●投手戦の展開となった。DeNA先発今永昇太投手(26)、阪神先発西勇輝投手(28=オリックス)の投げ合い。両チームともに 3回まで無得点で中盤戦に。阪神が 4回一死満塁から中谷将大外野手(26)の左前打で 2点を先制。木浪聖也内野手(25=ホンダ=亜細亜大學OB)のスクイズなど、この回 4点を奪取した。西は 5回無失点で岩崎優投手(28)に継投。阪神が「4連勝」。先発西がFA移籍 1年目で「10勝」目。DeNAは「2連敗」でシーズン最終戦を終えた。今永が 8回途中 7失点で「7敗」目。矢野阪神がDeNA戦(横浜)に勝利し、「逆転クライマックスシリーズ(CS)進出」に望みをつないだ。「6番」中谷将大外野手が 4回に左前へ「先制2点打」を放つなど一挙 4得点。執念の猛攻で白星をたぐり寄せた。脳腫瘍の影響で現役引退する阪神横田慎太郎外野手(24)から勇気をもらったナインが輝きを放った。29日から本拠地甲子園で運命の 2試合を迎える。 4回の猛攻に「大逆転CS」への思いが詰まっていた。 2四球と糸原健斗内野手(26)の内野安打で一死満塁。打席に入った中谷が、追い込まれながら今永の直球をつかまえた。打球は左翼前にはずみ、走者 2人が生還。続く木浪はなお一死 1、 3塁から絶妙スクイズ。梅野隆太郎捕手(28)は右前適時打とノンストップの攻撃で 4点をもぎ取った。残り 2試合で「2勝」が「CS進出」への条件だ。チームは「4連勝」で月間勝ち越しも決めた。横田魂を宿した虎ナインが奇跡を起こす。
●左足の張りを訴えてベンチ入りしていないジェフリー・マルテ内野手(28)に代わり、大山悠輔内野手(24)が「4番・1塁」でスタメン出場。 8月 9日の広島戦(京セラ)以来、出場36試合ぶりに「4番」に座った。ジェフリー・マルテ内野手が28日、横浜への遠征にも帯同しておらず、鳴尾浜で調整した。24日の巨人戦(甲子園)で左足の張りを訴えて途中交代。前日27日の全体練習ではグラウンドには姿を見せず、室内で調整していた。「CS進出」の可能性も残しているため、登録抹消はせず、29日以降は状態を見て、判断するという。今季はここまで 105試合に出場し、「打率0.284、12本塁打、49打点」。 8月から「4番」として支えてきた主軸の欠場はチームにとって痛手となる。代役として「4番」に再起用される可能性が高い大山は気合を込めていた。
●「逆転CS」へ向けて残り 3戦全勝が必要な阪神が、一気に 4点を先制した。 3回までDeNA先発の今永を前にわずか 1安打。 4回一死から福留孝介外野手(42)が四球で出塁し、大山も四球を選び一死 1、 2塁。続く糸原の打球を 1一塁手のホセ・ロペス内野手(35)が捕球するも、ベースカバーに入った今永がベースを踏み損ねた。ラッキーな内野安打で一死満塁とし、「6番」中谷が左翼へ 2点適時打。大きな先制打となった。前日27日に広島が敗れたため、「自力CS」進出の可能性が復活。「奇跡の逆転CS」へ最後まで諦めない。
●阪神「ドラフト3位」木浪聖也内野手(25=ホンダ=亜細亜大學OB)が執念のスクイズを成功させた。 2点先制した直後の 4回一死 1、 3塁、低めスライダーに両足を崩して転がした。矢野燿大監督(50)も「納得顔だった。逆転での「クライマックスシリーズ(CS)進出」に向け、矢野燿大監督が勝負手を繰り出す。チルドレンたちがそれに応える!膝をついた。これぞ“正座スクイズ”だった。引き分けでも終戦となる土俵際で、木浪が執念をみせた。外角低めの変化球にバットを寝かせ、両膝をつきながら 1塁方向に転がした。プロ入り初のスクイズを成功させ、ホッと胸をなで下ろした。