●中日は 1回に京田陽太内野手(26)の「5号ソロ」で先制。阪神はその裏、糸原健斗内野手(27)の「適時2塁打」などで 2点を奪い逆転。 3回にも 1点を加えた。阪神先発西勇輝投手(29)は 2回以降、安定した投球で 6回まで 1失点と力投。中日先発大野雄大投手(32)は序盤 3失点も中盤 3イニングは無失点だった。阪神は先発西勇が完投で今季「11勝」目を挙げ「5連勝」。中日は自身「5連勝」中だった大野雄が今季「6敗」目。チームも「3連敗」となった。矢野阪神が「V逸」目前から執念の「5連勝」を飾った。初回に糸原健斗内野手の「同点タイムリー」などで「45回連続無失点」中の中日大野雄から 2点をもぎ取り、逆転に成功。 3回に 1点を挙げ、難攻不落の左腕を攻略した。負ければ「15年連続のV逸」が決まる土壇場で見せた猛虎の意地で「2位」に浮上した。貯金を今季最多の「5」に増やし、10月13日以来の「2位」に浮上。指揮官はナインをたたえた。負ければ「V逸」決定という窮地から「5連勝」。残り 9試合、猛虎の意地を体現し続ける。
●西勇輝投手が中日大野雄大投手との「エース対決」に完勝した。自己最多の「シーズン4完投」で移籍後最多の「11勝」目。お立ち台でも責任をにじませた。阪神は先発西勇輝投手が 9回 1失点の完投で「5連勝」に延ばし、「2位」に再浮上した。 1回に 1点を失ったが、その後は危なげない投球で最後まで投げきった。この日は打線が難攻不落の大野雄に対して、いち早く反撃した。 1回に糸原が右中間に「同点適時2塁打」を放ち、大山悠輔内野手(25)の遊ゴロの間に勝ち越し。大野雄の連続イニング無失点を「45」で止めた。 3回には陽川尚将内野手(29)が効果的な「適時2塁打」を左中間に放った。優位に試合を進めて、逃げ切った。すでに今季の規定投球回到達も妥協なく、この日に突破。自己最多となる「13勝」まで残り 2戦で圏内だ。防御率は「リーグ2位」の「2.03」に下げた。タイトルを度外視。大黒柱の自覚が光った。
●梅野隆太郎捕手(29)が 7月以来 3カ月ぶり 3度目の「猛打賞」で西勇を援護した。外野全方向へそれぞれ打ち分けて 3安打。西勇とはともにお立ち台にも上り笑顔だった。
●主将のバットから放たれた白球が右中間を切り裂く。 1塁から虎の韋駄天がぐんぐん加速した。糸原が大野雄の連続イニング無失点を「45」で止める同点 2塁打。“チカイト”コンビで奪った価値ある 1点が、試合の主導権ももぎとった。近本光司外野手(25)が「マルチ安打」で打率を「2割9分5厘」まで上げた。 1回先頭では右前へ。 6回二死 2塁でも右前打を放ち、 2走の梅野は本塁で憤死したが存在感を出した。これで 5試合連続の複数安打。矢野燿大監督(51)は期待した。 0- 1と先制を許した直後の 1回。まずは「1番・近本」が右前打を放ち、大野雄の出ばなをくじいた。打席には虎の主将。 1塁で近本が 3度もスタートを切って左腕に揺さぶりをかける。ファウルで粘って 7球目。 132キロフォークを完璧にはじき返した。難攻不落の左腕から、たった 2人で 1点を奪った。絶好調の「1&2番コンビ」が「5連勝」の要因だ。残り 9試合。“チカイト”が最後まで打線を引っ張る。
●糸原健斗内野手が、「45イニング無失点」中だった中日大野雄から同点タイムリーを放った。 0- 1の 1回無死 1塁で低めフォークを右中間へ。 1塁走者近の本も快足を飛ばしてホームへ生還した。今季は 2度「完封負け」を喫するなど苦手としていた左腕を開始早々に攻略した。糸原は「5試合連続安打」と絶好調だ。その後無死 1、 3塁とチャンスは続き、「4番」大山は遊ゴロ。その間に 3走の糸原が生還し、大山は今季「79打点」目となった。打線の援護を受けた先発の西勇も 2回以降は、持ち味の緩急をつける投球と抜群の制球で、中日打線に的をしぼらせなかった。完投で「11勝」目。チームも今季 2度目の「5連勝」で、貯金は今季最多の「5」。直接対決でたたいた中日と入れ替わって、ゲーム差なしで「2位」に浮上した。
