●矢野燿大監督(51)が猛省した。中日19回戦(ナゴヤドーム)の練習前に取材に応じ、ファンに謝罪した。矢野燿大監督が13日、“内規違反”会食騒動について謝罪した。前日12日に同監督が夏場に大人数で会食していたなどと一部夕刊紙が報道し、球団が事前に許可を得ていたと発表する事態に発展。矢野監督は反省した。また、藤原崇起オーナー(68=電鉄本社会長)が来季続投の方針を示したことに前向きな姿勢を見せた。阪神は 9月25日、 5選手の「新型コロナウイルス感染」と同19日に名古屋市内で球団内規を破った外食があったことを発表。内規違反に対し、10選手とスタッフ 1人に制裁金を科している。今月 9日には揚塩健治球団社長(60)が「引責辞任」に至った。球団本部の責任者の許可を得ていたとはいえ、疑問符の付く指揮官の行動であった。ただ、現場を預かるトップはグラウンドで結果を残して期待に応えるしかない。藤原崇起オーナーは前日12日までに矢野監督の来季続投の方針を明言。15年ぶりの「リーグ優勝」は絶望的な状況。その差は「12.5ゲーム」と独走する宿敵巨人の背中は、はるか遠くにかすむ。この日は「3位」中日に敗れて「0.5」差と詰め寄られた。背水の 3年目へ、険しい道が待っている。
●阪神は初回、大山悠輔内野手(25)の「26号2ラン」で先制した。中日は初回に同点に追いつき、 3回無死 1塁からソイロ・アルモンテ外野手(31)の 2塁打で勝ち越した。中日は 5回、ダヤン・ビシエド外野手(31)が阪神「2番手」岩貞祐太投手(29)から適時 2塁打を放ち 1点を追加。中日先発勝野昌慶投手(23)は 6回 5安打 2失点で降板した。中日は 7回から継投で反撃をしのぎ「3連勝」で貯金「1」。勝野が「4勝」目、R・マルティネス投手(23)は「19セーブ」目。阪神高橋遥人投手(24=亜細亜大學OB)は「4敗」。阪神が初回に先制するもその後無得点に終わり、逆転負けで「3位」中日に「0.5ゲーム」差に迫られた。初回二死 3塁で、「4番」大山悠輔内野手が左翼席中段へ特大の「先制2ラン」。トップで並んでいた巨人岡本和真内野手(24)を抜き、「単独トップ」に躍り出る「26号本塁打」となった。しかし直後に追いつかれると、 3回に勝ち越しを許した。前回 5日「プロ初完投勝利」を挙げた先発の高橋遥人投手は、自己最短に並ぶ 4回 3失点で降板。 7回に登板した藤浪晋太郎投手(26)は、球団最速タイの 161キロを計測し見せ場を作ったが、「カード頭奪取」とはならなかった。
●陽川尚将内野手(29)が 2軍練習に合流し、チーム内の「コロナ禍」で離脱していた11選手全員が復帰した。「核酸増幅法検査」で 2度の「陰性判定」が出たため、この日から鳴尾浜で練習を再開。 2軍本隊とは別メニューで、キャッチボールや室内練習場での打撃練習で汗を流した。矢野燿大監督が13日、糸原健斗内野手(27)を緊急昇格させることを明かした。チーム内の「コロナ禍」で離脱していたが、この日、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)にスタメン出場。 6回に右中間へ 2塁打を運んでいた。球団独自の「濃厚接触者」扱いとなっていた福留孝介外野手(43)も実戦に復帰し、 5回に中前打を放った。
●大山悠輔内野手が「本塁打ランキング単独トップ」となる「26号先制2ラン」を放った。初回二死 3塁で先発勝野の初球、 146キロ直球を強振。高い弾道の当たりは左翼席中段に着弾した。試合前まで巨人岡本と「25本」で「トップタイ」。阪神、巨人ともに試合中ではあるが、 2試合連続の 1発で「キング争い単独トップ」に躍り出た。 8月中旬で最大「7本」差を開けられていたが約 2カ月で捉え、抜き去った。本塁打数はキャリアハイの昨季(14本)を大幅更新しているが、進化は打撃だけではない。昨季( 143試合出場)は「20」でリーグワーストだった失策数は、今季はここまで93試合出場で「5」と大きく減少している。春季キャンプから早出特守を重ね、試合前も 3塁でノックを受けてから打撃練習に入るのが流れ。守りの安定も打撃向上につながっている。シーズンも終盤に入り、各チームは20試合強を残すのみとなった。キング争いは「20本」以上に 6人がひしめき合う大激戦だ。大山のアーチ量産は、必然とチームの勝利も呼び込んでくる。球団では86年バース以来のキングへ、背番号「3」の打席から目が離せない。
