●日本国内の「新型コロナウイルス感染者」の累計が25日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含めて 3万人を超え、 3万436人となった。 7月 4日に 2万人を超えた後、わずか 3週間で 1万人増加した。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)の恐れが徐々に強まってきており、病床や軽症者向けの宿泊施設の確保が課題となる。この日は全国で、新たに 759人の感染者が確認された。国内で「新型コロナの感染者」が初めて報告されたのは 1月16日。 4月16日に 1万人に達するまでには 3カ月、 2万人になるまでにはさらに 2カ月半かかっており、増加のペースは速くなっている。東京の新規感染者は 295人で、 5日連続で 200人を超えた。20~30代で全体の約 6割を占める一方、40~50代も 4分の 1程度に上った。都心だけでなく多摩地域でも感染者が出ており、地域的な広がりも見られる。大阪は 132人で、 100人を超えたのは 4日連続となった。感染状況を判断する独自基準「大阪モデル」は警戒を示す黄信号の点灯が 7月12日から続く。このほか愛知で42人、兵庫で24人などだった。秋田で 4月14日以来の感染者が確認された。
●政府が22日に始めた「Go To トラベル」が、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島で混乱の種になりつつある。鹿児島県の最南端にある与論島で22日から24日の間に23人の感染者が確認されていたが、25日、新たに 6人の感染が確認され、与論町での感染者数は計29人になった。島内で唯一、入院患者の受け入れが可能な「与論徳洲会病院」で院内感染が発生。感染者はこれまでに鹿児島市や奄美大島の医療機関へと海上保安庁などの航空機で搬送されている。与論町は、「新型コロナウイルス感染症対策」本部長を兼ねる山元宗町長(76)が緊急で町のホームページを通じ、旅行者に対する来島自粛、島民への外出自粛を呼び掛ける事態に。観光の最盛期だが、高齢者が多く、医療体制も万全とは言い切れない島では、まずは経済より「命を守る」ことを重視せざるを得ない。
●福島県沿岸部で千年の歴史を誇り、国の「重要無形民俗文化財」となっている伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」が25日、開幕した。例年は甲冑(かっちゅう)姿の騎馬武者による競馬など戦国絵巻さながらの光景を見に多くの観客が訪れるが、今年は「新型コロナウイルスの感染防止」のため競馬を含む大部分の行事を中止とし、一部を無観客で27日まで実施。例年は、約 400騎の騎馬武者が街中を練り歩き、メイン会場となる南相馬市の雲雀ケ原祭場地で、上空に打ち上げられ落下する旗を騎馬武者が奪い合う「神旗争奪戦」などが見せ場。昨年は約 3万3000人が来場したが、今年は「神旗争奪戦」も中止となった。東日本大震災や東京電力福島第 1原発事故が起きた2011年も規模が縮小された。
●大阪天満宮(大阪市北区)で25日、天神祭の神事「本宮祭」が「新型コロナウイルスの影響」で参列者を減らして営まれ、動画投稿サイトのユーチューブで生配信された。大阪天満宮によると、天神祭は1000年以上の歴史があるとされ、例年は24日の宵宮と合わせて約 130万人の客でにぎわう。今年は奉納花火や市中心部を流れる川で約 100隻の船が行き交う「船渡御(ふなとぎょ)」など主要行事を中止にし、各種行事の規模を縮小したりした。その上で、混雑を避け、離れた場所からも拝礼できるように、天神祭で中核とされる神事を生中継することを決めた。
●ボリス・ジョンソン英首相(56)は就任 1年を受けた24日放映のBBC放送のインタビューで、「新型コロナウイルス」について「最初の数週間、数カ月は理解していなかった」と述べ、初期対応で、反省の弁を口にした。英国の感染による死者は 4万 5千人を超え、欧州で最多。ジョンソン氏に対しては、ロックダウン(都市封鎖)発動の遅れなど初期対応への批判が出ており、野党幹部は指摘した。ジョンソン氏は、無症状のまま感染が拡大することへの対策が不十分だったとの認識を示した。その上で、今後の教訓とする姿勢を強調した。。BBCによると、ジョンソン氏は近く肥満対策に関する新たな政策を打ち出す。
