏阪神一死、中前安打を放った木浪聖也内野手=京セラドーム大阪
阪神の「2番」木浪聖也内野手が 2試合連続の「マルチ安打」で気を吐いた。
4回に先制となる押し出し四球を選ぶと、 7回、 8回と立て続けに中前打を放った。この日も 2度の生還で勝利に貢献するなど、 6日の再昇格から存在感を発揮している。「まだまだです。打つ方もですけど、守備も」と浮かれることなく、表情を引き締めた。
※阪神3発8得点で連敗ストップ!福留、走者一掃の3点2塁打!青柳、2戦連続で無失点!-2へ続く!