思えば星野仙一監督(70歳没)の下、18年ぶりに「リーグ優勝」した2003年もそうだった。 5月 6日の中日戦(ナゴヤドーム)で井川慶投手(40=当時24)が川上憲伸投手(44=当時28)の投球を“顔面スクイズ”。投打の歯車や指揮官、ナインの思い。すべてをかみ合わせるワンプレーこそが木浪の“正座スクイズ”だった。近本光司外野手(24=大阪ガス)と“キナチカ”として球団史上初の「新人1、2番」でスタートしたシーズンも残り 2試合。ここで終わらない。 2カ月半ぶりの「7番」でも大仕事-。矢野チルドレンとして、集大成をみせる。
●今季限りで退団する鳥谷敬内野手(38)は、レギュラーシーズン最後の敵地で好守に阻まれた。大歓声の中、 4点リードの 8回に代打登場。先頭で右翼線後方に飛球を打ち上げたが、右翼手ネフタリ・ソト内野手(30)が間一髪で腕を伸ばしてキャッチした。懸命に腕を伸ばしたソトの好捕に阻まれ、「プロ通算2086安打」目はならなかったが、耳をつんざくばかりの拍手と歓声に包まれた。シーズンも29日、30日の中日 2連戦(甲子園)のみ。引き分けでも「Bクラス」が決まり、その段階で「阪神・鳥谷」に終止符が打たれる。チームも鳥谷魂で怒涛の追い込みをみせている。虎の野球にはドラマがあることを証明する。全力で「2連勝」、「逆転CS進出」を奪いにかかる。
●近本光司外野手が今季「159安打」目を放った。 8回一死から、今永の直球をとらえて 3塁線へ痛烈な当たり。一死走者なしから今永の外角の直球を流し打ちして左前へ運び、 3得点を呼び込んだ。この日初安打となる左前打を放ち、セ・リーグ新人安打記録を「159」に更新した。新人安打記録で現在、近本は「3位」にランクイン。「1位」は佐々木信也氏(高橋=85=現・野球解説者、スポーツキャスター)が56年に記録した「180安打」。
●福留孝介外野手は貴重な追加点を奪った。 4点リードの 8回一死 1、 2塁で右翼線に飛球を落とし、 5点目をたたき出した。 8回一死から近本の左前打、北條史也内野手(25)の死球で好機をつくると、ベテランが技ありの一打でものにした。 1ボールからの 2球目を振り抜き、右翼と打球を追う 2塁手の間に落ちる適時打に。貴重な 5点目を追加して、相手先発・今永をマウンドから引きずり下ろした。「逆転CS」へ 1敗もできない状況で快勝。力を込めた。
●「逆転CS進出」をかけて、矢野燿大監督が積極的な継投策に出た。先発の西が 5回 4安打無失点で降板し、 6回から岩崎がマウンドに上がった。西はピンチをつくりながらも 3併殺で切り抜け、 4回は 3者凡退。尻上がりに調子を上げ、粘りの投球を見せた。22日のDeNA戦(甲子園)は望月惇志投手(22)が 3回 2/3で降板し、24日の巨人戦(甲子園)は青柳晃洋投手(25)が 4回で降板するなど、ここ最近は早めの継投で連勝中。西勇輝投手が痛みをこらえ、オリックス時代の昨季に続く「2年連続2ケタ勝利」となる「10勝」目を手にした。アクシデントは初回だった。「1番」梶谷隆幸外野手(31)の打球が右足首付近を直撃。ボールをつかみ 1塁へ送球したが、痛みに顔をゆがめ、しばらくその場を動けなかった。だが、 1回を無失点で乗り切ると、その後も走者を背負いながら 3併殺を奪い、 5回 4安打無失点。「逆転CS」の可能性をつなぐ勝利をもぎ取った。矢野監督はねぎらった。西は「大逆転CS進出」の実現へ、バトンをつないだ。岩崎や島本浩也投手(26)ら中継ぎ陣もタスキをつなぎ、チームとして 3年ぶりの「3試合連続無失点勝利」。あと 2つ勝って、再びこのハマスタのマウンドに歩を進める。いよいよ、「逆転CS」。もう夢じゃない。