●高橋遥人投手が自己最短タイの 4回 5安打 3失点で降板し、「4敗」目を喫した。 2点先制した直後の 1回裏、先頭大島洋平外野手(34)から連打を浴び、この回に同点に追いつかれた。 3回は先頭の京田陽太内野手(26)に四球を出すと、アルモンテの適時 2塁打で勝ち越し点を献上。前回 5日は「プロ初完投勝利」を挙げたが、この日は 130キロ前半の直球もあり、本調子にはほど遠い様子だった。高橋は 4回を投げ終えて65球だったが、 5回一死 2塁の打席で矢野監督は代打を送った。攻めの交代で高橋は 4回65球で降板となった。今季中日戦は「2戦2勝」と相性の良かった左腕だが、 3度目の対戦で攻略された。
●岩貞祐太投手と岩崎優投手(29)が13日、 1軍に合流した。 9月25日に岩貞は「新型コロナウイルス感染」が判明。直前に内規の 4人を超える会食を行ったことが明らかになった。 5回に登板し、 1回を 2安打 1失点。濃厚接触者に指定されていた岩崎は反省の言葉を並べた。岩貞は 2軍戦では実戦登板せずに昇格となったため、 9月22日DeNA戦(甲子園)以来、“中20日”でのぶっつけ実戦復帰だった。
●藤浪晋太郎投手が自己最速の 161キロを計測した。 2点ビハインドの 7回に「5番手」で登板。先頭大島の 3球目に自己最速タイの 160キロを出すと、二死後のアルモンテへの 4球目だった。外角に少し外れた直球の球速が「161キロ」を表示。場内はどよめきに包まれた。アルモンテは 137キロスライダーで空振り三振に仕留め、 3者凡退と救援の役割もしっかり果たした。藤浪の 161キロは17年ドリス、20年10月11日ロベルト・スアレス投手(29=福岡ソフトバンク)に並ぶ「球団最速タイ」。 3連投で今季リリーフ登板 9戦目。安定感が増している。先頭の「1番」大島には 160キロを投げ込んだ後、 158キロで押し込んで遊ゴロ。「2番」京田は 159キロで詰まらせて遊ゴロ。アルモンテからは最後、カットボールで空振り三振を奪った。これで 4戦連続で「無安打無失点投球」だ。魅力あふれる投球が続く。
●「伝統の一戦」で完全燃焼する。阪神は11月10日の巨人戦(甲子園)で、今季限りで「現役引退」する藤川球児投手(40)の「引退セレモニー」を開催することを13日、発表した。タテジマ最後のマウンドの相手は、並々ならぬ思いで戦ってきたきた宿敵巨人。希代の守護神がG倒で花道を飾る。右上肢のコンディション不良で 2軍調整中も、今週中に 1軍に合流する見込み。現役22年間のすべてを注ぎ込む。タテジマの宿命を背負ってきた。宿敵を撃破することは阪神に入団した選手の責務。かねて口にしてきた「伝統の一戦」への熱い思いは、数字にも表れている。藤川の対巨人の通算防御率は、セ・リーグ5球団でトップの「2.10」。セーブ数も対中日に次ぐ「46セーブ」を挙げた。虎の守護神の花道を飾るうえで、これ以上ない舞台が整った。現役22年間を応援してくれた声が、復活への源。出来るだけ多くのファンに勇姿を届ける。「日米250セーブ」まであと「5」に迫りながら「現役引退」を決意。「引退セレモニー」は試合終了後に行われ、来場者には「引退記念グッズ」がプレゼントされる予定。感謝とさまざまな思いを胸に、守り続けたマウンドに立つ。
記事をまとめてみました。
矢野燿大監督が13日、“内規違反”会食騒動について謝罪した。前日12日に同監督が夏場に大人数で会食していたなどと一部夕刊紙が報道し、球団が事前に許可を得ていたと発表する事態に発展。矢野監督は「自分自身の自覚の甘さと認識の甘さ。申し訳ない」と反省した。また、藤原崇起オーナー(電鉄本社会長)が来季続投の方針を示したことに前向きな姿勢を見せた。
◇ ◇ ◇
矢野監督が猛省した。中日19回戦(ナゴヤドーム)の練習前に取材に応じ、ファンに謝罪した。