●大山悠輔内野手が「2試合連続打点」でタイトル争いの差を縮めた。この日は無安打に終わったが打点を「79」に伸ばし、トップの巨人岡本和真内野手(24)との差は「5」となった。
● 2試合ぶりにスタメン起用された陽川尚将内野手が、貴重な追加点を呼んだ。 1点リードの 3回二死 1、 2塁で大野雄のツーシームを左中間へ。適時二 2打でリードを2点に広げた。試合前まで「防御率1点」台だった中日のエース左腕から「3点」目を奪った。守備では 1回に高橋の打球を後逸して 3塁打にしてしまったが、 5回は邪飛をスライディングキャッチ。ミスも取り返した。
●上本博紀内野手(34)が来季の戦力構想から外れていることが29日、分かった。すでに球団から通達されたとみられる。プロ12年目の今季は25試合出場で「打率1割7分1厘」に低迷。 1軍に定着できなかった。上本は08年「ドラフト3位」で早大から入団。14年には自己最多の 131試合に出場して「打率2割7分6厘、142安打」。俊足巧打で 2塁の定位置をつかんだ。この日はウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)に「2番2塁」で先発して「2打数無安打」。福留孝介外野手(43)、能見篤史投手(41)がすでに戦力構想から外れている。上本は14年から 3シーズン、選手会長を務めるなど、中心選手だった。タテジマ一筋のバイプレーヤーの退団が決定的になった。
●来季構想外で今季限りの退団が決定的な福留孝介外野手が、「タテジマラストゲーム」に臨んだ。29日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)に「3番左翼」で志願のフル出場。タイムリーや好返球で攻守に健在ぶりをアピールした。8年間在籍したチームへの感謝を語り、現役続行への意欲も示した。悲愴(ひそう)感はなかった。福留が愛着あるタテジマに笑顔で別れを告げた。鳴尾浜でのウエスタン・リーグ中日戦は自身にとって、事実上の今季最終戦となった。球界最年長の43歳が若手に交じって、野球少年のように全力プレーを見せた。阪神の来季戦力構想から外れ、今季限りで退団する。30日からの最終カードのソフトバンク戦(タマスタ筑後)には同行しない。メジャーから日本球界に復帰し、 8年。「優勝」の力になれなかったことを悔やみながらも胸を張った。プレーだけでなく、後輩たちに自らの経験や技術を惜しみなく伝えてきた。現役続行への強い意志を持つ。福留の野球人生は挑戦の連続だ。この先は険しい道が待っているが、戦いはまだ続く。
記事をまとめてみました。
<阪神 3- 1中日>◇24回戦◇阪神14勝10敗 0分◇29日◇阪神甲子園球場
中日は 1回に京田の「5号ソロ」で先制。阪神はその裏、糸原の「適時2塁打」などで 2点を奪い逆転。 3回にも 1点を加えた。
阪神先発西勇は 2回以降、安定した投球で 6回まで 1失点と力投。中日先発大野雄は序盤 3失点も中盤 3イニングは無失点だった。
阪神は先発西勇が完投で今季「11勝」目を挙げ「5連勝」。中日は自身「5連勝」中だった大野雄が今季「6敗」目。チームも「3連敗」となった。
5回表中日二死、西勇輝投手は大島洋平外野手の右邪飛を好捕した陽川尚将内野手を笑顔で迎える=阪神甲子園球場
矢野阪神が「V逸」目前から執念の「5連勝」を飾った。初回に糸原健斗内野手の「同点タイムリー」などで「45回連続無失点」中の中日大野雄から 2点をもぎ取り、逆転に成功。 3回に 1点を挙げ、難攻不落の左腕を攻略した。負ければ「15年連続のV逸」が決まる土壇場で見せた猛虎の意地で「2位」に浮上した。
◇ ◇ ◇
