「第56回有馬記念」の追い切りが21日、栗東トレセンで行われた。史上 7頭目の 3冠馬となったオルフェーヴルは坂路で併せ馬。直前にパートナーが落馬するというアクシデントにも微動だにせず豪快な動きを披露、新怪物の進化は止まりそうにない。記事をまとめてみました。
注目のオルフェーヴルの追い切りは思わぬハプニングで幕を開けた。坂路コースに入った瞬間、パートナーのエアラフォン( 4歳オープン)が尻っぱねをして騎乗者が落馬。オルフェーヴルはその直後にいた。
3冠馬でなくてもヒヤッとするシーン。驚いて暴れてもおかしくないが、そこは幾多の試練を乗り越えてきた 3冠馬だ。動じることなく僚馬の態勢が整うのを待った。最大の課題といえるのが折り合い。それだけに精神面は大きなポイントとなる。池江師は「あそこでおとなしくできるんだからたいしたもの。精神面でも成長している」と予想外の出来事からも成長を感じ取っていた。
仕切り直しの併せ馬。ここでも貫禄を存分に示した。残り 200メートルから馬体を併せるとアッという間に前に出る。菊花賞で披露した一瞬の切れ。ラストにかけてはパートナーの必死の抵抗に遭ったが、抜かせはしない。ダービーで見せた勝負根性も健在だ。
4F51秒 7~ 1F12秒 3で半馬身先着。先週に続いて手綱を取った主戦の池添は「先週はちょっと掛かるところがあったけど、今週は大丈夫だった。息遣いもキャンターも言うことない。菊花賞よりさらに良くなっている印象。迫力も出てきた」と賛辞の言葉を並べた。競走馬としては遅生まれとなる 5月生まれ。秋を迎えての成長曲線は陣営の想像をも超えている。師は「秋 2戦は僕らが思っている以上に強くなっている」と驚きまじりに話した。
力強く坂路を駆け上がるオルフェーヴル(左)
古馬とは初対戦。しかも例年以上の豪華メンバーがそろった。それでも池添は「走ってみないことには分からないけど、簡単に 3冠は獲れない。だから 7頭しかいないんだと思う」とプライドをのぞかせた上で、最大のライバル・ブエナビスタの名前はあえて出さずにこう決意を表明した。
「ここで引退する馬もいる。負けたら(負けたと)言い続けられる」。有馬がラストランとなる名牝に負ければ、借りを返す機会は二度と訪れない。 3冠馬の名にかけて負けられない一戦。「 3冠馬の全能力を引き出せるように頑張る」と語る池添の表情には、それができるという確かな自信がにじんでいた。
今回は女王ブエナビスタなどの古馬と初対決を迎える。池江泰寿師は「 3冠以上の厳しいレースになるけど、乗り越えてくれるのでは」と期待を寄せていた。
坂路、オルフェーヴル(手前)は豪快な動きで先着
史上 78目の 3冠馬オルフェーヴル(牡 3歳、栗東・池江泰寿厩舎)が21日、有馬記念・GI(25日、中山・芝2500メートル)に向け、滋賀・栗東トレーニングセンターの坂路で追い切られた。主戦の池添を背に、シャープなフットワークを見せて 800メートル51秒 7の好時計をマーク。池添は「菊花賞より状態は上」と話し、GI・ 6勝牝馬ブエナビスタとの最初で最後の戦いへ自信を示した。
“ 4冠締め”が見えた。午前 7時、開門直後の坂路コース。オルフェーヴルは、前を行くエアラフォン( 4歳オープン)を目標に、力強い脚どりで進んだ。最初の 200メートルを14秒 0で入り、次のラップは13秒 3。鞍上の池添がゴーサインを出すと、“黄金”の馬体がしなり、標的をとらえにかかった。
トップスピードに乗った 600メートルまでのラップは12秒 1。最後に待ち受ける急傾斜でパートナーの抵抗を受けたが、ラストは12秒 3でまとめ、首差先着した。攻めて、攻め抜いて、 800メートル51秒 7の好時計。鞍上は、身震いするような手応えを感じていた。
「今年最後なので、お釣りを残さないようにやった。しっかりしていて、いい動き。先週同様、息遣いもキャンターもいい。菊花賞のあと、状態そのものは、さらに良くなった印象。迫力、雰囲気が出てきた」
女王の風格を漂わせ、現役最後の追い切りを行ったブエナビスタ。シャープな動きで好タイムをマークした=滋賀県栗東トレーニングセンター
誕生日は 5月14日で、競走馬としては遅生まれ。いま、成長期の真っただ中にいる。 3馬身差で圧勝した皐月賞。不良馬場も関係なく突き抜けたダービー。そして、 2馬身半差の圧勝で、世代最強を改めて示した菊花賞。それよりもさらに上の状態にあるという確信を持っている。
「菊花賞は強かった。簡単に 3冠は取ることができない。だから、今まで 7頭しかいない。でも、今回はチャンピオンじゃない。チャレンジャーの立場だから」
古馬と初対決。挑戦者であることを何度も強調したが、目指すのは勝利のみ。最初で最後の対決となるブエナビスタを、強烈にライバル視する。
「このまま、勝ち続けたい。今回で引退する馬もいるので、負けたら言い続けられる。強いメンバーの中で、オルフェの強さを見せたい」
頭に浮かぶのは、2009年にブエナビスタを差し切って優勝した全兄ドリームジャーニーだ。勝ったあとは、人目もはばからずに号泣した。逆に、昨年は13着。悔しさも味わった。自身を成長させてくれた馬の弟もまた、グランプリホースへと導くつもりでいる。
「もちろん、兄弟制覇は頭の中にはある。あの時のジャーニーは強かった。いい頃を知っているだけに、昨年は悔しかった。今年は弟で…。全能力を引き出せるように頑張りたい」
女傑ブエナビスタ、ドバイ・ワールドCで“世界一”となったヴィクトワールピサがいても、オルフェが一番強いと信じている。力さえ出し切れば、おのずと答えは出る。
虎ちゃんの推薦馬は、こいつら(赤文字)だ!どの馬にも頑張って欲しいですね。
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オルフェーヴル“落馬”動じず 4F51秒 7! 4冠確信!「第56回 有馬記念」追い切り…
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