●ピアース・ジョンソン投手(28=サンフランシスコ・ジャイアンツ)のタイトル獲得の可能性が消えた。この日は登板機会がなく「41ホールドポイント」のまま。リーグトップの中日ジョエリー・ロドリゲス投手(27)は「44ホールドポイント」のため、残り 2戦で上回る可能性がなくなった。
●今季限りで現役引退するランディ・メッセンジャー投手(38)が29日中日戦(甲子園)で先発する。中継ぎ登板の可能性もあったが、当初の予定通りに予告先発として発表された。右腕は鳴尾浜で練習に参加。新人片山雄哉捕手(25=福井ミラクルエレファンツ)に「負けない気持ち」の大切さを説くなど、最後まで自らの経験を伝授していた。意気込む“ラス投”へ、若手選手らとエール交換で最終調整を終えた。
●阪神は28日、エフレン・ナバーロ内野手(33)が米国に帰国したと発表した。今後の試合出場予定がないため。来日 2年目の今季は開幕スタメンだったが15試合出場で「打率2割9厘、0本塁打」にとどまり、大半が 2軍暮らしだった。今季限りで退団する方向。
記事をまとめてみました。
<DeNA 0- 7阪神>◇第25回戦◇阪神16勝 8敗 1分◇28日◇横浜スタジアム
投手戦の展開となった。DeNA先発今永、阪神先発西の投げ合い。両チームともに 3回まで無得点で中盤戦に。
阪神が 4回一死満塁から中谷の左前打で 2点を先制。木浪のスクイズなど、この回 4点を奪取した。西は 5回無失点で岩崎に継投。
阪神が「4連勝」。先発西がFA移籍 1年目で「10勝」目。DeNAは「2連敗」でシーズン最終戦を終えた。今永が 8回途中 7失点で「7敗」目。
先発し5回無失点で「10勝」目を挙げた西勇輝投手=横浜スタジアム
矢野阪神がDeNA戦(横浜)に勝利し、「逆転クライマックスシリーズ(CS)進出」に望みをつないだ。
「6番」中谷将大外野手が 4回に左前へ「先制2点打」を放つなど一挙 4得点。執念の猛攻で白星をたぐり寄せた。脳腫瘍の影響で現役引退する阪神横田慎太郎外野手から勇気をもらったナインが輝きを放った。29日から本拠地甲子園で運命の 2試合を迎える。
◇ ◇ ◇
4回の猛攻に「大逆転CS」への思いが詰まっていた。 2四球と糸原の内野安打で一死満塁。打席に入った中谷が、追い込まれながら今永の直球をつかまえた。「チャンスだったので何とか、前に飛ばそうと思った」。打球は左翼前にはずみ、走者 2人が生還。続く木浪はなお一死 1、 3塁から絶妙スクイズ。梅野は右前適時打とノンストップの攻撃で 4点をもぎ取った。
4回表阪神一死満塁、左前に先制適時打を放った中谷将大外野手=横浜スタジアム
ナインの心を震わせたのは、決死のプレーを見せた男の姿だ。脳腫瘍からの復帰を目指した横田の引退試合が26日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦(鳴尾浜)で行われた。 8回守備では本塁突入を試みた走者を渾身(こんしん)のノーバウンド送球で刺した。試合後のセレモニーで騎馬を作って横田を担いだ中谷も「野球が出来ることに感謝をして、横田の分も頑張ります」と涙していた。
負ければ“終戦”。トーナメントのような明日なき戦いには、独特の緊張感が漂った。横田の引退試合に駆けつけて花束を渡した矢野監督は「恩返しじゃないけど、俺らも頑張っている姿を見せていく日にもなったと思う」とその姿に感銘を受けた。この日の試合前ミーティングでは「明るくやろう! 楽しくやろう!」と、ナインを鼓舞していた。
4回表阪神二死 2塁、梅野隆太郎捕手の右前適時で生還した先制打の中谷将大外野手を迎える阪神の矢野燿大監督(右)=横浜スタジアム