重くのしかかるはずの記録を意識する間もなく、虎が難攻不落の中日大野雄を攻略した。 1点を追う 1回裏、「1番」近本の右前打で無死 1塁。「2番」糸原が 4球ファウルで食らいついた後、カウント 2- 2から甘く入ったフォークをコンパクトに強振した。大歓声をBGMに、飛球が右中間最深部を破っていく。首脳陣の強攻策に応え、同点の「適時2塁打」を決めた。
1回裏阪神無死 1塁、中日大野雄大投手から右中間へ同点適時二塁打を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
糸原 チカ(近本)が塁に出てくれましたし、自分も次の打者へつなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができて良かったです。
相手は今季 4試合で「防御率0.91」に封じ込められていた天敵。たった 2人で、わずか10球で、大野雄に46イニングぶりの失点をつけて勢いに乗った。「3番」マルテの 3遊間へのゴロに 2塁走者糸原が反応し、間一髪で 3塁を陥れる。無死 1、 3塁となり、「4番」大山が遊ゴロを転がす間に勝ち越しの 2点目をゲット。左腕の出ばなを一気にくじき、今季最長タイの「5連勝」につなげた。
1回裏阪神無死 1塁、糸原健斗内野手は右中間へ「同点適時2塁打」を放った=阪神甲子園球場
大野雄はプロ野球史上 9年ぶりの「45イニング以上連続無失点」。前回の日本ハム・ダルビッシュを「46イニング連続無失点」で止めたチームも虎だった。11年 6月15日の甲子園。 3回二死 3塁から暴投の間に「47イニングぶりの失点」で、「黒星」も記録。今回も同じように黒星までつけさせ、矢野監督は「立ち上がりで 2点を取れたというのは大きい」と納得顔だ。
貯金を今季最多の「5」に増やし、10月13日以来の「2位」に浮上。指揮官は「今シーズンも苦しい時期もたくさんあった。みんな全員でやるというところで諦めずにやり切ってくれているというのが、こういうところにつながっている」とナインをたたえた。負ければ「V逸」決定という窮地から「5連勝」。残り 9試合、猛虎の意地を体現し続ける。
完投勝利をあげた西勇輝投手(右)とタッチを交わす矢野耀大監督=阪神甲子園球場
阪神は先発西勇輝投手が 9回 1失点の完投で「5連勝」に延ばし、「2位」に再浮上した。矢野監督の一問一答は以下の通り。
(テレビインタビュー)
-「45回連続無失点」中だった大野に初回、「1、2番」コンビで鮮やかな攻撃
矢野監督 本当に調子が出る前にね、 2人で点とってくれて。ケント(糸原)がそのあと積極的な走塁でサードにいったっていうのもね、すごくいきましたし。立ち上がりで2点取れたっていうのは大きいですね。
-近本は 3回スタートをきった。揺さぶりも大きかった
矢野監督 近本が出ると相手は無警戒でいられないのでそういうところは目に見えないプレッシャーは相手にかかっていると思います。
- 3回は二死から追加点
矢野監督 そうですね、ダメージのある得点だったと思いますし、こっちとしてはいい形で点が取れました。
6回裏阪神二死 2塁、右前打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
-「2試合連続完封負け」していた大野を攻略
矢野監督 本当になかなか打てないところが続きましたけど、きょうはみんな積極的に、ちょっと高いボールを思い切っていってくれましたね。
-西勇は中 5日の登板
矢野監督 西らしくね、初回に 1点取られましたけど、逆にそこで気合が入ったところもありますし、最後まで行く気満々でね、しっかり投げ切ってくれた素晴らしいピッチングでした。
- 4度目の完投。頼もしい
矢野監督 そうですね。本当にローテーションも中5日でいってもらったのも何回かあるんですけど、その中で勇輝(西勇)らしく投げてくれてますね。
-「5連勝」で「2位」に浮上
矢野監督 順位は最後には決まりますし、僕らにできることは明日どうやって勝つか、全員でどうやって戦うか。そういうところだと思うので、残り少なくなりましたけど、それはしっかりやりきります。
