●内閣府が17日発表した2020年 4~ 6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除く実質で前期比 7.8%減、このペースが 1年間続くと仮定した年率換算は27.8%減となった。「新型コロナウイルスの感染拡大」で個人消費が激減し、リーマン・ショック後の09年 1~ 3月期の年率17.8%減を超えて戦後最悪。景気実感に近いとされる名目GDPは 7.4%減、年率換算で26.4%減だった。
●東京都は16日、「新型コロナウイルスの感染者」が新たに 260人報告されたと発表した。累計は 1万7714人となった。重症者は15日時点から 2人増えて25人。検査から都への報告まで 3日間程度を要するため、都が参考として公表している13日の検査数は5034件だった。岩手県は16日、同県久慈市に住むバス運転手の60代女性の「新型コロナウイルス感染」を確認したと発表した。県内の感染確認は計 9人となった。症状はないという。群馬県で16日、19人の「新型コロナウイルス感染」が明らかになった。県と前橋市、高崎市が発表した。県や前橋市によると、うち17人は前橋市内にあるホストクラブ「CLUB Rey(クラブ レイ)」の従業員と客。14日に、この店の男性従業員の陽性が判明していた。
●「コロナ禍」に翻弄(ほんろう)される「勝浦ホテル三日月」(千葉・勝浦市)が特別な夏を迎えている。政府の観光支援事業「Go To トラベル」から集客の柱である東京都が除外され、首都圏の学校の夏休みが短縮される中の短期決戦だ。 1月に中国・武漢市から帰国した邦人を受け入れて休業。 3月再開も 4月の「緊急事態宣言」で再休業し、 7月に再々スタートを切ったが、厳しい夏に直面している。千葉・南房総という立地から東京都を中心とした親子連れ、 3世代のファミリー層がメインだ。だが、 7月17日に政府の観光割引「Go To トラベル」からの東京除外が発表された。 1人あたり最大 1泊 2万円がクーポンで割引されるだけに家族連れの懐には痛手でブレーキとなりそうだ。同ホテル企画室では危機感をあらわにする。金無垢(むく)(18金)の黄金風呂もある人気の展望大浴場は、脱衣所の利用を約半分にするなど人数を制限している。食事のバイキング大会場は入場時間をずらし、料理は基本、最初から小皿に盛られたものを各自が取る方式に変えた。取り分ける料理のトングは共用ではなく 1人 1本。新たに各自の部屋で懐石弁当などを利用する「部屋食プラン」も用意した。新方式の導入で人件費などのコスト増や効率悪化は避けられない。今後も平日の集客難は続く見込みで同ホテルでは特別な夏の終わりを祈っている。
●「新型コロナウイルスの感染拡大」が続く中、お盆休み最終日となった16日、JR東京駅では例年のようなUターンラッシュは見られなかった。16日は休み最終日の日曜で、例年なら帰省した故郷や観光地からのUターンラッシュとなり、上り線を中心に午前中から夜まで混み合うが、東京駅は閑散としていた。JR各社によると、16日、東海道新幹線の自由席乗車率は最高で50%にとどまった。東北や上越、北陸、九州の各新幹線も50%以下が目立った。日本道路交通情報センターによると、午後6時台に中央道上りの八王子料金所を先頭に30キロを超える渋滞が発生したが、全国的に交通量は少なめだった。今回のお盆は新幹線や空の便の予約が低調で、東京駅や羽田空港も利用客の長い行列ができるほどの混雑はなかった。
●「お盆休み」の最終日となった16日、中国自動車道上りで“交通渋滞の名所”として知られる「宝塚西トンネル」(兵庫・宝塚市)付近でも、「新型コロナウイルスの影響」とみられる現象が起きていた。例年、「盆休み」の最終日ともなれば、帰省や観光からのUターンラッシュとなるが、この日は午後 2時時点でスイスイと車が走れる状況。ただ、この日は事故が発生し、その影響で夕方に 7キロ程度の渋滞が発生していたが、次第にその距離は短くなっていった。18年 3月には新名神高速道路(川西IC~神戸JCT間)が開通。岡山方面からの交通が分散することで、同トンネル付近の渋滞の頻度は減ってはいるものの、例年と比べれば、明らかに交通量が少なかった。NEXCO(ネクスコ)西日本の昨年 8月19日の発表(速報)によると、19年 8月14日の午後 3時45分頃には宝塚西トンネル付近(上り)で27.1キロの渋滞が発生している。管内のお盆期間(同年 8月 8~18日)の上り線で「ワースト3位」の地点だった。
記事をまとめてみました。