「球団の方には事前に相談して許可をもらっていたとはいえ、自分自身の自覚の甘さと認識の甘さっていうのがあった。ファンの人を喜ばせたいと言ってるのに、今回の件でガッカリしたファンの人はいると思うし、申し訳ないと思っています。グラウンドでも外でも監督としての自分自身のあり方というものを、改めて見つめ直していきます」
試合前練習でノックバットを振る矢野燿大監督=ナゴヤドーム
そう言って自身の行動を深く反省した。
前日12日に矢野監督が夏場の遠征先で内規に定められた「4人以内」を上回る大人数で会食していたことが発覚。一部夕刊紙は球団側が事実を認識していながら黙認し、この問題を隠蔽(いんぺい)していると報道した。球団は同日夕方に「事前に球団本部の責任者が相談を受け許可を得ていた」と発表する事態に発展していた。
阪神は 9月25日、 5選手の「新型コロナウイルス感染」と同19日に名古屋市内で球団内規を破った外食があったことを発表。内規違反に対し、10選手とスタッフ 1人に制裁金を科している。今月 9日には揚塩健治球団社長が「引責辞任」に至った。球団本部の責任者の許可を得ていたとはいえ、疑問符の付く指揮官の行動であった。
試合前の円陣を組む阪神ナインと矢野燿大監督=ナゴヤドーム
ただ、現場を預かるトップはグラウンドで結果を残して期待に応えるしかない。藤原崇起オーナーは前日12日までに矢野監督の来季続投の方針を明言。「セカンドベストを貫いている」と「コロナ禍」の難局で奮闘する手腕を評価した。 3年契約最終年になる来季も指揮を執ることが確実となり、矢野監督も「しっかり応えたいっていう思いはある」と前向きな姿勢を見せた。
15年ぶりの「リーグ優勝」は絶望的な状況。その差は「12.5ゲーム」と独走する宿敵巨人の背中は、はるか遠くにかすむ。この日は「3位」中日に敗れて「0.5」差と詰め寄られた。「もちろん、今からの(残り試合の)ことも来年につながっている。エラーの数も多いし、作戦のミスだったり、もちろん俺の采配も含めていろんなことがある。挑戦して全員でやっていくというところは一番大事にしたい」。背水の 3年目へ、険しい道が待っている。
<中日 4- 2阪神>◇19回戦◇阪神11勝 8敗 0分◇13日◇ナゴヤドーム
阪神は初回、大山の「26号2ラン」で先制した。中日は初回に同点に追いつき、 3回無死 1塁からアルモンテの 2塁打で勝ち越した。
中日は 5回、ビシエドが阪神「2番手」岩貞から適時 2塁打を放ち 1点を追加。中日先発勝野は 6回 5安打 2失点で降板した。
中日は 7回から継投で反撃をしのぎ「3連勝」で貯金「1」。勝野が「4勝」目、R・マルティネスは「19セーブ」目。阪神高橋は「4敗」。
5回裏中日二死 1塁、ビシエドは「左越え適時2塁打」を放った=ナゴヤドーム
阪神が初回に先制するもその後無得点に終わり、逆転負けで「3位」中日に「0.5ゲーム」差に迫られた。
初回二死 3塁で、「4番」大山悠輔内野手が左翼席中段へ特大の「先制2ラン」。トップで並んでいた巨人岡本を抜き、「単独トップ」に躍り出る「26号本塁打」となった。しかし直後に追いつかれると、 3回に勝ち越しを許した。
前回 5日「プロ初完投勝利」を挙げた先発の高橋遥人投手は、自己最短に並ぶ 4回 3失点で降板。 7回に登板した藤浪晋太郎投手は、球団最速タイの 161キロを計測し見せ場を作ったが、「カード頭奪取」とはならなかった。
3回裏中日無死 2塁、マウンドの高橋遥人投手のもとに集まる福原忍投手コーチら阪神ナイン=ナゴヤドーム
阪神が初回に先制するもその後無得点に終わり、逆転負けで「3位」中日に「0.5ゲーム」差に迫られた。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。
-高橋は
矢野監督 この前ね、脱力というか、ちょっとスピード抑えながら投げていい内容だったけど、今日はちょっとコントロールが悪かったから。アウトの取り方を見てもけっこう大きなフライとか、ピッチング内容も苦しかったから。あそこで、次の1点を、結果的にサダ(岩貞)で取られたんだけど、ちょっと代えた方がいいかなという判断だった。
バットを手に練習を見つめる矢野燿大監督=ナゴヤドーム