中日を 3タテしファンにあいさつする矢野耀大監督=阪神甲子園球場
(囲み取材)
-西勇の印象
矢野監督 自然に気合も入るでしょう。相手もいいピッチャーってわかっているからね。もちろん先に(点を)やらないようにという意識は西も持っていたと思うけど。逆にホームランで。その後は西らしくね。大野に勝つぞというか、負けないぞというか、そのような気持ちは持っていて当然だとは思うけどね。それを実行するのは簡単なことじゃないけど、そこが素晴らしい。
-初回無死 1塁から強攻策
矢野監督 作戦はいろいろあるけど。ケントも状態はいいしね。右、左関係なく対応してくれるバッターなんで、バントという頭はあまりなかった。ケントと、チカで揺さぶれるというか。
-初球攻撃が目立った
矢野監督 いいピッチャーはね。菅野にしても、そうだけど。やっぱり追い込まれたら、追い込まれるほど難しくなるし、立ち上がりゼロで行っちゃうと、どんどんエンジンがかかるんでね。そういう調子が出る前に 2人で点を取ってくれたのは大きかったし。ケントが 3遊間のところサードに行ってくれたというね。もちろん際どいプレーなんだけどね。あそこはちゅうちょしていたら、もう 1点というのはなかったかもしれないんでね。そこは本当に効いたかなと。
-陽川も奮起
矢野監督 いや大きいよ。ちょっと東京ドームでいいホームラン出てこっち来てから内容的にアレやったけど、まああそこで打ってくれたというのは相手に与えるダメージがあるし、こっちとしてもね、2点差というのは気持ち的にもちょっと余裕の出るようなタイムリーだったんで、ナイスバッティングです。
-西は 8回 100球くらい。 9回もエースに対する信頼
矢野監督 もちろんそれもあったし、疲れるというか中 5日ではあったけど、西自身いけそうな感じもあったし、そんなに迷うことなく。まあ、スアレスが後ろにいてくれるという安心感もあるんで、それは思い切ってというか、普通に続投で。
5回表中日二死、大島洋平外野手の邪飛を好捕した陽川尚将内野手(左)を出迎える西勇輝投手=阪神甲子園球場
-近本は「5試合連続マルチ」。「3割」も見えた
矢野監督 そりゃでかいよ。 1回、「3割」くらいまでいって落ちてここまで来たし、価値あると思うし、「2年目のジンクス」といわれる中で、「盗塁王」は取って当たり前というか、とらなきゃダメだというのがあると思うけど、やっぱり3割というのは。チカの3割というのは相手にとってのプレッシャーというのがあると思うので、そういうところは目指すというか、越えていってほしい。
-チームとして「5連勝」。去年終盤の「6連勝」の勢いを感じる
矢野監督 苦しい時期もけっこう、今シーズンもたくさんあったし、みんな全員でやるというところであきらめずにやりきってくれているというのが、こういうところにつながっていると思うし。さっきも言ったけど、順位というのは上がったり下がったり、最後には絶対決まるんでね。そんなことに一喜一憂することなく…。俺自身はもちろん、考えてるんだけど、考えてしまうんだけど、自分たちの野球やること、毎日をどう過ごすかが大事。みんなしっかりやってくれている。
-桑原が抹消
矢野監督 しっかり投げられるというか肘の状態とか体のコンディションもここ何年かうまくいってなくて。しっかり投げてくれているんでね。じゃあ 100%かというとそうじゃないところであいつも投げてくれていた。残り試合少なくなって、来年に向けて万全で投げてくれたらいいなというところで。投手の登録が多いのでそういうところで判断した。
-低めの見極めができていた
矢野監督 打撃コーチとスコアラーさんがいろいろ伝えてやってくれている。それも大きかったし、いい投手はどうボールを振らせるかというところがすごくうまいんで。きょうは高いボールもちょっと多かったというのもある。