内閣府が17日発表した2020年 4~ 6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除く実質で前期比 7.8%減、このペースが 1年間続くと仮定した年率換算は27.8%減となった。「新型コロナウイルスの感染拡大」で個人消費が激減し、リーマン・ショック後の09年 1~ 3月期の年率17.8%減を超えて戦後最悪のマイナス成長となった。
4~ 5月に出された政府の緊急事態宣言で経済活動が大幅に縮小した。世界的なロックダウン(都市封鎖)により輸出が激減したことも響いた。マイナス成長は消費税増税があった19年10~12月期から 3四半期連続。
20年 4~ 6月期は個人消費が前期比 8.2%減となり、消費税率を 5%から 8%に引き上げた影響が出た14年 4~ 6月期の 4.8%減を超える下げ幅だった。輸出は18.5%減、輸入は 0.5%減。設備投資は 1.5%減で、公共投資は 1.2%増だった。
景気実感に近いとされる名目GDPは 7.4%減、年率換算で26.4%減だった。
政府は 4月 7日に7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発出し、16日に対象を全ての都道府県に拡大。 5月25日に全面的に解除した。
東京都は16日、「新型コロナウイルスの感染者」が新たに 260人報告されたと発表した。累計は 1万7714人となった。重症者は15日時点から 2人増えて25人。検査から都への報告まで 3日間程度を要するため、都が参考として公表している13日の検査数は5034件だった。
8月は都内の感染者数が全て 3桁で推移し、 300~ 400人台の日が目立つ。都は警戒度を「4段階の指標」で最も深刻な「感染が拡大している」に位置付けている。小池百合子知事は「夏休み」や「お盆の帰省」、「旅行」を控えるよう都民に要請している。
岩手県は16日、同県久慈市に住むバス運転手の60代女性の「新型コロナウイルス感染」を確認したと発表した。県内の感染確認は計 9人となった。症状はないという。
県などによると、女性はJRバス東北(仙台市)の運転手で、二戸駅-久慈駅などの路線バスに乗務。13日に感染が確認された50代女性会社員が12日にバスに乗車し、降車時に会話したことから、検査を受けていた。
県はバスに同乗していた人に保健所への連絡を呼び掛けている。
群馬県で16日、19人の「新型コロナウイルス感染」が明らかになった。県と前橋市、高崎市が発表した。県や前橋市によると、うち17人は前橋市内にあるホストクラブ「CLUB Rey(クラブ レイ)」の従業員と客。
14日に、この店の男性従業員の陽性が判明していた。
フェースシールド、マスク着用で来館客を出迎えるスタッフ=勝浦市・勝浦ホテル三日月
「コロナ禍」に翻弄(ほんろう)される「勝浦ホテル三日月」(千葉・勝浦市)が特別な夏を迎えている。
政府の観光支援事業「Go To トラベル」から集客の柱である東京都が除外され、首都圏の学校の夏休みが短縮される中の短期決戦だ。 1月に中国・武漢市から帰国した邦人を受け入れて休業。 3月再開も 4月の「緊急事態宣言」で再休業し、 7月に再々スタートを切ったが、厳しい夏に直面している。
◇ ◇ ◇
あの「勝浦ホテル三日月」が「特別な夏」にあえいでいる。お盆の週末14日から16日「ほぼ満室」(同ホテル)となったが、満室には至らなかった。前週8日から10日の 3連休も同様で「週末以外は、昨年と比べようがない」と同ホテル企画室は説明する。
「勝浦ホテル三日月」では従業員が消毒液を常時携行して感染防止対策を行っている=勝浦市・勝浦ホテル三日月
千葉・南房総という立地から東京都を中心とした親子連れ、 3世代のファミリー層がメインだ。だが、 7月17日に政府の観光割引「Go To トラベル」からの東京除外が発表された。 1人あたり最大 1泊 2万円がクーポンで割引されるだけに家族連れの懐には痛手でブレーキとなりそうだ。
さらに緊急事態宣言などによる授業の遅れを取り戻すため、 1学期の終業式が 8月にずれ込んだ学校も多く、 8~10日が、実質夏休み最初の週末となった。今週中に 2学期の始業式という学校もある。「通常は夏休みを40日間と設定していますが、今年は実質 2~ 3週間。短期決戦です」と同ホテル企画室では危機感をあらわにする。
バイキングとは別に部屋食プランで用意される弁当(イメージ写真)=勝浦市・勝浦ホテル三日月
1月の休業から 3月の再開時には風評被害にさらされたが、 7月の再々オープン後に「ようやく風評も落ち着いてきたところ」(同ホテル企画))。ホテルでは風評一掃のための新たな取り組みも行っている。