-大山の本塁打で先制した
矢野監督 その後が結局得点できてないんで。そこもうちの課題としてあるんで。まあ、次の点が欲しかった。
-「2番」小幡は
矢野監督 いや、ジョー(北條)、抹消すんねん。ぎっくり腰なっちゃって。スタメン(で起用)するつもりやったんやけど、練習で腰やっちゃったから。急きょ(小幡を)「2番」にしたんだけど。バッティングもいい形のモノは見せてきてくれているし、これからもいろんな打順を試していきたいなっていうのはあるんで。
1回表阪神二死 3塁、先制の左越え本塁打を放った大山悠輔内野手=ナゴヤドーム
-小幡にはチャンス
矢野監督 もちろん。まだまだ伸びしろはたくさんある選手なので。どの打順でもまだまだ勉強しなきゃいけないし、走塁も守備もバッティングも、攻走守全てに課題はあるけど。逆に楽しみな部分もたくさん見せてくれているんで。
- 2軍では糸原が復帰
矢野監督 健斗(糸原)を上げようかなと思っている。まあね。ほんとはジョーのぎっくり(腰)っていうのがなければ、もうちょっと何試合出てという部分もあったんだけど。まあまあこういうことになったんでね。まあまあ上げようかなと
5回、投手交代を告げベンチへ戻る矢野燿大監督=ナゴヤドーム
-球児の報告は
矢野監督 投げられるように球児自身もやってくれているんで、どっかで上げようかなと思う。
-やっぱり打線
矢野監督 やっぱり点取らんとね。先発、向こうの勝野もそんなにいいっていう感じはしなかったんで。きりきり舞いじゃないだけに悔しい。
陽川尚将内野手が 2軍練習に合流し、チーム内の「コロナ禍」で離脱していた11選手全員が復帰した。
「核酸増幅法検査」で 2度の「陰性判定」が出たため、この日から鳴尾浜で練習を再開。「社会人としてルールを破ってしまったことは反省しています。やってしまったことは野球で何とか取り返すしかないと思っている。今後は自覚を強く持って、やっていきたいと思います」。 2軍本隊とは別メニューで、キャッチボールや室内練習場での打撃練習で汗を流した。
5回表阪神1死二塁、代打高山俊外野手を告げる矢野燿大監督=ナゴヤドーム
矢野燿大監督が13日、糸原健斗内野手を緊急昇格させることを明かした。
チーム内の「コロナ禍」で離脱していたが、この日、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)にスタメン出場。 6回に右中間へ 2塁打を運んでいた。矢野監督は中日戦後に「健斗(糸原)を上げようかなと思っている。ほんとはジョーのぎっくり(腰)っていうのがなければ、もうちょっと何試合出てという部分もあったんだけど」と明かした。
試合前の練習中に北條が腰の張りを訴え、試合を欠場していた。
6回一死 1塁、右中間へ 2塁打を放った糸原健斗内野手=阪神鳴尾浜球場(西宮市タイガーデン)
「新型コロナウイルス感染」の影響から離脱していた糸原健斗内野手が、緊急昇格することが決まった。
矢野監督が中日戦後に「健斗(糸原)を上げようかなと思っている。ほんとはジョー(北條)のぎっくり(腰)っていうのがなければ、もうちょっと何試合出てという部分もあったんだけど」と明かした。
糸原はこの日、ウエスタン・リーグ中日戦にスタメン出場し実戦復帰。 6回に右中間へ 2塁打を運んだ。 9月23日以来となる実戦に「まだ 3打席では(感覚は)分からないですが、明日も頑張ります」と話していた。また、球団独自の「濃厚接触者」扱いとなっていた福留も実戦に復帰し、 5回に中前打を放った。
大山悠輔内野手が「本塁打ランキング単独トップ」となる「26号先制2ラン」を放った。初回二死 3塁で先発勝野の初球、 146キロ直球を強振。高い弾道の当たりは左翼席中段に着弾した。
「初回に先制点を取って、チームを勢いづけたかった中でうまく打つことができました。先制点を取ることができて良かったです」
試合前まで巨人岡本と「25本」で「トップタイ」。阪神、巨人ともに試合中ではあるが、 2試合連続の 1発で「キング争い単独トップ」に躍り出た。
1回表阪神二死 3塁、大山悠輔内野手は「左越え先制2点本塁打」を放った=ナゴヤドーム