阪神は先発西勇輝投手が 9回 1失点の完投で「5連勝」に延ばし、「2位」に再浮上した。
1回に 1点を失ったが、その後は危なげない投球で最後まで投げきった。この日は打線が難攻不落の大野雄に対して、いち早く反撃した。 1回に糸原が右中間に「同点適時2塁打」を放ち、大山の遊ゴロの間に勝ち越し。大野雄の連続イニング無失点を「45」で止めた。 3回には陽川が効果的な「適時2塁打」を左中間に放った。優位に試合を進めて、逃げ切った。
阪神先発の西勇輝投手=阪神甲子園球場
阪神先発の西勇輝投手が 9回 6安打 1失点で、今季 4度目の「完投勝利(2完封含む)」。阪神移籍後では最多となる「11勝」目を手にした。
1回は京田に先制ソロを浴びたが、崩れなかった。 2回以降は散発 3安打。自慢の制球力で中日打線を手玉に取り、中日大野雄とのエース対決を制した。女房役梅野とお立ち台に上がり「相手が大野さんだったので先制点取られてしまったんですけど、チームが 3点取ってくれた。なんとか完投できてよかったです」と笑顔を見せた。
完投勝利をあげ捕手梅野隆太郎(右)と抱き合う西勇輝投手=阪神甲子園球場
前回登板の23日巨人戦(東京ドーム)では味方の失策も絡んで 5回 5失点(自責は 2)。試合前まで防御率は2.10だったが、この日の完投で2.03まで下げた。「梅野が本当に良いリードをしてくれて投げることができてます。来年もしっかり良いバッテリーを組んで、『日本一』なりたいと思います」と、頼もしく話した。
1失点完投で中日に勝利し、矢野燿大監督(右)と笑顔でエアタッチする西勇輝投手=阪神甲子園球場
西勇輝投手が中日大野雄大投手との「エース対決」に完勝した。自己最多の「シーズン4完投」で移籍後最多の「11勝」目。お立ち台でも責任をにじませた。
「昨日、ブルペンデーでたくさんの中継ぎの方が投げた。相手が大野さん。先制点を取られてしまったけど、 3点、取ってくれた」
本領を発揮したのは 1回だ。京田に「先制ソロ本塁打」を浴び、二死後、高橋の打球を右翼陽川が後逸するミスで 3塁打になる。投げ合うのは「45回連続無失点」中の左腕だ。次の 1点を許せばキツい。福田との対戦。初球外角スライダーで目付けさせ、 2球目の内角シュートでえぐる。中飛に詰まらせ、ピンチを断った。
ヒーローインタビュー終え、ファンに笑顔で手を振って引き揚げる西勇輝投手=阪神甲子園球場
大野雄との移籍後初対決で投球術がさえた。シュートもスライダーも敵を詰まらせ、逃げる球になる。内外角への投げ分けで 2回以降を封じた。名コンビの梅野とは「今年、特に負けない投手になろう」と誓った。今年は 1人で堂々の貯金「6」だ。前夜は 7投手で継投。救援陣を温存する力投だ。
すでに今季の規定投球回到達も「もともとの 143イニングを」と妥協なく、この日に突破。自己最多となる「13勝」まで残り 2戦で圏内だ。防御率は「リーグ2位」の「2.03」に下げた。タイトルを度外視し「長いイニングを放ることだけ」と気合。大黒柱の自覚が光った。
6回裏阪神一死、梅野隆太郎捕手は右前安打を放った=阪神甲子園球場
梅野隆太郎捕手が 7月以来 3カ月ぶり 3度目の「猛打賞」で西勇を援護した。外野全方向へそれぞれ打ち分けて 3安打。「ピッチャーが頑張って投げてるので、それに応えられるように結果を出していきたい一心だった」。西勇とはともにお立ち台にも上り「大野さんと西さんのエース対決で、昨日から勝つことだけを思っていた。 2人でお立ち台に立てて本当にうれしく思ってます」と笑顔だった。
「明日も勝つばい!」でヒーローインタビューを締める梅野隆太郎捕手(右)と西勇輝投手=阪神甲子園球場
近本光司外野手が「マルチ安打」で打率を「2割9分5厘」まで上げた。 1回先頭では右前へ。 6回二死 2塁でも右前打を放ち、 2走の梅野は本塁で憤死したが存在感を出した。これで 5試合連続の複数安打。
