●東京都は30日、「新型コロナウイルス」の感染者が新たに 311人報告されたと明らかにした。11月の新規感染者は計9857人となり、月ごとの合計では 8月の8125人を1700人余り上回って過去最多を大幅に更新。入院患者の重症者も前日から 3人増の70人で緊急事態宣言解除後の最多。本格的な冬を前に悪化が鮮明となっている。累計は 4万 939人となった。
●菅義偉首相(71)は30日の参院本会議で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の抜本的な見直しに否定的な見解を重ねて示した。東京発着を含めた早急な再検討を求める野党に反論した。赤羽一嘉国土交通相(62)は「Go To トラベル」に関し、地方自治体の首長や観光業者から事業延長を求める声が出ていると紹介。感染拡大地域での対応は専門家の意見を踏まえて検討するとしつつ、継続に理解を求めた。加藤勝信官房長官(65)は記者会見で具体的な動きについて明言を避けたが、首相の「身内」からも政府の対策に懐疑的な意見が漏れ始めている。25日の分科会後、首相の助言役の内閣官房参与を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長(74)はくぎを刺した。感染再拡大を止めるため、菅氏の柔軟な対応が求められている。
●自民党の下村博文政調会長(66)は30日、首相官邸で菅義偉首相と会談し、党でまとめた追加経済対策の提言を手渡した。提言は来年のゴールデンウイーク(GW)直後ごろまでの観光需要を喚起できるように「Go To トラベル」の期間延長や、国土強靱(きょうじん)化の推進を求めた。政府は12月上旬に対策を取りまとめ、裏付けとなる「2020年度第3次補正予算案」を閣議決定する。提言は対策に党の意見を反映させる狙いがある。政府はトラベル事業を来年 1月末までを目安に続ける方針。ただ、足元で感染が再拡大しており、事業が感染を広げる一因になっているとの批判もある。
●北海道医師会などは30日、医療崩壊が始まっているとして国の需要喚起策「Go To キャンペーン」を北海道全域で見直すことを求め、要望書を道に提出した。キャンペーンの観光分野「トラベル」では、札幌到着分を12月15日まで対象から除外、出発分についても利用の自粛を呼びかけている。
●千葉県の森田健作知事(70)は30日、臨時記者会見を開き、「新型コロナウイルス」の感染が拡大している県北西部の一部地域を対象に、12月 2日から22日まで、飲食店での酒類提供を午後10時までとするよう要請した。県によると、飲食店での酒類提供時間の短縮要請は、 6月12日に解除して以来となる。
●自民党の今井絵理子参院議員(37)は30日に行われた参院本会議で、手話を交えながら「令和元年度決算」に関する内容について質問した。黒いスーツ、マスク姿で質問に立った今井氏。自己紹介から手話を使い、菅政権で初めての決算審議に臨む菅義偉首相に抱負を尋ねた。少子化問題にも言及。菅首相の見解をただした。第 2次安倍政権では、内閣府の防災担当の政務官を務めた。その当時、被災地を訪れた際の経験を踏まえながら、障がい者や女性に寄り添った政策が必要だとも、訴えた。最後には謝意を述べ、しめくくった。場内からは拍手が起きた。今井氏は人気ダンスグループ「SPEED」のメンバーとして活躍。長男は先天性難聴で、プロレスラーデビューを目指している。
●日没後の路上に妖怪影絵が投影される鳥取県境港市の観光スポット「水木しげるロード」で30日夕、クリスマス仕様の試験点灯があった。サンタクロースの帽子をかぶり、ケーキを運ぶねこ娘など 8種類の絵柄が、赤や緑の照明と共に浮かび上がった。本点灯は12月 1日から27日まで。絵柄はいずれも境港市出身の漫画家、故水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクター。今年は「新型コロナウイルス感染症」の終息を願い、疫病をはらうとされる妖怪「アマビエ」など 3種の図柄も既にお目見えしており、「疫病退散」の文字と共に明滅していた。