大山悠輔内野手が「26号先制2ラン」を放ち、本塁打で今季初めて「リーグ単独トップ」に立った。初回二死 3塁。先発勝野の初球、 146キロ直球をフルスイングした。「ランナーをかえすことだけを考えて。インコースでしたが、うまく打つことができて良かったです」。高い放物線を描いた打球は、左翼席中段まで届く 2試合連発。試合前まで並んでいた巨人岡本をついにリードした。
8月中旬で最大「7本」差を開けられていたが約 2カ月で捉え、抜き去った。本塁打数はキャリアハイの昨季(14本)を大幅更新しているが、進化は打撃だけではない。昨季( 143試合出場)は「20」でリーグワーストだった失策数は、今季はここまで93試合出場で「5」と大きく減少している。「何とかしないといけない」と春季キャンプから早出特守を重ね、試合前も 3塁でノックを受けてから打撃練習に入るのが流れ。「全ての面でレベルアップ」を目標に掲げる中で、守りの安定も打撃向上につながっている。
1回表阪神二死 3塁、「左越え2点本塁打」を放った大山悠輔内野手を迎える矢野燿大監督(左から 2人目)=ナゴヤドーム
ただ、「4番」は試合を左右した第 4打席を悔やんだ。 2点を追う 8回二死 1、 3塁。本塁打で逆転の場面だったが、祖父江の 146キロ直球にバットは空を切った。「ああいう場面で打ってこそだと思いますし、最悪でも後ろの打者につなげば何とかなっていたかもしれない。三振で終わってしまったことがまだまだだと思いますし、反省すべき打席になったなと思います」。日頃から個人成績よりも、チームを勝利に導く一打にこだわるだけに、悔しい打席となった。
シーズンも終盤に入り、各チームは20試合強を残すのみとなった。キング争いは「20本」以上に 6人がひしめき合う大激戦だ。大山のアーチ量産は、必然とチームの勝利も呼び込んでくる。球団では86年バース以来のキングへ、背番号「3」の打席から目が離せない。
3回裏中日無死 1一塁、高橋遥人投手はアルモンテ外野手に「中適時2塁打」を打たれ失点する=ナゴヤドーム
高橋遥人投手が自己最短タイの 4回 5安打 3失点で降板し、「4敗」目を喫した。
2点先制した直後の 1回裏、先頭大島から連打を浴び、この回に同点に追いつかれた。 3回は先頭の京田に四球を出すと、アルモンテの適時 2塁打で勝ち越し点を献上。「先制点を取ってもらったにもかかわらず、粘ることができず、早いイニングで降板してしまいチームに申し訳ないです」。前回 5日は「プロ初完投勝利」を挙げたが、この日は 130キロ前半の直球もあり、本調子にはほど遠い様子だった。
3回裏中日無死 1塁、アルモンテ外野手に「適時2塁打」を打たれた高橋遥人投手=ナゴヤドーム
矢野監督も「アウトの取り方を見ても結構大きなフライとか、ピッチング内容も苦しかった」と話した。
阪神先発の高橋遥人投手は自己最短タイの 4回 3失点で降板した。
自身「3連勝」を目指したマウンドだったが、中日助っ人陣につかまった。初回に 2点の援護をもらうも、その裏に先頭から連打で無死 2、 3塁のピンチ。「3番」アルモンテの 2ゴロの間に 1点差とされた。続く「4番」ビシエドには適時 2塁打を浴びて同点とされた。
3回裏中日無死 1塁、アルモンテ外野手に「勝ち越し適時2塁打」を浴びた高橋遥人投手=ナゴヤドーム
3回には不運な打球で勝ち越しを許した。無死 1塁からアルモンテが放った中前へのライナー性の当たりを中堅近本が前進チャージ。ハーフバウンドで処理しようとしたが打球を右翼側に大きく弾いてしまい、 1塁走者が一気に生還。記録は適時 2塁打となった。
高橋は 4回を投げ終えて65球だったが、 5回一死 2塁の打席で矢野監督は代打を送った。攻めの交代で高橋は 4回65球で降板となった。
「先制点を取ってもらったにもかかわらず、粘ることができずに早いイニングで降板してしまいチームに申し訳ないです」
今季中日戦は「2戦2勝」と相性の良かった左腕だが、 3度目の対戦で攻略された。
練習前、ナゴヤドームのマウンドを確認する岩貞祐太投手(右)と藤浪晋太郎投手=ナゴヤドーム