矢野監督は「チカ(近本)の『3割』というのは相手にとってのプレッシャーがあると思う。(『3割』を)目指すというか、超えていってほしい」と期待した。
1回裏阪神無死、近本光司外野手は右前打を放った=阪神甲子園球場
主将のバットから放たれた白球が右中間を切り裂く。 1塁から虎の韋駄天がぐんぐん加速した。糸原が大野雄の連続イニング無失点を「45」で止める同点 2塁打。“チカイト”コンビで奪った価値ある 1点が、試合の主導権ももぎとった。
「チカ(近本)が塁に出てくれましたし、自分も次の打者へつなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができてよかった」
0- 1と先制を許した直後の 1回。まずは「1番・近本」が右前打を放ち、大野雄の出ばなをくじいた。打席には虎の主将。 1塁で近本が 3度もスタートを切って左腕に揺さぶりをかける。ファウルで粘って 7球目。 132キロフォークを完璧にはじき返した。難攻不落の左腕から、たった 2人で 1点を奪った。
1回、糸原健斗内野手が大大野雄大投手(手前)から「適時2塁打」=阪神甲子園球場
チームとしても大野雄に対し、「2試合連続完封」を喫していた。これが20イニングぶりの得点。糸原はマルテの遊撃内野安打の間に 3塁に進み、大山の遊ゴロの間に勝ち越しホームイン。矢野監督は「(大野雄の)調子が出る前に、 2人で点とってくれて。近本が出ると相手は無警戒でいられない。目に見えないプレッシャーは相手にかかっている」とたたえた。
近本は 6回にも右前打を放ち、これで「5試合連続マルチ安打。打率0.295」と、「3割」が目前に迫る。糸原も「5試合連続安打」と、絶好調の「1&2番コンビ」が「5連勝」の要因だ。残り 9試合。“チカイト”が最後まで打線を引っ張る。
近本光司外野手が同点ホームを駆け抜けた=阪神甲子園球場
糸原健斗内野手が、「45イニング無失点」中だった中日大野雄から同点タイムリーを放った。
0- 1の 1回無死 1塁で低めフォークを右中間へ。 1塁走者近の本も快足を飛ばしてホームへ生還した。「チカ(近本)が塁に出てくれましたし、自分も次の打者へつなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができて良かったです」。今季は 2度「完封負け」を喫するなど苦手としていた左腕を開始早々に攻略した。糸原は「5試合連続安打」と絶好調だ。
その後無死 1、 3塁とチャンスは続き、「4番」大山は遊ゴロ。その間に 3走の糸原が生還し、大山は今季「79打点」目となった。
1回、「適時2塁打」を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
虎党も驚き、歓喜した。快音とともに、打球は右中間を真っ二つに抜けた。糸原が 0- 1の 1回に、同点の「適時2塁打」だ。 1走・近本が小躍りしながら生還。中日・大野雄の連続イニング無失点を「45」で止める一打だった。
「チカ(近本)が塁に出てくれたし、自分も次の打者につなぐ気持ちで打席に入りました。同点に追いつくことができてよかった」
2塁ベース上で、糸原の顔もほころんだ。 1回、先発の西勇が京田に右翼スタンドに被弾。相手は難敵・大野雄だ。阪神は 9月30日(甲子園)、10月15日(ナゴヤドーム)と「2試合連続完封負け」を喫しており、先手を取られて、誰もが苦戦を予想した。
そんな空気をまず打ち破ったのが、先頭の近本だ。大野雄のフォークを右前へ。糸原はカウント 2- 1からファウルで 3球粘って、最後はフォークをとらえた。なおも無死 1、 3塁で、大山の遊ゴロの間に 1点を追加。試合をひっくり返した。
1回裏阪神無死 1塁、中日大野雄大投手から右中間へ同点適時二塁打を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