●加藤勝信官房長官は30日の記者会見で、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の実物大の動く模型が12月から横浜市の山下ふ頭で展示されることに関し、観光需要や地域活性化につながると期待を示した。
●「宇宙航空研究開発機構」(JAXA)は11月30日、小型惑星探査機「はやぶさ2」が順調に地球へ向けて接近を続け、 6日に分離させたカプセルをオーストラリア南部ウーメラの砂漠地帯に落下させると発表した。カプセルは 5日午後 2時30分ごろ、高度22万キロで探査機と分離され、 6日午前 2時28~29分ごろに高度 120キロの大気圏に突入、同 2時47分~57分ごろに着地する予定だ。
記事をまとめてみました。
東京都は30日、「新型コロナウイルス」の感染者が新たに 311人報告されたと明らかにした。11月の新規感染者は計9857人となり、月ごとの合計では 8月の8125人を1700人余り上回って過去最多を大幅に更新。入院患者の重症者も前日から 3人増の70人で緊急事態宣言解除後の最多。本格的な冬を前に悪化が鮮明となっている。累計は 4万 939人となった。
11月は 1日当たりの感染者数が27日に過去最多の 570人に達するなど、100月以前に 1回もなかった 500人台の日が計 5日間に上った。直近 7日間の平均は11月 1日時点の 169.3人から30日時点では418.3人へ 2.5倍近く上昇した。
菅義偉首相は30日の参院本会議で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の抜本的な見直しに否定的な見解を重ねて示した。事業が「新型コロナウイルス感染拡大」の主要因とする「証拠はない」とした専門家見解を持ち出し、東京発着を含めた早急な再検討を求める野党に反論した。
赤羽一嘉国土交通相は「Go To トラベル」に関し、地方自治体の首長や観光業者から事業延長を求める声が出ていると紹介。感染拡大地域での対応は専門家の意見を踏まえて検討するとしつつ「適切に事業を運用していく」と述べ、継続に理解を求めた。
今国会での首相の答弁機会は、この日の本会議が最後となる見通し。野党からは答弁姿勢への批判も相次いだが、首相は「受けた質問にきちんと答えるようにしてきた」とかわした。
立憲民主党の古賀之士、国民民主党会派で無所属の芳賀道也、共産党の山下芳生各氏への答弁。
参院本会議で答弁する菅義偉首相=30日午後 国会
菅義偉首相は11月30日の参院本会議で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の抜本的な見直しに否定的な見解を改めて示した。東京都ではこの日、新たに 311人の感染者が報告された。11月の新規感染者は計9857人となり過去最多を更新した。感染再拡大が止まらない中、東京のキャンペーン対象からの除外などの是非で政府と都の対立も収まらず混迷が続いている。
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菅氏は、参院本会議で野党から「Go To トラベル」の東京発着を含めた早急な見直しを求められると、事業が「新型コロナウイルス感染拡大」の主要因とする「証拠はない」とした専門家見解を持ち出し、反論した。本会議は2019年度決算を審議。今国会での首相の答弁機会はこの日が最後の見通しだ。
首相は「新型コロナの影響」で減収した病院への支援策を巡り、申請分のおよそ5割となる約6000億円を医療機関に届けたと強調。速やかな執行に向けて「田村憲久厚生労働相に厳しく指示し、全国の知事にも直接要請した」と述べた。
農林水産物・食品の輸出拡大に向けた関係閣僚会議であいさつする菅義偉首相。右から 2人目は野上農相=30日午後、首相官邸
赤羽一嘉国土交通相は「Go To トラベル」に関し、地方自治体の首長や観光業者から事業延長を求める声が出ていると紹介。感染拡大地域での対応は専門家の意見を踏まえて検討するとしつつ「適切に事業を運用していく」と理解を求めた。