残り 2試合で「2勝」が「CS進出」への条件だ。中谷は「勝ったらまた(横浜に)戻ってくる。そういう中で今日は(DeNAに)勝てて良かった」。矢野監督も「あと 2つ、そういう試合をしていくのが俺らの野球」と力を込めた。チームは「4連勝」で月間勝ち越しも決めた。横田魂を宿した虎ナインが奇跡を起こす。
▼セ・リーグ3位争い
「3位」広島は「70勝70敗3分け、勝率5割」で全日程終了。「4位」阪神は「4連勝」で「67勝68敗6分け」となり、残りが 2試合。「2連勝」ならば「69勝68敗6分け、勝率5割4厘」で広島を抜いて「3位」に浮上。「1勝1分け」の場合、広島と阪神が「勝率5割」で並ぶが、同率の場合、セの規定では勝利数の多い方が上位。「勝率5割」で並んだケースは、「70勝」の広島が「3位」となる。
左足の張りを訴えてベンチ入りしていないジェフリー・マルテ内野手に代わり、大山悠輔内野手が「4番・1塁」でスタメン出場。 8月 9日の広島戦(京セラ)以来、出場36試合ぶりに「4番」に座った。
オーダーは以下の通り。
阪神のジェフリー・マルテ内野手が28日、DeNA戦(横浜)にベンチ入りせず欠場となった。横浜への遠征にも帯同しておらず、鳴尾浜で調整した。
24日の巨人戦(甲子園)で左足の張りを訴えて途中交代。前日27日の全体練習ではグラウンドには姿を見せず、室内で調整していた。
「CS進出」の可能性も残しているため、登録抹消はせず、29日以降は状態を見て、判断するという。今季はここまで 105試合に出場し、「打率0.284、12本塁打、49打点」。 8月から「4番」として支えてきた主軸の欠場はチームにとって痛手となる。
近本光司外野手(右)とともに、新横浜駅に到着した大山悠輔内野手=新横浜駅
阪神のジェフリー・マルテ内野手が28日のDeNA戦(横浜)を欠場することが27日、決定的になった。矢野燿大監督が「厳しそうやな」と明らかにした。
「マルちゃんが難しくなりそうだというのは、チームにとってマイナスな部分はあるけど。別に『4番』だけで戦えるわけじゃないからね、うちの打線は。みんながランナーで出て、みんなでつないで、みんなでかえして、しかできない」
マルテは24日の巨人戦(甲子園)で左足の張りを訴えて途中交代。この日甲子園で行われた全体練習でも屋外に姿は見せず、室内で調整した。 8月から不動の「4番」として結果を残してきた助っ人だけに痛手となる。
代役として「4番」に再起用される可能性が高い大山は「しっかり準備はしているので、それが出せるように頑張ります」と気合を込めていた。
■大山の「4番復帰」の可能性について清水雅治ヘッドコーチ
「これから考えます」
4回表阪神一死満塁、中谷将大外野手は先制の「2点適時打」を放った=横浜スタジアム
「逆転CS」へ向けて残り 3戦全勝が必要な阪神が、一気に 4点を先制した。
3回までDeNA先発の今永を前にわずか 1安打。 4回一死から福留が四球で出塁し、大山も四球を選び一死 1、 2塁。続く糸原の打球を 1一塁手のロペスが捕球するも、ベースカバーに入った今永がベースを踏み損ねた。ラッキーな内野安打で一死満塁とし、「6番」中谷が左翼へ 2点適時打。「追い込まれていたので、必死に食らいついていきました」と大きな先制打となった。
4回表阪神一死 1、 3塁、木浪聖也内野手は倒れ込みながらスクイズバントを決める=横浜スタジアム