3回は二死 1、 2塁の好機で、陽川が左中間を破る「適時2塁打」を放ってリードを 2点とし「みんながいい流れで回してくれたので。その流れに乗って打つことができた」と喜びを爆発させた。
矢野監督は前日28日の中日戦に勝利した後のインタビューで「 1つでも多く勝って、 1つでも上の順位を狙うというのは、僕たちのやることなので。一戦一戦、戦いながら、上を目指していきたいと思います」と声を大にしていた。
打線の援護を受けた先発の西勇も「(長い)イニングを投げることが大事。しっかりゲームを作っていくことを考えながら、やっていければ」という言葉通り、 2回以降は、持ち味の緩急をつける投球と抜群の制球で、中日打線に的をしぼらせなかった。完投で「11勝」目。チームも今季 2度目の「5連勝」で、貯金は今季最多の「5」。直接対決でたたいた中日と入れ替わって、ゲーム差なしで「2位」に浮上した。
1回裏阪神無死 1、 3塁、大山悠輔内野手は遊ゴロ併殺崩れの間に1打点を稼ぐ=阪神甲子園球場
大山悠輔内野手が「2試合連続打点」でタイトル争いの差を縮めた。
初回に糸原の適時打で追いつき、なおも無死 1、 3塁。先発大野雄の変化球を引っかけて遊ゴロとなったが、その間に 3塁走者が生還した。この日は無安打に終わったが打点を「79」に伸ばし、トップの巨人岡本との差は「5」となった。
3回裏阪神二死 1、 2塁、左中間をやぶる「適時2塁打」を放った陽川尚将内野手=阪神甲子園球場
2試合ぶりにスタメン起用された陽川尚将内野手が、貴重な追加点を呼んだ。
1点リードの 3回二死 1、 2塁で大野雄のツーシームを左中間へ。適時二 2打でリードを2点に広げた。「ここ最近はチャンスの場面で打てていなかったですし、みんなが良い流れで回してくれたのでその流れに乗って打つことができました。追加点を取ることができて良かったです」。試合前まで「防御率1点」台だった中日のエース左腕から「3点」目を奪った。
3回裏阪神二死 1、 2塁、陽川尚将内野手は左中間へ「適時2塁打」を放った=阪神甲子園球場
陽川尚将内野手が貴重な追加点を呼んだ。
2- 1の 3回二死 1、 2塁で大野雄のツーシームを左中間へ放ち、リードを 2点に広げた。「みんなが良い流れで回してくれたので、その流れに乗って打つことができました」。矢野監督も「 2点差は気持ち的にも余裕出る。ナイスバッティングでした」と称賛した。守備では 1回に高橋の打球を後逸して 3塁打にしてしまったが、 5回は邪飛をスライディングキャッチ。ミスも取り返した。
ウエスタン・リーグ<阪神 7- 5中日>◇29日◇阪神鳴尾浜球場
上本博紀内野手が来季の戦力構想から外れていることが29日、分かった。すでに球団から通達されたとみられる。プロ12年目の今季は25試合出場で「打率1割7分1厘」に低迷。 1軍に定着できなかった。
上本は08年「ドラフト3位」で早大から入団。14年には自己最多の 131試合に出場して「打率2割7分6厘、142安打」。俊足巧打で 2塁の定位置をつかんだ。
5回裏(阪神)二死 2塁、上本博紀内野手は福留の右前適時打で生還する=阪神鳴尾浜球場
3シーズンで規定打席に到達するなど主力として活躍してきたが、18年 5月 5日中日戦で左膝を負傷。同 6月に前十字靱帯(じんたい)手術を受ける重傷だった。近年は糸原と 2塁レギュラーを争ったが、勝負強い打撃は影を潜めていた。
この日はウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)に「2番2塁」で先発して「2打数無安打」。問いかけに無言だった。福留、能見がすでに戦力構想から外れている。上本は14年から 3シーズン、選手会長を務めるなど、中心選手だった。タテジマ一筋のバイプレーヤーの退団が決定的になった。