●「新型コロナウイルス感染」を公表していたブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領(65)は25日、「PCR検査」で陰性となったとツイッターで明らかにした。ボルソナロ氏は感染後も経済を優先し、「新型コロナの脅威」を軽視する姿勢を崩していない。
●熊本県球磨村にある県内唯一の種豚場「そそぎ種豚場」は、今回の豪雨で、 111頭のうち半数以上が濁流に流されるなどの被害を受けた。球磨村は被災後しばらく道路が寸断された状態が続いたため、難を逃れた豚も孤立。陸上自衛隊のヘリコプターが救出した。種豚場では、種豚のほか、年間約80頭しか出荷しない「一勝地赤豚」も飼育。赤豚の肉は甘みがあり、脂身もさっぱりとした味わいで、人吉市や球磨村の旅館などで提供されるブランド豚だ。 4日の大雨で 3つの豚舎のうち1つが土砂崩れに巻き込まれ、他の豚舎も浸水した。経営者の淋博道さん(66)は毎日何回も20リットルの水を抱え、土砂崩れの跡を登って自宅と豚舎を行き来。生き残った54頭の世話を懸命に続けた。やせておびえていた豚は、元気を取り戻しつつあるという。種豚を新たに県内外に出荷するめどもついた。
●大分県は25日、同県由布市の大分川で23日に見つかった遺体の身元を、豪雨で行方不明となっていた旅館業渡辺健太さん(28=同市湯布院町湯平)と確認したと発表した。豪雨による県内の死者は計 4人、九州の死者は計73人になった。渡辺さんらは 7日深夜から 8日にかけ、避難中に車ごと増水した川に流された。渡辺さんの遺体は、祖母登志美さん(81)が見つかった対岸付近で発見された。
●25日午後 3時35分ごろ、長崎県諫早市高来町の「轟の滝」に向かう渓谷の遊歩道で、崖崩れが起きたと 110番があった。諫早署と消防によると、観光に来ていた母娘 3人が巻き込まれ、長崎市の女性(40)と娘の女児( 8)が死亡した。姉(12)が助け出され、意識はあるという。諫早市の 7月の降水量は、25日までに平年の 1カ月分の倍以上に達していた。署によると、高さ10メートル、幅20メートルにわたって崖が崩れ、滝つぼに下りていく遊歩道に土砂が流れ込んだ。夫婦と子ども 3人の計 5人で訪れており、巻き込まれた 3人から離れて歩いていた40代の夫と10代の息子は無事だった。「諫早観光物産コンベンション協会」によると、昨年度は約 3万8000人が訪れ、夏の観光客が多いという。
記事をまとめてみました。
日本国内の「新型コロナウイルス感染者」の累計が25日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含めて 3万人を超え、 3万436人となった。 7月 4日に 2万人を超えた後、わずか 3週間で 1万人増加した。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)の恐れが徐々に強まってきており、病床や軽症者向けの宿泊施設の確保が課題となる。この日は全国で、新たに 759人の感染者が確認された。
国内で「新型コロナの感染者」が初めて報告されたのは 1月16日。 4月16日に 1万人に達するまでには 3カ月、 2万人になるまでにはさらに 2カ月半かかっており、増加のペースは速くなっている。
報道陣の取材に応じる小池百合子都知事=東京都庁
東京の新規感染者は 295人で、 5日連続で 200人を超えた。20~30代で全体の約 6割を占める一方、40~50代も 4分の 1程度に上った。都心だけでなく多摩地域でも感染者が出ており、地域的な広がりも見られる。
小池百合子知事は「改めての基本だが、マスクの着用など感染予防を徹底してもらうことに尽きる」と述べた。
大阪は 132人で、 100人を超えたのは 4日連続となった。感染状況を判断する独自基準「大阪モデル」は警戒を示す黄信号の点灯が 7月12日から続く。
このほか愛知で42人、兵庫で24人などだった。秋田で 4月14日以来の感染者が確認された。
クルーズ船を除いた累計感染者数は 2万9724人。死者は長崎で 1人確認され、累計で1011人。
大阪府は25日、 132人が「新型コロナウイルス」に感染したと発表した。
1日に確認された数としては、過去最多だった24日の 149人に次いで多く、 100人を超えたのは 4日連続となった。
府が病床確保計画の根拠にした「ピーク時に 130人」との見積もりを 2日連続で上回った。
感染状況を判断する独自基準「大阪モデル」は警戒を示す「黄信号」の点灯が12日から続く。点灯から25日となる 8月 6日までに重症用病床使用率が70%以上になれば、非常事態の「赤信号」になる。