岩貞祐太投手と岩崎優投手が13日、 1軍に合流した。 9月25日に岩貞は「新型コロナウイルス感染」が判明。直前に内規の 4人を超える会食を行ったことが明らかになった。
「チームに迷惑を掛けてしまった分、ここからチームに貢献出来るように 1試合 1試合投げていきます」と話した。 5回に登板し、 1回を 2安打 1失点。濃厚接触者に指定されていた岩崎は「感染者がいたらこうなることは分かっていた中で、自分の認識の甘さでチームに迷惑をかけたことは申し訳なく思います」と反省の言葉を並べた。
5回裏、阪神「2番手」で登板した岩貞祐太投手=ナゴヤドーム
岩貞祐太投手が「新型コロナウイルス陽性」からぶっつけ復帰登板も失点を喫した。
先発高橋が 4回で降板。 1点ビハインドの 5回から救援。安打で走者を出すと、二死 1塁から「4番」ビシエドに左翼線への適時 2塁打を浴びてリードを広げられた。
岩貞は 9月25日に「新型コロナウイルス陽性判定」を受け、同日に出場選手登録を抹消。隔離期間を経て10月 9日に 2軍練習に合流し、この日から 1軍に合流していた。 2軍戦では実戦登板せずに昇格となったため、 9月22日DeNA戦(甲子園)以来、“中20日”でのぶっつけ実戦復帰だった。
7回裏、阪神「5番手」で登板した藤浪晋太郎投手=ナゴヤドーム
藤浪晋太郎投手が自己最速の 161キロを計測した。
2点ビハインドの 7回に「5番手」で登板。先頭大島の 3球目に自己最速タイの 160キロを出すと、二死後のアルモンテへの 4球目だった。外角に少し外れた直球の球速が「161キロ」を表示。場内はどよめきに包まれた。アルモンテは 137キロスライダーで空振り三振に仕留め、 3者凡退と救援の役割もしっかり果たした。
藤浪の 161キロは17年ドリス、20年10月11日スアレスに並ぶ「球団最速タイ」。
7回裏、阪神「5番手」で登板した藤浪晋太郎投手が記録した 161キロ=ナゴヤドーム
藤浪晋太郎投手が自己最速を塗り替えた。 2点ビハインドの 7回裏に登板し、 1イニングを完全投球。二死から「3番」アルモンテへの 4球目、外角に外れた直球が 161キロを計測した。
「球速を楽しんでいる余裕は正直ないですが、スピードも出ないよりは出た方がいい。そこを目指すわけではないですが、良かったのかなと思います」。自己最速を 1キロ更新。17年のドリスに続き、 2日前にスアレスが計測したばかりの「球団最速記録」に並んだ。
3連投で今季リリーフ登板 9戦目。安定感が増している。先頭の「1番」大島には 160キロを投げ込んだ後、 158キロで押し込んで遊ゴロ。「2番」京田は 159キロで詰まらせて遊ゴロ。アルモンテからは最後、カットボールで空振り三振を奪った。これで 4戦連続で「無安打無失点投球」だ。
7回裏中日二死、藤浪晋太郎投手はアルモンテ外野手に対し球速 161キロを記録=ナゴヤドーム
制球難に苦しんだ数年間も愚直に肉体強化を続けてきた。球速よりも質を追い求めているとはいえ、 161キロは地道な努力の証といえる。「相手の流れを断ち切りたいと思いながら投げました。結果的に 3人で抑えることができて良かったです」。魅力あふれる投球が続く。
▽阪神金村曉投手コーチ(藤浪が球団最速タイの 161キロ)
「すごく良い状態。お客さんが 160キロとか出て『わーっ』となってくれているし、いいモチベーションになっている。ただ、球速より抑えてくれればいいかなと思っています。毎日のように投げられることで、打者にも腕を振れる感覚が出てきたと思います」
阪神藤川球児投手=阪神甲子園球場 (2020年 7月23日撮影)
「伝統の一戦」で完全燃焼する。阪神は11月10日の巨人戦(甲子園)で、今季限りで「現役引退」する藤川球児投手の「引退セレモニー」を開催することを13日、発表した。タテジマ最後のマウンドの相手は、並々ならぬ思いで戦ってきたきた宿敵巨人。希代の守護神がG倒で花道を飾る。右上肢のコンディション不良で 2軍調整中も、今週中に 1軍に合流する見込み。現役22年間のすべてを注ぎ込む。
◇ ◇ ◇
打倒巨人に執念を燃やしてきた男が、伝統の一戦で完全燃焼を果たす。この日追加日程が発表され、11月10日に巨人戦(甲子園)が組み込まれた。巨人との今季最終戦が、藤川の「引退試合」になった。