来季構想外で今季限りの退団が決定的な福留孝介外野手が、「タテジマラストゲーム」に臨んだ。29日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)に「3番左翼」で志願のフル出場。タイムリーや好返球で攻守に健在ぶりをアピールした。8年間在籍したチームへの感謝を語り、現役続行への意欲も示した。
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悲愴(ひそう)感はなかった。福留が愛着あるタテジマに笑顔で別れを告げた。鳴尾浜でのウエスタン・リーグ中日戦は自身にとって、事実上の今季最終戦となった。「このユニホームを着て公式戦をやるのは、最後だと思って。すごくうれしく、楽しくできました」。球界最年長の43歳が若手に交じって、野球少年のように全力プレーを見せた。
2回表(中日)二死 2塁、福留孝介外野手は藤井淳志外野手の左前打で生還を狙った石垣雅海内野手を刺す=阪神鳴尾浜球場
初回だ。二死 2塁で藤井の左前打にチャージし 2塁走者を本塁で刺した。正確なワンバウンド送球だった。バットでも本領を発揮。 5回二死 2塁で、左腕浜田智から鋭い打球を放った。 1、 2塁間を破る右前タイムリー。攻守で健在ぶりをアピールした。
阪神の来季戦力構想から外れ、今季限りで退団する。30日からの最終カードのソフトバンク戦(タマスタ筑後)には同行しない。メジャーから日本球界に復帰し、 8年。「優勝」の力になれなかったことを悔やみながらも胸を張った。「タイガースで8年やらせてもらったのがすごくいい経験だと思いますし、財産だと思います」と感謝の気持ちを表した。
5回に右前適時打を放った福留孝介外野手=阪神鳴尾浜球場
プレーだけでなく、後輩たちに自らの経験や技術を惜しみなく伝えてきた。チームに残したものを問われると「何もないでしょう」と謙遜したが、こう続けた。「野球が好きでやれる、やらせてもらえることがどれだけありがたいか。そういうことを選手がみんな少しでも感じてくれたら、それはそれで良かったと思う」。プロ野球選手であることの重みを選手たちによく話をしたという。鳴尾浜では 2回り近く年の離れた新人選手らとの交流は刺激にもなった。「僕もまた改めて見直すこともできましたし、すごくいい時間を過ごさせてもらってる」と、うなずいた。
5回裏、福留孝介外野手(中央)はボーア内野手(右)の「適時2塁打」で生還しナインに迎えられる=阪神鳴尾浜球場
現役続行への強い意志を持つ。「自分の中ではある程度決めている。別にユニホームを脱ぐという気持ちを持っているわけじゃない。元気に動けているので、どこかでまたチャンスがあれば。自分の人生なので、悔いを残して終わりたくない。チャレンジする気持ちをなくさないように。自分がまだまだと思っているうちは、挑戦し続けたいなと思います」。福留の野球人生は挑戦の連続だ。この先は険しい道が待っているが、戦いはまだ続く。
※ 10月30日の予告先発は、横浜DeNA・京山将弥投手(22)ー阪神・ジョー・ガンケル投手(28=ウェストチェスター大学)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
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多くの方と話をする中で、"楽しむからこそ実力が発揮できる"そして"笑うということには大きなパワーがある"ということを教えてもらいました。
これからの1年はグラウンドで苦しい時こそ笑って、楽しいときはもっと楽しく、でもしっかり勝つようなチームを作っていきます。
そして、僕たちが勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらい、思いっきり喜んでもらえるようなシーズンにすべく、「It's 勝笑 Time!オレがヤル」というスローガンにしました。
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