政府が22日に始めた「Go To トラベル」が、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島で混乱の種になりつつある。鹿児島県の最南端にある与論島で22日から24日の間に23人の感染者が確認されていたが、25日、新たに 6人の感染が確認され、与論町での感染者数は計29人になった。
島内で唯一、入院患者の受け入れが可能な「与論徳洲会病院」で院内感染が発生。感染者はこれまでに鹿児島市や奄美大島の医療機関へと海上保安庁などの航空機で搬送されている。
与論町は、「新型コロナウイルス感染症対策」本部長を兼ねる山元宗町長が緊急で町のホームページを通じ、旅行者に対する来島自粛、島民への外出自粛を呼び掛ける事態に。「ヨロン島観光協会」は25日、日刊スポーツの取材に、約30ある飲食店の大半は休業したと説明。宿泊施設は予約をすべて断るか、事情を話して感染防止策を万全にして来てもらうか、各宿が対応を迫られているという。
昨年は 7月に約6900人、 8月に約7600人の観光客が島を訪問。観光の最盛期だが、高齢者が多く、医療体制も万全とは言い切れない島では、まずは経済より「命を守る」ことを重視せざるを得ない。今回のような混乱は、ほかの地方の観光地でも起きる可能性がありそうだ。
福島県相馬市の相馬中村神社で行われた伝統行事「相馬野馬追」の出陣式=福島県相馬市
福島県沿岸部で千年の歴史を誇り、国の「重要無形民俗文化財」となっている伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」が25日、開幕した。例年は甲冑(かっちゅう)姿の騎馬武者による競馬など戦国絵巻さながらの光景を見に多くの観客が訪れるが、今年は「新型コロナウイルスの感染防止」のため競馬を含む大部分の行事を中止とし、一部を無観客で27日まで実施。
規模が縮小され行われた伝統行事「相馬野馬追」の出陣式で乾杯する相馬行胤氏(右から 2人目)ら=福島県相馬市
相馬市の相馬中村神社で出陣式があり、かつて一帯を治めた相馬家の子孫相馬行胤氏(46)が訓示。「これまでも飢饉(ききん)や津波といった困難を乗り越えてきた。伝統の力を信じ、日常へ一日も早く回復することを願う」と声を張り上げた後、馬にまたがり二十数人の武者行列と境内を行進した。
野馬追は、相馬家の始祖といわれる平将門が野馬を放ち、配下の武士に武芸を磨かせたのが起源とされる。
規模が縮小され行われた伝統行事「相馬野馬追」の出陣式で、福島県相馬市の相馬中村神社を出発する相馬行胤氏(中央)ら=福島県相馬市
例年は、約 400騎の騎馬武者が街中を練り歩き、メイン会場となる南相馬市の雲雀ケ原祭場地で、上空に打ち上げられ落下する旗を騎馬武者が奪い合う「神旗争奪戦」などが見せ場。昨年は約 3万3000人が来場したが、今年は「神旗争奪戦」も中止となった。
東日本大震災や東京電力福島第 1原発事故が起きた2011年も規模が縮小された。
大阪天満宮(大阪市北区)で25日、天神祭の神事「本宮祭」が「新型コロナウイルスの影響」で参列者を減らして営まれ、動画投稿サイトのユーチューブで生配信された。柳野等総務部長は「視聴者が約4000人もいた。一緒に『新型コロナの終息』を祈る時間を共有できた」と手応えを語った。
大阪天満宮によると、天神祭は1000年以上の歴史があるとされ、例年は24日の宵宮と合わせて約 130万人の客でにぎわう。今年は奉納花火や市中心部を流れる川で約 100隻の船が行き交う「船渡御(ふなとぎょ)」など主要行事を中止にし、各種行事の規模を縮小したりした。その上で、混雑を避け、離れた場所からも拝礼できるように、天神祭で中核とされる神事を生中継することを決めた。
本宮祭は一部の関係者のみが参列し、宮司らが祭神の菅原道真に悪疫退散や地域の安全を祈願した。拝殿などに設置された 4台のカメラで祝詞の読み上げやみこの神楽を撮影。別室にいる神職が所作を解説し、視聴者が拝礼する時間も設けた。
ジョンソン英首相は就任 1年を受けた24日放映のBBC放送のインタビューで、「新型コロナウイルス」について「最初の数週間、数カ月は理解していなかった」と述べ、初期対応で「違うやり方ができたかもしれない」とし、反省の弁を口にした。
英国の感染による死者は 4万 5千人を超え、欧州で最多。ジョンソン氏に対しては、ロックダウン(都市封鎖)発動の遅れなど初期対応への批判が出ており、野党幹部は「やっとミスを認めた」と指摘した。