攻撃の手は緩めず、一死 1、 3塁から「7番」木浪が体勢を崩されながらも 3点目のスクイズ成功。「必死に食らいつきました。 2度、 3度あるサインではないので、 1発で決めることが出来て良かったです」。なおも二死 2塁から「8番」梅野が右前打を放ち 4点目をもぎとった。「聖也(木浪)が目の前で(スクイズを)しっかり決めてくれたので、残ったランナーをかえすことに集中しました」と流れを離さなかった。
前日27日に広島が敗れたため、「自力CS」進出の可能性が復活。「奇跡の逆転CS」へ最後まで諦めない。
4回表阪神一死 1、 3塁、スクイズを決める木浪聖也内野手=横浜スタジアム
阪神「ドラフト3位」木浪聖也内野手が執念のスクイズを成功させた。
2点先制した直後の 4回一死 1、 3塁、低めスライダーに両足を崩して転がした。「あそこで失敗してしまうと流れが…。何か何でも、という気持ちがありました」。矢野監督も「(木浪)聖也がしっかり絶対決めるというような形、気持ちでやってくれた」と納得顔だった。
4回、木浪聖也内野手がスクイズ成功。執念の正座だ=横浜スタジアム
死に物狂いや! 木浪聖也内野手が 4回、執念のスクイズで追加点をたたき出した。逆転での「クライマックスシリーズ(CS)進出」に向け、矢野燿大監督が勝負手を繰り出す。チルドレンたちがそれに応える!
膝をついた。これぞ“正座スクイズ”だった。引き分けでも終戦となる土俵際で、木浪が執念をみせた。
「サインが出てもいいように準備していました。一発で決められて、いい追加点になってよかったです」
4回、中谷の 2点打で先制し、なお一死 1、 3塁。 2球ボールを見送ってからの 3球目だった。
4回表阪神一死 1、 3塁、木浪聖也内野手は倒れ込みながらスクイズバントを決めた=横浜スタジアム
外角低めの変化球にバットを寝かせ、両膝をつきながら 1塁方向に転がした。「必死に食らいつきました」。 3走・糸原が生還。「失敗して流れが相手にいったら嫌だった。何が何でも中(フェアゾーン)に転がそうと思った」。プロ入り初のスクイズを成功させ、ホッと胸をなで下ろした。
矢野監督も「しっかり決めてもらわないと作戦って生きてこない」と勝負どころを振り返った。
結果的に 7得点の大勝となったが、 1点をもぎ取って守り勝つのが、捕手出身の矢野野球だ。
「聖也(木浪)がしっかり、絶対決めるという気持ちでやってくれた。みんながそういう気持ちでつなげた結果が、今日の試合になった」
2003年に“顔面スクイズ”を成功させた井川慶投手=ナゴヤドーム (2008年 5月 6日撮影)
思えば星野監督の下、18年ぶりに「リーグ優勝」した2003年もそうだった。 5月 6日の中日戦(ナゴヤドーム)で井川が川上の投球を“顔面スクイズ”。投打の歯車や指揮官、ナインの思い。すべてをかみ合わせるワンプレーこそが木浪の“正座スクイズ”だった。
近本と“キナチカ”として球団史上初の「新人1、2番」でスタートしたシーズンも残り 2試合。ここで終わらない。 2カ月半ぶりの「7番」でも大仕事-。矢野チルドレンとして、集大成をみせる。
★井川慶投手の“顔面スクイズ”
2003年 5月 6日の中日戦(ナゴヤドーム)。 2点を追う 5回無死 2、 3塁で井川に出たサインはスクイズ。川上の 142キロが顔面近くにきたが、井川はバットを縦にし、成功。その後、10- 2と逆転勝利し、18年ぶりの「リーグ優勝」につなげた。井川はその年自己最多の「20勝」。
8回表阪神無死、代打鳥谷敬内野手は右飛に倒れる=横浜スタジアム
今季限りで退団する鳥谷敬内野手は、レギュラーシーズン最後の敵地で好守に阻まれた。