専門家でつくる政府の「新型コロナ感染症対策分科会」(尾身茂会長)は25日、感染急増地域との往来を今後 3週間、なるべく控えるよう求める提言をまとめた。政府は札幌、大阪両市を目的地または出発地とする旅行を「Go To」の対象外とするにとどめている。一方で、東京都は除外対象となっていない。経済重視の政府は抜本的見直しに消極的で、都に実質的判断を委ねるが、都は国に主体性を持つよう要求するなど足並みが乱れたままだ。
加藤勝信官房長官は記者会見で「都と相互に、緊密に連携を図りたい」と具体的な動きについて明言を避けたが、首相の「身内」からも政府の対策に懐疑的な意見が漏れ始めている。25日の分科会後、首相の助言役の内閣官房参与を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「経済を回す施策は大事だが、今は違う。いったん止めないとまずい、という意味で見直しを提言している」とくぎを刺した。感染再拡大を止めるため、菅氏の柔軟な対応が求められている。
自民党の下村博文政調会長は30日、首相官邸で菅義偉首相と会談し、党でまとめた追加経済対策の提言を手渡した。提言は来年のゴールデンウイーク(GW)直後ごろまでの観光需要を喚起できるように「Go To トラベル」の期間延長や、国土強靱(きょうじん)化の推進を求めた。政府は12月上旬に対策を取りまとめ、裏付けとなる「2020年度第3次補正予算案」を閣議決定する。提言は対策に党の意見を反映させる狙いがある。
提出後、下村氏は記者団に「大型の『3次補正予算』を組んでほしいとお願いした」と述べ、20年 7~ 9月期の需給ギャップから算出される34兆円程度の需要不足を埋める対策を求めたことを明らかにした。菅氏は「国民の皆さんが安心してもらえるような補正予算を組む必要がある」と答えたが、具体的な予算規模への言及はなかったという。
政府はトラベル事業を来年 1月末までを目安に続ける方針。ただ、足元で感染が再拡大しており、事業が感染を広げる一因になっているとの批判もある。
北海道医師会などは30日、医療崩壊が始まっているとして国の需要喚起策「Go To キャンペーン」を北海道全域で見直すことを求め、要望書を道に提出した。
キャンペーンの観光分野「トラベル」では、札幌到着分を12月15日まで対象から除外、出発分についても利用の自粛を呼びかけている。
要望書は道内の11医療団体連名で「コロナ患者を受け入れる医療機関の医師・看護師などが不足している」と医療体制の逼迫を強調。「キャンペーン見直しを強く要望する」とした。
受け取った中野祐介副知事は「事業見直しは札幌市内の一時停止などを実施しており、国に必要な対応と支援も要請した。取り組みにご理解、ご協力をいただきたい」と述べるにとどめた。
千葉県の森田健作知事は30日、臨時記者会見を開き、「新型コロナウイルス」の感染が拡大している県北西部の一部地域を対象に、12月 2日から22日まで、飲食店での酒類提供を午後10時までとするよう要請した。また東京都や観光支援策「Go To トラベル」の対象除外地域など、感染が広がっている地域との往来もできるだけ控えるよう県民に求めた。
森田健作千葉県知事=県庁 (20年11月12日撮影)
酒類の提供時間短縮を要請する地域は、東京都に近い市川市や松戸市、船橋市など11市で、千葉市は含まれない。森田氏は飲食店の営業時間を制限しない理由を「千葉県は政府の指標の『ステージ3』には至っていない」と説明した。
県によると、飲食店での酒類提供時間の短縮要請は、 6月12日に解除して以来となる。
自民党の今井絵理子参院議員は30日に行われた参院本会議で、手話を交えながら「令和元年度決算」に関する内容について質問した。
黒いスーツ、マスク姿で質問に立った今井氏。「自由民主党の今井絵理子です」の自己紹介から手話を使い、菅政権で初めての決算審議に臨む菅義偉首相に抱負を尋ねた。
少子化問題にも言及。「子どもを生み、育てたいと望むすべての人の声に耳を傾け、寄り添える政府であるべき」として、菅首相の見解をただした。
第 2次安倍政権では、内閣府の防災担当の政務官を務めた。その当時、被災地を訪れた際の経験を踏まえながら、障がい者や女性に寄り添った政策が必要だとも、訴えた。
最後には「本日の質疑で手話に対するご理解をたまわった与野党すべての議員に心から感謝を申し上げたい」と謝意を述べ、しめくくった。場内からは拍手が起きた。