「いい戦いをしてきた、自分としては。はっきり分からないけど、対巨人戦というのはもちろんそうなんですけど、数字的にも一番いいんじゃないかなと。チームとして戦ってきた数字が僕の数字。タイガースの自分が現役でいた数字として残った気持ちの表れだと思う」
昨年 9月、巨人阿部慎之助捕手から空振り三振を奪った藤川球児投手(左)は帽子のつばに触ってあいさつする=阪神甲子園球場 (2019年 9月24日撮影)
タテジマの宿命を背負ってきた。宿敵を撃破することは阪神に入団した選手の責務。かねて口にしてきた「伝統の一戦」への熱い思いは、数字にも表れている。藤川の対巨人の通算防御率は、セ・リーグ5球団でトップの「2.10」。セーブ数も対中日に次ぐ「46セーブ」を挙げた。虎の守護神の花道を飾るうえで、これ以上ない舞台が整った。
ここまで 2軍調整を続けてきたが、今週中にも 1軍合流する可能性が高まった。矢野監督はこの日の試合後に「投げられるように球児自身もやってくれているんで、どこかで上げようかなと思う」と話した。 1日にはウエスタン・リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)で52日ぶりに実戦復帰し、 1回 1安打無失点。「 1日でも早く復帰できればと思って、調整しています。打者 1人かもしれないけど、そういう姿を見せられたらなと」。現役22年間を応援してくれた声が、復活への源。出来るだけ多くのファンに勇姿を届ける。
阿部慎之助捕手に中堅フェンス直撃の 2塁打を浴び打球を見送る藤川球児投手は=阪神甲子園球場 (2012年 9月 6日撮影)
「日米250セーブ」まであと「5」に迫りながら「現役引退」を決意。要因となった右腕の状態は、現在も完璧とはいえない。「 1回登板すれば、その分回復しきらない。多分下がっていくだけだと思うし。でも最後、何とかね。どちらかと言えば、勝負というよりは、ファンの方に登板しているところを。どんな状況におかれても前向きにチャレンジして。そこで、もし何か伝わるものがあれば」。すべての力を振り絞って、代名詞の「火の玉ストレート」を投げる決意だ。
「引退セレモニー」は試合終了後に行われ、来場者には「引退記念グッズ」がプレゼントされる予定。「その日、感謝を伝えられたら。プレーでというのもありますし、何かを感じてもらえるような場になれば。場にしなければいけないかなと思います」。感謝とさまざまな思いを胸に、守り続けたマウンドに立つ。
◆藤川球児投手と巨人戦
通算 143試合に登板。「防御率2.10」は、対セ・リーグ球団では最良だ。救援登板した試合での奪三振数「209」も、「カード別1位」。「46セーブ」は、中日戦の「47セーブ」に続き「2位」。「優勝」した05年には、13試合に投げ「15イニング無失点」という、驚異的な成績で宿敵を封じ込めた。また対戦打席数最多は、巨人の阿部慎之助。幾多の名勝負を繰り広げてきた。
※10月14日の予告先発は、中日・大野雄大投手(32)ー阪神・青柳晃洋投手(26)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
多くの方と話をする中で、"楽しむからこそ実力が発揮できる"そして"笑うということには大きなパワーがある"ということを教えてもらいました。
これからの1年はグラウンドで苦しい時こそ笑って、楽しいときはもっと楽しく、でもしっかり勝つようなチームを作っていきます。
そして、僕たちが勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらい、思いっきり喜んでもらえるようなシーズンにすべく、「It's 勝笑 Time!オレがヤル」というスローガンにしました。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2020年 公式戦日程と 結果 (09月)
2020年 公式戦日程と 結果 (10月)
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