24日、ロンドンの病院を訪問したジョンソン英首相=イギリス
ジョンソン氏は、無症状のまま感染が拡大することへの対策が不十分だったとの認識を示した。その上で「初期段階でどう対応したかを学ばなければならない」とし、今後の教訓とする姿勢を強調した。
自らが 3月に感染し重症化したことについては「(回復できて)非常に幸運だった」と述べた。太りすぎが原因だと自己分析し「国民的な肥満対策が必要だ」と強調した。BBCによると、ジョンソン氏は近く肥満対策に関する新たな政策を打ち出す。
ブラジルの首都ブラジリアで支持者を前にポーズを取るボルソナロ大統領
「新型コロナウイルス感染」を公表していたブラジルのボルソナロ大統領は25日、「PCR検査」で陰性となったとツイッターで明らかにした。今月 7日に検査で陽性だったと公表し、首都ブラジリアの公邸で隔離療養中だった。
ボルソナロ氏は感染後も経済を優先し、「新型コロナの脅威」を軽視する姿勢を崩していない。
豚を救出する陸上自衛隊のヘリ=16日、熊本県球磨村
熊本県球磨村にある県内唯一の種豚場「そそぎ種豚場」は、今回の豪雨で、 111頭のうち半数以上が濁流に流されるなどの被害を受けた。球磨村は被災後しばらく道路が寸断された状態が続いたため、難を逃れた豚も孤立。陸上自衛隊のヘリコプターが救出した。
種豚場では、種豚のほか、年間約80頭しか出荷しない「一勝地赤豚」も飼育。赤豚の肉は甘みがあり、脂身もさっぱりとした味わいで、人吉市や球磨村の旅館などで提供されるブランド豚だ。
自衛隊がヘリコプターを使って救出した豚を見る淋博道さん=16日、熊本県球磨村
4日の大雨で 3つの豚舎のうち1つが土砂崩れに巻き込まれ、他の豚舎も浸水した。経営者の淋博道さんは毎日何回も20リットルの水を抱え、土砂崩れの跡を登って自宅と豚舎を行き来。生き残った54頭の世話を懸命に続けた。
しかし、孤立状態はなかなか解消されず、餌が尽きそうになった。家畜保健衛生所に助けを求め、16日、陸自ヘリによる異例の家畜救出活動が実現。安全な場所にいる豚を除き、種豚17頭と赤豚10頭を 1頭ずつひもでつり上げ、別の農場に移していった。
やせておびえていた豚は、元気を取り戻しつつあるという。種豚を新たに県内外に出荷するめどもついた。淋さんは「多くの豚を失った痛手は大きいが、一部だけでも救出してくれて本当に助かった」と話している。
自衛隊がヘリコプターを使って救出した豚を見る淋博道さん=16日、熊本県球磨村
大分県は25日、同県由布市の大分川で23日に見つかった遺体の身元を、豪雨で行方不明となっていた旅館業渡辺健太さん同市湯布院町湯平)と確認したと発表した。豪雨による県内の死者は計 4人、九州の死者は計73人になった。
また県は25日、同市庄内町庄内原の竹やぶで、性別、年齢ともに不詳の 1人の遺体を発見したことも明らかにした。遺体は行方が分からない渡辺さんの両親のいずれかとみて、身元の確認や死因の特定を進めている。
渡辺さんらは 7日深夜から 8日にかけ、避難中に車ごと増水した川に流された。渡辺さんの遺体は、祖母登志美さんが見つかった対岸付近で発見された。
長崎県諫早市高来町の崖崩れ現場
25日午後 3時35分ごろ、長崎県諫早市高来町の「轟の滝」に向かう渓谷の遊歩道で、崖崩れが起きたと 110番があった。
諫早署と消防によると、観光に来ていた母娘 3人が巻き込まれ、長崎市の女性と娘の女児が死亡した。姉が助け出され、意識はあるという。諫早市の 7月の降水量は、25日までに平年の 1カ月分の倍以上に達していた。
署によると、高さ10メートル、幅20メートルにわたって崖が崩れ、滝つぼに下りていく遊歩道に土砂が流れ込んだ。夫婦と子ども 3人の計 5人で訪れており、巻き込まれた 3人から離れて歩いていた40代の夫と10代の息子は無事だった。
長崎県諫早市高来町の崖崩れ現場
気象庁によると、諫早市では梅雨前線に伴って雨が続き、 7月の降水量は25日までに 930ミリを超えている。24日午前3時からの1時間にも50.5ミリの雨を観測し、その後25日にかけ小雨が続いていた。
「諫早観光物産コンベンション協会」によると、轟の滝は高さ二十数メートル。昨年度は約 3万8000人が訪れ、夏の観光客が多いという。
現場に続く道には規制線が張られ、救急車やパトカーが慌ただしく出入りした。長靴を履いてヘルメットをかぶり、スコップやチェーンソーを持った警察官らの姿も見られた。消防団員の男性は「遊歩道は土砂で埋まり、近くの電柱が折れていた。大きな石がいくつも流れ込んでいて、 1メートルほどのものもあった」と話した。