今井氏は人気ダンスグループ「SPEED」のメンバーとして活躍。長男は先天性難聴で、プロレスラーデビューを目指している。
参院議員の今井絵理子氏=国会前 (2016年 8月 1日撮影)
自民党の今井絵理子参院議員は30日、令和元年度決算に関する審議が行われた参院本会議で、手話を交えながら菅義偉首相や麻生太郎財務相に質問した。
参院によると、本会議での手話による質問は今回の今井氏が初めてだという。 黒いスーツ、マスク姿で演壇に立った今井氏。「自由民主党の今井絵理子です」の自己紹介から手話を使い、菅政権で初めての決算審議に臨む菅首相に抱負を尋ねた。少子化問題にも言及し「子どもを産み、育てたいと望むすべての人の声に耳を傾け、寄り添える政府であるべきだ」と述べ、首相の決意をただした。
第 2次安倍政権で、内閣府の防災担当の政務官を務めた。当時被災地を訪れた際の経験を踏まえ、障がい者や女性に寄り添った政策が必要だとも、訴えた。
質問は10分間。最後は「本日の質疑で手話に対するご理解をたまわった与野党すべての議員に心から感謝を申し上げたいと思います」と謝意を述べた。
今井氏の長男は先天性難聴で、今井氏は2016年の参院選出馬会見でも手話であいさつした。本会議後、取材に「マスクで口の動きが読めない」という声に応えたものだとし「少しでも国会の審議を丁寧に伝えたかった」と、話した。
投影されるサンタ帽をかぶってケーキを運ぶねこ娘の絵柄=30日夜、鳥取県境港市
日没後の路上に妖怪影絵が投影される鳥取県境港市の観光スポット「水木しげるロード」で30日夕、クリスマス仕様の試験点灯があった。サンタクロースの帽子をかぶり、ケーキを運ぶねこ娘など 8種類の絵柄が、赤や緑の照明と共に浮かび上がった。本点灯は12月 1日から27日まで。
投影される靴下をぶら下げて眠る目玉おやじの絵柄=30日夜、鳥取県境港市
絵柄はいずれも境港市出身の漫画家、故水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクター。靴下をぶら下げて眠る目玉おやじ、プレゼントの入った袋を担いで逃げるねずみ男などに、観光客らがほほえんでいた。
投影される疫病をはらうとされる妖怪「アマビエ」の絵柄=30日夜、鳥取県境港市
今年は「新型コロナウイルス感染症」の終息を願い、疫病をはらうとされる妖怪「アマビエ」など 3種の図柄も既にお目見えしており、「疫病退散」の文字と共に明滅していた。
友人と訪れた東京都墨田区の会社員、川合彩香さん(25)は「赤や緑の色合いにクリスマスを感じます」と話した。
「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」内覧会で公開された「動くガンダム」 ((C)創通・サンライズ)=30日午前、横浜・山下ふ頭
加藤勝信官房長官は30日の記者会見で、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の実物大の動く模型が12月から横浜市の山下ふ頭で展示されることに関し、観光需要や地域活性化につながると期待を示した。「『新型コロナウイルスの感染拡大防止』に努めながら取り組んでいただきたい」と述べた。
「民間企業などの創意工夫により、アニメとさまざまな技術を組み合わせる形で新たなエンターテインメントが生み出されることは大変歓迎すべきだ」とも語った。
津田雄一プロジェクトマネジャー (2019年 7月11日)
「宇宙航空研究開発機構」(JAXA)は11月30日、小型惑星探査機「はやぶさ2」が順調に地球へ向けて接近を続け、 6日に分離させたカプセルをオーストラリア南部ウーメラの砂漠地帯に落下させると発表した。
カプセルは 5日午後 2時30分ごろ、高度22万キロで探査機と分離され、 6日午前 2時28~29分ごろに高度 120キロの大気圏に突入、同 2時47分~57分ごろに着地する予定だ。「はやぶさ2」は精密軌道制御によって、予定通りの航行を続け、カプセルを大気圏半径10キロの突入目標に導く。「約 350万キロのかなたからプラスマイナス10キロを狙うのは、 1キロ先のテントウムシを狙うのと同じ」と、津田雄一プロジェクトマネジャーはピンポイント着地の成功に意気込んだ。