大歓声の中、 4点リードの 8回に代打登場。先頭で右翼線後方に飛球を打ち上げたが、右翼手ソトが間一髪で腕を伸ばしてキャッチした。「もう(打撃の)感覚とか言っている場合じゃない。また明日、頑張ります」。阪神でのレギュラーシーズンは残り 2試合。全力で「2連勝」、「逆転CS進出」を奪いにかかる。
8回、代打で右飛に倒れた鳥谷敬内野手。レギュラーシーズンでは最後のビジターユニホーム姿だった=横浜スタジアム
ハマスタがどよめいた。終戦すれば、もう、このビジターユニホーム姿を見ることはできない。代打・鳥谷のコールに沸く。そして、右翼への大飛球-。
「もう(バッティングの)感覚とかいっているとき(時期)じゃない」
4- 0の 8回先頭だった。 1ボールからの 2球目。今永の変化球を振り抜いた。外野の頭を越えるか-。懸命に腕を伸ばしたソトの好捕に阻まれ、「プロ通算2086安打」目はならなかったが、耳をつんざくばかりの拍手と歓声に包まれた。
「また明日、頑張ります」
8回表阪神無死、代打で登場し右飛に倒れた鳥谷敬内野手=横浜スタジアム
短い言葉に気合を込めて、帰りのタクシーへと乗り込んだ。
「ユニホームを脱いでいただきたい」と引退勧告をした球団に対しては、その場で他球団に移籍し、現役続行したい考えを伝えている。22日のDeNA戦(甲子園)では今季初の決勝打でお立ち台から「たくさんのファンの方が自分が打席に入ったとき声援してくれている、その声を力に、毎日 1打席だけですけど、そこに向かってしっかり準備しています」と話した。シーズンも29日、30日の中日 2連戦(甲子園)のみ。引き分けでも「Bクラス」が決まり、その段階で「阪神・鳥谷」に終止符が打たれる。
チームも鳥谷魂で怒涛の追い込みをみせている。虎の野球にはドラマがあることを証明する。
8回、安打を放った近本光司外野手=横浜スタジアム
近本光司外野手が今季「159安打」目を放った。 8回一死から、今永の直球をとらえて 3塁線へ痛烈な当たり。この日初安打となる左前打を放ち、セ・リーグ新人安打記録を「159」に更新した。
新人安打記録で現在、近本は「3位」にランクイン。「1位」は佐々木信也(高橋)が56年に記録した「180安打」。
8回表阪神一死、左前安打を放った近本光司外野手=横浜スタジアム
近本は 8回に快音を響かせ、今季「159安打」目を記録。笠原和夫(南海)がもつ「新人歴代2位の160安打」まであと「1」とした。「出塁して(ホームに)返ってこれたので、いい追加点になった」。一死走者なしから今永の外角の直球を流し打ちして左前へ運び、 3得点を呼び込んだ。「CS進出」に望みをつなぎ「しっかり自分の仕事をできるように」と脇を締めた。
8回表阪神一死 1、 2塁、福留孝介外野手は右翼線に適時打を放った=横浜スタジアム
福留孝介外野手は貴重な追加点を奪った。 4点リードの 8回一死 1、 2塁で右翼線に飛球を落とし、 5点目をたたき出した。
「逆転CS」へ 1敗もできない状況で快勝。「どういう勝ち方でも勝つのが一番。ここまで来れば、勝ち方はあまり関係ない。勝つことが大前提」と力を込めた。
8回表阪神一死 1、 2塁、右前に適時打を放ち笑顔を見せる福留孝介外野手(左)と筒井壮外野守備走塁コーチ=横浜スタジアム
福留孝介外野手が 8回一死 1、 2塁で右翼手前にポトリと落ちる適時打を放ち、 5点目を加えた。
8回一死から近本の左前打、北條の死球で好機をつくると、ベテランが技ありの一打でものにした。 1ボールからの 2球目を振り抜き、右翼と打球を追う 2塁手の間に落ちる適時打に。貴重な 5点目を追加して、相手先発・今永をマウンドから引きずり下ろした。
※中谷ら逆転CSへ執念!矢野監督逆転CSへ積極継投!5回0封西から岩崎へ!ナバーロ帰国、退団へ-2へ続く!