金無垢(むく)(18金)の黄金風呂もある人気の展望大浴場は、脱衣所の利用を約半分にするなど人数を制限している。食事のバイキング大会場は入場時間をずらし、料理は基本、最初から小皿に盛られたものを各自が取る方式に変えた。取り分ける料理のトングは共用ではなく 1人 1本。新たに各自の部屋で懐石弁当などを利用する「部屋食プラン」も用意した。感染リスクを避けるために従来、「三日月」の看板でもあった大勢がにぎわう「密な」スタイルから脱却しようとしている。
バイキング会場も大皿から小皿に、トングは各自1本、入場制限など感染対策をしている=勝浦市・勝浦ホテル三日月
しかし、新方式の導入で人件費などのコスト増や効率悪化は避けられない。今後も平日の集客難は続く見込みで同ホテルでは「 1日も早い感染収束と、『Go To トラベル」の東京除外の解除を願っています」と特別な夏の終わりを祈っている。
◆勝浦ホテル三日月(みかづき)
「新型コロナウイルス感染」が拡大した中国・武漢市から政府チャーター機で帰国した邦人を受け入れて、 1月29日から 2月13日まで休業した。受け入れ終了後の 2月15日~29日まで全館消毒、清掃作業を実施した。帰国者の患者などを受け入れた亀田総合病院(千葉・鴨川市)の感染症専門医の監修によるガイドラインを基に約 120人の従業員が指導、研修を受けた。ホテル玄関に客の体温を検知するサーモグラフィーを設置、従業員はフェースシールド、マスクの着用、各自が消毒液を携帯するなどの対策を実施して 3月 1日から営業を再開した。 4月 7日の緊急事態宣言の発令に伴い、再休業となった。 7月 3日から再々、スタートで営業を開始した。
「新型コロナウイルスの感染拡大」が続く中、お盆休み最終日となった16日、JR東京駅では例年のようなUターンラッシュは見られなかった。16日は休み最終日の日曜で、例年なら帰省した故郷や観光地からのUターンラッシュとなり、上り線を中心に午前中から夜まで混み合うが、東京駅は閑散としていた。
東京の実家に帰省していた20代の女性会社員は、仙台に帰るために東京駅を訪れた。東京は宮城県より感染者数が多いが「家から出なければ大丈夫だと思った」。帰省中も「みんな自粛しているから」と、家で家族との時間を楽しんだという。一方で「東京に帰ったなんて、距離を置かれそうだから職場の人には言えない」と複雑な表情。父に見送られ、改札を通った。
同じく都内に帰省していた仙台市の別の20代女性は東京駅の様子を「今までで一番(人が)少ない」と、例年とは違うUターンラッシュに驚いた。帰省期間中は「自粛ムードなので、家の近くにしか行っていない」。例年なら旅行に行くというが、今年は「おうち時間」を楽しめたと話す。「職場の人も、みんな帰省しているから東京に帰ってきたと言える」と話した。
JR各社によると、16日、東海道新幹線の自由席乗車率は最高で50%にとどまった。東北や上越、北陸、九州の各新幹線も50%以下が目立った。日本道路交通情報センターによると、午後6時台に中央道上りの八王子料金所を先頭に30キロを超える渋滞が発生したが、全国的に交通量は少なめだった。
今回のお盆は新幹線や空の便の予約が低調で、東京駅や羽田空港も利用客の長い行列ができるほどの混雑はなかった。
16日午後 1時49分の中国道・宝塚西トンネル付近(上り)
「お盆休み」の最終日となった16日、中国自動車道上りで“交通渋滞の名所”として知られる「宝塚西トンネル」(兵庫・宝塚市)付近でも、「新型コロナウイルスの影響」とみられる現象が起きていた。
例年、「盆休み」の最終日ともなれば、帰省や観光からのUターンラッシュとなるが、この日は午後 2時時点でスイスイと車が走れる状況。ただ、この日は事故が発生し、その影響で夕方に 7キロ程度の渋滞が発生していたが、次第にその距離は短くなっていった。
16日午後 5時半の中国道・宝塚西トンネル付近(上り)
18年 3月には新名神高速道路(川西IC~神戸JCT間)が開通。岡山方面からの交通が分散することで、同トンネル付近の渋滞の頻度は減ってはいるものの、例年と比べれば、明らかに交通量が少なかった。
NEXCO(ネクスコ)西日本の昨年 8月19日の発表(速報)によると、19年 8月14日の午後 3時45分頃には宝塚西トンネル付近(上り)で27.1キロの渋滞が発生している。管内のお盆期間(同年 8月 8~18日)の上り線で「ワースト3位」の地点だった。
日本道路交通情報センターによると、今年は全国的に交通量が少なく、「コロナ」で遠方への帰省や旅行を控える動きが広がった影響と推測される。